1日(日)メインは岩手クラシック一冠目「第42回ダイヤモンドカップ」(水沢1600m)。ダイヤモンドCが1600mで行われたのは2019年から。パンプキンズが一冠目・東北優駿(岩手ダービー)に続いて二冠を獲得した。
翌年も岩手三冠を再構築。一冠目がダイヤモンドカップ、二冠目が東北優駿、三冠目・不来方賞の順に変更。クラシック開催時期も1ヵ月ほど早め、ダイヤモンドC=1600m、東北優駿(岩手ダービー)=2000m、不来方賞=2000mが舞台。一昨年のダイヤモンドカップはグランコージーが逃げ切り圧勝を決めたが、二冠目からフレッチャビアンカが雪辱。東北優駿、不来方賞の二冠を獲得し、さらには地方競馬全国交流・ダービーグランプリも優勝した。
昨年はリュウノシンゲンがダイヤモンドC、東北優駿を制覇。2歳時から重賞5連勝の破竹の進撃を続けた。残念ながら三冠目・不来方賞ではマツリダスティールに屈して3着。三冠獲得のハードルが高いことを証明した。
今年は三冠馬に最も近かったのがクロールキックだった。昨年、北海道代表で南部駒賞2着。直後に岩手転入して寒菊賞を圧勝。混戦2歳戦線に断を下したが、その後、南関東へ移籍。初戦は競走除外、2戦目は着外に終わって里帰り。トライアル・スプリングカップを4馬身差で圧勝し、実力の違いを見せつけた。
これでダイヤモンドCの主役確定かと思ったが、体調が思わしくなく退厩。態勢立て直しに専念する。その影響は大。今年は一転して主役不在の一戦となった。
グットクレンジングは北海道3戦1勝から高知へ移籍。2勝2着2回と連対100%を継続し、重賞・金の鞍賞でも0秒1差2着に惜敗。実力は折り紙つきだった。その後、南関東へ転籍。サルビア特別8着から岩手転入。初戦のスプリングカップはクロールキックには完敗だったが、2着確保。2ヵ月ぶりの実戦を問題にしなかった。
クロールキックが不在なら絶好の勝機。コイビトサンタ以外は勝負づけが済んだといっても過言ではなく、岩手一冠目を手にする。
サンエイブレーヴはデビュー2戦目を6馬身差で圧勝。これまで着外が一度もない安定感を誇り、重賞・若駒賞、知床賞でも3着。その反面、勝ち味に遅いのが最大ネックだった。
それが解消したのは舞台が水沢に移ってから。コース替わり初戦を完勝すると寒菊賞でも2着確保。今シーズン初戦も2番手キープから4角先頭で押し切った。
前走・スプリングカップではクロールキックの2番人気に支持されたが、伸びひと息で4着。シャープさが影をひそめてしまったが、今回のダイヤモンドカップで真価が問われる。
コイビトサンタは昨年終盤は3戦連続で着外に沈んだが、今季初戦3着から2連勝。前々走は逃げ切り圧勝、前走は最内枠で中団インの厳しい競馬だったが、それを問題にせず完勝。ひと皮むけたことをアピールした。勢いに乗って重賞でも勝利すれば本格化は疑いなし。
エイシンリュージュは北海道5戦2着4回、園田1勝2着4回の安定度が武器。転入戦のスプリングカップは7着だったが、自分の競馬ができなかったのも敗因。元々が先行粘りを身上とし、位置取りがカギを握る。
フォルエルドラドは門別2戦目、スタート直後に逆走して落馬中止。コイビトサンタと同じく去勢手術を施された。その効果は岩手入り後にはっきり。一度7着以外はオール3着以上と抜群の安定感。相手強化でも軽視できない。
◎⑦グットクレンジング
〇③サンエイブレーヴ
▲⑨コイビトサンタ
△⑥エイシンリュージュ
△④フォルエルドラド
<お奨めの1頭>
5R フルコース
今季2戦目から3戦連続で2着確保。メンバーが大幅に甘くなり、今度こそ首位を奪取する
4月24日に行われた古馬ダート短距離の重賞『栗駒賞』は4番人気ロックスピリットが優勝。自身初めての重賞挑戦で見事タイトルを射止めてみせました。
昨年までは夏のスプリント路線の位置づけにあった栗駒賞は今季は春に移動、古馬スプリント路線の開幕という位置になりました。メンバーも、昨年のこのレースの覇者タイセイブラストや昨年の岩手競馬最優秀短距離馬キラットダイヤなど好メンバー。それだけにロックスピリットが転入3戦目でここを制した価値は大きいものがあると言っていいでしょう。
