昨日に続いて南部杯の話。今年は10月上旬にダートグレードレースが集中。10月3日、シリウスステークス(阪神ダート2000m)。10月6日、白山大賞典(金沢2100m)。そして日本テレビ盃(船橋1800m)が例年より1週間ほどずれ込み、10月7日に実施。これほどの過密スケジュールはかつてなかった。
必然的に有力馬が分散し、各レースとも表現は悪いが、手薄なメンバー構成となった。また11月3日にはJBC・大井、さらにはチャンピオンズカップも控え、各陣営ともローテーションを慎重に検討している印象がはっきりうかがえる。
現在、JRAと地方競馬の格差は広がる一方だが、今回の過密スケジュールによって地元馬にも好走の可能性が出てきた。岩手ではナムラタイタンが上位を争う絶好チャンスとなった。
村上昌幸調教師「青藍賞後も順調に乗り込んでいますし、ひと叩きされた上積みもあります。
昨年はみちのく大賞典からぶっつけで臨みましたが、本音を言うと使いたくなかった。7分程度の仕上がりでしたからね。ただ、JBC盛岡開催を盛り上げるのが役目と腹を括りました。
結果、JBCはひと叩きされていい状態で使えましたが、GIホースが6頭。役者がそろい過ぎました。
今回のメンバーならソコソコの競馬ができると踏んでいます。中央時代からのファンも多いですからね。大舞台で好レースをお見せしたいと思っています」
村上昌幸調教師は電光掲示板が目標と謙遜して答えたが、展開次第では馬券対象にもなれると勝手に思っている。できれば良馬場を願いたい。
4日メインは白神賞(B1 盛岡ダート1400m)。毎回、B1特別は激戦区だが、今回は序列に迷いがなかった。主軸はシークロムで断然だろう。
シークロムは前走・イーハトーブマイルを快走。盛岡ダート1600mを1分37秒8の破格タイムで逃げ切った。
前のレースでB1・1600m戦が行われたが、勝ったコスモイフリートの走破タイムが1分38秒7。シークロムは0秒9上回り、すでにB1は楽々突破の時計だった。
今回の条件がB1を考えると相手有利は明らか。距離が1400m短縮もスピードタイプゆえ、むしろ望むところ。順当に勝利をモノにする。
ただ、不気味な存在がいる。ドナエテルニテだ。中央500万下から転入初戦の水沢1300mを逃げ切り、2戦目の牝馬重賞・ヴィーナススプリントでも果敢に逃げてタイム差なし2着に惜敗した。
盛岡は初めてだが、今の馬場は先行有利。特に1400m以下が顕著だけに枠差を利して逃げ切りのシーンまで。
エーシンプローストは名古屋、園田、佐賀、名古屋と転籍して8勝。笠松B級からの転入ならB1通用だが、岩手2戦とも着外。これは条件が合わなかったのも大きく、3勝2着3回の1400m戦で巻き返しに転じる。
ゼンノブショウは前走、果敢にハナを主張して0秒8差4着。この芸当ができれば通用のメドが立ったし、距離1400m短縮も好材料。大外を引いたのが痛かったが、自分の競馬ができれば連対の可能性も十分。
ニホンピロララバイは今季3戦目から連勝を飾り、健在を誇示したと思ったが、以降は尻すぼみ気味。3戦連続で着外が気になるが、コース問わず1400mがベストの舞台。距離適性は見逃せない。
マイネヴァイザーは展開がカギを握るが、スンナリなら粘り発揮。枠順に恵まれた。
◎(9)シークロム
〇(6)ドナエテルニテ
▲(10)エーシンプロースト
△(12)ゼンノブショウ
△(4)ニホンピロララバイ
△(3)マイネヴァイザー
<お奨めの1頭>
10R アフリカンブルー
岩手転入後、圧巻の8連勝中。いずれもワンサイドで決め、どこまで連勝を伸ばすか楽しみ