4月3日の日曜日、2022年シーズンの岩手競馬が開幕しました。毎回書いているような気がしますが改めて触れますと、3月の開催は「2021年度」、この4月からの開催が「2022年度」。それゆえ今週からが"新シーズンのスタート"という事になります。
しかしながらその新シーズンの騎手リーディングや調教師リーディングといった記録類、あるいは競走馬たちの格付賞金等は3月開催から起算されていますし賞金・手当類も3月から新シーズンのものが適用されています。昨年から3月開催開幕が早くなった事もあって"新シーズン開幕感"は薄めですが(既に一ヶ月近く競馬をやっていましたからねえ)、何はともあれ新シーズン、JBCイヤーのスタート。あと7ヶ月ほどに迫った11月3日・JBCの日が楽しみです。
★2022シーズン最初の重賞・スプリングカップを制したのはクロールキック
4月5日のメインレースは11レースです。B2級ダート1400mの特別戦『エイプリルカップ』。本命は(11)エイシンハルニレです。
移籍しながら全国各地で戦っている同馬ですが、2019年の2歳時と2020年の3歳時に岩手で戦っており、3歳時にはオパールカップ・ハヤテスプリントの2つの重賞を制した実績を持っています。その後はしばらく勝ち星から遠ざかっていましたが、今年2月の名古屋で約1年7ヶ月ぶりの勝利を挙げると次戦2着、次々戦3着と連続して好走。その勢いをかっての岩手再々転入となりました。
しばらく勝ち星から遠ざかり・・・と書きましたが手頃な条件では健闘してきてもいました。今回はそんな"手頃"なB2級の1400m戦。これなら初戦からいきなり・・・のチャンスも十分にあると見ます。
対抗は(7)タイセイロワイヤル。この春にJRAから転入してきた馬ですが、JRA時代には地方競馬の交流戦にも積極的に遠征していただけあって直近2戦は勝てなかったまでも存在感十分の連続2着、経験値の豊富さを見せてくれました。逆にどんな条件がベストか?が見えづらい気はしますけども、さしあたり1400mが苦手という印象は受けない戦績ですし、ここでも近二走同様、いやそれ以上の成績を期待して良いでしょう。
三番手は(3)オークレイコートでどうでしょうか。二走前に1400mで敗れて、前走は1300mで勝って・・・というのを見ると1400mよりは1300mが良いのか?と思ってしまいますが、昨年12月に勝ったのは水沢1400m、一昨年の在籍時にも同じく水沢1400mで3着2回。むしろ好相性と言えるのでは。ならば前走で見せた差し脚もここ通用の計算に。
あとは(9)シルバーウェーブ、(4)ヒューリットをヒモ穴としてピックアップ。(9)はもともとマイルは苦戦しがち。1400mの方が手堅いですからいっそ前走を度外視してみるのが面白そう。(4)も前走は時計が速い1300m戦は流れが合わなかった可能性を考慮。距離が伸びれば戦いぶりも替わると見てみたいところです。
●11Rの買い目
馬単(11)=(7)、(11)=(3)、(11)=(9)、(11)→(4)、
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今回もJBC盛岡ネタを少々。今シーズンの岩手競馬はほぼ前年どおりの開催日程。再開した3月11日(金)から6月21(火)日まで水沢競馬場が舞台で、翌週26日(日)から11月22日(火)までぶっ通しで盛岡開催。27日(日)から再び水沢開催となる。
重賞レースもほぼ変わりないが、交流レースをメインに軒並み賞金アップ。特に11月3日(木)、JBCデーに盛岡芝の看板2レース、岩手県知事杯OROカップ、ジュニアグランプリ(2歳)も同日に実施される。
特筆は1着賞金。OROカップは昨年1000万円から何と3000万円。ジュニアグランプリは昨年400万円から2000万円、5倍増となった。JpnIII・マーキュリーカップ、クラスターカップも1着賞金が2300万円から2800万円に増額されたが、OROカップはそれを上回る賞金。これがJBC盛岡の気概と受け止めていいだろう。
