今回は2月12日まで岐阜競輪場で行われた〈令和六年能登半島地震復興支援競輪・第39回読売新聞社杯全日本選抜競輪(GI)〉を制しました郡司浩平選手(神奈川99期)にシリーズを振り返っていただきました。強豪が集う今年最初の特別競輪はどのような4日間だったのか。早くもS班復帰を決めた郡司選手のこれからの一年は?南関東地区の若大将と評される郡司選手にお話をうかがいました。
大村:この度は3度目のGI制覇、3年ぶりの全日本選抜(GI)優勝おめでとうございます。
郡司:ありがとうございます!
大村:優勝から2週間経った今のお気持ちはいかがでしょうか。
郡司:直後は優勝の喜びだけでなく色んな感情がこみ上げたり混ざりあったりで、なんだかフワフワしていました。今は普段の練習などを通していつもの自分に落ち着いています。
大村:今年は岸和田FIの3連勝や地元川崎記念(GIII)で優勝してスタートダッシュを切りました。
郡司:去年の12月の取り組みが結果に出てくれました。ひと月走らずにその間は自分のやりたいことや2024年に向けて体づくりなどやり直しました。競輪祭(GI)が終わって新しい年はあらためて1班からS班をめざすんだと気持ちを引き締めて臨みました。
大村:今回の全日本選抜競輪(GI)は静岡記念(GIII)から中3日でした。調整はどのようになさいましたか。
郡司:間隔が短いのは気になりませんでした。体調面は年末にしっかりと練習が出来たことがプラスしました。直前のレースが川崎・静岡の南関2場だったので気持ちの面でも得るものがあり、いい状態で前検日に入れたと思います。
大村:特別選抜予選は新山選手(新山響平選手・青森107期)と寺崎選手(寺崎浩平選手・福井117期)の動きを見ながらのレースでした。
郡司:初日は自分も自力戦でしたので、寺崎君が突っ張ったのを見て(5番手に)位置を変えて。そんな中でレースは見えていました。
大村:新山選手が後退して佐藤選手(佐藤慎太郎選手・福島78期)が真横に下りました。
郡司:レース中の一瞬々々の判断の中で引いてしまっては入られますから譲れませんでしたが・・・結果一流の追込選手と並走になって内に詰まりました。
大村:前々を心掛ける中団確保でしたね。
郡司:ええ、そうなんです。けど、これはたらればなんですけど、いっそ引いて立て直して外を仕掛ければ悔いが残らないレースだったとも思いました。脚に余裕があったので外を踏まず詰まったままだったのは悔しかったですね。
大村:二次予選は北井選手(北井佑季選手・神奈川119期)の番手でした。神奈川ラインの初手は前団、展開は嘉永選手(嘉永泰斗選手・熊本113期)が先に動きました。
郡司:北井さんが突っ張るのか下げるのかは任せました。嘉永君を出すと引いて引いて後方になるので一度突っ張って。取鳥君(取鳥雄吾選手・岡山107期)はしかるべきところで仕掛けてくるという判断でしょう。
大村:郡司選手の後ろで嘉永選手と佐々木悠葵選手(群馬115期)で取り合っていました。また北井選手の捲りには番手の松浦選手(松浦悠士選手・広島98期)のブロックがありました。
郡司:後ろで二人が取り合っているのは見えていました。北井さんも同様で後ろの動向を見ながらタイミングを計るレースだったと思います。バックで捲ったとき松浦は縦に踏むタイミングがズレたようでした。3コーナーで絡みましたけど対応できたので追走は問題なかったです。
大村:準決勝は松井宏佑選手(神奈川113期)に任せる番手、後ろが和田健太郎選手(千葉87期)の並びでした。どのような作戦でしたか。
郡司:まずは犬伏(犬伏湧也選手・徳島119期)との勝負になると思っていました。もっと警戒されるかと思いましたが(犬伏選手が)早めに斬って流すところを松井が叩いてくれたので後はどこから駆けるか、その判断は任せて追走しようという展開でした。
大村:打鐘では古性選手(古性優作選手・大阪100期)が和田選手の内に差込んで郡司選手の内まで上がりました。
郡司:前を叩いて少し緩めて、古性を内に詰まらせながら出て(古性選手を)4番手にした後は犬伏が引くのかな?どうかな?という展開イメージでした。それだけに古性が内まで来たのは想定外でした。自分でも内を締めてる意識でいたので対応しきれなかったです。
大村:好位は奪われましたが5番手で立て直しました。
郡司:中団に入れたのは只、運が良かったです。僕も最終HSでいけるところまで追上げる・・・とにかく外を行きたかったんですけど宏佑も引けませんしペースを上げたので、そうなると僕の脚では合わされたと思います。
大村:郡司選手はBS過ぎに仕掛けました。踏み出した感触はいかがでしたか。
郡司:宏佑のかかりが良くって古性も外へ持出しても行けず詰まったことで僕は外へ踏み出せました。(踏み出した)感触は悪くなかったんですが4コーナーは古性が前に出たタイミングだったので失速しました。南さん(南修二選手・大阪88期)の横の動きもあって最後までやられてしまった。なんとか3着でしのいだ。そんなレースでした。
大村:3走を終えてコンディション等はいかがでしたか。
郡司:体調面は問題ないんですが気持ちの面で力みがありました。準決勝に関してはどうにも昂(たかぶ)っていました。なので決勝は冷静に落ち着いて走ろうと考えました。
大村:そしていよいよ決勝戦です。
郡司:神奈川ラインは車番が不利なので後ろからにはなるだろうと。対して新山が1番車なので(初手で前を取って)いつものレースをするのか?だとしたら一度は突っ張られるのか踏み合いになるのか・・・そのあたりのイメージはしていました。
大村:初手は古性選手で、3番手の清水選手(清水裕友選手・山口105期)が斬った上を神奈川ラインで出切ったのは大きかったですか?
