3月10日に松山競輪場で行われたルーキーチャンピオンレース。
優勝した篠田幸希選手(群馬123期)に今後の目標などお話を伺いました。
大津:こういうインタビューや取材というのは何度かありましたか。
篠田:そうですね。過去に何度か取材をしていただいたことはあります。
大津:123期の中でも注目を集める存在ですが、ご自身ではどのように感じていますか。
篠田:いやぁ、あんまり目立ちたくないんですよね。
なんていうか期待ばっかされちゃうと、負けた時にお客さんに申し訳ないなとか思うっていうか。
大津:でも、勝った時は嬉しくないですか。
篠田:確かにそうですね、勝った時は期待されてて良かったなって思います。
大津:昨日(3月24日)は岐阜でS級特進がかかるレースでしたがいかがでしたか。
篠田:相手に5車並ばれたんでキツかったですね。相手ラインも「特進を阻止したい。」っていうコメントを出していたので、全力で勝ってやろうって思ったんですけどダメでしたね。(別線に突っ張られ巻き返して行くも、篠田の番手選手が落車しブロックした選手が失格)
大津:走る前は「特進だ!」みたいな意識はあったんですか。
篠田:そうですね、それはめっちゃありました。自分のラインの選手を落車させてしまったので、特進できなかった悔しさもありますが後ろの選手に申し訳ないです。
大津:デビューしてからどんどん力が付いてきてるなって実感はありますか。
篠田:力は付いている気はしますが、レースでの勘っていうか技術の部分がまだまだ分かってないので、そこは場数を踏んでいかなきゃって感じてます。
大津:まだデビューして1年経ってないですもんね。
篠田:そうですね。まだ足りない部分は多いです。
大津:たらればの話ですが、もし特進していたらS級レーサーの仲間入りでしたがS級でのレースっていうのは想像してみていかがでしょうか。
篠田:うーん、全然想像つかないですねぇ。S級の選手たちと練習もさせてもらっていますがレベルが全然違いますし、今のままじゃ歯が立たないって思ってます。
大津:どのような方々と練習されてるんですか。
篠田:小林泰正さん(群馬113期)とか佐々木悠葵さん(群馬115期)とかです。
やっぱり練習してても違います。
地脚系やダッシュ系の練習をしてても皆さん本当に凄くて刺激になります。
GIでも活躍されてる選手は凄いです。
大津:その中で篠田選手は先日松山競輪場で行われたルーキーチャンピオンで優勝という輝かしい成績を収められました。
篠田:あのレースは本当に同県の浮島君(浮島知稀選手・群馬123期)が頑張ってくれました。そのおかげで勝利することが出来ました。
大津:篠田さんは浮島さんの番手でしたが並びはすんなり決まったのですか。
篠田:はい、浮島君が前で走ってくれるって言ってくれて、すぐに決まりました。
大津:初の番手戦でしたが、普段とは違いましたか。
篠田:自力で走るときに比べて緊張感はマシでした。自力の時は後ろの人に迷惑をかけちゃったらどうしようとかプレッシャーも感じるんですが、今回はそういうのがなく、いつものレースよりは気楽に走れました。
大津:同期だけで走るっていうのは、今後あまりないと思いますが「この人にだけは負けたくない」って意識する同期の選手はいますか。
篠田:地元の浮島君ですかね。同県なんで。ライバルであり、いてくれることにより二人で高めあっていける存在なのかなって感じがします。
大津:ルーキーチャンピオンで優勝した次の日が誕生日でしたね。
篠田:そうですね、最高の誕生日プレゼントになりました。
大津:昨年は安彦統賀選手(埼玉121期)が優勝しました。篠田さんのプロフィールの友人欄に安彦選手の名前が載っているのですが交流があるんですか。
篠田:大学の同級生なんです。安彦が優勝してたってのは忘れてたのでレースの時は全然意識はしてなかったんですが、二人で優勝できたっていうのは縁を感じる部分があります。
大津:これまでもらった優勝賞金よりも今回の優勝賞金はかなり高額だったんじゃないですか。
篠田:正直おっかなかったです。「こんなもらってええんかなぁ。」って。
大津:初々しい発言ですね。
篠田:ハハハハハ(笑)
大津:これからもっと夢のある世界が待ってますよ。
篠田:そうですね、楽しみです。
大津:なにか自分へのご褒美とかは買いましたか。
篠田:特には買ってないですね。まだ将来に不安があるので、あまり調子に乗っちゃいけないと思ってまして。大切に取っておこうと。
大津:ルーキーチャンピオンは深谷選手(深谷知広選手・静岡96期)や新山響平選手(青森107期)、山口拳矢選手(岐阜117期)と現在S班の選手も過去に優勝しています。
篠田:現状ではまだまだですけど、いずれはそういった選手たちに肩を並べられるような選手に僕もなっていきたいです。
大津:ここから先どういった選手になっていきたいですか。
篠田:ファンの印象の残る選手になっていきたいですね。誰に聞いても「篠田」って知ってるっていうような存在になりたいです。
大津:まだ力不足だと仰っていましたが具体的に何が足りないと思っていますか。
篠田:レースの作り方や組み立て方です。そこがまだ下手くそだなって感じています。
小林泰正さんや佐々木悠葵さんと練習しているので少しずつでも近づいていかないといけないって思います。
大津:上位戦で戦うときに連係してみたい選手はいますか。
篠田:やっぱり小林泰正さんや佐々木悠葵さんです。前を回ってみたいです。
本当によく面倒を見てもらってますので、とても尊敬している存在です。
大津:戦ってみたい選手はいますか。
篠田:栃木の眞杉君(眞杉匠選手・栃木113期)ですかね。同級生なんですよ。練習は一緒にしたこともあるのですが、レースになったらどれだけ強いんだろうなって戦ってみたいです。同い年でS級S班ですから、その辺りは体感してみたいなってのはありますよね。
大津:オフの日はどう過ごしているんですか。