ただ、例えば2着キラットダイヤはこれが昨年11月以来の休み明けだったように敗れた馬たちにとっても巻き返す余地は十分にありそう。この後の短距離路線が楽しみになる栗駒賞になったのではないでしょうか。
4月26日のメインレースは11レースのC1級ダート1400mの特別『駒形賞』。レース名となっている「駒形」は奥州市にある駒形神社に由来しています。陸中一宮(りくちゅういちのみや)として東北の歴史と共にあったというだけでなく、かつては駒形神社境内に一番最初に作られた水沢競馬場があり(※現在の水沢公園周辺)、岩手の競馬の歴史とも深い繋がりを持つ神社でもあります。街中にありながら境内は非常に静かな威厳のある空間です。競馬場からも近いですから皆様も是非一度立ち寄ってみてください。
このレースの本命は(8)ハナレイです。4月11日の前走が今季初戦となりましたが勝負所からは手綱を持ったままで後続を突き放す圧倒的な強さ。昨年秋の転入直後はB1級で、その前の門別・南関東時代にはB級上位~A級下位でも健闘していただけあってC2級ならこれくらい当然という余裕の勝利でした。
今回はC1級に昇級、それも特別戦となって額面通りに受け取れば大幅な相手強化になるわけですが、そんな実績のこの馬であればむしろ互角かそれ以上。ひとつ心配があるとすれば天候が崩れる予報になっている点、雨馬場になって展開に紛れが生じないか?ですが、この馬自身は極端な不良馬場でなければ対応できるとみていい戦績ですし、少々の雨なら先行タイプのこの馬にとって有利な部分も増す事になるでしょう。
対抗は(4)フェザーノユメ。昨年終盤はちょっと苦戦が続きましたがC2降級の今季は3戦2勝2着1回と勢いを取り戻しました。昨年はマイルで苦戦した印象もあったので引き続き1400m戦は好材料、少しくらいの雨ならば小柄な馬だけに好都合になるのでは。
三番手に(5)シェノン。昨シーズンの走りあるいは勝った前走を見る限り高い地力を持つのは明白。ただちょっとアテにしづらい面があります。差し届く馬場に変われば戦いやすくなるでしょうが、その辺を含めて単穴、一発あっておかしくないけれど・・・の評価。
△はまず(10)キールカーディナル。岩手での走りを見る限りマイルは少し期待値が下がり、手頃なのはやはり1400mでしょう。(3)ノーブルプリンセスは左回りの方が安定している印象も距離は1400mの方が良さそう。右回りの水沢にしても二走前・三走前くらいやれるなら大きな心配はいらないのでは。
●11Rの買い目
馬単(8)=(4)、(8)=(5)、(8)→(10)、(8)→(3)
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先週17日に行われた"GRANDAME-JAPAN2022"3歳シーズン・留守杯日高賞トライアル「第47回あやめ賞」は高松亮騎手が騎乗したマルルットゥが快勝した。
高松亮騎手「ゲートで落ち着きがなくて少し遅れましたが、結果的には思っていたポジションを取ることができました。向こう正面の手応えが良かったし、3コーナーで息を入れることができたのも勝因だったと思います。直線では一瞬、置かれましたが、最後また頑張ってくれた。2歳時に比べて体つきが良くなっていますし、一戦ごとに成長しているのを実感します」
続いて佐藤雅彦調教師「昨年までは弱い面もありましたが、いろんな経験を積んだことが実になっていると思います。前走、スプリングカップも使ったことも、このあやめ賞につながりましたね。今日は1400mを勝ちましたが、マイル以上の距離が合う。ジョッキーがうまく乗ってくれました。今回の勝利で権利を獲得できましたから、次走は留守杯日高賞へ直行します」
マルルットゥは昨年10戦1勝。芝ダート重賞へも3度挑戦し、今季2戦目2着から牡馬重賞・スプリングカップへ駒を進めて5着。佐藤雅彦調教師のコメントどおり、いろんな経験が今回の重賞初制覇につながった。マルルットゥとはフランス語で"愛しい人"。今後の活躍にも注目してほしい。
25日メインはA級「山吹特別」(水沢1600m)。条件は三組だが、今後のオープン戦線にも影響するメンバーが顔をそろえた。
