ちょっと古い話になるが、4月8日、名古屋市港区から弥富市に移転した名古屋競馬場のレースを画面越しだったが、観戦した。1周1180m。4コーナーからゴールまでの直線が240m。西日本では最も長い直線だという。
ただ、コースを見て思ったのは、ずいぶん内ラチから外ラチの距離があったこと。気になって調べてみたら新名古屋競馬場の幅員は、なんと30m。盛岡競馬場は1周ダート1600mで幅員は25m。大井競馬場も同じ25m。同じく門別競馬場、船橋競馬場、川崎競馬場も同じ25m。高知競馬場はちょっと特殊で幅員は22m~27m。
つまり新名古屋競馬場は地方競馬では最も広い幅員コースだった。しかも3コーナーから4コーナーにかけて船橋が採用するスパイラルコース。実際に話を聞いてはいないが、ジョッキーも非常に乗りやすいコースだと思う。
余談だが、日本一広いコースで知られる東京競馬場の芝幅員は31m~41m。ダートコースは幅員25m。最大出走可能頭数は16頭(ダートです)。
現時点での名古屋競馬場フルゲートは12頭だそうだが、単純な幅員規模では18頭も可能に違いない。名古屋競馬場さん、新競馬場は地方競馬で最も広い幅員もセールスポイントになると思いますよ。
18日メインは岩手県調騎会騎手部会協賛「夢・希望 未来へ前進」(B1級一組 水沢1600m)。実力伯仲のメンバーがそろい、馬券的にもおもしろい一戦となった。
本命はマイネルエメとした。一昨年4月、南関東C1から転入。最下級C2編入にも恵まれて9勝を荒稼ぎ。一気にオープン入りを果たし、A級でも勝利を飾った。冬場は南関東2戦を使って5、9着から再転入。さすがにオープンでは楽はさせてもらえず、1勝2着1回3着1回が最高だったが、今季はB1級へ降格。
4ヵ月半ぶりの実戦がネックとなり、4番人気に甘んじたが、パドックの気配上々。馬体重もマイナス6キロときっちり絞れて、毛ヅヤも良好。あっさり好位抜け出しを決め、好発進を決めた。
今回はメンバーは骨っぽくなったが、前走パフォーマンスを素直に信じる手。2連勝を飾ってA級復帰へまい進する。
タニオブスカイは昨年3月、南関東C1から転入。初戦は5ヵ月ぶりの実戦に加え、プラス12キロと太め残りも影響して7着に終わったが、ひと叩きされて動きが一変。本来の馬体重に戻り、2着に4馬身差をつけて圧勝。以降も毎回のように勝ち負けを演じ、4勝2着4回の好成績を収めた。
残念だったのは9月のB1・盛岡戦を完勝後、再び脚部不安が発生。休養を余儀なくされ、3月に復帰したが、プラス26キロと大幅増。A級戦もきつく8着にとどまった。
しかし一戦のみで降格した上、昨年同様、ひと叩きされて反応が一変。当日の馬体重次第だが、絞れてくれば首位を奪回するシーンまで十分考えられる。
ピースワンパルフェも前走は5ヵ月ぶりの実戦だったが、タニオブスカイに先着5着。休み休みの実戦ながら、これまで14戦6勝2着3回。まだ伸びしろがあるのも確実。ベストは強気の先行策から押し切るレース。こちらも叩かれた変わり身を見込める。
ザイオンも南関東C1から転入後、夏場に3ヵ月の休養をはさんで破竹の6連勝をマークした。ここ3戦は入着止まりだが、堅実な差し脚は健在。ここでもマークが欠かせない。
ヒカルマドンナは昨年C2からB級へ昇格したが、逃げ切り2連勝。前走は3着に敗れたが、ペース落ち着けば反撃可能。
ウインルーカスは出遅れが気になるが、前走、豪快なまくりで快勝。これで弾みがついた。
◎④マイネルエメ
〇⑨タニオブスカイ
▲⑦ピースワンパルフェ
△③ザイオン
△⑩ヒカルマドンナ
△⑥ウインルーカス
<お奨めの1頭>
7R コイビトサンタ
前走、圧巻の逃げ切りを決めて圧勝。気性難を抱え、セン馬にもなったが、ひと冬を越して本格化を迎えた
2022年度の第1回水沢(6日間)が終了。当然だが、今後も変化はあるだろうが、3歳、古馬戦線の大筋が見えてきた。
3歳牡馬はクロールキックがスプリングカップ圧勝で一歩も二歩もリード。同じ水沢1600mを舞台に行われる一冠目・ダイヤモンドカップの最有力候補となった。大物転入がない限り、クロールキックの中心は動かないだろう。
一方、古馬戦線の第一弾重賞・赤松杯は中央3勝クラスから転入マイネルアストリアが優勝。過去3勝は新潟、船橋、そして盛岡と左回りで勝ち星3勝をマーク。小回り右回り水沢コースを克服したのは収穫だった。