高額賞金にいい馬が集まってくるのが競馬の常。おそらくだが、これらの賞金を目指し、大物転入馬の可能性も一気に高くなった。JBCはクラシック、スプリント、レディスクラシック、そして門別のJBC2歳優駿と4つのカテゴリーが行われるが、さらに芝2競走で地方芝の最強馬も決定。計6部門でチャンピオンホースが決定する。
4日メインは岩手県調騎会騎手部会協賛「夢・希望 未来へ前進」(B1級一組 水沢1600m)。
サンエイロードは長期休養をはさみながら南関東デビュー3連勝を飾った逸材。以降は勝利を飾ることができず、昨年、岩手へ新天地を求めて初戦のA級(盛岡ダート1600m)を快勝。久々の美酒を味わい、その後は3着、7着(絆カップ)、3着でシーズンを終了した。
今季はB1級へ降格したが、初戦は勝ったトミケンキルカスが強すぎて2着。しかし強豪抜けた前走、2番手追走から早め先頭。そのまま押し切り、格の違いをマザマザと見せつけた。今回も相手強化感はなく、連勝濃厚。勝機をしっかりモノにしてA級復帰を目指す。
ソルメンシスは昨年11月、南関東C1級から転入。初戦は3着だったが、現在、年をまたいで4戦連続で連対中。安定した取り口を披露している。前走もサンエイロードに0秒2差つけられたが、2着はしっかり確保した。この着差は久々の実戦も影響したと解釈すれば、流れ次第で逆転首位まで。
ホッコーフウガはダートで一時代を築いたホッコータルマエの全弟。流線形の兄に対し、弟はがっちりタイプ。あとは早め先頭に立つととぼけるクセがあるが、ひと叩きされて前走は2着に反撃。健在を誇示した。仮にペースが速くなれば突き抜ける可能性もある。
フィナルタは中央未勝利から南関東で4勝マーク。転入直前の川崎1500mは10着に終わったが、大外に入って自己ポジションを取れなかったのが凡走要因。理想は先行キープから抜け出しなら3番枠は願ってもない枠順となった。
ヘネラリーフェはC1級からB1級へジャンプアップした初戦を快勝。前走は4着止まりだったが、流れに乗れなかった印象。うまく好位につけることができれば反撃に転じる。
ナムラバンザイは今季2戦とも着外。未勝利の水沢もあると思うが、今回は攻め馬を強化。これが好走につながるかもしれない。
◎⑨サンエイロード
〇④ソルメンシス
▲⑦ホッコーフウガ
△③フィナルタ
△⑤ヘネラリーフェ
△⑥ナムラバンザイ
<お奨めの1頭>
3R マイネルキラメキ
転入2戦目をハイタイムで完勝。格上ぶりを存分に発揮した。メンバーは若干強化されたが、地力が一枚上は明らか
いよいよ2022年度の岩手競馬がスタートする。今年はJBCイヤー。JBC盛岡の開催は2002年、2014年に続いて通算3度目。詳細は後日、お伝えするが、開幕初日3日(日)メインの3歳重賞「第47回スプリングカップ」(水沢1600m)も岩手三冠、ダービーグランプリ、さらにはJBCへもつながる道。
特に昨年の2歳戦線は混戦を極めたため、スプリングカップは今シーズンの3歳戦線を占う重要な一戦。おそらく優勝馬が三冠路線の主役を演じる可能性が高い。昨年はリュウノシンゲンが圧勝し、そのまま5連勝を飾ってダイヤモンドカップ、東北優駿(岩手ダービー)の二冠を獲得した。さて今年はどの馬が好ダッシュを決めるか。
クロールキックは昨年10月、北海道1勝2着3回から交流・南部駒賞へ参戦。エイシンシュトルムには完敗だったが、2着確保。3着にもモリデンブラックが入り、北海道勢が上位を独占。岩手勢は大差4着でカクテルライトが最先着。地区レベルの差をマザマザと見せつけられた。
クロールキックはそのまま岩手入り。初戦の寒菊賞で岩手2歳を蹴散らし、4馬身差で圧勝した。続いて金杯にエントリーしたが、競馬取り止め。今度は南関東へ移籍したが、初戦の雲取賞で放馬のアクシデント。仕切り直しで大井・クラシックトライアルへ駒を進めたが、3番手から失速12着に終わり、岩手へ戻ってきた。
寒菊賞と同じパフォーマンスを見せることができれば順当に勝つと思うが、あとは南関東2戦のダメージが残っていないかどうか。追い切り2本を消化しているので問題ないはずだが、当日の馬体重、パドックの様子をしっかりチェックしてほしい。
グットクレンジングは昨年10月、北海道3戦1勝から高知へ移籍。4戦2勝2着2回と連対パーフェクトをキープし、重賞・金の鞍賞でもファーストリッキーの0秒1差2着。3番手インでレースを進め、4角先頭。最後の叩き合いで屈したが、最後まで渋太く粘っていた。
