4月4日から開催された川崎市制100周年記念桜花賞海老澤清杯(GIII)において自身3度目の記念優勝に輝いた嘉永泰斗選手(熊本113期)に喜びの声を伺いました。
大津:川崎記念(GIII)優勝おめでとうございます。
嘉永:ありがとうございます。
大津:通算3度目の記念優勝ですがお気持ちはいかがですか。
嘉永:3月は流れが悪かったので4月に入って1発目のレースで優勝出来て嬉しかったです。
大津:シリーズを迎えるにあたっての状態面はどうでしたか。
嘉永:状態はかなり良かったと思います。色々と元に戻したんです。そうしたら練習での感じも良くて、「なんかイケるなぁ。」って感じがありました。
大津:元に戻したっていうのは、3月の流れが悪かったことが原因なのでしょうか。
嘉永:それもありますし、練習自体がしっくりきてなかったんです。だから、どうしようかなぁと。シューズのサンだったりを良かった時のものに直してみたらそれがしっくりきたんです。
大津:ウィナーズカップ(GII)は失格もありましたが、初日のレースは強かったように感じました。
嘉永:レースはなんか悪くはないんですけど、練習の時の感覚ですかね。一年くらいしっくりきてなくて。レースは良いんだけど、練習はダメみたいな。
大津:それは感覚として気持ち悪そうですね。
嘉永:そうなんです。昔は練習してても良いなって思うときはあって、その時と何が違うんだろうって考えた時にサンとかを変えたなって、それで元に戻してみようって思いました。戻したら感覚的にバチっときました。
大津:初日は同県の先輩の松岡貴久選手(熊本90期)と見事ワンツーが決まりました。
嘉永:予選回りだったので無理してでも力でねじ伏せようって思って早めに仕掛けていきました。感覚としては2走目以降から良くなったと思います。
大津:松岡さんとも久しぶりの連携だったのではないですか。
嘉永:そうですね、久しぶりでした。松岡さんとは昔から相性が良いんですよ。とても走りやすいですし、ほとんど決まってるんじゃないですかね。
大津:練習も一緒にするのですか。
嘉永:練習は一緒じゃないですね。レースの時だけです。
大津:さきほどお話がありましたが、2走目も強いレースでしたね。
嘉永:新山さん(新山響平選手・青森107期)の上を捲っていったんですが、あのレースが一番手ごたえがありました。初日はちょっと自分のタイミングではなく無理やり仕掛けたんで重かったんです。新山さんの先行を捲れたのは自信になりました。
大津:そして準決勝戦ですがSNSでも嘉永選手の強さが話題になっていました。
嘉永:古性さん(古性優作選手・大阪100期)が3番手を取り切ったので、やっぱり上手いなぁと。古性さんの脚が溜まる前に仕掛けたらチャンスがあるかなって思って、あそこで仕掛けました。古性さんを乗り越えられたので良かったです。
大津:自分が行くべきタイミングで仕掛けられているというのがあるのでしょうか。
嘉永:それが間違いなく一番大きいです。「ここだ!」って時に身体が反応してくれたので、それが良かったです。
大津:今節は嘉永さんが優勝じゃないかという声も多く聞こえました。
嘉永:3日目が終わった段階で北井さん(北井佑季選手・神奈川119期)や眞杉(眞杉匠選手・栃木113期)が勝ち上がってなかったのでチャンスあるなとは正直思っていました。
大津:ただ、郡司選手(郡司浩平選手・神奈川99期)や古性選手、新山選手と決勝戦はメンバーが揃いました。
嘉永:逃げる人が新山さんで、郡司さんや古性さんは位置を取って捲るタイプなのでみんな新山さんの後ろが欲しくて動いて動いてのレースになるだろうから自分で先に動いて取れた位置から捲ろうって考えてました。
大津:新山選手の初手の位置はどう考えていましたか。
嘉永:いつもは前をとっての突っ張り先行ですが、決勝戦は位置をとっての捲る人が多かったので後ろ攻めのレースもあるなって思ってました。今年のいわき平記念(GIII)の決勝戦でも後ろ攻めだったので、そこを経験していた分、対策はしやすかったです。
大津:いわき平の決勝戦では「新山選手の後ろ攻めは意外だった。」って仰っていましたもんね。
嘉永:そうですね、その時は前を取っての突っ張りだと思ってました。けど、後々考えた時に他に先行屋がいない時は自分たちのように新山さんの後ろが欲しい人たちが勝手に動くので、そこを動かしてから行ったほうが良いなって新山さんも思ってんだろうなって感じました。だから川崎記念の決勝戦も同じようになるんじゃないかと。
大津:最後の勝負所はいかがでしたか。
嘉永:郡司さんと松本さん(松本貴治選手・愛媛111期)が前で絡んでいたので行くタイミングが出来ましたね。それがなかったら郡司さんも先に捲ってたでしょうから。
大津:佐藤慎太郎選手(福島78期)のブロックもありましたね。
嘉永:あそこは来るだろうなってのは分かってはいたのですが、やっぱり強烈でしたね。
大津:優勝した時はどんなお気持ちでしたか。
嘉永:素直にやったー!って感じです。
大津:レース後は松岡選手たちと打ち上げなどはされたのでしょうか。
嘉永:いや、僕はその日のうちに帰りました。川崎からだと帰れるので当日に家に着くように飛行機のチケットも予め取っておいたんです。
大津:帰ってからは直ぐに練習されたんですか。
嘉永:5月にはダービー(GI)が控えてますから。元々そっちに目標を置いて頑張っていたので直ぐに練習しました。
大津:良い状態でダービーを迎えられるのではないですか。
嘉永:川崎記念も終わってしっかりと練習も出来ているので楽しみです。
大津:ダービーは特選からのスタートです。
嘉永:これはかなり大きいですよね。予選よりアドバンテージがあるんで3着以内には入りたいですよね。
大津:日本選手権(GI)ではどこに目標をおきますか。
嘉永:まず準決勝戦ですね。そこに乗れたら決勝戦をって感じです。
大津:決勝戦に勝ち上がればタイトルも見えてきます。
嘉永:そうですね、それにダービーは賞金が大きいので優勝じゃなくてもグランプリへ向けて賞金面でもかなり違ってくると思うので頑張りたいですね。
大津:そしてダービーが終わりますと7月には熊本競輪場でのレースが再開されます。
嘉永:109期以降の選手はまだ地元を走れてないので、借り上げではなく本当の地元でお客さんの前で走るのが楽しみです。一発目の記念も獲りたいですし、熊本勢みんなで決勝の舞台に上がっていきたいですよね。
大津:来年には全日本選抜競輪(GI)の開催も決まりましたもんね。
嘉永:地元のGIで優勝出来たら最高ですよね。
大津:同期の眞杉選手が昨年はタイトルを獲りましたし、タイトルへの意識もより強くなったのではないですか。
嘉永:刺激になりますし目標になりますよね。「よし、一丁やってやろう。」って気持ちになります。
大津:ここから今年が終わるまでの目標を聞かせてください。
嘉永:GIの決勝に乗ってタイトル争い出来るようになりたいです。
大津:最後にオッズパークの会員の皆様にメッセージをお願いいたします。
嘉永:ダービーも控えていますし、今年は熊本競輪場も再開するので、もっと活躍出来るように頑張ります。応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / 大津尚之(おおつなおゆき)
ソフトな見た目と裏腹にパワフルで安定感のある重低音ボイスが魅力。
実況、ナレーション、インタビュー、俳優など活躍の場は多岐にわたる。
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今回は去る3月17日に決勝戦が行われました伊東温泉競輪GIIIナイター・≪令和6年能登半島地震復興支援 花と海といで湯賞 関西・大阪万博協賛≫で優勝した岩本俊介選手(千葉94期)にシリーズ4日間のお話をうかがいました。
大村:およそ2年ぶりとなるGIII優勝おめでとうございます。
岩本:ありがとうございます!