ただ、ヴァケーションの内容にも一目置けた。勝負どころの3~4コーナー中間でマイネルアストリアに交わされ、脚いろが鈍くなったが、直線で盛り返してクビ差まで肉薄。昨年8月以来の実戦、プラス19キロと大幅な体重増だったことを考えれば、さすがJpnIホースと唸らせるもの。畠山信一調教師「今回はこの状態でどこまでやれるか。試走でもあったが、収穫多い一戦となった」とコメント。
マイネルアストリアは直線でとぼけるシーンがあったにせよ、ゴールまで一完歩ごとに肉薄。陣営は次走・シアンモア記念への手応えを十分つかんだに違いない。ヴァケーションの動向に注目してほしい。
17日メインは留守杯日高賞トライアル「第47回あやめ賞」(水沢1400m)。昨年はゴールデンヒーラーがぶっつけで臨み、貫禄の逃げ切り勝ち。その後、牡馬三冠へ挑戦し、3歳クラシック戦線を盛り上げた。
今年のヒロインを演じるのはボサノヴァ。デビュー3戦目の門別1200mを勝ち上がり、2歳9月に金沢へ移籍。2勝2着3回3着1回とすべて馬券対象を果たして重賞・シンデレラカップを快勝。ほかに金沢プリンセスカップ、金沢ヤングチャンピオン2着。笠松・ライデンリーダー記念3着と安定した成績を残し、今年3月に転入。2ヵ月半ぶりの実戦を問題にせず、4馬身差で逃げ切った。
父がノボジャック、母ピオニエトウショウ(父デュランダル)は中央ダート1400m以下3勝。今後は距離対応が課題となるだろうが、前走はマイル戦をあっさりクリアー。今回は距離が1400mへ短縮され、好走条件がそろった印象。逃げにこだわるタイプでもなく、重賞2勝目に王手をかけた。
マルルットゥは昨年1勝2着2回。芝ダート重賞へも積極的にトライし続けた。今季初戦は5着に終わったが、2戦目にボサノヴァの2着確保。スローに落とされたものの、直線勝負に賭けて自力で台頭した。できればハイペースが理想だが、前走、牡馬重賞・スプリングカップへ挑戦して5着。この経験も今回に生きてくる。
アテナは北海道1勝、南関東1勝から転入。3歳B2編入にも恵まれたが、好位追走からあっさり抜け出して完勝した。単純な実績比較ではボサノヴァ、カクテルライトに劣らず、相手強化でも勝ち負けに持ち込める。
カクテルライトは評価に迷った。全馬が一度でもレースを使われているのに対し、今季初出走。ボサノヴァのスピードも一目置け、展開もカギを握るが、門別新馬戦を勝ったようにテッポーがきくタイプ。さらに1400mも快速を生かせる条件と見ればあっさりまで。
サンティラムックは昨年9月、芝1000mのデビュー戦を快勝。また昨最終戦、今季初戦と連続3着。ダートも問題ないことを証明した。マルルットゥとはタイム差なし3着。ひと叩きされた良化度を考えれば怖い存在となる。
グラフィアスレディは今季初戦で鋭い末脚で2着に突っ込んだ。ハイペースなら2着争いに参加できる。
◎⑨ボサノヴァ
〇②マルルットゥ
▲⑥アテナ
△③カクテルライト
△⑪サンティラムック
△⑩グラフィアスレディ
<お奨めの1頭>
5R ベルシャダンディ
休み明けを叩かれて反応が一変。前走の強さが際立っていた。これで上昇ムードにも乗り、連勝のお膳立てが整った。
4月10日に行われたシアンモア記念トライアルの重賞『赤松杯』は転入初戦のマイネルアストリアが優勝。この春の古馬戦線の主役候補として名乗りを上げました。
ハナを奪った2番人気マツリダスティール、それを追った4番人気ヴァケーションを前に見る3番手で進んだマイネルアストリア。「自分のスタートが良ければハナに・・・と思っていたが他の馬が速かった。だったら並んで競る競馬をやってみようと(山本聡哉騎手)」、3角過ぎに前の馬に馬体を併せて行ったマイネルアストリア。いったんは競り勝ったヴァケーションが最後盛り返してきて差を詰められる形にはなりましたがクビ差凌ぎ切ってゴール。自身初の重賞タイトルを転入初戦のレースで獲得しました。
4月12日のメインレースは11レースの『若草特別』、A級三組ダート1600mの特別戦。このレースの本命は(3)ドラセナです。
この春初戦の3月11日はB1級戦で完勝、続く3月27日のA級二組戦は2着に敗れた同馬。これだけを見ると昇級で苦戦したかに思えますが、昨年は9月の転入初戦でA級二組戦を勝利、