郡司:ええ!まさにそこがポイントでした。新山の初手は5番手だったので北井さんが軽く抑えて・・・それが出来た時点で前には立てるだろうと判断しました。出るときに絡まれるのを注意しながらでしたが、清水の調子が良かったので(清水選手は)勝負できると考えて4番手を取りに行くだろうと思いました。
大村:最終HSは新山選手が一車でやってきました。浅井選手(浅井康太選手・三重90期)の追上を巧みに捌きましたね。
郡司:浅井さんが前と車間が出来たので踏んでいる勢いで入る位置を探すのは見えました。1コーナーで新山を出して北井さんを番手に入れてサポートする態勢が取れました。
大村:松谷選手(松谷秀幸選手・神奈川96期)も浅井選手を捌いたことで下りて古性選手の仕掛けが遅れました。
郡司:松谷さんが固めてくれてたのは心強かったです。2コーナーからBSでは誰も外を踏んでいるように見えなかったので3コーナーで自分たちのところまで来るタイミングではなかったですね。
大村:2センターで清水選手が急接近しました。
郡司:あの時は捲った北井さんが(新山選手を)越えられるかの勝負に集中していました。なので清水に気づいたのはホントに僕のすぐ横に来た時だったんです。
大村:清水選手の捲りが迫る中、直線一気に追い込んで且つ北井選手を3着に残しました。
郡司:北井さんを残しながら踏んだのが4コーナーでした。清水に行かれてしまうかも・・・とよぎりましたけど脚が溜まっていた分、車が出ましたね。
北井さんを抜けるか抜けないかの勝負で清水も勢いが良かったので、ゴールした瞬間もした後も「どうかな?」って感覚でした。北井さんを残せたというよりも感覚的に残っただろうなという感じで。優勝もすぐには実感が湧かなかったですね。
大村:3年前の全日本選抜(GI)は無観客での開催でしたが、今年のゴールは詰めかけたお客様から大きな声援がありました。
郡司:そうですね!お客様の歓声で優勝の実感が生まれて、同時に嬉しさや喜びやいろんなものがこみ上げてきました。昨日(2月24日)に行った優勝報告会でも沢山のお客様がいらしてくださって。本当にお客様の声援があっての自分たちだなって・・・!
大村:南関東ラインの結束力も大きいですね。
郡司:初日と決勝で後ろを固めてくださった松谷さんは川崎桜花賞(GIII)でも絡まれながらでもすごい頑張ってくれて、今回の決勝でも三番手の仕事を優先されたことでの僕の優勝でしたし、自分の力だけでないラインの力をあらためて感じました。
大村:優勝後に、「いち早いGI優勝はメリットだけでなくデメリットもある」旨のコメントをされましたが具体的にはどういったことですか。
郡司:メリットはグランプリ出場なんですが、まだまだ今年も始まったばかりですしグランプリとなるとまだ先は長いです。デメリットというか・・・人間どうしても一年間いい調子でいられません。(好不調の)波はさけられないと思います。メンタル面では余裕の有無や気持ちが緩んでしまったり。これは3年前にも感じていたんですが今年はそれらを反省して過ごそうと思います。またレースでは対戦者から警戒されるので気持ちを引き締めて臨まないといけません。
大村:話は変わりますがプライベートの時間の使い方ってどうですか?
郡司:プライベートですか(笑) そうですね、最近はレース中心練習中心になりますが身体を休めることだったりとか。その一環としてってばかりでもないですけど、息抜きとして美味しいものを食べに行ったり飲みに行ったりします。
大村:レースに向けて張り詰めた緊張感をケアする時間ですね。
郡司:そうですね。よく一緒に行くのは和田真久留(和田真久留選手・神奈川99期)です。同県の先輩では松谷さんや松坂洋平(松坂洋平選手・神奈川89期)さんです。定期的に美味しいものを食べにいって~、飲みに行って~って(笑) それこそ大きなレースの前とか後とかに。先輩方なんですけど本当に打ち解けて話せてます。
大村:そういった関係ってレースにいい影響、効果がありますよね。
郡司:ええ。先輩方や同級や、最近では後輩たちとも一緒に練習する機会が増えてきましたし、親交を深める環境づくりも取り組んでいきたいですね。
大村:今後の目標はなんでしょうか。またこの後はFI戦に出走されますがそこで試したいことなどはありますか。
郡司:月並みですがGIの優勝です。同時に大きい舞台で南関の選手でひとりでも多く決勝に勝ち上がることです。そうなればなるほど南関の選手にチャンスが増えます。そうできるように努めるのはひとつの課題だと思います。
FI戦では自分が前で戦うレースが中心になるでしょうから力勝負をしていきたいですね。7車立は9車立とは別物なので。あえていえば今回の勝ち上がりであったような失敗を繰り返さないことですね。
大村:では最後にオッズパーク会員の皆さまへメッセージをお願いします。
郡司:いつも応援ありがとうございます。おかげさまで優勝することができました。これからも変わらず自分らしい走りをレースで見せられればと思うので変わらず応援をよろしくお願いいたします!