大村:好調を維持する岩本選手、直前の京王閣FIを3連勝で弾みをつけて前検日を迎えましたね。
岩本:中6日でしたのであまり調整はせず、いつも通りの練習量をこなしました。
大村:前検日のコメントは「普通の状態がずっと続いている。」とのことでした。岩本選手にとっての普通とはなんですか?
岩本:練習をきっちりとこなして、レースに臨める状態・戦える状態と思ってください。
大村:さて、初日特選の番組をご覧になっていかがでしたか。
岩本:初日は根田君(根田空史選手・千葉94期)といっしょでした。自分も自力型なんでその都度どうするか話すんですけど、根田はバック数も凄いし何度も付いてるので番手を回りました。
大村:同期同士で気心知れた連携ですね。
岩本:ええ!中村の(中村浩士選手・千葉79期)道場でお世話になっていて、根田君とは練習仲間でもあるんで(根田選手の)先行力に任せました。
大村:3番手は地元の岡村潤選手(静岡86期)でした。事前の作戦は?
岩本:もう根田の好きに走ってもらう、ただそれだけでした。初手も取れた位置からで...余計な注文はしませんでした。根田の仕掛けやすいタイミングで動いてくれればいいですから。
大村:展開は青板で小川真太郎選手(徳島107期)が中団で牽制しつつイン斬り、根田選手は赤板HSから上昇します。南関ラインの後ろには初手から単騎の谷口遼平選手(三重103期)がいました。
岩本:ダッシュ力のある谷口が追っていましたけど、まず道中で注意したのはインコースで粘られず出られるかでした。ラインが空中分解しないよう追走しました。
大村:小川選手の飛びつきを警戒しつつ・・・。
岩本:ええ。根田はそこも気を使ってくれて、僕と潤さんまで3人で出切れるようにうまく抑えてくれました。
大村:最終HSからは吉田拓矢選手(茨城107期)が捲りました。
岩本:初日の対戦メンバーの中では彼が一番縦脚があって思った以上のスピードで来ました。一度振ったんですけど止まりそうにないなと判断して被るより先に前に出ましたね。
大村:レース後は「吉田の捲りを一発で止める技術がほしい」旨コメントされました。
岩本:ええ。ただ難しい場面ですね。根田も脚を使って自分と潤さんをハイペースで引っ張っていたので止められたら最高でしたけど...難しかったです。申し訳ない!って思いながら番手から踏みました。
大村:二次予選は新村穣選手(神奈川119期)の番手を回ります。
岩本:新村の走りは見ていてとても積極的で自力で頑張っている南関の若手です。彼が「自分が前で頑張ります!」と言ってくれたのでこちらもしっかり付かせてもらう並びになりました。
大村:新村選手のレース運びはどうでしたか。
岩本:新村がちゃんとラインで決着がつくように落ち着いて仕掛けましたね。
なんとなくレースの流れを見ていて自分のトコロで粘れたら粘りたいだろうという選手が多かった中で、自分のタイミングを取って残り一周で前を叩いてペースを作りました。新村は強かったし上手でしたね。
大村:打鐘では川口聖二選手(岐阜103期)も5番手から発進。3コーナーは大外を回りました。
岩本:新村の気持ちが強かったですね。「絶対に主導権を取るんだ!」と。そういう気持ちがないと行くべき場所でも動けませんから。新村は行くと決めての気持ちをこちらも汲んで追いました。息の合った走りが出来たと思います。
大村:ゴールはワンツー決着でした。レース後の新村選手のコメントが「岩本さんを信じて一周半を全開でいきました!」でした。
岩本:嬉しいですね。そして流石だなと思いました。そういった気持ちを強く持って始めて自力型ですし、レース結果で応えられて良かったです。
大村:日程を折り返して3日目準決勝は自力戦、後ろは地元の岡村選手と萩原孝之選手(静岡80期)が固める並び順でした。そして岩本選手が走る前の10・11Rのどちらも波乱の決着でした。12Rのオッズはご覧になりましたか?
岩本:普段は締切り時刻を見ながら準備をしていてオッズはあまり気にしませんが、最終レースで地元勢が走るとなると何とかしてくれ!って番組です。その辺の人気は集まってるんだろうな、投票数が多いということは力を出し切って応えないといけない責任を感じるレースでした。
大村:レースは後方から谷和也選手(大阪115期)が先に動いて3番手の岩本選手を抑えました。
岩本:自分たちの初手の位置は中団から。(谷選手が)よっぽどやり合う気があればフタをしてくるだろう、これは想定した展開のひとつでした。抑えてきたらこちらは下げず行かせてすぐさま叩くのは作戦会議でも話してました。
大村:間髪入れず仕掛けて打鐘過ぎは叩いて3車で出ました。踏み出しと出切ってからのかかりがどちらも際立って見えました。感触はいかがでしたか。
岩本:潤さんと萩原さんの地元2人を背負った自力戦なので気持ちが入っていました。前を任されているので何とかしなきゃと思っていた。
感触はどちらも普段通りで、出切ってからも落ち着いていましたね。谷選手のスピードを超えることはイメージしていましたが、中近ラインが上がってすかさず行ったのは覚悟が決まっていたからです。気持ちが自転車を出しましたね。
大村:結果は見事に上位独占でした。レース後に連携した2人とは話しましたか。
岩本:潤さんと萩原さんとは何度も連携があるし、気心もしれてるので「今回も決まって良かったね。」って(笑)。特別なにか話はなかったかな?
大村:三日間を終えて修正点などありましたか?
岩本:前半の番手戦はどちらも前に付いているし、準決勝も行くべきところですかさず行ったし。南関の結束も示すレースが出来ているので修正点は特になかったです。
大村:いよいよ決勝戦です。並びはスムーズに決まったんでしょうか。
岩本:やっぱり静岡が3人揃ったので難しいところですね。道場(道場晃規選手・静岡117期)は前で頑張りたいだろうし、自分も自力選手なので静岡ラインの番手に入るのは潤さんと萩原さんがOKを出してくれないと無いですからね。
でも「準決勝でラインを連れて行ったから番手を回ってくれ」って岡村さんも萩原さんも言ってくれて決勝の並びになりました。
大村:スタートは岡村選手がとりました。雨谷選手(雨谷一樹選手・栃木96期)も出ましたが制して南関4車が初手は前段でした。
岩本:道場が一番前でやるからにはラインから優勝者を出すんだって気持ちが決まっていました。最初に川口選手がレースを動かしましたが(道場選手が)突っ張ってそのままペースを上げたのも気持ちが走りに出ていました。
大村:かなりハイペースに駆けましたね。
岩本:そうでした!おそらく自分(岩本選手)へ外から競りかけることもさせないペースに持っていったんでしょう。
大村:そして初日特選でも対戦した吉田選手が捲ります。いつやってくるのか...イメージはされていましたか。
岩本:初日のレースで吉田君のとてつもないスピードを体感していたので最終日に関してはもう少し余裕をもって出られましたね。
大村:吉田選手の捲りに対し波を作って牽制しましたね。
岩本:ええ、あれ実は岡村さんのアドバイスなんです!潤さんが「煽り、ウェーブを作るなら1コーナーでやったらいいよ。」って。レース中に、ここかなってタイミングで波を作りました。
大村:吉田選手の捲りと同じタイミングで岩本選手が二段発進しました。
岩本:レースは全て道場が支配してました。自分たちのラインから優勝者を出すんだって気持ちのハイペース先行は後ろの付いてる人たちもけっこうキツイ展開だったと思うんですよね。その中でも脚を溜めて合わせて出ましたけど...。
大村:映像で観る以上にタフなレースだった?