11月の重賞絆カップでは4着に食い込むなどA級で通用する力量を備えていることは証明済み。前走はあくまでも展開のアヤによる2着と見るべきでしょう。
その昨年はマイルだと少し長いかなという印象もありましたが、昨今の走りを見る限りでは水沢ではマイルの方がじっくり動ける分戦いやすそう。相手が手薄になった感のあるここは前走の分も取り戻したいところです。
対抗は(8)ジョリヴィサージュを採ります。昨夏の転入時はC1級、そこから勝ち星を重ねて冬にはA級にあがったのだから実力はしっかりしたものがある馬です。6着だった前走はあくまでも休み明け初戦、真価を発揮するのはこれから。
三番手は(7)ケルヴィンサイド。この春は二戦して5着・5着。ですが勝ち馬との差は1.2秒→0.9秒とこの馬なりの前進を感じさせます。好調度では差が無いでしょうし、高速すぎずパワーも要求される馬場はこの馬の味方になるでしょう。
ヒモはまず(1)タイセイビルダー。前走は4番人気7着の結果でしたが、同じレースで戦っていた◎同様展開か馬場傾向かが影響した面はあったでしょう。岩手二戦目で変化に期待。(5)ヤマニンティエルナにはこの辺のクラスの1400mはちょっと忙しかった感。より手堅く動けるマイルならもっと違う結果があっていいはずです。
●11Rの買い目
馬単(3)=(8)、(3)=(7)、(3)→(1)、(3)→(5)
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先週3日、開幕初日を飾る3歳重賞「第47回スプリングカップ」は1番人気クロールキックが4馬身差で完勝した。
レースはクリアウェーブが先手を主張し、2番手にグットクレンジング、3番手外にサンエイブレーヴ。最内1番枠に入ったクロールキックは内に包まれてきゅうくつな競馬を強いられたが、鞍上・山本聡哉騎手はじっくり待機。
3コーナー過ぎにグットクレンジングが先頭に立ち、サンエイブレーヴもプレッシャーをかける。そこで馬群がばらけるとクロールキックが一気にスパート。直線で粘るグットクレンジングをあっさりと交わし、最後は余裕でゴール。寒菊賞に続いて重賞2勝目を手に入れた。
山本聡哉騎手「スタートが速ければ自分で行こうかと思っていたが、想像以上に遅くて。ですが、前にも乗った事がある馬なのでどんな力があるか、どんな脚があるかも分かっていましたからね。あとは遠征帰りでどんな反応をしてくれるかでしたが、手応えが良かったので安心して乗っていることができました。次戦以降の手応えがつかめたと思います」
次走は岩手クラシック一冠目・ダイヤモンドカップへ直行すると千葉幸喜調教師。前半は行き脚がつかずヒヤッとさせたが、結果的に地力の違いを見せつけたクロールキック。一冠目制覇の可能性が非常に高くなった。
11日メインはA級一組「卯月(うづき)特別」(水沢1600m)。一線級は前日の赤松杯に駒を進め、転入馬が3頭。見解は転入馬優位に立っていると踏んだ。
マイネルフラップはデビュー2戦目の中京芝1600m戦を快勝し、暮の阪神芝1600m・千両賞で2勝目をマーク。シンザン記念でも2着を確保した。以降はオープンに在籍して勝ち星をあげることができなかったが、昨年3月、大阪城ステークス(阪神芝1800m)で3着に健闘した。
最大焦点は初のダート戦。一貫して芝路線を歩み、なおかつパワーが要求される地方ダート。果たして対応できるかどうかがネックだが、母マイネエレーナは中央芝ダートそれぞれ1勝から南関東へトレード。5勝をマークし、重賞・埼玉新聞栄冠賞を優勝。JpnIII・スパーキングレディ―カップでも3着を確保。なおかつ母父ロージズインメイは岩手ダートとの相性抜群。ダート未経験でも難なくクリアーできると判断した。
モレッキはデビューが3歳5月まで遅れたが、新潟芝1600m戦を快勝。ただ順調に使うことができず、6歳5月にダートへ路線変更。2戦目の東京ダート1600m戦で2勝目をマークした。以降も2着2回3着1回。潜在能力の高さをアピールした。
今回は6ヵ月休養を経て岩手入り。久々のハンデを抱えていても十分通用する実績。能力検査も受けて、ほぼ態勢が整ったと見ていいと思う。
