5月12日 第33回あやめ賞(3歳牝馬オープン 水沢1600m)
(写真・佐藤到)
1着 マツリダワルツ
1周目4コーナー過ぎ、14秒前後のスローに落ちたこともあっていつもより前、中団直後につける。各馬が仕掛けたのは3コーナー手前からだったが、こちらはワンテンポ遅らせてスパート。「直線でインを突っ込むか、外を回るか一瞬迷ったが、大外は伸びるのでそこを選んだ」と南郷騎手がレース後に語ったが、今の馬場は最内と大外が伸びるので正解。
パラダイスフラワーが直線半ばで先頭に立ち、そのまま押し切ろうとするところマツリダワルツがゴール寸前で捕らえ、初の特別タイトルを手に入れた。
「この馬のペースで行かせたら中団からの競馬になった。必ずいい脚を使ってくれるのでそれを信じて3コーナーから追った。今回はプラス9キロで馬体もフックラしていたし、馬も落ち着いていた。距離が伸びてペースがゆったりしたのもこの馬には良かったのでは」と南郷騎手。
マツリダワルツは追ってバテないタイプなので距離延長は歓迎。次走・ひまわり賞は今回よりさらに100m伸びて1900mが舞台で、マツリダワルツには願ってもない条件となる。
2着 パラダイスフラワー
マツノメガミが何が何でも逃げる構えを見せたのでスッと2番手に控える。道中は折り合いもつき、いつでも交わせるポジションをキープしたが、3コーナーから満を持して追い出しても反応がひと息。最内で粘るマツノメガミをラスト50mで捕らえたが、大外強襲マツリダワルツに頭差交わされて連勝は2でストップしてしまった。
菜の花賞、日高賞といずれも逃げ切り勝ち。今回もその2戦と同じ1枠に入り、逃げ必至と思ったが、前回・日高賞後のコメントで「ズブくなっているので、できれば控える競馬をしたい」と小林騎手が語っていたので、この2番手はむしろ望むところだったに違いない。
ところが、いざ追い出したらもたついてマツノメガミを捕らえるのがやっと。「全然、行く気がない」と小林騎手。
3着 サクラアリエル
マツノメガミ、パラダイスフラワー、オーナーズスキャン、内にナイトタイム、その後ろにサクラアリエルがつける。先にサイレントステージが動いて、それを見てスパートをかけ、一旦パラダイスフラワーに並びかけたが、あと一押しが足りず今回も3着惜敗した。
「3、4コーナーでもっと前につけた方が良かったかも」と菅原勲騎手。
4着 マツノメガミ
絶対にハナを譲らない構えで逃げ、1周目スタンド前でスローに落とす。笠松時代も先に行ったケースがあったが、マイペースに持ち込んで直線でも渋太く粘る。これで今後のメドが立った。
5着 サイレントステージ
道中は4番手外につけ、3コーナー手前からスパート。その時の反応は良かったが、直線では伸び切れず5着に終わった。「ピークからだとマイナス20キロ。体重が減っているのでどうしても最後が甘くなる」(板垣騎手)
5月13日 第7回阿久利黒賞(3歳重賞 水沢1600m)
1着 セイントセーリング
ネバーオブライト、セイントセーリング両馬とも好スタートを切り、どちらが逃げるか注目だったが、1周目スタンド前でセイントセーリングがハナに立つ。「大外に入ったし、ネバーオブライトがいたので2番手の競馬も考えていたが、自分の方が若干リードしていたから、それならば逃げようと思った」(菅原勲騎手)。
ラップが速かったのは2ハロン目だけ。セイントセーリングが先手を取って以降はペースが落ち着き、気分良く逃げる。4コーナーでソードが差を詰めにかかったが、セイントセーリングは余力十分。直線で再び伸びて6馬身差の圧勝劇となった。
「この馬の力を信じて逃げることにした。その方がダートでは持ち味を生かせますからね。昨年に比べ馬体、精神両面で成長を感じます」と菅原勲騎手。
次開催をスキップし、岩手ダービー・ダイヤモンドカップ(6月10日)に直行すると鈴木七郎調教師。
2着 ハルサンヒコ
自分の競馬をすることに徹し、道中は中団インでジックリ待機策を取る。3コーナーから徐々にスパートをかけ、直線でもジワジワ伸びて2着を確保。鈴木七郎調教師のワン・ツー・フィニッシュで決着した。
「セイントセーリングとは力が一枚落ちるが、自身は確実に成長している」と板垣騎手。
3着 ネバーオブライト
当初は逃げるかと思ったが、スタンド前で2番手に控える。2コーナー過ぎから追いどおしだが、反応がひと息。「これは毎回のこと」と村松騎手は語っていたが、それにしても動きが鈍く、3コーナー過ぎでソードに交わされたが、直線ではひとまず盛り返す。それでも外から伸びてきたハルサンヒコ、ワクワクヨークンを差し返すまでには到らなかった。
もっと上昇度を期待したが、まだ体もゆるい印象。今後のことも考えれば無理に絞ることもないだろうが、もう少し反応の良さが見たかった。
4着 ソード
いつもは中団より後ろがマイポジションだったが、「前に行かせてみたかった」と村上忍騎手は考え、3番手外を追走。3コーナー、馬なりでネバーオブライトを交わして2着確保の勢いかと思ったが、直線では前半で脚を使った分、末が甘くなってしまった。