岩本:かなりハイピッチなハードなレースでした。道場があれだけ行ってくれて吉田もサラ脚での捲りならまだ来るはずなので、とにかく力を出し切らないと自分も岡村さんも優勝はない。ゴールをめざして全開でした!
大村:お客様の歓声は聞こえましたか。
岩本:レース中は夢中でもゴールした瞬間に歓声が聞こえましたよ。お客様の熱気が作ってくださる独特の雰囲気と緊張感の中で自分も競輪が出来ました。
大村:緊張感という話が出ました。今大会はウイナーズカップの裏開催で岩本選手は上位メンバーとして注目されていました。
岩本:どちらかというとチャンスがありそうな...ですが皆弱いわけではない。そして何よりも自力型として地元を任されてもいます。そういう意味ではしっかり役目を果たさなきゃなという責任感がある開催でしたね。
大村:まさに"気持ち"ですね。
岩本:そうですね。
大村:さて、優勝セレモニーのインタビューでは「動ける間は自力で」とコメントされていました。若手選手がどんどん育つ中での岩本選手のこれからの考えをうかがえますか。
岩本:番組が出て、新村や道場のような頑張ってる若手が「付いてください。」と言われれば付かせていただくけど、自分も自力でやってきてこれからもやっていくんだろうなと思うと複雑な心境です(笑)。
大村:今まで通りの自力戦とこれから増えるかもしれない番手戦の両立が求められそうです。
岩本:自力が出せるうちはラインの先頭で頑張る気持ちは昔から変わってないですが、それは頑張ってる南関の若い子たちも同じですから連携するときはワンツーできるようにと思っています。番手戦が増えるのはそういうポジション、自分も40歳ですから(笑)。それでも自分が自力を出せばラインとして決まる確率が高い番組なら前で頑張りますよ。
大村:今後に向けた課題やテーマ、また目標はありますか?
岩本:課題やテーマといってもこれからとてつもなく脚がつくわけじゃないですから(笑)。今まで通りしっかり練習して前検日に入ってレースでは自力を発揮する。力をしっかり出し切って結果を出すのが一番いいことですね。
目標については自分はどちらかというと逆の考え方というか...練習をきちんとして自力を出せば車が出てくれるというか。結果がおのずとついてきてくれるよう練習して自力を出そうってのが昔からの目標ですね(笑)。
大村:では最後に記事を読んでくださったオッズパーク会員の皆様と全国の岩本俊介ファンへメッセージをお願いします!
岩本:いつも暖かい応援をありがとうございます。おかげさまでいい結果が出ています。これからも自力を出して頑張りますので引き続きの暖かいご声援をよろしくお願いします!
大村:ありがとうございました。
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※インタビュー / 大村篤史(おおむらあつし)
2012年4月から小倉競輪場を中心にレース実況を担当。名前と同様の"熱い"実況スタイルでレースのダイナミズムを伝えることが信条。2022年7月からは小倉ミッドナイト競輪CS中継の二代目メインMCとしても出演中。
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今年に入ってからすでに3回優勝をしている太田美穂選手(三重112期)。昨年は全てのGIの出場権を獲得しましたが、秋に長期欠場があり『オールガールズクラシック(GI)』は出場が叶いませんでした。今年のオールガールズクラシック(GI)への思いと、妹・瑛美選手との関係性、また戦法へのこだわりも伺いました。
山口みのり:まずは4月の『オールガールズクラシック(GI)』について伺います。昨年は出場が決まっていましたが欠場になり残念でした。今年への思いはいかがですか?
太田美穂選手:今年に入って、柳原真緒選手(福井114期)、日野未来選手(奈良114期)、山原さくら選手(高知104期)、奥井迪選手(東京106期)と強い選手を相手に決勝で勝てているので、調子は良いと思います。GIでも仕掛けていきたいです。
山口:久留米は初めてですよね?
太田:はい、そうなんです。斡旋が入っていても毎回、直前で怪我をしてしまったり等、なかなか走る機会がなかったです。
山口:初めて走るバンクでのGIはいかがですか?
太田:400バンクは嫌いではないので頑張りたいです。
山口:予選の勝ち上がりも厳しいですよね。
太田:まだGIでは勝ち上がれたことがないので、なんとか上がりたいです。先日ガールズケイリンコレクションを優勝した坂口楓華選手(愛知112期)やナショナルチームメンバー、近況優勝をしている鈴木美教選手(静岡112期)、吉村早耶香選手(静岡112期)など同期が強い選手が多いので、追いつけるようにと思っています。
山口:昨年はすべてのGIの選考をクリアして出場権を得ました(オールガールズクラシック(GI)は欠場)。1年を振り返るといかがでしたか?
太田:初めてガールズにGIができた年に全てのGIの出場権を取れたのは良かったですし、これからも1つも落とせないのかなと思いました。でも出場するだけではだめだなと感じています。
山口:GIだとほとんどの選手が自力を持っています。同型がたくさんいる難しさは感じましたか?
太田:スタートけん制も入ることが多かったので、前を取らされて逃げる展開になった場合でも逃げ切れるような脚力をつけないとなと思いました。最近、Sを取りにいくレースをしているんですがそこから逃げ切るのはなかなか難しいです。でもやっていって、何でもできる選手になりたいです。
山口:捲りも決まるレースもありましたね。
太田:3月川崎の予選2では久しぶりに捲りがきれいに決まりました。それは良かったんですが、捲りで勝つとやっぱり自分の中でも気持ちが良いので、捲りばかりにならないように気を付けないとなと気を引きしめています。
でも展開次第では捲りも出せるように、ですね。GIはみんなが強いので何でもやっていかないと。
山口:戦法について「先行」のイメージが強いですが、こだわっていますか?
太田:師匠(萩原操さん・引退)に言われたのをきっかけに先行をやり始めたのですが、「先行」って一人しかできないんですよね。「捲り」や「差し」はその他全員ができますが先行はたった一人。それが格好良いなと思っています。
山口:では基本の考え方は、今も先行をメインになんですね。
太田:そうですね。臨機応変に捲りも、という感じです。
山口:太田選手は陸上から自転車への転身ということですが、苦労などは何かありましたか?