パンプキンズは昨年も自慢のスピードで3勝マーク。直線入り口まで逃げの手が打てれば再加速。今回の4番枠ならハナを奪えるのはほぼ確実。あとは後続のマーク次第ではあっさりまで考えられる。
スカイサーベルは昨年3月から快調に飛ばして圧巻の3連勝。終盤は息切れした印象もあったが、春競馬に絶対の自信を持っている。ほかの有力馬が休み明けのため不安点があり、順調度で首位を奪回する可能性も十分。
ファイントリックはゴールデンヒーラー相手にOROオータムティアラを圧勝。昨年同時期は仕上がり途上の印象で結果もひと息だったが、馬体に張りがあれば好勝負に持ち込める。
ジェイケイブラックは堅実さが身上。本質的には叩き良化型だが、ここなら馬券対象になる。
◎⑦マイネルフラップ
〇⑩モレッキ
▲④パンプキンズ
△①スカイサーベル
△⑥ファイントリック
△⑤ジェイケイブラック
<お奨めの1頭>
1R プチョヘンザ
ひと叩きされた前走2着で上昇ムードは明らか。タイムでも抜けており、順当に勝機を迎えた
新シーズン開幕から2週目に突入。10日メインは今年、1着賞金が1000万円に倍増したシアンモア記念トライアル「第47回赤松杯」(水沢1600m)。エンパイアペガサスが引退し、今季の主役を占う重要な一戦となった。
昨年のシアンモア記念覇者ヒガシウィルウィンも岩手へ帰郷。もちろん同レースが目標だから、今年は非常にフレッシュなメンバー構成になるのは確実。各陣営とも赤松杯を勝って好発進を決めたいところだろう。
注目はヴァケーション。2019年の全日本2歳優駿を制し、前哨戦の平和賞も完勝。また名古屋交流・秋の鞍も勝ったビッグネーム。その秋の鞍以降は勝ち星から遠ざかり、岩手へ新天地を求めてきた。
今回は8月31日、スパーキングサマーカップ(川崎)以来、7ヵ月ぶりの実戦。久々のハンデは大きいが、能力検査を叩いて上昇確実。馬体重も472キロなら臨戦態勢は整ったと見ていいのではないか。
あくまでもシアンモア記念が目標。この赤松杯は陣営も手ごたえをつかむための試走だとは思うが、いうまでもなく実績断然。茨城の牧場でトレッドミルを使ってしっかり乗り込んだことも強調材料となる。果たして岩手競馬へ新風を吹き込むか、注目のレースとなった。
マツリダスティールは2歳時に最優秀ターフホースに選ばれ、翌年も芝路線を歩み、交流・せきれい賞でロードクエストの3着。その後はダートにシフトし、イーハトーブマイルを完勝。続く不来方賞では圧倒的な強さで逃げ切り、リュウノシンゲンの三冠を阻止。地元の期待を集めてダービーグランプリに挑戦したが、超ハイペースの流れがきつく失速13着に沈んだ。
続いて古馬A級ダート戦に駒を進め、エンパイアペガサスらを軽く一蹴。北上川大賞典で1番人気に支持されたが、エンパイアペガサスのプレッシャーが厳しく直線一杯。4秒4差6着に沈んだ。
これでシーズンを終え、今回は4ヵ月半ぶりに戦列復帰するが、久々でも乗り込み万全。焦点は昨年までの強い時と弱い時の落差が解消しているか。仮に他を圧倒するようならシアンモア記念でも最有力候補の1頭。ヒガシウィルウィンの最大ライバルになる可能性も十分ある。
リュウノセンターは南関東デビューし、通算12勝。6歳時には6連勝をマークし、A2級まで上り詰めた。今年2月、高知へ移籍して3着2回4着1回にとどまったが、南関東時の成績から通用して当然。上記2頭をまとめて負かすシーンまで。
ツクバクロオーは中央ダート3勝、高知6勝。2020年の重賞・福永洋一記念を優勝した。昨年暮、岩手へ転入してトウケイニセイ記念3着。この時は5ヵ月半の休養明け。今季初戦3着も3ヵ月半ぶりの実戦。ひと叩きされて良化は確実だろう。
マイネルアストリアは中央ダート1勝、船橋交流1勝。そして昨年の東京カップけやき賞(盛岡ダート1800m)を逃げ切り、3勝クラスに在籍。これまでの勝ち星すべてダート1800m戦。マイル対応と展開がネックだが、すんなりなら持ち味の粘りを発揮。
◎⑤ヴァケーション
〇④マツリダスティール
▲③リュウノセンター
△⑧ツクバクロオー
△⑨マイネルアストリア
<お奨めの1頭>
1R ブルートブロッサム
昨年6月以来の実戦だったが、逃げ粘って2着。上々の岩手スタートを切り、今度は首位を奪取する