ドラセナは休み明け初戦、B1級へ降格して0秒7差で完勝。地力の違いを見せつけてA級へ復帰したが、2戦連続2着。前々走はスタートで後手を踏んだのが痛く、前走は勝った相手が強すぎた。
今回はメンバーも手頃になり、大外なら自分の競馬ができるのは確実。きっちり勝利をモノにし、今後に弾みをつけたいところだろう。
リョウランヒーローは中央ダート中距離で4勝。3勝クラスに在籍し、南関東へトレードされたが、4着が最高。岩手に新天地を求めてきた。初戦はスタートであおったため後方からの競馬。スパートをかけてからの伸びはマズマズだったが、前半のロスが大きかった。コース2度目で巻き返しに転じる。
ラムセスバローズは中央ダート芝でそれぞれ1勝。ニュージーランドトロフィーに挑戦した。昨年1月、南関東へ移籍して1勝2着2回3着1回。3走前の川崎B2戦を快勝した。7歳馬ながらレースキャリアは浅く、伸びしろは十分ありそう。
注目の岩手初戦となった。
イチネンセイは高知最終戦を勝って再転入。実戦を使われてきた強みも生かして快勝。以降も3、2着にまとめて衰えなしをアピールした。ここでもマークが欠かせない。
ウインアライバルは園田から再転入。好走が盛岡に集中していたが、初戦で出遅れながらも直線鋭く伸びて3着。水沢克服のメドが立った。
ツーエムアリエスは南関東3戦から里帰り。すんなり逃げの手に出れれば持ち味の粘りを発揮できる。
◎⑪ドラセナ
〇②リョウランヒーロー
▲⑧ラムセスバローズ
△⑩イチネンセイ
△⑦ウインアライバル
△⑥ツーエムアリエス
<お奨めの1頭>
10R モンサンルリアン
初戦2着から2連勝。C2では地力の違いを見せつけた。今回はC1昇級戦だが、B1でも勝ち負けなら楽に突破
24日メインは水沢1400mを舞台に行われる「第34回栗駒賞」(M3)。創設当初はアラブ特別で行われ、2000年からサラブレッド短距離重賞へ移行。東日本交流で実施された。
その後、何度か変遷があり、開催時期、オープン特別となったこともあったが、2012年(第24回)から再度、重賞へ格上げ。2016年(第28回)から開催日が7月に移行。"クラスターカップへの道"岩鷲賞トライアルで実施され、ラブバレットが4連覇の偉業(第28回~第31回)を達成し、本番クラスターCでも毎年のように健闘した。
今年は4月に移行。2007年、2008年以来の4月実施となったが、トライアルが単独レースに替わった。それによって早池峰スーパースプリント、シアンモア記念へ路線が分かれる可能性大。この開催時期の移行で栗駒賞がどんな形に進化していくのか、興味深い。
中心はキラットダイヤにした。昨年、中央2勝クラスから転入。勝ち星2勝ともダート1000mでマークし、初戦は水沢1400m。初の距離にも戸惑った上、プラス17キロと大幅増。逃げてスティンライクビーの3着に敗れた。
続いて盛岡ダート1000mから水沢850m重賞に替わった早池峰スーパースプリントに駒を進めると2番手キープからあっさり抜け出して完勝。移籍2戦目で重賞タイトルを獲得した。
以降、岩鷲賞、ヴィーナススプリント(牝馬)、距離が1200mに短縮された絆カップと連戦連勝。重賞4連勝の快挙を果たし、最優秀短距離馬に選ばれた。
レース間隔も1ヵ月半、2ヵ月半、1ヵ月半と開きながらも狙った獲物は逃がさずの体(てい)。岩手競馬に新風を吹き込んだ。板垣吉則調教師「休み明けでも勝てる自信があった。最初は動きに堅いところがあったが、放牧から戻ってすばらしい動きになっていた」と絶賛した。今年もほぼ同じローテーションを歩むとのこと。栗駒賞を使って早池峰SSへ直行する。
今回は絆カップ以来、5ヵ月半ぶりの実戦。遠野馬の里で乗り込んできたそうだが、久々でもエンジン全開できるかどうかが最大の焦点。乗り込みは万全。距離と久々の不安はあるが、このメンバーならあっさり突破できると見た。
タイセイブラストは一昨年に盛岡ダート1400mのコースレコードを更新し、昨年は同条件で行われた栗駒賞を優勝。8歳にして初重賞を手にした。その後も準重賞・すずらん賞も制し、重賞・トウケイニセイ記念でも2着を確保。2年連続で活躍し続けた。
今シーズンは初戦3着、2戦目6着。年齢的な衰えも見え隠れするが、前開催を見送って栗駒賞へ照準ぴたり。過去もそうだったが、あまり連闘では結果が出ていない。1開催スキップし、栗駒賞2連覇を狙う。