太田:陸上と自転車では脚の筋肉の使い方が全く違います。ゼロからのスタートだったので、師匠の教えが良かったから、そのおかげで強くなれたと思います。競輪学校(現・養成所)の時も成績は下から数えた方が早いくらいでしたが、卒業後には兄弟子が練習に付き合ってくれたのでここまで来られてとても感謝しています。
山口:地元の支えが大きいんですね。
太田:師匠もすごい方ですし、兄弟子もたくさんいてずっと今でも面倒を見てくれています。師匠は引退されて今はいないですが、兄弟子たちがいるので支えてもらっています。
山口:突然の引退でしたよね。
太田:そうですね。師匠がいない中でも強くあろうと頑張っていました。今もたまにお会いするのですが、師匠の中でも「無事で走れよ」と気にかけてくださっているようです。なので強くなるのが恩返しかなと思います。
山口:妹の瑛美選手(三重120期)も美穂選手を追いかけてガールズケイリンの世界へ入られましたね。
太田:はい。私が国体で落車し大怪我を負ったときには、妹は「自転車はやりたくない」と言っていたんですが、気づけば妹も自転車に乗っていました。実は妹は試験に一度落ちているんですが、それがあったから今の瑛美がいるんだと思います。悔しい思いをして強くなっているのでそれはそれで良かったのかなと。
山口:今も一緒に練習をしているんですか?
太田:はい、練習からバチバチやりあっていますよ(笑)0.02秒の僅かなタイム差でも一喜一憂して、本気で喜んだり悔しがっています(笑)
山口:姉妹だからこそ遠慮なくやれるんですね(笑)
太田:話し合って一緒に練習メニューを考えたり、そうやっているからこそGIも2人での出場が決まったと思うので良かったです。
山口:松戸は二人での出場は叶わなかったですが、次の久留米での活躍期待しています。
太田:頑張ります。
山口:姉妹で脚質は違いますか?
太田:妹の方がダッシュがあります。地脚がないわけではないと思うんですが、後は先行するぞという強い気持ちがあるかないかで、戦法も違うんでしょうね。私も勇気がなかった、自信がなかった時は全然先行ができませんでした。妹は練習はとても強いので、勇気を持って仕掛けていけばもっと強くなると思います。
山口:同期のお話も出ましたが、太田選手から見た同期はどんな選手たちですか?
太田:皆さんも知っているように強い選手が多いです。今はおいていかれていますが、食らいついていけるように今年は頑張って優勝もできていますが、同期のみんなも「決める時は決めてくる」ので、憧れという感情も持っています。
山口:そうなんですね。
太田:会話をしていても「レベルが高いな」と思うんです。グランプリに出場した選手もたくさんいるし。鈴木美教選手とは練習を一緒にする機会もあるんですが、やっぱり強いなと思います。
山口:気持ちから強い、というイメージですか?
太田:考え方も強いし、ペダルやチェーンなど、道具も一つ一つをこだわって、よく考えて使っているんだなと感じたこともありました。私は師匠から与えられたものを使っていたので、そこはだいぶ違うなと感じました。
山口:情報交換などで、自転車やセッティングの変化はありますか?
太田:フレームの種類などは今は良いものもあるのですが、私は背が低いので元のままでいこうと決めました。セッティング、車輪など様々な情報を交換したり相談したりした結果、やっぱり自分の乗りやすいのが一番だという結論です。
車輪に関しては先輩の舛井幹雄選手(三重71期)に組んでいただいています。自分の脚力などを判断して舛井さんも「それが良いよ」と言ってくれたので信頼してずっと乗っています。
山口:またまた周囲の方に支えられているんですね。
太田:はい、すごくありがたいです。
山口:それだけ周りの方も、太田選手が頑張っていると感じているんじゃないんでしょうか。
太田:舛井さんは、私が奥井選手と対戦して勝った時に連絡をくださったりレースも見てくれているのがすごく嬉しいので、やっぱり結果を出して恩返しをしたいですね。
山口:直近のレースを振り返りますと、先ほど太田選手からも話がありましたが3月福井、2月の佐世保の優勝は素晴らしかったです。仕掛けの迷いはなかったですか?
太田:福井は追加でいったんですが、もともと相性が良いバンクなのでしっかり仕掛けようとは思っていました。思い切って仕掛けて、突っ張りきって勝てたのは良かったです。
佐世保は初日、2日目をしっかり先行して2着1着と結果も出て、決勝も本音としては逃げたかったんですが、山原選手につっぱられたので一度休んでから、捲りに行きました。でも山原選手を捲れたのは初めてでした。
山口:太田選手は、山原選手のレースを見たのをきっかけにガールズケイリン選手を目指したという記事を見ました。
太田:そうなんです。松阪で山原選手のレースを見て「格好良いな」と思って選手になりたいと思ったんです。レースの展開は忘れてしまったんですが、とにかく山原選手のスピードがすごくて憧れました。山原選手にも直接伝えたこともあります。
山口:憧れの方に勝てたのは嬉しいですね。
太田:はい、自信にも繋がります。
山口:GIへ向けてはどんなところを高めていきたいですか?
太田:自分のレースをしっかりして、警戒される選手になりたいですね。先行をするにしても、前からの突っ張り先行、カマシ先行と戦法の幅を広げたいなと思います。
山口:ありがとうございます。
では少し話を変えます。SNSを拝見しているとレース後に選手同士で出かけたりされていますが、それがリフレッシュ方法ですか?
太田:そうですね。先日も春のセンバツ(甲子園)を見に行ったり、ディズニーランドに行ったりと遊ぶところはしっかり遊んで、練習はしっかりして、とオンとオフをしっかり切り替えてやっています。
山口:オフは外に遊びに行く方が好きですか?
太田:はい、その方が楽しいですね。
山口:レース後にそのまま近くのアミューズメントパークなどに遊びに行けるのは選手ならではですね。
太田:そうですね、遠征先でもうまく息抜きしています。
山口:ありがとうございます。ではそろそろまとめとさせてください。太田選手の走りはファンの方も多いと思いますがメッセージをお願いします。
太田:これからも「先行の太田美穂」と呼んでもらえるように頑張ります。
山口:先行といえば刈込奈那選手(千葉120期)へ練習着をプレゼントしたと拝見しました。
太田:彼女も先行で頑張っているし、私と同じように大怪我をして大変だったと思いますが、復帰して欲しかったので送りました。妹の同期でもあり仲良しなので、より頑張って欲しかったんです。
山口:太田選手の怪我も復帰まで大変だったと聞いています。今振り返るとどうだったんでしょう?
太田:「やめよう」とは思わなかったんですが、でも落ち込んだし、もう一度戻るにはたくさんリハビリや練習をしないといけないな、大変だなと感じました。それに自信もなくなりますね。
山口:そこからまた優勝やGIへ戻って来られたのは素晴らしいです。
太田:怪我から復帰してからの私は「結構強い」と思っています(笑)落車は誰でもしたくないですけど、そこから復活できたのは良かったと思います。
山口:ありがとうございます。それでは最後にオッズパーク会員の皆様へ、オールガールズクラシック(GI)への意気込みをお願いします。
太田:勝ち上がれるように、勇気を持って仕掛けられるように頑張ります。
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:公益財団法人 JKA
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124期の卒業記念クイーンとしてデビューした松井優佳選手(大阪124期)。注目を集める中でのここまでのレースの振り返りと、この後に行われる『ガールズフレッシュクイーン』へ向けての意気込みを中心に伺いました。
山口みのり:松井選手は自転車経験が長いそうですが、いつから始めたんですか?