その後、大井へ移籍して3歳選抜・サルビア賞8着から転入。2ヵ月ぶりの実戦だが、十分に乗り込まれて態勢万全。逆転の可能性も十分ある。
サンエイブレーヴの挑戦も非常に楽しみだ。昨年、デビュー戦3着から2戦目を6馬身差で圧勝。以降も着外なし。重賞でも連続3着にまとめたが、勝てないレースの連続。リュウノガルシアにも後塵を拝したが、水沢に替わって完勝。寒菊賞でもクロールキックの2着を確保した。
冬場は牧場でしっかり乗り込まれて帰郷。その効果が初戦の内容にもハッキリ。2番手キープから4角で先頭に立ち、0秒4差で完勝。ひと冬を越してひと皮むけた印象を与えた。それが本物であるかは今回で明らかになる。昨年の覇者リュウノシンゲンの再現も期待できる。
リュウノガルシアは2歳重賞の常連。常にNo.2をキープしたが、終盤の水沢でサンエイブレーヴとの立場が逆転。前走も3着に終わって不本意な結果だったが、今回はブリンカー着用の予定。それでレースが集中できれば、まとめて負かせる能力を秘めている。
エイシンリュージュは北海道、園田で1勝2着8回。先行粘りを身上としてJRA条件交流でも連対実績を誇る。ただ近走の着差を見ても分かるが、1着馬から離されて入線。3月まで実戦を使われて態勢は問題ないだろうが、現状は押さえ程度に落ち着く。
◎①クロールキック
〇④グットクレンジング
▲⑨サンエイブレーヴ
△⑦リュウノガルシア
△⑧エイシンリュージュ
<お奨めの1頭>
3R ヴァルナ
前走2着だったが、勝ったコスモリモーネは元A級馬。相手が強かった。このメンバーなら首位を譲れない
3月29日のメインレースは11レースの『桃花特別』、A級一組ダート1600mの特別戦です。
早くも来週になりますが4月3日、岩手競馬の2022年の新しいシーズンがスタートします。開幕当日の3歳重賞スプリングカップを皮切りに、翌週10日は古馬マイルの赤松杯、17日は3歳牝馬のあやめ賞、そして24日は古馬短距離の栗駒賞と3歳・古馬それぞれの路線のトライアル戦も開幕と同時にスタート。3歳牡牝の三冠路線へ、あるいは古馬のシアンモア記念・みちのく大賞典へ、栄冠を目指す各馬の戦いも一気に盛り上がっていく事になります。
そしてこの間のA級特別戦や3歳A級戦にはそんな重賞戦線を狙う馬たちが次々登場してきています。この桃花特別にもこの先行われる古馬重賞で有力馬に数えられるだろう馬が多数おり、このレースの結果だけでなく先々につながるレースだったかどうか?にも注目しながら見ておきたいところです。
このレースの本命は(3)リリーモントルーとしました。
既に3月15日のA級特別「弥生特別」に出走し勝ち星を挙げているリリーモントルー。その時のレースは11日の春初戦では粘る先行勢をきっちり仕留める勝利を納めた同馬。先行馬がなかなか止まらないコース傾向の中、僅差とは言えきっちり差し切ったのはやはり地力の高さゆえと評価して良いでしょう。
一方でやはり休み明け初戦だった分、追ってからの反応がまだ本物ではなかったのも確かでした。昨年の転入初戦もそういう部分があったように思います。基本は叩き良化型なのかな・・・とは、過去の戦績からもそうなのでしょう。
しかしそんな昨年は、転入初戦が上がり3ハロン39秒で勝ったものが2戦目は同37秒9と反応が断然良くなっていました、今回も、叩き二戦目で同様の上昇を期待しましょう。(下写真 リリーモントルー/3月15日弥生特別優勝時)
対抗は(6)ツクバクロオー。昨年転入してきた同馬はトウケイニセイ記念の一戦のみでシーズン終了でしたが、その一戦でヒガシウィルウィンらに迫る走りを見せ力量の高さを感じさせました。再度の休み明けとなる今回、今季初戦の不利はあるにしても、元々そんなに詰めたローテーションは採らない馬です。初戦から力は出せる、むしろフレッシュな初戦こそ・・・と見るのが妥当では。
昨年の3歳牝馬戦線の中心的存在だった(8)ゴールデンヒーラーが三番手。岩手では初の古馬との対戦ですが昨年のクイーン賞で経験済み。この馬も使われて良くなるタイプに思えますから初戦のハンデは小さくないでしょうが、今年の古馬牝馬戦線の主役になり得る存在としてどんなレースを見せるか?に期待しつつ注目。