篠田:ゲームしてることが多いです。同期の佐々木祐太(岩手123期)とかとよく遊んでいます。あとはキャンプに行ったりします。インドアとアウトドアどちらも好きです。
大津:競輪選手になって良かったことはなんですか。
篠田:目立てることですかね。今日のインタビューの最初に「目立ちたくない」って言っちゃったんですけど本当は目立ちたがりなんです。
大津:目立ちたくない人の声色じゃないなって最初から思っていました。
篠田:すみません(笑)
大津:これから沢山目立てる舞台がありそうですね。
篠田:そうですね、良い意味で目立てるように頑張ります。
大津:今年の内に達成したい目標はありますか。
篠田:S級に上がることですね。上の舞台で戦うことで自分の中でも学べることが沢山あると思います。早く上の舞台に立ちたいです。どこまで通用するか分かりませんが挑戦はしていきたいです。
大津:123期で1発目のS級昇級になれば目立てますしね。
篠田:あまりプレッシャーをかけないでください。
大津:最後にオッズパークの会員の皆様にメッセージをお願いいたします。
篠田:しっかりとラインを連れて勝てるような選手になりますので、これからも応援よろしくお願いいたします。
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※インタビュー / 大津尚之(おおつなおゆき)
ソフトな見た目と裏腹にパワフルで安定感のある重低音ボイスが魅力。
実況、ナレーション、インタビュー、俳優など活躍の場は多岐にわたる。
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昨年はデビュー以来、初めてガールズグランプリ出場を逃した悔しい1年になった石井寛子選手(東京104期)。昨年からの思いと今年にかける意気込み、また2月にガールズ初の600勝を達成した振り返りを中心にお話を伺いました。
山口みのり:まずは600勝達成、おめでとうございました。
石井寛子選手:ありがとうございました。
山口:少し経ちましたが今のお気持ちはいかがでしょう?
石井:600勝は目指していた数字なので達成できて良かったです。
山口:500勝からは約1年半での達成です。それはいかがでしょうか?
石井:え?(1年半しか)経っていないですか?それはびっくりです。2023年が自分の中ではあまりうまくいっていない年だったので、そっちのショックの方が大きくて特に「早かった」などは思わなかったですね。
山口:先も見ていらっしゃると思いますが、今後についてはいかがでしょうか?
石井:目標は大きく持って、走ることに感謝をしながら実績を積み重ねていきたいです。
山口:ガールズケイリンの勝利数でずっとトップを走っていますが、それは意識はしますか?
石井:今後はあまり意識はしないかもしれません。他の皆さんも積み重ねているし、今後何があるかわからないので。気持ちを新たにまた一走一走丁寧に走りたいと思います。先ほども言った感謝を忘れずに走りたいと思います。
山口:ありがとうございます。では昨年からの振り返りもお伺いします。昨年は非常に悔しい1年だったと思いますが振り返っていかがですか?
石井:目標を達成できなかった1年でした。普段開催の1着や優勝が取れない時も多くあり「私は何をやっているんだ」と反省ばかり。さらに負ければ負けるほど自分に圧をかけてしまっていたので、気持ちが小さくなっていました。
山口:焦りもありましたか?
石井:ガールズグランプリの出場が最後の最後、競輪祭女子王座戦(GI)までもつれこみました。私は今までの10回のグランプリ出場は、競輪祭の前までに「賞金ランキング上位のためほとんど確定」という場合が多かったんです。ギリギリでも出場できた年もあったので、ギリギリで逃したというのは初めての経験でした。
「ここで決まる」となった競輪祭の自分の走りは、心と体が伴っていなかったように思います。7位になるのと8位になるのでは大きく違いますが、その心構えができていなかった。体は動いていたと思うので、心ですね。そこがグランプリ出場の7人に比べて負けていたんだと感じました。
山口:10年、経験していなかったことを初めて去年味わったんですね。
石井:はい。似たような年も過去にはありました。でも「だめだ、このままじゃグランプリに出られない」と思った年でも、結果としては出場できていたので、そう思っていけなかった初めての年が去年です。
山口:競輪祭女子王座戦(GI)が終わり、ガールズグランプリ出場ができないと決まってから、気持ちの切り替えはどうしましたか?
石井:まず「どうしよう」と思ったのが競輪祭の2日目の夜でした。私が決勝に行けなかった瞬間に、「最終日に自分がどれだけ頑張って1着を取っても、決勝を走る7選手の着順次第でグランプリ出場ができない場合がある」ということに頭を抱えたんです。でもそこで「明日、誰が優勝してもおめでとうと言おう。もし自分がグランプリに出られなかったら、また来年頑張れば良い」と決めました。
山口:落ち込んだのは一瞬だったんですね。
石井:はい。決勝の結果次第でしたが、そう決めたことでスッキリはしました。なので最終日は1着が取れたし「2023年にグランプリに出場できなかったのは、最後のGIで決勝にいけなかったことが全て」だと思えました。
山口:その経験は今年に活きますか?
石井:活かすだけではなくもっと変わりたい。さっきも言いましたが今年は、去年までとガラッと変えて、感謝の気持ちのみで走ります。
山口:石井選手の成績が昨年末からほぼ1着なので、私は勝手に「去年より更に結果を求めて」という気持ちなのかと思っていたんですが、真逆だったんですね。
石井:そうですね。ここからの私は違うぞ、感謝の気持ちだけだぞ、という感じです(笑)
山口:(笑) では今年の目標は何でしょうか?
石井:2024年は絶対にガールズグランプリ出場を目指して頑張ります!