松井優佳選手:初めて自転車に乗ったのは小学校4年生でトライアスロンを始めたときでした。私は走るのが遅かったのでそこまでトライアスロンは頑張ってはいなかったんですが、それをきっかけに自転車の大会に出るようになりました。
山口:プロフィールには、中学時代に自転車競技をしていたと記載がありましたが部活でやっていたんですか?
松井:いえ、トライアスロン教室で自転車をメインに、その時は水泳も走りもやっていました。
山口:ガールズケイリンとの出会いはいつ頃ですか?
松井:私が中学校1年生の時にガールズケイリンが復活し、京都向日町競輪場に見に行きました。そこでガールズケイリンと出会い、そこから存在はずっと知っていました。
山口:高校は自転車留学で、鹿児島へ行かれていたんですね。
松井:はい、下宿先もあり環境の整っている学校があったので、3年間鹿児島にいました。鹿児島は田舎なので、自転車以外なにもすることがなくて(笑)高校3年間はひたすら自転車を頑張っていました。
山口:そこからすぐプロの道へ、とはならなかったんですね。
松井:自転車へのやる気は高校3年間で全部出し切ってしまい、すぐプロへ行く覚悟がなかったんです。なので大学へ行って他の道も考えてみよう、それでも選手になりたいと思ったらまた目指そうと思って大学へ進学しました。
山口:大学時代は、どの辺りからプロを意識しましたか?
松井:1、2年生の時はほとんど自転車には乗っていませんでした。「このまま自転車をやめるかもな」と考えていた時期もあったんですが、3年生になる春休みにコロナ禍に突入しました。そんな中、鹿児島国体の開催が2020年に決定していたのを思い出し、そこへ向けて再度自転車の練習を再開し、国体で引退しようかなと鹿児島に戻り練習を始めました。でも結局は国体が延期になってしまい、自転車をやめるタイミングがなくなってしまいました。でもガールズケイリン選手になれば、延期になった鹿児島国体に出場できるかなと思い、選手になろうと思いました。
山口:お話を伺っていると、やめるタイミングを探していたように思えました。
松井:そうですね、鹿児島国体は高校時代から意識はしていたので延期になった時は「どうしよう」と思ったんですが、選手になれば同じ練習をしつつ職業としてお金を稼ぎながら鹿児島国体にも出られると、自分の中で「しっくりきた」ので、目指そうと思いました。
山口:いろんな選手になりたいと思う形があるんですね。では養成所時代はどんな意識で過ごしていましたか?
松井:プロになったら鹿児島国体で活躍できるかなと思って養成所に入ったんですが、養成所時代は毎日が練習でいっぱいいっぱいになってしまい、正直、鹿児島国体のことまで頭が回らないくらい練習に一生懸命でした。なのでどちらも中途半端にならないように、まずはプロの選手としてきちんとデビューできるように頑張ろうと練習をしていました。
山口:一旦、養成所の訓練に集中したんですね。
松井:はい。でも自転車に乗って練習をすることは、プロへ向けても鹿児島国体へ向けても一緒なので、競輪選手として強くなってデビューできれば、国体でも活躍できると切り替えていきました。
山口:卒業記念レースで完全優勝されたので、デビュー前から松井選手は注目されていたと思います。周りの反応やご自身の思いはどんな感じだったんですか?
松井:プレッシャーがありました。完全優勝は嬉しいんですが、それを達成したことが自分にとってプラスにならなかったかもしれません。
山口:自分の思った以上に注目されてしまったんでしょうか。
松井:そうですね。今までも大学でインカレ優勝やインターハイ優勝をしたことはあるんですが、卒業記念レースの件は、新聞に大きく掲載してもらったり注目のされ方が今までとレベルが違って驚きました。それでびっくりして荷が重かったですね。
山口:オッズにも反映されますもんね。
松井:デビューしてすぐでも、ルーキーシリーズの競走得点が高かったこともあり、私よりも強い選手が他にいるのに、私が人気になっていたりするとすごいプレッシャーがありました。
山口:そこで「絶対勝つんだ」ではなく「大丈夫かな......」と思うタイプなんですね。
松井:そうですね。「負けたらどうしよう」という思いが最初は強かったです。最近は少し吹っ切れて走れているんですが、最初はきつかったです。
山口:レース内容や戦法もその気持ちがあらわれていたんでしょうか、最初は捲りや追い込みが多かったですが、最近は先行が主体でのびのび走れていますか?
松井:そうですね。最近は脚を使って自分でレースを組み立てるのを意識しています。ただ点数はデビュー当時よりはだいぶ落としてしまいました。すぐに結果が出せないかもしれませんが、長い目で見た時には今の戦法の方が良いのかなと思います。
山口:トップの選手を見ると「強い自力」というのは意識するんでしょうか。
松井:石井寛子選手(東京104期)や小林莉子選手(東京102期)の自在でとても強い選手も、実際、自力で走ったらめちゃくちゃ強いと思うんです。うまく走るだけではこの世界ではやっていけないと思うので、まずは脚をしっかりつけて、今後は幅広い戦法で走れるようにしたいです。
山口:デビューしてからここまで決勝にはコンスタントにはのっていますが、ご自身ではどうですか?
松井:決勝には上がれているんですが、なかなか決勝で確定版(3着以内)や優勝が遠いですね。まずは、決勝で先行して3着以内にコンスタントに入れたらなと思います。
山口:持ち味はなんでしょうか?
松井:大学までは、先行ではなく自在の走りで成績を残してきたので、今のような戦法ではなかったです。自分の気持ちの中では「自在でうまく走りたい」という気持ちはあるんですが、それは後からいくらでもできるので今はしっかり脚力をつけていきたいです。
山口:意識の変化は何かきっかけがあったんですか?
松井:師匠(陶器一馬選手・大阪86期)には、実はデビュー当時から「先行した方が良い」とずっと言われていました。でもなかなか実行できずに、500回くらい言われて(笑)ようやく今、ちょっとだけできるレースが増えてきたかなと思います。
山口:内容面で厳しく指導いただいてるんですね。
松井:レースで1着を取るのも重要ですが、着が悪くても自分でレースを作った方が褒めてくれます。なので、今は自分でレースを作っていくことを目標にしています。
山口:近況では逃げて確定版というのも増えていますよね。
松井:最近は最後に差されて2着というのが、ものすごく多いんですよ。負けず嫌いなので「やっぱり1着が欲しい」と思うんですが、今までは逃げて4、5着だったのが、今は逃げて2、3着とだんだん残れるようになってきたので、これを続けたら逃げ切れるかなと思って頑張っています。1着はものすごく取りたいんですけどね。でもここで前みたいな走りに戻すのではなく、今の走りで1着を取りたいので頑張っています。
山口:選手になっての一番の目標は何ですか?
松井:もちろんガールズグランプリも出場したいですし、地元の岸和田ではGIパールカップもあるのでそれに出場し優勝したいという目標もあります。でも私はすごく買い物が好きなので、たくさん稼いで自分の欲しいものをいっぱい買えるようにしたいです。
山口:プロですから賞金というのは魅力ですよね。以前もオッズパークプレゼンツのトークショーが立川競輪場で行われ松井選手も参加されましたが、その時も都内でお買い物をしたと仰っていましたよね。
松井:そうですね。自分の欲しいものが買えるように、たくさん稼ぎたいです。
山口:今の練習環境はどのような感じですか?
