毎年恒例の大晦日行事、岩手版グランプリレース「第37回桐花賞」(12月31日 水沢2000m)の投票結果が発表された。
堂々1位に選出されたのはゴールドマイン(1040票)。中間発表では3歳カミノヌヴォーに首位を譲ったが、見事逆転した。ロックハンドスターが南部杯で遠くに旅立ってしまったが、一貫して重特戦線をにぎわしてきたのがゴールドマイン。コスモバルク記念から始まり、岩手の看板レースにフル出場。重賞・青藍賞も快勝し、年間を通して活躍したのが評価されたと思う。
一方、カミノヌヴォーは33票差(1007票)の2位で選出された。南関東から再転入し、無傷の3連勝。3歳重賞・不来方賞、全国交流・ダービーグランプリを連勝して一躍注目の的となった。
今年の桐花賞テーマはズバリ、新旧交代なるか。ゴールドマインが先輩の意地を見せるか、それとも昨年のロックハンドスターに続いて9頭目の3歳優勝なるか。それともゴールドマインが一昨年に続いて桐花賞2度目の制覇なるか。それとも第3の馬が出現するのか。目が離せなくなった。
25日メインはB1級「銀嶺賞」(水沢1800m)。枠順、距離、ハンデなどが勝敗を左右しそうで一波乱の可能性も十分にある。
カギを握るのはオウシュウサンクスの評価だろう。前走、水沢戦は昨年11月、ダービーグランプリ以来、およそ11ヵ月半ぶり。ずっと盛岡が舞台で左回りの動きはスムーズだったが、右回りに替わって反応がひと息。久々の水沢にとまどわないか心配だったが、5馬身差で圧勝。陣営の不安は杞憂に終わった。
ただ水沢1800mの絶好枠が味方したとも解釈でき、それで水沢が大丈夫だとは言い難い。今回はよりによって大外10番枠からの発走。加えて58キロの酷量を背負わされて同様のパターンに持ち込めるかどうか。今季の活躍が目覚しい斎藤雄一騎手がどんなレースをするのか、注目したい。
本命はラブルビー。今年7月、中央から再転入して11戦10勝3着1回。調子の波が激しい牝馬にこの結果をもたらした今年開業したばかりの関本浩司調教師の手腕には頭が下がるばかりだ。
快進撃の裏付けは馬体重にも顕著に現れている。転入時が443キロで一貫して440キロ台をキープ。冬場を迎えて体が絞りづらくなっているが、それでも450キロを堅持。言うが易く行なうは難し。体調管理に細心の注意を払っていなければ、とてもできない。
ラブルビーはいわゆる箱型の体型で、おそらくベストは1600m以下。実際、レースでも折り合いに苦労する場面がままあり、1800mは気持ち長い印象。ひとまず4走前の盛岡・オクトーバーカップで距離を克服済みだが、水沢に替わってどうか。
常識的には小回りでコーナー入りが早く、折り合うのには楽なはず。何と言ってもこれまで残してきた実績がすばらしく距離もこなすと見た。
マイネルリファインは前走3着。水沢1800mに良績があり、久々を叩かれた上積みを見込んで◎としたが、一旦オウシュウサンクスに詰め寄りながら、直線で伸び切れなかった。
しかしこれで見限るのは早計だろう。レース内容を振り返れば、オウシュウサンクスを負かしに行って末が甘くなった印象。巻き返しの余地は十分にある。
テルザトゥルースは中央1勝、北海道1勝B1からの転入。活躍の場が短距離に限られていたが、1600m、1800mを無難にこなして2戦連続で2着。終いキッチリ伸びてくるのが最大のセールスポイント。
ただ過信できないのは前走2着を確保したとは言え、道中をインの経済コースを進んで一つでも着順をあげようとしていたこと。確認はしていないが、村上忍騎手は距離を意識しての騎乗。1800m戦で突き抜けれるか、不安点も多い。もちろん堅実な差し脚には敬意を表さなければならないが。
むしろ怖いのがアースグラヴィティ。8月、芝で岩手初勝利を飾ったが、その後は足踏み状態。体調も本物でなかったが、寒い季節を迎えて反撃。前走はこれまでとは一転、4番手の積極策から快勝、2勝目をあげた。
前に行っても勝ったことが最大の収穫。追い込み一辺倒では展開に注文がつくが、自力で勝てたことに不気味さが漂う。以上の馬たちとは別路線を歩み、相手強化は明らかだが、前走内容から首位に躍り出ても不思議はない。あとは目立たないが、思った以上に渋太さを披露するエプソムジャンボも押さえたい。
◎(6)ラブルビー
○(5)マイネルリファイン
▲(10)オウシュウサンクス
△(4)テルザトゥルース
△(9)アースグラヴィティ
△(7)エプソムジャンボ
3連単は5、6の2頭軸から10、4を厚めに。あとは9、7を3着押さえ
馬複は 5-6、6-10、4-6、6-9、6-7
<お奨めの1頭>
9R リュウノツバサ
前走はオープン・白嶺賞に強気挑戦し、4着に健闘した。自己の条件B2なら断然の主役を演じる