山口:昨年は初めてGIができた年でしたが、一昨年と比べていかがでしたか?
石井:3つのGIができて、まだ1年を通してのリズムが掴めていなかったのかなと思いました。最初の6月パールカップが特に私は成績がボロボロだったので「やっぱりGIの空気は違うな」と思いましたし、いつも以上の緊張がありました。
一昨年までは、とにかく体力がある選手が有利だと思っていたんです。数多く走って優勝を積み重ね、賞金を積み上げていく。中0日の追加(流用)でも行く選手も何人もいましたしね。そんなタフな選手がグランプリに出場できる、グランプリを優勝できるんだ、というイメージでした。
昨年は、3つのGIをどこか1つでも取ればグランプリ出場という条件に変わりました。それによって「自分のピークをGIに合わせられる選手」がグランプリに出られる、勝てる、強い選手なのかなと感じました。
山口:では今年は石井選手も、1年を通してピークの持っていき方や戦い方は変わりますか?
石井:自分でそれが調整できたら良いんですが、私はできないので、いろんな人に全部相談をしようと思っています。
山口:選手の仲間やトレーナーさん、家族などいろんな人にですか?
石井:そうですね。全てを相談して、助けてもらって、やっていきたいです。
山口:いろんな意見をもらって迷ったらどうしますか?
石井:それはあるかもしれませんね。でも私が相談する人は、私と同じ方向を向いていると思うので、バラバラな意見にはならない気がします。
山口:頼もしいですね。
石井:はい、それも感謝です。
山口:ではまず今年のビッグレースとして3月ウィナーズカップ(GII)で行われる『ガールズケイリンコレクション2024取手ステージ』があります。出場が決まった時はいかがでしたか?
石井:まさか出られると思っていなかったのでびっくりしました。単発のビッグレースがGIに変わっていく中でコレクションがあるのもキッチリ把握はしていなかったですし、年度で変わるので「ガールズケイリンコレクション」として行われるのは最後のコレクションなのかなと思います。
先日3月の予定を組んだのですが、久しぶりの単発レースなので直前の調整がすごく難しいです。なのでトレーナーさんなどに相談して頼って、いろんな方に助けてもらいます。
山口:コレクション出場メンバーの印象はいかがでしょう?
石井:強烈すぎますよね。昨年の後半から今年に入ってグランプリ出場選手たちと、普通の開催で対戦することが多かったんです。今まであんまりなかったんですが、今回もすごいメンバーなのでこれからいろんな展開を考えて準備したいです。
山口:助けてもらいながら、ですね。
石井:そうですね。あと今年の目標は「GIも頑張る」+「普通開催も頑張る」=「両方頑張る」と決めました。昨年は普通開催での3着、4着、5着なども多かったのでそれをもう一度見直すということを1月からしています。
山口:結果に表れていますね。
石井:それは良かったです。
山口:石井選手のスケジュールや練習はハードだなといつも思っているんですが、最近の息抜きやリフレッシュ方法は何ですか?
石井:去年から推しができました!『Mrs. GREEN APPLE(ミセス グリーンアップル)』というバンドです。ミセスのことを考えているとすごく楽しくて、今まで競輪のことを8割以上考えていたガチガチの頭が、今は柔らかくなった感じです(笑)
山口:オフの時間も大切ですよね。今年だけ、とかではなく今後何十年も続いていく競輪人生ですもんね。
石井:はい、楽しくて仕方ないんです!でもショックなこともありました。
私はミセスの中でボーカルの大森元貴さんが好きなのですが、その大森さんが突発性難聴になってしまったんです。「何で大森さんの耳なんだ」とファンはみんなショックを受けたし私も思いました。でも大森さんは、ファンに心配させないようにライブを続けていたり、テレビで歌ったり、SNSを更新したりしてくれていました。
歌手の人の耳って、私たち競輪選手にとっての脚と同じくらい、重要だし大切なものだと思うんです。それが病気になってもファンのことを考えて行動をしている。それってすごいことだなと心から思いました。
大森さんの大変さを考えたら、私は普通に走れているし、実はそれは当たり前じゃない、奇跡なんだなと。
山口:ミセスの話から、競輪へ繋がってきましたね(笑)
石井:やっぱり競輪に繋がりますね(笑)ウォーミングアップをするときにも曲を聴いたりライブ映像を観たりしているので、めちゃくちゃ力をもらっています。
山口:昨年お話を伺った時は「普通の開催を大切にしている」と仰っていました。先ほどは今年はGIも普通開催も両方頑張るというお話があったので、その変化は何か思うところがあったんでしょうか?
石井:GIで結果を出さないとグランプリに出場できないからです。GI優勝者が最大3人。決勝2着の賞金も大きいです。いくら普通開催を頑張って賞金を積み重ねても、GIの賞金は追い抜けません。だから両方頑張らないとグランプリ出場が見えてこない。厳しい戦いになりますね。
山口:他の選手の戦い方も変わってくる気がしますね。
石井:そうですね。そこは変化も感じながら、私は私で戦っていきます。
山口:頑張ってください!それでは最後にオッズパーク会員の皆様へメッセージをお願いします。
石井:一緒に練習してくれる仲間、一緒に走るガールズメンバー、お客さん、周りの施設の方、その他関わってくれている方達、それ以外にも、走れている体、自転車などの機材、練習環境や施設、ごはんが食べられることなど全てに対して感謝して日々を過ごしていきます。大森さんの病気から感じたように、走れることが奇跡なことだし、病気だけではなくいろんなつらい思いをしている方もいます。私は自分ができることを、目の前の一走一走を思いを込めてこれからも走り続けたいと思います。
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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オッズパーク杯ガールズグランプリ2022の女王として昨年1年間戦ってきた柳原真緒選手(福井114期)。GIでの決勝進出はあるものの、ご本人にとっては苦しんだ1年だったようです。振り返りと今年への意気込みを伺いました。
山口みのり:昨年を振り返っていかがでしたか?
