かつて隆盛を誇った小岩井農場がイギリスから輸入した大種牡馬シアンモアに敬意を表して創設されたのがシアンモア記念。
条件が2000mから1600m。盛岡、水沢と舞台が替わり、2006年から全国の地方競馬に門戸を開放。過去9年は遠征馬が6勝、地元岩手3勝だが、特にここ5年は遠征馬が4勝。昨年はナムラタイタンが圧勝し、5年ぶりに地元に凱歌をもたらした。
そのナムラタイタンはトライアル・赤松杯をハイタイムで完勝したが、脚に熱が出たため無理せず自重。すでに引き運動は始まっており、じっくり復帰を待ちたいところ。
ナムラタイタンが出走なら主軸は不動だったが、一転して実力伯仲のメンバー構成。有力各馬にチャンスありのシアンモア記念となった。
主軸にフジノフェアリーを指名する。いわゆる晩成型で初勝利まで13戦も要した。しかし敗戦を糧に着実に地力アップ。通算12勝をマークし、A2下でも2勝。近走さらにパワー倍増した印象さえある。
不安点は南関東以外で走ったことがなく、必然的に平たんコースのみ。直線に坂がある盛岡対応と初の長距離輸送をどうクリアーするか、が最大の焦点。
とは言え12勝のうち9勝が1600m戦とマイルがベスト。鞍上に金沢・吉原寛人騎手を指名し、万全の態勢で臨む。
逆転筆頭はケイジータイタン。中央ダート4勝・1600万下に在籍。メイショウボーラーの代表産駒となった。
成績どおりムラな面が気になるが、転入後、アッサリ2連勝。特に前走はコミュニティとの競り合いを制し、勝負強さも見せた。展開的にも有利に運び、同厩ナムラタイタンの分まで期待がかかる。
ライズラインは岩手ダービー・ダイヤモンドカップ、不来方賞の2冠を制し、古馬も白嶺賞優勝で突破。
冬場に南関東へ移籍して3着確保。フジノフェアリー4着に先着したのが心強い材料。赤松杯は出遅れて内に包まれる不利がこたえて3着。大外はちょっと痛かったが、仮に出遅れても影響は少ないはず。
コミュニティは評価下がってしまったが、もちろん争覇圏内にいる。昨年大みそかの桐花賞で鮮やかなまくりを決めてナムラタイタンを一蹴。ついに妥当ナムラタイタンを果たした。
今季4、2着だが、一戦ごとに良化顕著。マイルの忙しい競馬に若干不安あるが、流れ速くなれば自慢の末脚をさく裂させるシーンまで。
カネトシディオスは中央芝5勝2着8回。重賞も5度挑戦した実績を誇る。ダートは今のところ結果を出していないが、南関東2戦は流れが合わなかった。ワンターンの盛岡で反撃に転じるか。
◎(11)フジノフェアリー
〇(7)ケイジータイタン
▲(12)ライズライン
△(4)コミュニティ
△(8)カネトシディオス
<お奨めの1頭>
7R デサフィナード
C2ではモノが違うとばかり2戦とも圧勝。今度の舞台は盛岡だが、左回りも経験豊富。追いかける一手だ