大村:ありがとうございました。
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※インタビュー / 大村篤史(おおむらあつし)
2012年4月から小倉競輪場を中心にレース実況を担当。名前と同様の"熱い"実況スタイルでレースのダイナミズムを伝えることが信条。2022年7月からは小倉ミッドナイト競輪CS中継の二代目メインMCとしても出演中。
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選手生活13年6カ月という早さで通算500勝を達成した原田研太朗選手(徳島98期)。
ここまでの選手生活の振り返りや、思い出に残ったレースなど様々なお話を伺いました。
大津:500勝達成おめでとうございます。
原田:ありがとうございます。
大津:原田選手らしい豪快な捲りでしたね。
原田:一回脚を使って最後方からの仕掛けになったんですが思ったより伸びてくれて良かったです。
大津:13年6カ月での達成です。
原田:昔から1着は多いなと思っていました。300勝を達成した時に表彰されたんですが、「こんなに早く達成出来たんだ。」って感じましたね。
大津:2着3着よりも1着が突出して多いですもんね。
原田:自分でも1着選手なのかなって思います。スタイル的にも1着が取りやすいっていうか、自力型なので自分のタイミングで仕掛けられますしね。今は違いますが昔は人の後ろで1着を取らせてもらうこともありました。展開上恵まれることが人より多かった気がします。
大津:ここまでのレースで思い出に残っているレースはありますか。
原田:区切りでいうと100勝、200勝の時ですかね。前半の時のレースのほうが印象には残っています。僕は特別昇級とかして上のクラスに上がったわけではなく、普通の定期昇級で2年かけてS級に上がったんですけど、S級最初のレースが地元の小松島記念(GIII)でした。その予選で勝ったのが100勝目でした。「S級で本当に戦えるのか」って思ってた頃なので、めちゃくちゃ嬉しいという感じではないのですが、思い出に残っています。
200勝は京王閣のダービー(GI)で逃げ切ったんです。特別競輪での逃げ切りですし、その開催では初めてGIの決勝にも乗ったのでよく覚えています。
大津:節目の勝利が地元記念とダービーとは持っていますね。
原田:そうですね。その後、300勝、400勝、500勝と段々淡々としてきてしまっています。「あー、もう300勝なんかー。」って感じで。
大津:それにしても早いペースで勝ち星を積み重ねてきた印象があります。
原田:最初は2年~3年くらいのペースで勝ててました。
大津:勝ち星に対しての意識はかなり持っていましたか。
原田:どの競技でも選手として1着を目指してっていうのは誰しもが持っていることだと思います。
その中で競輪というスポーツはラインという特殊なものがあり、その中での兼ね合いということになるんですが、それでもやはり1着への意識というのは強くあると思います。
狙って取りに行っているわけではなく、頑張って走っていたら結果として1着になったっていう感じですかね。着は後から付いてくるんで。
大津:神山雄一郎選手(栃木61期)が持つ12年1カ月という500勝達成の記録も塗り替えられるのかなって思ったのですが。
原田:400勝を達成した時にはイケるかなぁなんて思ったんですが、最近はあまり勝ててなかったので、500勝まではけっこうかかっちゃいましたね。
大津:勝てなくなった要因として7車立てのレースは関係ありますか。
原田:周りからは7車のほうが良いんじゃないかって言われていたんですが、あんまり僕はそうは思えなくて・・・。やっぱり競輪は9車が良いです。
大津:9車が良いっていうのはどうしてなんですか。
原田:7車はレースが単調になってしまうので9車が良いです。若手や力のある選手はやりやすいかと思うのですが。両方体験しましたけど、走ってて9車のほうが楽しいですね。
大津:2021年から2022年にかけて16連勝したこともありました。
原田:あの時は自転車と身体がマッチして非常に良い感覚でした。脚も綺麗に回っていましたし、上半身の使い方も良かったです。
僕、けっこう波が激しい選手なのでそれが毎度続いているんですが、あの時期は練習の時から凄い良かったです。選手人生の中で一番良かったかと言われるとそうではないですけど30歳を超えた中では、あの頃が感覚一番しっくりきていました。
大津:2022年には「人の後ろは回らない。」という決意表明もありました。
原田:技術的に人の後ろを回るのが向いていなかったというか、けっこう迷惑をかけることも多かったので、そういう話をしました。スタイルとしても前を走るほうが向いてるな、と。色んな人からアドバイスをいただいて答えを出しました。
大津:近年、中四国勢の若手選手の活躍が光りますが、後ろにつけたいという思いはありませんか。
原田:そうですね、でも大概は過去に付いてますからね。多分付いたことのない選手のほうが少ないと思います。
大津:仮に今の犬伏選手(犬伏湧也選手・徳島119期)をマークしたらどうなりそうですか。
原田:付いていけんのちゃいますかね。過去にも離れてるので離れる気がします。
映像で見てても凄いダッシュですし、僕が連携してた時よりも確実に強くなってますから。
大津:このスタイルは今後も変わらずにされる予定ですか。
原田:何歳までやりたいとかは全然決めてなくて納得いくまではやり続けたいです。
年齢を重ねると力は落ちてくるので、その時はもしかしたらスタイルを変えるかもしれません。今のところは前でやりたいって気持ちが強いですね。
大津:今後の目標って何かありますか。
原田:500勝を達成した時にもたくさん聞かれたのですが、今は一戦一戦目の前のレースを頑張るだけです。
以前は特別競輪のレースを頑張りたいとかありましたけど、これまで立てた目標ってのはある程度僕も達成してるんですよね。それ以上の目標ってなると特別を優勝することってなるし、それはさすがにまだまだそこまでのレベルではないですから。なので一つ一つのレースを大切にすることですかね。その積み重ねが特別の出場に繋がりますし、出場すれば勝つチャンスも生まれてきますからね。
大津:最近また調子が上向いている感じがしますがいかがですか。
原田:色々と考えてやっていることが実を結びつつあって、これを継続してやっていければ以前ほどではないですが感覚的には良くなっていくんだろうなって感じています。
大津:高松記念(GIII)では落車のアクシデントがありました。
原田:数年ぶりの落車ですが、幸い大事には至りませんでした。
大津:近況のレースでの課題はありますか。
原田:淡白なレースが多いので位置取りとかをしっかりしていきたいですね。