松井:岸和田は練習グループがある訳ではないので、その日バンクにいらっしゃった選手と一緒に練習はさせてもらっています。毎日来る選手は違いますし、脚質のタイプも違うのでいろんな選手に話が聞けて恵まれた環境だなと思います。
山口:男女関係なく、いる選手と一緒にするんですか?
松井:ガールズの選手はなかなかバンクには練習に来ないので、基本的には男子選手と一緒にさせてもらっています。
山口:今の強化ポイントはどこですか?
松井:もともとはダッシュが持ち味でそれをいかしてレースをしていたんですが、最近は先行をしているので地脚は強化をしたいです。ダッシュも練習をしているのでどちらも伸ばしていきたいですね。
山口:この後4月の高知記念最終日には『ガールズフレッシュクイーン』がありますね。立川のトークショーの時にはそこの出場を目標にしたいと仰っていましたが、選出された時はいかがでしたか?
松井:122期、124期と強い選手がたくさんいるので、私が優勝できるかはわからないですが、精一杯自分のできることをやって優勝できたら良いなと思います。
山口:メンバーを見ていかがでしょうか?
松井:畠山ひすい選手(北海道122期)も自力で強いですし、戦法も似ているのでもがき合いになるかもしれないですが、そこで怯まず自分も脚を使って魅せる走りができるように頑張りたいです。
山口:単発レースは昨年『ルーキーシリーズプラス』で走っていますが、いかがでしたか?
松井:あの時は優勝を狙いすぎて、しょうもない走りをしてしまいました。あの走りをしてしまうと結局後悔しか残らないので、今回はまずは出し切って、終わった後に納得できる走りをしたいです。
山口:500バンクは、デビューした宇都宮以来ですがその辺りは気になりますか?
松井:難しいです。実際にデビュー戦でも「500バンクは難しいな」と思いました。それからはレースで1回も走ってなくていきなり単発レースなので不安はありますが、レースの映像を見て研究し頑張りたいです。
山口:他の選手の映像やレースは見て対策しますか?
松井:そこまで詳しく見るわけではないです。地元の岸和田は400バンクなので、400バンクを走る時はそこまで映像をしっかり見ませんが、33バンクを走る時は見るようにしています。なので高知に向けては、どういうレースをしたら勝てるのか、他の選手のレースを見て研究をしたいです。
山口:アマチュア時代も500バンクはあまり走った経験はないですか?
松井:高校時代は以前の熊本競輪場の500バンクを走った事があります。でもガールズケイリンとは全く違いますし、それは全然プラスにはならないです。なので1から研究して頑張りたいです。
山口:ありがとうございます。では少しレース以外の話も伺います。先ほどから出ている立川競輪場でのトークショーはいかがでしたか?
松井:たくさんのお客様がいらっしゃって嬉しかったです。最近はミッドナイトが続いてお客さんがいない開催が多かったのでより感じました。実際に直接目の前に行くと、このお客さんたちが賭けてくれて競輪が成り立っているんだなと感じますし、応援してくれる人がいるのもすごく嬉しいです。私の車券を買ってくださっている方に、少しでもプラスになってもらえるように頑張りたいなと思います。
山口:地元の岸和田でもトークショーなどはありますか?
松井:はい、結構させてもらっています。お客さんはたくさん来てくれているので嬉しいですね。
山口:メディア取材などもガールズの選手は多いと思いますが、それは慣れてきましたか?
松井:そうですね。先日は密着取材があったので「プロのガールズ選手になったな」と感じました。
山口:先ほども新聞の記事の話も出ていましたもんね。
松井:はい、やっぱり全然違いますね。
山口:同期以外でも仲の良い選手はいますか?
松井:はい、同級生の藤田まりあ選手(埼玉116期)や山口伊吹選手(長崎116期)は高校時代から知っていて仲の良い選手です。先日も京王閣の後に藤田選手とはテーマパークへ遊びに行きました。
山口:同級生の二人は高校卒業で選手になったんですね。
松井:はい、二人が先にデビューして走っているのを見て、私もやってみようと思ったのもあり、今は一緒に走れてすごく嬉しいです。
山口:経験はお二人の方が積み重ねていますが「負けないぞ」という気持ちもありますか?
松井:そうですね。二人とも高校の時からライバルだったので、その気持ちはあります。二人とは経験が違うし強いので、今はライバルとは言えないかもしれないですが、負けないように頑張りたいです。
山口:今年の目標は何ですか?
松井:まず優勝をしたいです。あと、車券に貢献できる選手になれるように、です。
山口:ビッグレースへの意識はいかがですか?
松井:今年はまだ点数的には厳しいと思うので、一歩ずつかなと思って焦らず頑張りたいです。
山口:ありがとうございます。それでは最後にオッズパーク会員の皆様へメッセージをお願いします。
松井:いつも応援ありがとうございます。昼間やナイターの開催でたくさん応援してもらえるのは凄く嬉しいです。SNSでも応援メッセージをたくさんいただけるのもいつも嬉しいです。これからも車券に貢献できるように、精一杯練習を頑張りますので、応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:公益財団法人 JKA
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埼玉の総大将として数々のGIタイトルを獲得した平原康多選手(埼玉87期)。しかし昨年は度重なる落車による怪我との闘いに苦しみました。
今年約10年ぶりにS級1班として戦う中で3月には通算500勝も達成しました。
500勝に対する気持ちや現在の身体の状態、今後の目標などを伺いました。
ナッツ:通算500勝おめでとうございます。
平原:はい、ありがとうございます。
ナッツ:500勝のお気持ちはいかがでしょうか。
平原:正直500勝だからってのは全然自分ではなんとも思ってなくて、周りがなんかやたら言ってくれてるんですけど。笑 自分はそんなに意識は何にもないです。
ナッツ:白星の数っていうところに対しての意識は元々ないのでしょうか。
平原:全然意識しないでここまできた感じですね。一走一走の積み重ねで気付けば、みたいな感じですね。
ナッツ:周りから言われて、そろそろ500勝だなっていう感じはありましたか。
平原:ああ、こんなところまで来たんだって感じはありましたね。
ナッツ:21年かけての500勝という数字、そのあたりはいかがですか。
平原:そうですね、やっぱり500ってのは相当な数だとは思うんで、結構積み重ねてきたんだなっていう感覚ですね。ちょっとしみじみっていうような。
ナッツ:生涯成績を見ると、平原選手は2着や3着に比べ、1着の数が圧倒的に多くて勝ち切っているレースが多いのですが、そこに対してはいかがですか。
平原:いや~そんなことはないと思うんですけどね。
若い頃は結構2~3着も多くて。先行しても2~3着が多かったイメージがありますね。
なんか1着ってそんなに取れてるイメージは自分ではなかったんですけど。笑
ナッツ:ということは、そこから年齢を重ねるにつれて1着を取れるようになってきたと。
平原:戦法的にも先行一本というより、自力自在という感じの戦法になってきて、そのタイミングで一着が増えてきたような気がします。
ナッツ:ちなみに、その500勝を達成したことに対するお祝いはなにかされるご予定ですか。
