重賞「第32回早池峰賞」(水沢1400m オープン)
(写真・佐藤到)
1着 ヤマニンエグザルト
ハタノアドニスが果敢に逃げ、前半36秒台のハイペースを形成。前回同様、じっくり控える戦法を取ったが、「駒ケ岳賞(中団6、7番手を追走)とは違って反応が良かった」(板垣騎手)ため、向正面では早々と4番手インにつける。3コーナーでハタノアドニスが一杯となり、替わってオリエントボスが先頭。それを見てスパートをかけ、直線は最内コースを選び、オリエントボスが渋太く粘るところ、ラスト50mで交わして快勝。トライアル・駒ケ岳賞を含め3連勝を飾るとともに、待望の重賞タイトルを手に入れた。
「水沢は動きがひと息と聞いていたが、自分が乗るとこっち(水沢)の方がずっといい。ただ前回は追い出してからの反応が凄かったが、今回はちょっと物足りなかった。それでもしっかり勝ってくれましたから、この距離が合うんでしょうね」と板垣騎手。
昨シーズン(今年3月まで)は最下級C3スタートから13勝を荒稼ぎ。一気にオープンまで出世したが、今季は頭打ちのレースを繰り返し、駒ケ岳賞以前は平場戦の4勝のみに止まり、上限が見えたかに思えた。ところが駒ケ岳賞を強いレースで勝ち、続いて今回も連勝。おそらく1400mの距離も合ったと思うが、加えて父プレザントタップといえばタップダンスシチーが有名だが、その馬と同様、ここにきてさらにパワーアップしたと解釈したほうが適切。そう断言できるほど、ここ2戦の内容が際立っていた。
次走は適距離、守備範囲であるトウケイニセイ記念(水沢1600m)を使いたいと伊藤和調教師。
2着 オリエントボス
ハタノアドニスの逃げを見て2番手外を追走。ハイラップを刻んでいたが、楽に追走して3コーナーで先頭。その後も脚色は衰えなかったが、最後の最後でプラス8キロ(512キロ)がこたえて2着に敗れた。
理想は500キロを割る馬体重なのだが、想定外の512キロ。見た目にも腹回りが太く、ちょっと苦戦を強いられそうだと思ったが、何と渋太いこと。栗駒賞レコード勝ちでもそうだったが、この水沢1400m。そして速い時計勝負の馬場適性は抜群。できれば前に行く馬がもう少し粘っていれば、違った結果になったかもしれない。それほど内容的には文句なしだった。
3着 ダンディキング
1400mでは思ったほどスタートダッシュがきかず、1周目スタンド前はハタノアドニス、オリエントボスの間にはさまれてちょっと窮屈になったが、馬群がばらけた1コーナーでうまく3番手外に持ち出す。3コーナーでオリエントボスが動いたのと同時にスパートをかけたが、最後は伸び切れず3着に終わった。しかし控える競馬でも我慢できてこと、また初の一線級相手に上位入線を果たし、これで今後の見通しが非常に明るくなった。