実績面では最右翼の(9)タイセイブラスト。前走時は脚の溜めどころがない忙しい展開に巻き込まれて持ち味を活かせませんでした。展開が極端に不利にさえならなければ、前走のような事はないはず。穴っぽく注意しておきたいのが(2)レールガンです。◎の6着だった前走ですが、本格的な差し馬であるこの馬にとっては馬場傾向等は味方ではなかった。それでも出走馬中2番目の上がりの脚を使って押し上げてきていたのですから(1番は勝ったリリーモントルー)着順の数字だけで軽視するのは禁物というもの。この馬も展開ひとつで・・・の警戒をしておきたいものです。
●11Rの買い目
馬単(3)=(6)、(3)=(8)、(3)→(9)、(3)→(2)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
前日に続いて山本聡哉騎手のネタです。元JRAジョッキーの佐藤哲三さんが興味深いことを話していた。佐賀遠征時、ほぼレースを見ていたといい、当初は佐賀のレーススタイルにとまどっていたかもしれない。しかし、徐々に佐賀スタイルにも慣れ、最終的に9勝。その経験が3月の岩手競馬にも生かされている―と。
確かに年をまたいで3連勝をマークしたアマルインジャズは昨最終戦は逃げ切りだったが、今季初戦(3月13日)は後方待機策からロングスパートを決めて完勝。2戦目(3月20日)は好位外を追走して4角先頭で1着。前半は無理をせず、3コーナーで射程圏に入れる戦法を採っていた。
佐賀競馬場は1周1100m。高低差1mとほぼ平坦コースで4コーナーからゴールまで直線200m。対して水沢競馬場は1周1200m、直線230mとほぼ同規格。もしかすると山本聡哉騎手は佐賀競馬場もイメージして乗っているかもしれない。いずれ話を聞いてみたいと思っている。
28日メインはオープン「スプリント特別」(水沢1400m)。その条件どおり1400m以下での好走が目立つメンバーが顔をそろえた。
サーティグランドは中央ダート1200m2勝、1150m1勝から名古屋5戦を経て昨年3月に岩手入り。5戦目の水沢1300mで待望の勝利を飾ったが、直後に戦線離脱。7ヵ月半の休養を余儀なくされ、姫路で復帰。しかし久々の実戦がこたえて2戦着外に沈み、再び転入。走り頃の叩き3戦目も後押しして外枠からハナを主張し、7馬身差で圧勝。幸先のいいスタートを切った。
メンバーは骨っぽくなったが、勢いに乗っているのは確かだし、外枠10番も前走で克服済み。連勝態勢に入ったと見ていいだろう。
コンサートドーレは北海道→岩手→大井→JRA→大井と転籍して昨年3月に再転入。2連勝をマークし、重賞・早池峰スーパースプリント(盛岡ダート1000m)を制した。続いて高知へ移籍して4戦1勝から再び岩手入り。3勝3着1回の成績で健在を誇示し、休み明けの前走も完勝した。
今回は5ヵ月ぶりの実戦となるが、休み明け2勝と久々を苦にしないタイプ。復帰戦を勝利で飾る可能性も十分ある。
スティンライクビーは昨年、南関東から再転入し3勝。好、凡走の落差が激しいが、自分の形に持ち込むと強じんな粘りを発揮する。前走はサーティグランドに離されたが、2着を死守してマズマズの滑り出し。中間に好時計をマークして首位奪回に燃える。
ロックスピリットは高知A級から転入。初戦は7着に終わったが、相手が強かった。それでもタイム差は0秒8。今度は過去4勝をあげている1400m戦。コース2度目で巻き返しに転じる。
ジョリヴィサージュは大井B3級から里帰りし、5勝2着2回と活躍。昨終盤戦のオープン・水沢1300mでも3着を確保した。今季初出走でもマークが欠かせない。
ジェドゥラシャンスは3歳時、1勝のみにとどまったが、昨年本格化。短距離をメインに6勝を荒稼ぎした。B1特別・ひいらぎ賞でジョリヴィサージュらを退けて完勝。まだ伸びしろが十分ある。
◎⑩サーティグランド
〇①コンサートドーレ
▲⑥スティンライクビー
△⑧ロックスピリット
△③ジョリヴィサージュ
△④ジェドゥラシャンス
<お奨めの1頭>
4R エイシンスレイマン
転入戦はもたつく場面もあったが、それでも完勝するのが実力の証。コース2度目、距離延長と連勝のお膳立てが整った