平原:全然全然。なんか支部の人に報告会みたいなことをしてくれとは言われますけど、自分ではそんなに特別な感じがなくて、神山さん(神山雄一郎選手・栃木61期)の900勝というのを見るとお祝いしていいのかなとか。笑
ナッツ:確かに周りにすごい方もいらっしゃいますもんね。その500勝を達成したレースは玉野記念でした。初日は眞杉匠選手(栃木113期)、2日目は森田優弥選手(埼玉113期)に前を任せるレースでした。自力で白星を積み重ねてきたところから、最近はこうして後輩に前を任せるレースも増えてきました。後輩に前を任せての節目の勝利というのは今までとは違うと思うのですが、その辺りは平原選手としてはいかがですか。
平原:そうですね、やっぱりそれは年齢もあるし、自然の流れで人の後ろになることが多いんですよね。そんな中で、そうなった時にもう全く勝てないとかじゃなくて、与えられたところでしっかり結果を出せるようには努力してるつもりではいるので。そういう自力とは違う難しさはあります。ただ、自分ではまだ精度が高くないので人の後ろではまだまだだなっていうことも多いですね。
ナッツ:そのあたりの技術に関しては、まだ上を求めていきたいのですね。
平原:前の人にはいろんなタイプがあるんです。前の人に合わせるってことはすごく難しかったりするんです。タイミングのズレとかで遅れちゃったりするし、それで迷惑かけることもあるので、そういう難しさを感じながら、色々とそういうのは、レースでしか修正できないので考えながらやっているって感じですね。
ナッツ:平原選手はご自身で年齢のことを口にする印象があって、やはり年を重ねてきたという部分に対してはご自身の中ではもう逆らわずに、年を重ねたら重ねたなりのレースを、というようなイメージなんでしょうか。
平原:うーん、そうですね。どちらかというと年齢がどうこうよりも、自然と若い選手が出てきて、自分も40歳を過ぎているわけじゃないですか。なんかそれが、自分も若い時に30代後半から40代の選手とかもやっぱりいたわけで、そういう選手がどういう感じでやっていたのかなと思い浮かべると、なんか今自分がそういう場面なのかなとか思ったりしますけどね。
ナッツ:相対的に若い選手が増えてきた中で自然と、なのですね。その中で平原選手はまだまだ自力で戦いたいっていう気持ちは強いのでしょうか。
平原:自力の力は落としてはいけないなって、いやむしろあげていかなきゃいけないなっていう風には当然思っています。それがなくなっては何もできないと思います。そのイメージはしっかり持って、その中でレース自体は、絶対僕は自力でやりますとかそういうのじゃなくて、年々変わってくるので、自力でやる時はしっかりやりたいですし、人の後ろを回った時は、人の後ろでしっかりやりたいなっていう感じですね。
ナッツ:人の後ろを回る時に、平原選手の中で意識されていることはどういうことでしょうか。
平原:まずはやっぱり前を回ってくれる人が走りやすいように作戦会議からサポートできるかっていうところからですね。あとは自分自身はその人のタイミングにしっかりと遅れないようにっていうような感覚があります。
ナッツ:その作戦というのも、前を走る選手によってはご自身で決められたりとか、先輩に意見を仰ぐ方だったり様々だと思うのですが、そのあたり平原選手は、作戦会議の時はしっかりとご自身の意見や考えを伝えるのでしょうか。
平原:やっぱり相手がいることなので第三者目線で見て、周りの選手のスタンスと照らし合わせてどうした方がいいかとか。車番とかもありますし、1番有利な作戦を考えてもその通りにならないので、1番不利な感じから何パターンか考えてという感じですね。
ナッツ:やっぱりお話聞いてて、本当に平原選手は物事を俯瞰して見てるような印象がすごく強いですね。
平原:いや~そういう時とそうじゃない時はありますよ。笑
難しいですけどね。常にそういうわけでもない感じですがレースの作戦を立てる時はこういう目線ですかね。
ナッツ:ちなみにこの21年間でご自身の中で印象に残ったレースは何かありますか。
平原:印象に残ったレースは。岸和田のグランプリ(2014年)と静岡のグランプリ(2018年)ですね。岸和田に関しては、武田さん(武田豊樹選手・茨城88期)の前で走って武田さんがグランプリを優勝したことが嬉しかったですし、静岡に関しては、落車してしまって最後は自転車を持ってゴールしたのですが、本当になんか違う意味でお客さんと1つになれた舞台だったなという風に感じるというか。落車しても、なんかすごくお客さんがこう...ゴールまで運んでくれたというか、拍手もすごかったですし、選手やっててよかったなって思えた2つのレースだったんです。
ナッツ:自分が勝ったレースではないのを挙げるあたりが平原選手らしいですね。
平原:自分が勝ったレースで印象に残るものが浮かばないんですよね。勝ったらそれはそれでやっぱり嬉しさは当然ありますけど。この2つは勝つこと以外で味える喜びを感じたなあと思いますね。自分が勝って印象に残ったレースは今後また作っていけばなと。
ナッツ:その中で、平原選手にとって昨年は苦しい1年だったと思うのですが、いかがでしたか。
平原:やっぱり落車も多かったですし辛かったですね。
ナッツ:その中でも平原選手って本当に弱みを見せないというか、飄々としているなっていう印象がやっぱりあるのですが、ご自身のメンタル面はいかがですか。
平原:飄々とはしてるかもしれないですね。でもメンタルは強くないと思います。強くはないけど強ぶってるだけなんです。笑
ナッツ:それはやっぱり表には見せるべきじゃない、という言い方はおかしいかもしれないですが、悔しさなどは自分の中で消化して、という感じなんですか。
平原:そうですね。人に当たりたくないですし、レースの負けを人のせいにするのはちょっと違うなと思ってますし。それは先にやっぱ繋がらないんですよ。自分の成長に全く繋がらないから。その場では良くても、もう結局何の成長にも。
もちろんミスがあったらその時に色々話して、今後そういう風にならないように話したりはしますけど、別に人のせいにはしないですし、自分でその時にどうできたかなっていう風に考えないと、成長はやっぱりないですよね。終わりですよね。去年落車で大怪我を何度もして、今年もそれをちょっと引きずっている形ですけど、結局自分が強ければその位置にいなくて、落車に巻き込まれないってのが極論としてはそうなので。自分の力がないから、そういう巻き込まれちゃうような位置にいるわけだし。そういう風に考えてまた体を戻してる段階なんですけど、その繰り返しですね。
ナッツ:そう言われたら、確かにそれが成長につながるんだろうなっていうのは感じますけど、それを実際にやっぱり実現するのって、難しい選手も多いんじゃないかなとは思います。やっぱりそのあたりはさすが平原選手というか。
平原:いや、現在実現できてないんです。笑
しっかり怪我を治せてないので、大きなことも何も言えるようになってないですし、なんとも言えないですけど。
ナッツ:ただ今年は少し復調気配があるような雰囲気もありますがいかがですか。
平原:そうですね。でも自分の納得いく段階では全然ない。でもなんて言うんだろう。
自分が元々やってたような練習はできるようになってきたので、そういう意味ではプラスになってきて。もうすぐレースでちゃんと元通り踏めるようになってくるのかなという感覚はあります。
ナッツ:もう少し時間が経過すれば戻ってきそうなのですね。