ただ、この部分に関しては練習というよりも実践の中でしか得られないものがあるのでちょっとずつ勉強と思ってやっていきたいです。淡白なレースは僕らしいといえば僕らしいですが、その中で変化を求めていきたいです。
大津:原田選手らしい破壊力のある走りを期待しているファンの方が多いと思います。
原田:話題のあるレースが出来たら、またオッズパークで取材をしてください。
大津:最後にオッズパーク会員の皆様にメッセージをお願い致します。
原田:これからも自力選手として頑張りますので僕を一着で買ってください。
これからも応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / 大津尚之(おおつなおゆき)
ソフトな見た目と裏腹にパワフルで安定感のある重低音ボイスが魅力。
実況、ナレーション、インタビュー、俳優など活躍の場は多岐にわたる。
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オッズパーク会員の皆様こんにちは。大津尚之です。
私は今回、競輪の2023年優秀選手表彰式典に行ってきました。新型コロナウイルスの影響により中止が続いておりましたが、ファンを招いての開催は2020年2月以来およそ4年振りでした。
佐藤水菜選手と太田海也選手以外のナショナルチーム所属の選手はアジア選手権に向けたトレーニングのため欠席。またガールズの優秀選手賞を受賞した児玉碧衣選手(福岡108期)、昨年6月に通算900賞を達成し特別賞を受賞した神山雄一郎選手(栃木61期)は体調不良のため欠席でした。
表彰式典では最優秀選手賞を受賞した古性優作選手と佐藤水菜選手が登壇しメッセージを述べられました。
古性優作選手(大阪100期)
『この度は2023年度の最優秀選手賞に選出いただき大変光栄です。これからも一走一走全力で頑張ってファンの皆さんの期待に応える以上に超えていきたいと思って全力で頑張ります。本日は誠にありがとうございました。』
佐藤水菜選手(神奈川114期)
『この度は2023年度の最優秀選手賞に選出いただき大変光栄です。この賞を励みにこれからも全力で精進いたします。本日は誠にありがとうございます。』
その後の受賞者イベントでは中野浩一さんが登場し、初めにナショナルチームのブノワさんとトークイベントが行われ、今年開催されるパリオリンピックに向けての意気込みなどを話されました。
そして、各部門受賞者がステージにあがり中野浩一さんと和やかな雰囲気でトークショーがスタート。各選手とも戦いの場である競輪場では見せない表情で終始穏やかに進行されました。
各受賞者のコメントは以下のとおりです。
【優勝記録更新選手】
尾方真生選手(福岡118期)
「昨年は前の年に比べてレースを上手く考えながら走るということを心掛けて一年間頑張ってきました。(なにか買い物はしたか?)去年は車を買いました。今年は4月に地元久留米でGIをやるので、そこに向けてしっかり頑張りたいです。」
【優勝記録更新選手】
坂口楓華選手(愛知112期)
「去年一年は成長出来た一年だったと思います。(なにか買い物はしたか?)自転車を買いました。
今年はGIの優勝目指して頑張ります。」
【特別敢闘賞】
脇本雄太選手(福井94期)
「(おめでとうと言っていいか?)僕としてはこの賞を受賞していいのかという気持ちがあります。
去年に関してはGI優勝もしていませんし、記念の優勝も三回しかないので、その中で受賞出来て光栄だと思っています。
今年はインフルエンザや落車もあって悪い流れが続いていましたが、全日本選抜競輪(GI)の準決勝で北井君(北井佑季選手・神奈川119期)と先行争いをして納得のいくレースが出来たので自分の中では調子が悪い中で復活の目途は立ってきたのかなと思っています。去年はタイトルが獲れなかったので今年こそタイトルを獲ってしっかり活躍出来たらと思っています。」
【特別敢闘賞】
久米詩選手(静岡116期)
「去年は大きな変化のある一年でした。ビッグレースで勝ったことが一番大きかったです。
(レースにのぞむ気持ちに変化は?)周りからレースを楽しんでいるねとか充実してそうだね、という言葉はいただきました。一つでも多くのレースで勝てるようにしっかり頑張りたいと思います。」
脇本選手から「去年二回ナショナルチームでトレーニングをさせてもらったんですが、僕の後ろに久米選手が付いていたときに抜かれそうになりました。」
久米選手「付いていけただけで、私は実質オリンピアンじゃね?って思いました(笑)」
という一幕も。
【優秀新人賞】
太田海也選手(岡山121期)
「昨年はネーションズカップや日本の競輪で様々なレースを走らせてもらい、悔しいレースが多くあった中でも充実したレースもあって成長に繋がる一年だったと思います。負けるたびにもっと強くなってやりたいとか、次は絶対に負けないぞという強い気持ちが芽生えるのが楽しかったです。
今年はずっと目標にしていたパリオリンピックがありますので、そこに向かって自分自身を信じてしっかり精進してまいりますので応援よろしくお願いします。」
【優秀新人賞】
吉川美穂選手(和歌山120期)
「昨年はビッグレースで初めて確定板に乗れたことから続けて好成績を残せたので自分自身成長した一年だったと思います。今年はこれからしっかりと身体を作り上げて年末のグランプリに出場出来るようしっかり頑張ります。」
【優秀選手賞】
山口拳矢選手(岐阜117期)
「昨年は前半良くて後半が良くなかったと感じています。落車をしてから色々と噛み合わなくなってしまいました。年末にグランプリもあったので、また落車したらどうしようと大事に走り過ぎました。今年はSSになって中部の代表という自覚をもって引っ張って行けたらと思っています。」
【優秀選手賞】
眞杉匠選手(栃木113期)
「昨年は結果だけみれば前の年に比べて大分良かったです。番手戦も増えて自分の中で成長できたかなと思っています。(113期の活躍が光るが?)僕も113期の中では大分出遅れていて焦って焦ってやっと追いつけたという感じなので。関東は森田(森田優弥選手・埼玉113期)や泰正(小林泰正選手・群馬113期)だったり強い同期が多いので高め合ってやっていきたいです。今年は怪我からのスタートになりましたが、去年の自分を超えられるように、自分のレースでGIを獲れるように頑張りたいと思います。」
【優秀選手賞】
松浦悠士選手(広島98期)
「(山口選手の発言を受けて)昨年は前半が悪くて後半が良かったと思います。(GIIを獲っていたが?)ウィナーズ(GII)はアクシデントがありましたし、サマーナイト(GII)に関しては脇本さんのおかげです。『脇本さん、ありがとうございます。』(脇本選手笑ってうなずく)
今年は怪我をしないようにしっかりと一年間良い成績を残せるようにというところとタイトルを目指して頑張ります。」
【最優秀選手賞】
古性優作選手