柳原真緒選手:2023年の前半は攻めた走りをして戦えたかなと思うのですが、後半は自分の持ち味を出せないレースが多かったです。
山口:「グランプリ女王」というプレッシャーは感じていましたか?
柳原:グランプリを優勝した時のインタビューでも言ったのですが、グランプリ優勝はしましたが自分が女王だ!とは思っていなかったんです。同期の佐藤水菜選手(神奈川114期)は自分よりも絶対的に強いなと感じていたので、プレッシャーはそこまで感じずにいました。でも人気には応えないといけないなという気持ちは常にありましたね。
山口:1年を通して戦法の変化はありましたか?
柳原:後半は調子を落としてしまったので、その時は「自力自在」と自在も入れていました。ただ、特にビッグレースで感じたのですが、自力があってこその結果なんだなと、自力がないと勝てないと強く感じました。自在だけでは、自分は戦えないです。
山口:勝ち上がれて確定版はありますが、確かにGIは未勝利でしたね。
柳原:はい。自在と自信を持って言えるほど自在が上手ではないですしね。だからこそ、性格的にも自力じゃないとだめだなと気付きました。
山口:昨年はグランプリ女王としてGIの出場権は優先的にありました(ガールズグランプリ3着までの選手は全GIに出場できる権利がある)。今年は違いますが、その意識の違いはいかがでしょうか?
柳原:まずは4月のオールガールズクラシック(GI)の特選にのれるかどうかが重要な部分です。去年2月から今年の1月までの1年間が選考期間なので、すでに始まっていました。昨年は(グランプリ優勝したので)絶対に1番車をもらえていて有利でしたが、今年は自分で取りにいかないといけない。やっぱり意識はしますね。
山口:1月でオールガールズクラシック(GI)の選考期間は終わりましたね。
柳原:はい。あとはナショナルチームのメンバーがオールガールズクラシック(GI)に出場するのか、しないのかで変わるようです。
(注:インタビュー後の2月27日にオールガールズクラシック(GI)出場選手の発表があり、柳原選手は特選ティアラカップから今年もスタートが決定しました)
山口:今年はオリンピックがありますもんね。ナショナルチームの選手たちは意識しますか?
柳原:そうですね。でも佐藤選手は「意識する」というレベルではなく、はるかに先をいっていると感じました。特に昨年のグランプリの走り。トップ選手がそろったグランプリで2着との着差が4車身......。「そこまで強いのか」と思いましたね。
でも同期なのでやっぱり意識するんですが、デビューからずっと佐藤選手を意識しすぎると勝てない。だから同期というよりも「強い選手の一人」という認識で戦おうと思っています。
山口:自信を持って、ですね。
柳原:はい、そうですね。
山口:今年のここまでの成績を振り返っていかがですか?
柳原:競走得点も最上位でシリーズリーダー、オッズも人気を集めていたので「勝たないといけないレース」ばかりでしたが、決勝は勝ち切れていない開催が多いです。自分の中での仕掛けるポイントがあるのですが、今年に入って負けているレースはその仕掛けるポイントで仕掛けられていない。それが敗因です。
山口:今年、決勝で敗れたレースのうち2回は野口諭実可選手(大分102期)との対戦だったんですね。
柳原:そうなんです。野口選手が強いレースをして勝ち上がっていたこともあり、敗れた2回ともが「ここ!」というタイミングで仕掛けられていません。
山口:前で野口選手が車間をあけていて、というレースでしたね。
柳原:そうですね。仕掛けられていたら良かったんですけどね。
山口:思い切ったレースというのが課題の一つなんでしょうか?
柳原:昨年「自力自在」で戦ってみたんですがやっぱり合わないなと思ったので、今年は初心に戻って「自力だけで戦おう、早めの仕掛けでいこう」という意識でレースをしています。気持ちは持っているんですが、実際は動けていない時も多いです。
山口:決まり手、「逃げ」もついていますね。
柳原:優勝をできた1月松戸の開催は、決勝はそこまで長い距離をいっていないんですが、あの時はレースが見えていたと感じています。
山口:12月の京都向日町の決勝は逃げ切りましたね。
柳原:あの時は、先行を意識してやっていた時期でした。決勝を戦った同期の日野未来選手(奈良114期)のスピードが自分より上だなと感じていて、勝つには逃げだなと思って先行したら逃げ切れました。
山口:理想のレースの一つでしょうか?
柳原:そうですね。そのように思いきって動けたら良いなと思います。
山口:しばらくは自力を強化していく感じでしょうか?
柳原:はい。グランプリを優勝したことを一度忘れる、ではないですが、優勝したという実績にすがらずに初心に戻ってやっていかないとなと思っています。
山口:ありがとうございます。
それでは昨年はGIが新設され大きく流れが変わったと思います。そこはどう感じていますか?
柳原:GIが去年は6月、10月、11月と後半に続きました。今年は10月だったオールガールズクラシック(GI)が4月に行われるので、GIの間隔は去年よりはあきます。去年よりは、一つ一つに調子を持っていきやすいのかなと思います。
山口:まず今年のビッグレース一つ目が、3月ウィナーズカップ(GII)の『ガールズケイリンコレクション2024取手ステージ』です。選出された時はいかがでしたか?
柳原:昨年11月の競輪祭女子王座戦(GI)で競走得点をそこまで落とさずにいられたから、自分は7番手でギリギリ選出されました。それは良かったなと思います。
山口:7番手だったんですね。
柳原:そうでした。
山口:コレクション出場というのは賞金面では大きいのではないですか?
柳原:大きく違うと思います。
山口:メンバーの印象はいかがですか?