平原:そうですね。正直何年か前も結構落車が多くて、でもそれなりにケアをしていたら割とすぐ身体が戻ったような感じだったんです。自分の中でちゃんと回復して。ここまでの大怪我がなかったというのはありますけど。ただ去年、ちょっと大きなものが連発できちゃってその蓄積もありますし、初めてのことが多くてなんか他人の身体になっちゃったな、という感じだったんです。
ナッツ:他人の身体というのはどんな感じなんでしょうか。
平原:本当にそもそも0にすら戻せていないような感じでしたね。
同じ自転車に乗っても、全然痛くて踏めなかったりってなってくると、やっぱり色々ポジションを動かさなきゃならないってなるし、それに伴ってできる練習も限られてきてってなると、ほんとにわけのわかんない状態になってきたり。本当に悪循環で、それがようやく0ぐらいになってきたかなっていう感覚がありますね。特に去年はやっぱり自信を持ってレースに行けてないですし、それがわかった状態で競争に行くっていう辛さもあったんですけど、でもこういう経験がまた先々絶対活きてくるかなとか、活かさなきゃいけないなっていう風に自分では思ってますね。
ナッツ:その辛い中でも休まずにレースをずっと走り続けてるなっていう印象があるんですけど、平原選手の中で、走り続けることへの責任感があったのでしょうか。
平原:やっぱりそうですね。SS班の立場っていうのもあったし、なんかお客さんの前に出て頑張ってる姿を見せた方がいいのかなとかっていうのもあったし。まあでもかなり無理してた部分はあります。でも最初にそういう風に考えで自分の中で決めたんで、今思えばしっかり休む選択の方が思えば良かったのかもしんないですけど、そこでかなり悔しい思いとかもしたので。今後お客さんに恩返しできるように、仲間に恩返しできるように、自分が戻れるように頑張りたいなっていう風に今自分で思えてるので、その経験をプラスにしたいなと思ってますね。
ナッツ:最近は他地区の人との連係をするっていう方もいる中で、平原選手も深谷知広選手(静岡99期)だったり脇本雄太選手(福井94期)との連係もありました。その辺りの意識はご自身の中ではどうなんでしょうか。
平原:深谷に関しては何度も付いてくださいって言われてて。今年の大宮の時に付かせてもらいましたね。それも成田さん(成田和也選手・福島88期)の一声で、ちょっと考えが変わったりっていうのもありましたけど。もちろん別に誰でも彼でも付こうとは思ってないですけど、やっぱりこう、自分の中ではこの選手はすごいなとか、リスペクトがある選手であれば回ってみたいなとは思いますけどね。ただ基本的には、そういう時は自分でなんとかしたいなとは思います。
ナッツ:やっぱり平原選手から見てもこの人にならっていう人で、例えば今後開催一緒になってタイミングがあればつく可能性はあると。
平原:みんなそういう感じなんじゃないですかね。自分の中の線引きがあって、この人だなって思う選手であれば。深谷と脇本っていうのはそういう選手ですし、若い頃には坂本貴史選手(青森94期)にお願いされて付いたこともあります。あまり周りは知らないんですけどね。笑 昔は他地区だからどうだとかそういう考えはなかったのですが、今はそういう感じではないですし、安売りしてるわけじゃないんですけど、本当に脇本は自分の中でも本当にライバルとして戦ってきたしリスペクトもあったのと、そういう場面だったので。悩みましたけど、そういう感じになりましたね。
ナッツ:その中で関東勢の若手も本当に成長が著しいと思いますが、平原選手の中ではどうご覧になってますか。
平原:頑張ってる選手も多いと思いますね。すごく。あ、でも今他地区の話が出ましたけど、別に同地区だから絶対付かなきゃいけないっていうわけではないと思うんですよね。
他地区でも先行選手で頑張ってる選手でプライド持って走っている選手の方がやっぱり魅力があるし、同地区でも何もしないで終わる選手なら、自分でやっていた方が悔いがないし、同型で同じようなレベルになっているんだったら別線勝負で、と僕は若い頃はやってきたんで、無理に並ぶ必要なんて全然ないと思いますね。だからそういう観点で考えたら、他地区だからどうとかっていうそういう感覚はちょっと難しいところですね。
ナッツ:なるほど。裏を返せば、関東の若手はしっかりとしているっていうのがあるからこそ、付いているということですね。
平原:しっかりした考えで、頑張りますっていう感じだから付いてるのはありますね。
それでこっちもお願いしますって付かせてもらってますけど、そうじゃないんだったら別でやればいいですし、それで全然いいと思います。若い選手だから付こうとかは全然思ってないんで。
ナッツ:それを平原選手自身が自分の同地区の若手にご自身の口で言うことはないですよね。もう背中で見せているというか。
平原:いや、背中では見せてないですけど。笑 でもあんまりこういう深い話をすることってなかなかないんですよね。でもやっぱり、若手同士でちゃんとそういう話をして頑張ってる子が多いんじゃないですか、関東って。そうじゃなかったら前で頑張らせてくださいってそもそも言えないと思うし。その裏付けがあるし、できるように頑張ってるんだなと思いますね。それは自分自身もそうですし、この人の為なら頑張りたいなって思う、思われるような選手でいなきゃいけないなと思いますね。
ナッツ:そんな後輩の頑張りもあって今回500勝を達成したわけですが、今後の目標はどういったところに置いていますか。
平原:いや、もう本当に一戦一戦、ちゃんと自分の力を戻せるようにしたいですね。
もう本当に1番先の目標みたいなのが何も見えてないので、まずはマイナスから0の状態に戻すことからですね。そしてそこから初めて、身体作りして勝負できるような状態にしたいなって思っています。
ナッツ:長期的にGIを獲る、とかの目標の前に、まずはしっかりと0の状態にというところが目標なのですね。
平原:そうですね。自分の状態が悪ければGIやGIIの権利も取ることができないですし。
やっぱり自分の実力がなかったら何もできないので、今は大きな目標を言えるような状態じゃないですね。本当に今はちゃんとした走りがお客さんの前でできるようになりたいと思いますね。
ナッツ:ファンからすると、やっぱり平原選手にグランプリを、と思ってる方も多いと思うのですがその辺りはいかがですか。
平原:走っている時にお客さんにそう言ってもらえてるのはありがたいんですけど、なんか、そういう風に言ってもらえてるからこそ、「どうなってんだよ俺の身体」って思っちゃいますね。笑 そこがなんかすごくもどかしいところですね。なんかそれに応えられないというところが本当に。だからしっかりとまた権利を取れるように頑張っていきたいです。
ナッツ:またここから平原選手が復活することを一ファンとしても願っています。では最後にオッズパーク会員の皆様へ一言お願いします。
平原:1日でも早く元の"平原"という身体になんとか戻していきたいなと思います。そして頑張って怪我との闘いに打ち勝ちたいなと思ってます。今後も応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / ナッツ山本(なっつやまもと)
公営競技の実況に憧れ、一念発起し脱サラ。2022年別府競輪と飯塚オートレースの実況でデビューを果たすことになった期待の新星。
まだデビューから間もないが、競輪中継の司会も経験し徐々に活躍の場を広げつつある。星の観測と手品が趣味。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
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