「(タイトル3つの大活躍は?)ごちそうさまですという感じです。脇本さん、ありがとうございます。9割9分は脇本さんのおかげです。(松浦選手からの流れで脇本選手、ここでも笑ってうなずく)
今年も一走一走頑張って車券に貢献できるよう頑張りたいなと思います。」
【最優秀選手賞】
佐藤水菜選手
「昨年は女子にもGIが出来ました。今までであれば賞金の積み重ねだったのですが、それが出来ない私にとっては凄く嬉しいチャンスでした。(パリオリンピックがあるが?)まず国内選考でしっかり勝ち抜いて出場権を勝ち取ってオリンピックでメダルを取ってガールズケイリンに帰ってきたいです。」
国際賞を取った選手からはビデオメッセージがありました。
【優秀選手賞・国際賞】
梅川風子選手(東京112期)
「このたびは優秀選手賞、並びに国際賞に選んでいただきありがとうございます。
今年の目標は一つ一つのレースで悔いのなく一生懸命やることです。これからも皆さんの期待に応えられるよう一生懸命頑張りますので応援よろしくお願いします。」
【国際賞】
窪木一茂選手(福島119期)
「この度は国際賞に選んでいただき誠にありがとうございます。大変光栄です。
今年の目標はパリオリンピックの出場枠を獲得しオムニアムで金メダル、マディソンでメダルを獲得することです。これからも皆様の応援に応えられるよう一生懸命頑張りますので応援よろしくお願いします。」
【国際賞】
中野慎詞選手(岩手121期)
「この度は国際賞に選んでいただき誠にありがとうございます。大変光栄です。
今年の目標はパリオリンピックの出場権を獲得することです。出場権を獲得出来たらメダルの獲得を目指し頑張ります。これからも皆様の期待に応えられるよう一生懸命頑張りますので応援よろしくお願いします。」
【国際賞】
橋本英也選手(岐阜113期)
「この度は国際賞に選んでいただき誠にありがとうございます。とても光栄に思っています。
今年の目標はいよいよ今年に迫ったパリオリンピックで金メダルを獲得することです。
これからも皆様の期待に応えられるように一生懸命頑張ってまいりますので、どうぞ応援よろしくお願いします。この度はありがとうございました。」
【国際賞】
小原佑太選手(青森115期)
「この度は栄誉ある国際賞に選んでいただき誠にありがとうございます。
今後の目標はオリンピックでメダルを獲得することです。そのためにもこれから行われるネーションズカップでしっかりメダルを獲得し国際大会で戦えることを証明したいと思います。これからも皆様の期待に応えられるよう一生懸命頑張ります。応援よろしくお願いします。」
【国際賞】
山崎賢人選手(長崎111期)
「この度は国際賞に選んでいただき誠にありがとうございます。大変光栄です。
今年の目標はパリオリンピックに出場することです。最高のパフォーマンスを出すためにしっかり準備していきたいと思います。これからも皆様の期待に応えられるよう一生懸命頑張りますので応援よろしくお願いします。」
【国際賞】
内野艶和選手(福岡120期)
「この度は国際賞に選んでいただき誠にありがとうございます。大変光栄です。
今年の目標はオリンピックに出場してメダルを獲得することです。これからも皆様の応援に応えられるよう一生懸命頑張りますので応援よろしくお願いします。」
【国際賞】
太田りゆ選手(埼玉112期)
「この度は国際賞に選んでいただきありがとうございます。大変光栄です。
今年はパリオリンピックです。私にとってすごく重要な年になります。この賞に恥じない一年にしたいと思います。これからも応援よろしくお願いします。」
最優秀選手賞の古性優作選手が発した「超えていく」という発言。
先日行われた全日本選抜競輪(GI)でも我々の想像を超えた力強いレースを各選手が見せてくれました。
そして今年行われるパリオリンピック。どんな衝撃を与えてくれるのでしょうか。
今年もたっぷりと競輪を楽しめる。そんな一年になることは間違いなさそうです。
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※インタビュー・写真/大津尚之(おおつなおゆき)
ソフトな見た目と裏腹にパワフルで安定感のある重低音ボイスが魅力。
実況、ナレーション、インタビュー、俳優など活躍の場は多岐にわたる。
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2023年は優勝7回と大活躍を見せた中野咲選手(愛知110期)。ご自身で感じる変化や現状を振り返っていただきました。今年の目標も伺っています。
山口みのり:昨年を振り返ってどんな1年でしたか?
中野咲選手:自分の思い描くレースはまだできていませんが、少しずつ練習の成果が結果に繋がっているのかなという1年でした。
山口:それまでの数年分の優勝回数の何倍もの優勝でしたよね。
中野:思っていたより優勝できたので良かったです。
山口:手ごたえは感じていましたか?
中野:実力は少しずつ上がっているのかなとは思いますが、思い描いているレースはまだできていないので、その点ではまだまだです。
山口:理想のレースはどのようなイメージですか?
中野:どんな展開になっても勝てる、スピードあるレースをしたいと思っています。
山口:戦法へのこだわりはありますか?
中野:今は、どんな展開でも状況に応じて判断してレースをしているので特にこだわってはいないですが、目標は、力強い自力で先行をしたり風をきって走りたいです。
山口:昨年が成績上昇された1年だったと思うのですが、何か変化はあったんですか?
中野:大きく変えたというのはなく、今までやってきたことが少しずつ出ているのかなと思います。
山口:特にどんなところに取り組んだんでしょう?
中野:昨年は名古屋競輪場が工事をしていて半年くらいバンクが使えませんでした。その時に、自分なりにウェイトトレーニングであったり、やりたい練習を集中してできました。練習量と質も良いトレーニングができてきたので、それが徐々に結果に繋がってきたのかなと思います。
山口:バンクが使えず危機的な状況下と思いきや、それが逆に良かったんですね。
中野:そうですね。私は毎日バンクでの練習だったんですが工事でそれができなくなり、課題だったスピード持久力の強化をしようとウェイトなども取り入れて練習をしました。以前と変わった点、といえばそれですかね。後は階段ダッシュとかもしていました。
山口:階段ダッシュ!根性系のトレーニングですね(笑)
中野:はい、そういう練習もしていました(笑)バンクが乗れないので試行錯誤をして練習をしていました。
山口:そうでしたか。ところで、デビュー当時は豊橋がホームバンクだったと記憶しています。名古屋へ変わっていたんですね。
中野:そうなんです。実は豊橋までは家から遠く、車でも2時間以上かかりました。名古屋へ変わってからは、その移動時間がまるっと練習時間にできるので、練習時間はかなり確保できています。
山口:練習状況はどのような感じですか?