柳原:強い選手ばかりです。例年通りなら7番車になるんですが、動きも限られてくると思うので仕掛けは絞りやすいのかなと思っています。
山口:コレクション初優勝をしたいわき平でも7番車からの優勝、その時も「位置は悪くなるから少ないチャンスに賭けるだけ」と仰っていましたよね。
柳原:そうでしたね。でもその時と同じ作戦は通用しないと思うので、なんとか考えないとですね。
山口:意識する選手はいますか?
柳原:特にいないです。他の選手の動きを気にせずに動きたいなと思っています。
山口:組み立ては、事前にイメージしますか?
柳原:はい、ある程度の展開は読めるのでその中で、自分が取れる位置がどこになるか、ですね。
山口:言える範囲で構いませんので、現状のイメージを教えてください。
柳原:今だと児玉碧衣選手(福岡108期)と坂口楓華選手(愛知112期)がすごく仕上がっているなと感じています。タイムもすごいですし。それは頭に入れていきたいです。
山口:普通開催とGIなどのビッグレースのタイムは全然違いますか?
柳原:違いますね。でもビッグレースはタイムというよりも、打鐘が鳴ってから一気にスピードがあがります。
山口:各選手が仕掛け合うタイミングも早いですか?
柳原:遅い時もありますが、早いなと感じる時が多いです。でも自分は仕掛けが早い方がやりやすいです。
山口:ビッグレースの方が良い流れを掴めますか?
柳原:そうできるように頑張ります。
山口:GIはいつものポイント制ではなく勝ち上がりです。それはいかがでしょう?
柳原:「〇着以内に入らないと勝ち上がれない、決勝にはいけない」というプレッシャーはあります。
山口:今までのビッグレースでは感じたことがないですか?
柳原:そうですね。今まではガールズケイリンフェスティバルでも競輪祭(GI)のトライアルレースでも、2日間のポイント合計の上位が決勝進出と普通の開催と同じだったので、初日大きな着だったとしても2日目に頑張れば決勝にいけたり、逆に初日に良い着でも2日目に悪い着だったらいけないから気を引き締めていました。予選、準決勝と勝ち上がりになったので、レースに対しての入り込み方は違うなと感じました。
山口:ありがとうございます。では次は練習についてです。以前お話を伺った時は、冬場は室内トレーニングのみと仰っていましたが、今はいかがでしょう?
柳原:それは変わりません。ウェイトトレーニングと室内での練習だけです。でも昨年は夏場でもほぼ室内トレーニングだけでした。
山口:え?そうなんですね!それが合っていたんですか?
柳原:気温も高かったので、外での練習ではなかなか出し切る練習ができなくて、それなら室内で集中して出し切るトレーニングをした方が良いのかなと思ってやっていました。
山口:では1年通して室内中心だったんですね。変化などはありましたか?
柳原:ウェイトトレーニングはパーソナルトレーナーをつけたので、トレーニングの質はかなり良くなりました。でも室内トレーニングの内容は試行錯誤しないとだめです。
山口:バンクで乗るのと差があるんですね。
柳原:はい、どうしても感覚は違うのでなんとかしないとですね。
山口:冬季移動は考えたことはないですか?
柳原:はい、全くないですね。家が好きなので(笑)環境は変えたくないです。
山口:そうですか(笑)では、今の環境の中でより良いトレーニングが見つかると良いですね。
柳原:はい。
山口:現状の調子はいかがですか?
柳原:開催を重ねるにつれ、調子は上がっていると感じますが、まだ十分ではありません。そこはまず4月のオールガールズクラシック(GI)までに調子を上げられたらなと思います。
山口:地元福井ももう開催が始まるんですね。
柳原:そうなんです。3月上旬から始まりますね。得点上位が児玉選手、日野未来選手など良いメンバーなんですよ。
山口:お客様は楽しみかもしれませんね。
柳原:はい。福井のお客さんの前で走る時は毎回すごく大きな声援をいただくので、その声援に応えたいです。
山口:地元戦はプレッシャーもかかると仰っていましたね。
柳原:はい、期待に応えられるように頑張ります。
山口:GIでのご声援はいかがでしたか?
柳原:本当にたくさんの方がバンクに足を運んでくれていろんな選手の名前を呼んでくれるので、発走機について、より一層気合いが入ります。
山口:公式Instagramも始めましたね。柳原選手が更新しているんですか?
柳原:あれは、姉がやっています。「SNS始めなさいよ」と姉に言われて、自分はそういうのが苦手なので断っていたら「じゃあ私が更新するね!」と始めていました(笑)
山口:更新してくださっているのは、ファンの皆さんは嬉しいと思います。
柳原:投稿のコメントなどは、自分自身の言葉です。ちゃんと皆さんのコメントは見ています!
山口:ありがとうございます。それでは最後にオッズパーク会員の皆様へメッセージをお願いします。
柳原:もう一度ガールズグランプリの舞台にまずは立てるように頑張ります。
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:公益財団法人 JKA
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今回は2月12日まで岐阜競輪場で行われた〈令和六年能登半島地震復興支援競輪・第39回読売新聞社杯全日本選抜競輪(GI)〉を制しました郡司浩平選手(神奈川99期)にシリーズを振り返っていただきました。強豪が集う今年最初の特別競輪はどのような4日間だったのか。早くもS班復帰を決めた郡司選手のこれからの一年は?南関東地区の若大将と評される郡司選手にお話をうかがいました。
大村:この度は3度目のGI制覇、3年ぶりの全日本選抜(GI)優勝おめでとうございます。
郡司:ありがとうございます!
