松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。
今回は期間限定騎乗のニュースから。
来たる6月2日(土)より、大井所属の上田健人騎手が岩手で期間限定騎乗を行います。岩手での所属は盛岡・小西重征厩舎、期間は9月17日までののべ47日間の予定となっています。
岩手での期間限定騎乗というとミスターピンク・内田利雄騎手や荒尾・牧野孝光騎手(引退)の例がありますがいずれも「大」を3つくらい付けなくてはならないベテランでした。しかし今回の上田騎手はデビュー4年目の21歳・通算286戦9勝(5月27日時点)の若手です。
岩手では最近まで期間限定で騎乗する騎手について「通算1000勝以上」「1年間に1人」というような制限を付けていました。しかし、岩手の騎手の、それも若手が中心になって各地で期間限定騎乗をしているような時代にいまさらそんな制限もないだろう・・・という事で、菅原勲騎手(現調教師)が騎手会長だったときに「無制限」にしたんですね。例えデビュー1年目・通算0勝の騎手だって、引き受けてくれる調教師さえあれば来る事ができる。という事で上田騎手は、ある意味"新制度第一号"でもあるわけです。
「とにかくレースの数を乗って身体で覚えないと上手くならない」とはベテランも若手も口を揃えて言う話。上田騎手の昨年の騎乗数は120という事ですが、うまくすれば岩手にいる3ヶ月半ほどだけで同じくらい、いやそれ以上乗る事ができるでしょう。上田騎手には岩手でがんばってほしいし、大井に帰った後に飛躍するきっかけにしてほしいですね。