中野:バンクでは練習に来た皆さんで、その時に応じて決めています。男子選手の後ろにつかせてもらうことが多いので、スピードも出て良い練習になっています。
山口:バンクやウェイトなど練習の割合はどのような感じでしょう?
中野:ほとんどがバンク練習なので、ウェイトの割合をこれから増やそうと思っています。
山口:バンクを使えない期間にしていた練習は継続するんですか?
中野:はい、続けていきたいです。ただレースはバンクで行うのでバンク中心の練習は変わらないです。ギヤを重くしたりなど内容を工夫していきたいです。
山口:レース内容の話を伺います。近況のレースで中野選手は「いつの間にか好位置にいる」という印象がありますが、その辺りは意識していますか?
中野:展開が向く時もあるのですが、レース前に考えることは「展開が悪い時にどうしよう」ということです。早めに動くことをイメージしているので、特に位置取りは意識していないです。走るメンバーや展開は毎回違うので難しいんですが、一番意識していることは「力を出し切ること」です。実は以前までは余力を残してゴールをすることがありました。でもそれだとだめなので、全力を出してゴールし、倒れるくらいまで出し切りたいと思っています。
山口:例えば後方になったとしても、自力で追い込むなど、ですね。
中野:はい、それは意識しています。
山口:展開を想定するという話がありましたが、他の選手のレースを見たり、研究はしますか?
中野:はい。家に帰ったらその日にあったレースは見ています。自分のレース後も指導員室でVTRで確認しますね。ただ研究はしているんですが、思ったようなレース展開にはならないので、どんな展開でも勝てるようにならないといけないなと毎回思います。
山口:今年の目標は何ですか?
中野:昨年半年間バンクが使えなかった分、今年はしっかりと練習をして、昨年以上の成績を残したいと思っています。
山口:優勝を含めて?
中野:そうですね。結果を出すことが一番なので、そのためにスピードやパワーを強化していきたいです。
山口:GIも昨年は2回出場でしたが、今年もそこでのレースは意識しますか?
中野:はい。大きなレースに一つでも多く出場したいです。
山口:昨年は10月オールガールズクラシック(GI)、11月競輪祭女子王座戦(GI)とも連がらみもありました。手ごたえはあったのではないですか?
中野:私はスピードあるレースが好きなので、トップ選手の動きについていくことはできるんですが、そこからどう勝負をしていくかで課題がたくさん見えました。それを考えつつトレーニングを見直していきたいです。
山口:GIと普段の開催のスピード感は違いますか?
中野:GIは自力タイプの選手が多いので、早い段階での踏み合いがあり、更にそこで位置取りを考えたりしなければなりません。強い選手は位置取りなどを考えず、自分の行きたいところからしっかり駆けられたりするので、私もそういうレースがしたいなと思います。
山口:昨年11月の向日町では山原さくら選手(高知104期)の捲りの外を追い込んでの優勝は、力強かったですね。
中野:ありがとうございます。スピード乗っている選手の上を越えていけたのは自信にもなりますし、また同じようなレースができたら良いなと思います。
山口:今年はGIの日程変更があり、まず一つ目は4月のオールガールズクラシックですね。
中野:はい、昨年GI出場は2つだったのですが今年は全部出られたら良いなと思います。
山口:GIが新設されて変わりはありましたか?
中野:私は特に変わりはないです。目標ではあるのですが、目の前の一戦一戦を全力で走るというのはずっと変わりません。その積み重ねで結果がついてくると思っています。
山口:ありがとうございます。オフなどの調整はどうしていますか?
中野:私はオフは作らないタイプで基本的に毎日練習をしています。
山口:え!毎日ですか。息抜きはどうしているんでしょう?
中野:野球とラグビーが好きなのでそれを見るのが息抜きです。
山口:名古屋だと中日ドラゴンズですか?
中野:いえ、名古屋なんですが阪神ファンです(笑)
山口:そうでしたか!昨年は盛り上がりましたね。
中野:めちゃくちゃ盛り上がりました!嬉しかったです。
練習が終わり帰宅したらナイター(野球)が始まるのでそこから21時半くらいまではいつも集中して見ています。今は野球はオフシーズンなんですが、その間はラグビーがやっているので今はそっちですね。
山口:その数時間でリフレッシュできているんですね。
中野:はい。
山口:長期の休みが欲しい、なども思わないですか?
中野:あんまりないですね。結構練習量は多くても、休みがなくても苦ではないです。それは強みかもしれませんね。
山口:そうですよね。練習が苦じゃないのは良いですね。では少し話を変えて、同期の皆さんの雰囲気はどんな感じですか?
中野:みんな優しいですし、平和ですね。今は産休の選手もいて人数は少ないんです。その中でも土屋珠里さん(大阪110期)は競輪学校(現:競輪選手養成所)に入る前のガールズサマーキャンプからの付き合いで仲良くしています。彼女も産休中なんですが、復帰する予定と聞いています。
山口:そうですか。楽しみですね。
中野:はい、お母さんになって走る選手も今はたくさんいるので凄いなと思います。
山口:先輩選手たちともレースの時にお話はされますか?
中野:はい、話す機会はありますね。GIではナショナルチームの選手とも話して、情報を教えてもらったりしました。
山口:トレーニングなどですか?
中野:はい、それを気さくに教えてくれて勉強になりました。
山口:今後の強化ポイントはどこですか?
中野:バンク練習ではスピード持久力の強化、ウェイトトレーニングでは重量を上げていきたいです。
山口:ケアなどはどうしていますか?
中野:私はセルフケアをすることが多いです。ただ今後の状況次第ではマッサージも増やそうかなとも考えています。スポーツ選手としては怪我をしないのが一番だと思うので、それを考えて判断していきたいです。
山口:結果が出てくるとお客様の期待もオッズで反映されますが意識はしますか?