大村:優勝から2週間経った今のお気持ちはいかがでしょうか。
郡司:直後は優勝の喜びだけでなく色んな感情がこみ上げたり混ざりあったりで、なんだかフワフワしていました。今は普段の練習などを通していつもの自分に落ち着いています。
大村:今年は岸和田FIの3連勝や地元川崎記念(GIII)で優勝してスタートダッシュを切りました。
郡司:去年の12月の取り組みが結果に出てくれました。ひと月走らずにその間は自分のやりたいことや2024年に向けて体づくりなどやり直しました。競輪祭(GI)が終わって新しい年はあらためて1班からS班をめざすんだと気持ちを引き締めて臨みました。
大村:今回の全日本選抜競輪(GI)は静岡記念(GIII)から中3日でした。調整はどのようになさいましたか。
郡司:間隔が短いのは気になりませんでした。体調面は年末にしっかりと練習が出来たことがプラスしました。直前のレースが川崎・静岡の南関2場だったので気持ちの面でも得るものがあり、いい状態で前検日に入れたと思います。
大村:特別選抜予選は新山選手(新山響平選手・青森107期)と寺崎選手(寺崎浩平選手・福井117期)の動きを見ながらのレースでした。
郡司:初日は自分も自力戦でしたので、寺崎君が突っ張ったのを見て(5番手に)位置を変えて。そんな中でレースは見えていました。
大村:新山選手が後退して佐藤選手(佐藤慎太郎選手・福島78期)が真横に下りました。
郡司:レース中の一瞬々々の判断の中で引いてしまっては入られますから譲れませんでしたが・・・結果一流の追込選手と並走になって内に詰まりました。
大村:前々を心掛ける中団確保でしたね。
郡司:ええ、そうなんです。けど、これはたらればなんですけど、いっそ引いて立て直して外を仕掛ければ悔いが残らないレースだったとも思いました。脚に余裕があったので外を踏まず詰まったままだったのは悔しかったですね。
大村:二次予選は北井選手(北井佑季選手・神奈川119期)の番手でした。神奈川ラインの初手は前団、展開は嘉永選手(嘉永泰斗選手・熊本113期)が先に動きました。
郡司:北井さんが突っ張るのか下げるのかは任せました。嘉永君を出すと引いて引いて後方になるので一度突っ張って。取鳥君(取鳥雄吾選手・岡山107期)はしかるべきところで仕掛けてくるという判断でしょう。
大村:郡司選手の後ろで嘉永選手と佐々木悠葵選手(群馬115期)で取り合っていました。また北井選手の捲りには番手の松浦選手(松浦悠士選手・広島98期)のブロックがありました。
郡司:後ろで二人が取り合っているのは見えていました。北井さんも同様で後ろの動向を見ながらタイミングを計るレースだったと思います。バックで捲ったとき松浦は縦に踏むタイミングがズレたようでした。3コーナーで絡みましたけど対応できたので追走は問題なかったです。
大村:準決勝は松井宏佑選手(神奈川113期)に任せる番手、後ろが和田健太郎選手(千葉87期)の並びでした。どのような作戦でしたか。
郡司:まずは犬伏(犬伏湧也選手・徳島119期)との勝負になると思っていました。もっと警戒されるかと思いましたが(犬伏選手が)早めに斬って流すところを松井が叩いてくれたので後はどこから駆けるか、その判断は任せて追走しようという展開でした。
大村:打鐘では古性選手(古性優作選手・大阪100期)が和田選手の内に差込んで郡司選手の内まで上がりました。
郡司:前を叩いて少し緩めて、古性を内に詰まらせながら出て(古性選手を)4番手にした後は犬伏が引くのかな?どうかな?という展開イメージでした。それだけに古性が内まで来たのは想定外でした。自分でも内を締めてる意識でいたので対応しきれなかったです。
大村:好位は奪われましたが5番手で立て直しました。
郡司:中団に入れたのは只、運が良かったです。僕も最終HSでいけるところまで追上げる・・・とにかく外を行きたかったんですけど宏佑も引けませんしペースを上げたので、そうなると僕の脚では合わされたと思います。
大村:郡司選手はBS過ぎに仕掛けました。踏み出した感触はいかがでしたか。
郡司:宏佑のかかりが良くって古性も外へ持出しても行けず詰まったことで僕は外へ踏み出せました。(踏み出した)感触は悪くなかったんですが4コーナーは古性が前に出たタイミングだったので失速しました。南さん(南修二選手・大阪88期)の横の動きもあって最後までやられてしまった。なんとか3着でしのいだ。そんなレースでした。
大村:3走を終えてコンディション等はいかがでしたか。
郡司:体調面は問題ないんですが気持ちの面で力みがありました。準決勝に関してはどうにも昂(たかぶ)っていました。なので決勝は冷静に落ち着いて走ろうと考えました。
大村:そしていよいよ決勝戦です。
郡司:神奈川ラインは車番が不利なので後ろからにはなるだろうと。対して新山が1番車なので(初手で前を取って)いつものレースをするのか?だとしたら一度は突っ張られるのか踏み合いになるのか・・・そのあたりのイメージはしていました。
大村:初手は古性選手で、3番手の清水選手(清水裕友選手・山口105期)が斬った上を神奈川ラインで出切ったのは大きかったですか?
