南部杯を見た、というはっきりした記憶があるのは第6回からです。JRAから競馬を覚えた私は当時はまだ“地方競馬初心者”。競馬新聞のトウケイニセイ一色ぶりに逆らって、わざわざトウケイニセイを外して買うような愚か者でした。
翌年は、ニセイは買ったもののサクラグットオーが抜け。しかしこの時にはもう、トウケイニセイの偉大さは十分に理解していました(いたつもり?)。
そして迎えた運命の第8回。95年の事です。当時は一競馬ファンだった私は水沢競馬場のゴールそばに立っていました。
場内の大混雑は今でもはっきり覚えています。ファンファーレが鳴り、ゲートが開くまでの高揚感も。
ですが、肝心のレースの記憶が、ほとんど無いのです。
次の記憶は、目の前をガッツポーズしながら駆け抜けていく石橋騎手の映像に飛んでいます。そしてその次の記憶は、競馬場を出て駐車場までの道程の、地面のアスファルト。
そしてもう一つは、それまでどんなレースでも感じた事がなかった、表現しようのない落胆。別に馬券で大勝負していたわけではない。ただ、ニセイに勝ってほしかった。
地方競馬というものを知ってわずか2、3年で私はすっかりトウケイニセイびいき、地方競馬びいきになっていました。
トウケイニセイが走った3度の南部杯。あれを見ていなければ、私は今ここにいなかったでしょう。
さあ、月曜はダートグレードレース「マイルチャンピオンシップ南部杯Jpn1」。砂のマイル王を決める戦いがやって来ました。
注目はやはりブルーコンコルド。南部杯史上3頭目の連覇達成、そして今年、史上初の3連覇に挑みます。果たしてそれがなるかどうか。トウケイニセイですら成し得なかった事を実現できるかどうか・・・。
私はできる、と見ました。本命は(14)ブルーコンコルドです。
かしわ記念以来というのは一昨年と同様。しかし今年ここまで2走のみ、というのは初めて。ローテーション的な不安は半々ですが、陣営はここまでの調整には自信を持っている模様。この馬が盛岡に現れるのはおそらくこれが最後。3連覇を決めて、岩手での有終を飾ってほしいと思います。
対抗は(3)ワイルドワンダー。昨年はブルーコンコルドのレースにされてしまって敗れましたが、今年は行く馬が複数いて去年のようにはならないでしょう。昨年の雪辱のチャンスも十分。不満といえば近走の成績で、3連勝で乗り込んで来た昨年に比べると今年は・・・という感じですが、しかしここまでのキャリアで4連敗はない。とすると今度は勝つ番か。
(6)メイショウバトラーも成績だけなら昨年の強さがないし、前走の負け方も不満。ですがこの馬、地方の左回りダート戦では一度も連を外した事がありません。また、距離も本来はマイル〜1800m位が良い馬。ベストの条件で変身あっていいはず。
(8)コンゴウリキシオーは逃げてどこまで?、ホームランでなければ三振というパターン。重賞勝ちの実績から押さえますが、正直言ってあまり強気には狙いたくないところ。
であれば岩手の2頭、(7)ソーユアフロスト・(10)トーホウライデンはどうでしょう。今勢いのある若手二人。馬の状態も決して悪くなく、むしろ「いい」と胸を張れる感じですから、勝ち負けとは言わないまでも掲示板の一角なら・・・。
●買い目
馬単(14)=(3)、(14)=(6)、(3)=(6)、(14)→(8)、(14)→(7)、(14)→(10)
◆お奨めこの一頭
2R:ヤマニンエレメント
距離延長目にせず3連勝。この勢いは止まらない。