中野:はい、期待に応えられる選手になりたいです。ガールズケイリンもだんだん進化をしているので、私自身も全体のレベルアップに貢献したいと感じています。なおかつそこで勝負して勝てる強い選手を目指しているので、レベルアップをした自分も見て欲しいなと思います。
山口:ありがとうございます。それでは最後にオッズパーク会員の皆様へメッセージをお願いします。
中野:もっと努力を積み重ねて、GIなどのビッグレースへの参加、そしてそこで活躍できるように頑張りたいです。
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:公益財団法人 JKA
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デビューして1年半が経った小泉夢菜選手(埼玉122期)。昨年2023年は1年を通してレースを経験しました。どのように感じたのか、また今年はどんな目標を持ってレースをしていくのかを伺いました。
山口みのり:去年は初めて1年通して走りましたが、振り返っていかがでしたか?
小泉夢菜選手:デビュー当時と比べるとだいぶ成長できたかなと思います。
山口:優勝も何度もありましたよね。
小泉:一番の思い出は4月のガールズフレッシュクイーンでの優勝です。それによって7月のガールズケイリンフェスティバルの出場権を獲得でき、走れました。フェスティバルでは初めてお会いする選手を含めてトップレベルの選手たちと一緒に走らせてもらって、レースも間近で見て得られるものもすごく多かったです。
山口:悔しさなどよりも充実感の方が大きかったですか?
小泉:自分の中ではできる限りのことはやっていたので、勝てないのは実力不足だし次に向けて頑張らないとなと常に思っています。なので経験は力になりましたし、もっと頑張りたいなと思いました。
山口:昨年は後輩の124期生も入ってきましたが、それによって変化はありましたか?
小泉:少し焦りはしましたが、もともと「3年は苦労するかもしれない」と思っていたので、そこまで特に対策をしたりはなかったです。自分が出来ることを少しずつ頑張っていました。
山口:戦法はデビュー時と比べていかがですか?
小泉:最初は追い込みや捲りがメインでした。それは変わっていないのですが、デビュー時と比べると力はついてきたと感じるので、積極的に動いていこうという意識はあります。実際に「ここからなら仕掛けなきゃいけないな」という時には動けている気がします。
山口:「何をするかわからない選手」と思わせられたらレースもしやすいですね。
小泉:そうですね。「何をするかわからない選手」だと、相手も展開を読みにくいと思うので、そうなれたら良いなと思います。
山口:練習状況には変化はありますか?
小泉:特に変わらずです。バンクに入る時にはグループの皆さんと一緒に練習をして、その他はジムでトレーニングをしています。ジムでは、できなかったことをできるようにするためにトレーニングをやっています。デビュー時は脚だけで踏んで自転車に力を伝えていたんですが、上半身を今ようやく使えるようになってきました。それで、仕掛けたいタイミングで仕掛けることができるようになってきました。
山口:上半身を使えるとどんなところが変わるんですか?
小泉:パワーが自転車に伝えやすくなります。力が伝わりやすくなると、長い距離を踏むこともできますし、ダッシュ力も上がります。それが以前と比べて少しはできるようになってきました。
山口:プロになってから取り入れたトレーニングだったんですか?
小泉:いえ、養成所に入る前から上半身を使えるようにするトレーニングをしていたんですが、養成所時代は決められた練習があったのでそこで一旦中断し、またデビューしてからやり始めました。それが今やっとできるようになったので、ものすごく時間がかかってしまいましたね。まだまだ使えていない筋肉を使うのは大変です。
山口:そうですか。1年以上やり続けてやっと、なんですね。でもやり続けていないとだめですもんね。
小泉:そうですね。後は、同じ練習グループの皆さんも、私がやってきたトレーニングをやり続けて強くなってきたと聞いているので、私も「時間はかかるけど焦らないでやろう」と決めていました。
山口:今はようやく思うようにレースができているんですね。
小泉:はい。でもまだまだ使えていない筋肉が多すぎるので、少しずつ時間をかけてでも、使えるようになったら良いなと思います。
山口:今後はどういうところを鍛えたいんですか?
小泉:やっぱりメインは上半身です。あとは腹筋まわりと広背筋です。広背筋はやっと使えるようになってきたんですが、まだ自転車には伝えられていないのでもっとできたら、更に自転車は進むなと思います。
山口:理想のレースはどんなレースですか?
小泉:私は1着を取ることを目標にレースをしています。デビューして半年間は確定板を目指してレースをしていたんです。でもガールズケイリンフェスティバルが終わってから「1着を取るにはどんなレースをしたらいいのか」を考え、今の私の脚質なら捲りや追い込みが主体なんですが、いずれは先行でも勝てるようになりたいです。まだまだ実力は足りないんですが、少しずつ1着を取れる戦法を増やして「どんな風に走るんだろう」と相手に思わせる選手になりたいです。
山口:戦法にはこだわらず?
小泉:はい、とにかく1着を目指して、ですね。
山口:プロですね!
小泉:仕事なので。賭けてくださっているお客さんもいるので頑張りたいです。
山口:データを見ると、3連対率が8割弱というのは車券に貢献していますね。
小泉:3着以内だと高いんですが、2車単とか、私を1着固定で買ってるよと言ってくださる方もいるので、全然貢献できていなくて申し訳ないなという気持ちの方が大きいです。
山口:お客様からの声も直接届いているんですね。
小泉:はい。直接言っていただけることもあります。そんな時は本当に申し訳ないですね。
山口:期待の表れですね。
小泉:いずれは1着でたくさん貢献できるようになりたいです。
山口:頑張ってください。それでは今年の目標は何ですか?
小泉:完全優勝をすることと、GIに出ることです。
山口:昨年はGIは悔しい位置だったんですよね。
小泉:はい、3つのGIのうち2つが補欠でした。補欠じゃなく今年は正選手として選ばれて走りたいです。
山口:『オールガールズクラシック(GI)』の選考期間が1月末までですね。
小泉:はい。残り少しなので頑張りたいです。
山口:外から去年のGIを見ていかがでしたか?
小泉:走りたかった気持ちが大きいので、悔しかったです。
山口:ガールズケイリンフェスティバルを走ったからGIも、というのもありますか?