郡司:ええ!まさにそこがポイントでした。新山の初手は5番手だったので北井さんが軽く抑えて・・・それが出来た時点で前には立てるだろうと判断しました。出るときに絡まれるのを注意しながらでしたが、清水の調子が良かったので(清水選手は)勝負できると考えて4番手を取りに行くだろうと思いました。
大村:最終HSは新山選手が一車でやってきました。浅井選手(浅井康太選手・三重90期)の追上を巧みに捌きましたね。
郡司:浅井さんが前と車間が出来たので踏んでいる勢いで入る位置を探すのは見えました。1コーナーで新山を出して北井さんを番手に入れてサポートする態勢が取れました。
大村:松谷選手(松谷秀幸選手・神奈川96期)も浅井選手を捌いたことで下りて古性選手の仕掛けが遅れました。
郡司:松谷さんが固めてくれてたのは心強かったです。2コーナーからBSでは誰も外を踏んでいるように見えなかったので3コーナーで自分たちのところまで来るタイミングではなかったですね。
大村:2センターで清水選手が急接近しました。
郡司:あの時は捲った北井さんが(新山選手を)越えられるかの勝負に集中していました。なので清水に気づいたのはホントに僕のすぐ横に来た時だったんです。
大村:清水選手の捲りが迫る中、直線一気に追い込んで且つ北井選手を3着に残しました。
郡司:北井さんを残しながら踏んだのが4コーナーでした。清水に行かれてしまうかも・・・とよぎりましたけど脚が溜まっていた分、車が出ましたね。
北井さんを抜けるか抜けないかの勝負で清水も勢いが良かったので、ゴールした瞬間もした後も「どうかな?」って感覚でした。北井さんを残せたというよりも感覚的に残っただろうなという感じで。優勝もすぐには実感が湧かなかったですね。
大村:3年前の全日本選抜(GI)は無観客での開催でしたが、今年のゴールは詰めかけたお客様から大きな声援がありました。
郡司:そうですね!お客様の歓声で優勝の実感が生まれて、同時に嬉しさや喜びやいろんなものがこみ上げてきました。昨日(2月24日)に行った優勝報告会でも沢山のお客様がいらしてくださって。本当にお客様の声援があっての自分たちだなって・・・!
大村:南関東ラインの結束力も大きいですね。
郡司:初日と決勝で後ろを固めてくださった松谷さんは川崎桜花賞(GIII)でも絡まれながらでもすごい頑張ってくれて、今回の決勝でも三番手の仕事を優先されたことでの僕の優勝でしたし、自分の力だけでないラインの力をあらためて感じました。
大村:優勝後に、「いち早いGI優勝はメリットだけでなくデメリットもある」旨のコメントをされましたが具体的にはどういったことですか。
郡司:メリットはグランプリ出場なんですが、まだまだ今年も始まったばかりですしグランプリとなるとまだ先は長いです。デメリットというか・・・人間どうしても一年間いい調子でいられません。(好不調の)波はさけられないと思います。メンタル面では余裕の有無や気持ちが緩んでしまったり。これは3年前にも感じていたんですが今年はそれらを反省して過ごそうと思います。またレースでは対戦者から警戒されるので気持ちを引き締めて臨まないといけません。
大村:話は変わりますがプライベートの時間の使い方ってどうですか?
郡司:プライベートですか(笑) そうですね、最近はレース中心練習中心になりますが身体を休めることだったりとか。その一環としてってばかりでもないですけど、息抜きとして美味しいものを食べに行ったり飲みに行ったりします。
大村:レースに向けて張り詰めた緊張感をケアする時間ですね。
郡司:そうですね。よく一緒に行くのは和田真久留(和田真久留選手・神奈川99期)です。同県の先輩では松谷さんや松坂洋平(松坂洋平選手・神奈川89期)さんです。定期的に美味しいものを食べにいって~、飲みに行って~って(笑) それこそ大きなレースの前とか後とかに。先輩方なんですけど本当に打ち解けて話せてます。
大村:そういった関係ってレースにいい影響、効果がありますよね。
郡司:ええ。先輩方や同級や、最近では後輩たちとも一緒に練習する機会が増えてきましたし、親交を深める環境づくりも取り組んでいきたいですね。
大村:今後の目標はなんでしょうか。またこの後はFI戦に出走されますがそこで試したいことなどはありますか。
郡司:月並みですがGIの優勝です。同時に大きい舞台で南関の選手でひとりでも多く決勝に勝ち上がることです。そうなればなるほど南関の選手にチャンスが増えます。そうできるように努めるのはひとつの課題だと思います。
FI戦では自分が前で戦うレースが中心になるでしょうから力勝負をしていきたいですね。7車立は9車立とは別物なので。あえていえば今回の勝ち上がりであったような失敗を繰り返さないことですね。
大村:では最後にオッズパーク会員の皆さまへメッセージをお願いします。
郡司:いつも応援ありがとうございます。おかげさまで優勝することができました。これからも変わらず自分らしい走りをレースで見せられればと思うので変わらず応援をよろしくお願いいたします!