スティンライクビーは2015年、中央未勝利から岩手入り。あっさり3連勝を飾り、再び中央入り。2勝をマークし、3勝クラスに在籍した。以降、全国を転籍して昨年から岩手へ在籍。3勝をあげ、今シーズンも2戦連続2着。10歳馬だが、衰えなしをアピールした。
ただ勝利はいずれも平場戦。重賞では昨栗駒賞4着最高が気になるが、順調であることが何よりも強み。2頭がもたつけばあっさりまで可能性がある。
ロックスピリットは中央0勝、金沢3勝、大井0勝、金沢2勝、高知6勝が過去履歴。転入戦は7着だったが、2戦目を3着にまとめた。好走要因は距離が1400mへ短縮されたこと。水沢コースにも慣れた。
ツルオカボルトは1400m未勝利だが、休み明けを叩かれた上積みを見込める。
◎④キラットダイヤ
〇③タイセイブラスト
▲⑦スティンライクビー
△⑩ロックスピリット
△②ツルオカボルト
<お奨めの1頭>
3R ユイノダンディズム
中央3戦未勝利から転入。昨年8月以来の実戦だが、能力検査で余力を残して好タイムをマーク。初戦からいける
4月17日に行われた留守杯日高賞トライアル・3歳牝馬の重賞『あやめ賞』。人気を集めたのは前走の転入初戦を快勝したボサノヴァでしたが、そのボサノヴァとの直線の攻防を制したのは4番人気マルルットゥ。6度目の重賞挑戦で嬉しい初タイトルを獲得しました。
昨年の2歳最優秀馬カクテルライトが主導権を奪った中で4番手あたりを進んだボサノヴァ。勝負所からのアテナやセイシーキングとの競り合いこそ乗りきったものの、粘るアテナをなかなか突き放せずに並んだまま。そこに迫って来たのがマルルットゥでした。出遅れ気味のスタートから向こう正面で捲り上げてきた同馬は4角で先行勢の直後に取り付くと、一完歩ごとに差を詰めてゴール目前でボサノヴァを捉え、鞍上のガッツポーズと共にゴールイン。4番人気とはいえ単勝オッズは25倍、その評価を覆す勝利となりました。
4月19日のメインレースは11レースです。B1級ダート1400mの特別『桜並木賞』。折りしも水沢競馬場の桜並木は満開を迎えており、そのレース名どおりに見事な桜並木を背景にした戦いを見る事ができそうです。
さてこのレースの本命は(7)ケイジースワローを狙ってみます。
10歳で迎えた今季ですがここまでの3戦、どちらかといえば先行馬に有利な馬場傾向の中差しタイプとして健闘してきています。勝った馬との差は大きめですしその「離されて敗れた相手」が複数いるのも確かですが、2着争いの中では接戦を演じてもいて決して大敗はしていません。末脚が活きる展開になれば馬場が少々深くても伸びてきますし距離も好相性。何よりこの春は好調。展開ひとつの怖さは十分にあると見ます。
対抗は(8)エクスポーネント。この馬の前走、3月22日の戦いでケイジースワローを1.5秒離して勝った馬です。昨季はA級でなかなか白星を増やせずにいましたがB1に降級した今季は連続して上位争い。かつての、13連続馬券圏内確保の安定度が蘇ってきました。距離短縮も好材料。前走同様の走りを見せて何ら不思議は無し。
再転入戦を快勝した(2)ゼットセントラルも争覇圏内。2019年秋にJRA未勝利から岩手に移籍して3連勝しJRAに戻っていた同馬は、そこでは勝ち星を挙げることこそできなかったものの勝馬から1秒圏内の走りを何度も演じており、むしろ地力は証明していたように思えます。前走は直線だけで2着以下を突き放す完勝。当日の馬場傾向的に強さがより際立った面はあるにしても現級通用は明白です。
以下、まず(5)ムーンフェアリーは昨秋頃から歯車が噛み合ってきた感。前走なども人気薄での好走の形ですが今の流れの良さを軽視するのは惜しい。(1)フィナルタは元々マイルは安定度が下がるタイプ。軽い馬場の方が良さそうで今週の馬場はこの馬向きでは無いでしょうが距離短縮での前進に注意しておきたいですね。
●11Rの買い目
馬単(7)=(8)、(7)=(2)、(8)=(2)、(7)→(5)、(7)→(1)
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