今年9月の弥彦競輪場での一戦から9連勝で特別昇級を決め、S級に返り咲いた熊本の宮崎大空選手(熊本115期)にその時の感想、そしてS級での目標などについてお話を伺いました。
大津:S級への特別昇級おめでとうございます。
宮崎:ありがとうございます。
大津:見事S級に返り咲きました。お気持ちはいかがですか。
宮崎:熊本バンクでかなり練習ができていたので特進はできるんじゃないかと思っていました。
大津:競輪場が使えるようになったのがかなり大きかったのでしょうか。
宮崎:そうですね、5月くらいからバンクが使えるようになりまして、その影響はかなりあると思います。
大津:バンクが使えるまではどのような練習をされていたんですか。
宮崎:その時は街道に行ったり筋トレをしたりしていました。
大津:バンクが使えると使えないではかなり違うのでしょうか。
宮崎:全然違いますね。バンクだと先輩や若手の選手もいっぱいいるので皆でもがいたり練習したりして、お互いを高め合えますから。街道の時もグループで練習はしていましたがバンクのほうが人数も多いので良かったです。練習内容も量も多いし質も高いし有意義な時間が過ごせました。
大津:降級したときは一刻も早くS級に上がりたいという気持ちもありましたか。
宮崎:失格が重なってしまっての降級だったのでA級では負けられないって気持ちもありましたし早くS級に戻りたいって思っていました。
大津:降級後初戦の向日町では未勝利に終わりました。
宮崎:きつかったですね。一発目だったので一勝もできなかったってのはメンタルにきました。
大津:まさかという感じだったのですか。
宮崎:普通に優勝して帰ろうかなって気持ちだったので凄くショックでした。
大津:状態面や展開面というのもあったのですか。
宮崎:言い訳になるかもしれませんが鎖骨を折って復帰2場所目だったので、そこまで万全の状態ではなかったのかもしれません。
大津:ただ、その次の場所の伊東温泉では完全優勝と立て直しました。
宮崎:準決勝も決勝もハコ回りだったので前のおかげです。
大津:