大村:ありがとうございました。
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※インタビュー / 大村篤史(おおむらあつし)
2012年4月から小倉競輪場を中心にレース実況を担当。名前と同様の"熱い"実況スタイルでレースのダイナミズムを伝えることが信条。2022年7月からは小倉ミッドナイト競輪CS中継の二代目メインMCとしても出演中。
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選手生活13年6カ月という早さで通算500勝を達成した原田研太朗選手(徳島98期)。
ここまでの選手生活の振り返りや、思い出に残ったレースなど様々なお話を伺いました。
大津:500勝達成おめでとうございます。
原田:ありがとうございます。
大津:原田選手らしい豪快な捲りでしたね。
原田:一回脚を使って最後方からの仕掛けになったんですが思ったより伸びてくれて良かったです。
大津:13年6カ月での達成です。
原田:昔から1着は多いなと思っていました。300勝を達成した時に表彰されたんですが、「こんなに早く達成出来たんだ。」って感じましたね。
大津:2着3着よりも1着が突出して多いですもんね。
原田:自分でも1着選手なのかなって思います。スタイル的にも1着が取りやすいっていうか、自力型なので自分のタイミングで仕掛けられますしね。今は違いますが昔は人の後ろで1着を取らせてもらうこともありました。展開上恵まれることが人より多かった気がします。
大津:ここまでのレースで思い出に残っているレースはありますか。
原田:区切りでいうと100勝、200勝の時ですかね。前半の時のレースのほうが印象には残っています。僕は特別昇級とかして上のクラスに上がったわけではなく、普通の定期昇級で2年かけてS級に上がったんですけど、S級最初のレースが地元の小松島記念(GIII)でした。その予選で勝ったのが100勝目でした。「S級で本当に戦えるのか」って思ってた頃なので、めちゃくちゃ嬉しいという感じではないのですが、思い出に残っています。
200勝は京王閣のダービー(GI)で逃げ切ったんです。特別競輪での逃げ切りですし、その開催では初めてGIの決勝にも乗ったのでよく覚えています。
大津:節目の勝利が地元記念とダービーとは持っていますね。
原田:そうですね。その後、300勝、400勝、500勝と段々淡々としてきてしまっています。「あー、もう300勝なんかー。」って感じで。
大津:それにしても早いペースで勝ち星を積み重ねてきた印象があります。
原田:最初は2年~3年くらいのペースで勝ててました。
大津:勝ち星に対しての意識はかなり持っていましたか。
原田:どの競技でも選手として1着を目指してっていうのは誰しもが持っていることだと思います。
その中で競輪というスポーツはラインという特殊なものがあり、その中での兼ね合いということになるんですが、それでもやはり1着への意識というのは強くあると思います。
狙って取りに行っているわけではなく、頑張って走っていたら結果として1着になったっていう感じですかね。着は後から付いてくるんで。
大津:神山雄一郎選手(栃木61期)が持つ12年1カ月という500勝達成の記録も塗り替えられるのかなって思ったのですが。
原田:400勝を達成した時にはイケるかなぁなんて思ったんですが、最近はあまり勝ててなかったので、500勝まではけっこうかかっちゃいましたね。
大津:勝てなくなった要因として7車立てのレースは関係ありますか。
原田:周りからは7車のほうが良いんじゃないかって言われていたんですが、あんまり僕はそうは思えなくて・・・。やっぱり競輪は9車が良いです。
大津:9車が良いっていうのはどうしてなんですか。
原田:7車はレースが単調になってしまうので9車が良いです。若手や力のある選手はやりやすいかと思うのですが。両方体験しましたけど、走ってて9車のほうが楽しいですね。
大津:2021年から2022年にかけて16連勝したこともありました。
原田:あの時は自転車と身体がマッチして非常に良い感覚でした。脚も綺麗に回っていましたし、上半身の使い方も良かったです。
僕、けっこう波が激しい選手なのでそれが毎度続いているんですが、あの時期は練習の時から凄い良かったです。選手人生の中で一番良かったかと言われるとそうではないですけど30歳を超えた中では、あの頃が感覚一番しっくりきていました。
大津:2022年には「人の後ろは回らない。」という決意表明もありました。
原田:技術的に人の後ろを回るのが向いていなかったというか、けっこう迷惑をかけることも多かったので、そういう話をしました。スタイルとしても前を走るほうが向いてるな、と。色んな人からアドバイスをいただいて答えを出しました。
大津:近年、中四国勢の若手選手の活躍が光りますが、後ろにつけたいという思いはありませんか。
原田:そうですね、でも大概は過去に付いてますからね。多分付いたことのない選手のほうが少ないと思います。
大津:仮に今の犬伏選手(犬伏湧也選手・徳島119期)をマークしたらどうなりそうですか。
原田:付いていけんのちゃいますかね。過去にも離れてるので離れる気がします。
映像で見てても凄いダッシュですし、僕が連携してた時よりも確実に強くなってますから。
大津:このスタイルは今後も変わらずにされる予定ですか。
原田:何歳までやりたいとかは全然決めてなくて納得いくまではやり続けたいです。
年齢を重ねると力は落ちてくるので、その時はもしかしたらスタイルを変えるかもしれません。今のところは前でやりたいって気持ちが強いですね。
大津:今後の目標って何かありますか。
原田:500勝を達成した時にもたくさん聞かれたのですが、今は一戦一戦目の前のレースを頑張るだけです。
以前は特別競輪のレースを頑張りたいとかありましたけど、これまで立てた目標ってのはある程度僕も達成してるんですよね。それ以上の目標ってなると特別を優勝することってなるし、それはさすがにまだまだそこまでのレベルではないですから。なので一つ一つのレースを大切にすることですかね。その積み重ねが特別の出場に繋がりますし、出場すれば勝つチャンスも生まれてきますからね。
大津:最近また調子が上向いている感じがしますがいかがですか。
原田:色々と考えてやっていることが実を結びつつあって、これを継続してやっていければ以前ほどではないですが感覚的には良くなっていくんだろうなって感じています。
大津:高松記念(GIII)では落車のアクシデントがありました。
原田:数年ぶりの落車ですが、幸い大事には至りませんでした。
大津:近況のレースでの課題はありますか。
原田:淡白なレースが多いので位置取りとかをしっかりしていきたいですね。
ただ、この部分に関しては練習というよりも実践の中でしか得られないものがあるのでちょっとずつ勉強と思ってやっていきたいです。淡白なレースは僕らしいといえば僕らしいですが、その中で変化を求めていきたいです。
大津:原田選手らしい破壊力のある走りを期待しているファンの方が多いと思います。
原田:話題のあるレースが出来たら、またオッズパークで取材をしてください。
大津:最後にオッズパーク会員の皆様にメッセージをお願い致します。
原田:これからも自力選手として頑張りますので僕を一着で買ってください。
これからも応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / 大津尚之(おおつなおゆき)
ソフトな見た目と裏腹にパワフルで安定感のある重低音ボイスが魅力。
実況、ナレーション、インタビュー、俳優など活躍の場は多岐にわたる。
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