小泉:はい、それはあります。
山口:フェスティバルではどなたかとお話されましたか?
小泉:尾方真生ちゃん(福岡118期)と前検日の前入りで同じ飛行機で「良かったら一緒にご飯行きませんか?」と誘ってくれたんですが、私のホテルと真生ちゃんのホテルが遠くて行けなかったんです。でも開催中も、私が122期で参加選手の中では一番下の期だったので、先輩選手のユニフォームを手伝ったりいろんなことをするんですが、それも吉川美穂選手(和歌山120期)と一緒にしてくれました。122期は私一人だったので大変なのかなと思っていたんですが、たくさん手伝ってくれました。
山口:素敵な話です。
小泉:はい。西の選手とはなかなか一緒のレースになることがなかったので、仲良くなれた気がします。
山口:レースはご自身が走って、または直接見てどう感じましたか?
小泉:フェスティバルに出られると決まってから、練習をしすぎてしまって逆に調子を落としてしまったんです。なので、やり過ぎも良くないんだなと学びました。
山口:そうでしたか。調整は大切ですね。
小泉:はい、走れると決まって気合いが入り過ぎました。ギヤ比もフェスティバルに向けて、以前は3.71から3.79へ変えました。「皆さんと同じレベルで戦えるように」と思って練習したらやりすぎてしまって......。もっと調子を整えていけばもう少し何とか勝負できたのかなと反省です。
山口:初めてのビッグレースでしたもんね。次に繋げていきましょう!
小泉:はい、次に走る時にはしっかり調整をしていきます。
山口:私の印象ですが、小泉選手は勝負強いなと思っています。ガールズフレッシュクイーンもそうですし、デビューのルーキーシリーズも連続優勝でしたよね。
小泉:自分でも勝負強さというのは感じています。これまでも節目だったり大切な時は優勝できることが多かったです。高校生の時も含めて、自転車競技を始めてからそう思うようになりました。
山口:それは強力な武器ですね。
小泉:はい、自分でもそこは武器だと思っています。
山口:緊張しすぎることがない、などですか?
小泉:いや、私は緊張しないと気合いが入らないので、なるべく自分で「よりよい、ほどよい緊張にもっていく」ことを大切にしています。その方が良い状態で走れます。
山口:高校時代からそれは心掛けていたんですか?
小泉:はい。自転車競技を始めてからずっとです。
山口:そのコントロールは素晴らしいですね。プロではより大切そうです。
小泉:はい、そう思います。
山口:オフなどのお休みの日は決めていますか?楽しみなどはできましたか?
小泉:競走の前後は休むようにしているんですが、今度同期ととしまえんのハリーポッターのスタジオツアーに行こうと話しています。楽しみなこともたくさんありますね。
遠征先で後泊の時にはご飯にも行ったりします。野寺楓選手(静岡122期)と、後泊で手羽先を食べました。かなりおいしかったです。
山口:レースもですが、終わった後はリフレッシュもできますね。
小泉:はい、終わったら楽しんでいます。
山口:では、今年の目標を完全優勝と掲げていましたが、より強化していきたいのはどんなところですか?
小泉:自転車にパワーを伝えることですね。
山口:もう、ずっとそれを集中しているんですね。
小泉:はい。一番の課題ですし、やらないといけないことだと思っています。
山口:レース中の位置取りは気を付けていますか?
小泉:デビュー時はかなり位置にこだわっていたんですが、今は後方になったら自分から動こうと思っています。そう思えるようになってきたので、以前よりはこだわらないんですが、それは成長なのかなと思っています。
山口:脚を使ってでも前へ、という気持ちなんですね。
小泉:はい。自分から動こうと思っています。もしそれで捲られたりしてもそれは自分の脚力不足だし、動いた結果なので納得できます。でも自分で仕掛けた方が良い方に繋がることが多いです。
山口:全国いろんな競輪場を走ったと思いますが、得意不得意は出てきましたか?
小泉:ホームバンクが大宮なので、やっぱり500バンクが好きです。走り慣れているし、自分の脚質にもあっていると思います。逆に33は頭を使わないと一気に後方になってしまうので、それこそ位置取りが大切ですね。
山口:ありがとうございます。ではレースへ向けての調整はいかがですか?
小泉:競走へは良い状態で持っていきたいので、練習とマッサージをうまく組み合わせていこうと思っています。
山口:やり過ぎに注意、ですね(笑)
小泉:はい(笑)体調を崩してより悪くするよりは、バランスよく休みも取り入れていきます。
山口:レース中のご声援はいかがですか?
小泉:私は結構ずっと聞こえているタイプなので、レース中でもたくさん名前を呼んで応援してもらえるのは嬉しいなという気持ちです。
あるファンの方が「小泉夢菜」という名前を書いたグッズを持って応援してくれるんですが、それは目に入るので気合いが入ります。しかもその方が私のファンだと一目でわかるので、別のファンの方と交流する機会があるそうなんです。「この前〇〇競輪場で、夢菜ちゃんのファンの人と仲良くなって、それをきっかけに自分も夢菜ちゃんを応援するようになったよ」と、他の方に言ってもらえました。そうやって応援してくださる方が増えるのはすごく嬉しいし、またグッズを持って応援してくれるその方には感謝しています。そういう方のためにも、もっと頑張って期待に応えたいなと思います。
山口:グッズなどで目立っていると、別の方も声を掛けやすいかもしれませんね。
小泉:はい、そうみたいです。嬉しいです。自分も一目で「今回来てくれているんだな」とわかります。
山口:声を出しにくいなという方はグッズを持ってみるのはありですね!
小泉:はい。でも、声も聞こえます。特に名前を呼んでもらう時は聞こえていますから気合いが入ります。
山口:今後は1着を増やして、という話もありましたもんね。
小泉:はい、応援してくださっている方々のためにも頑張りたいです。
山口:ありがとうございます。それでは最後に今年の目標をオッズパーク会員の皆様へお願いします。
小泉:まずはGIを走って良い成績を取りたいのと、完全優勝をできるように、もっと力をつけて練習したいと思います。これからも応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:公益財団法人 JKA
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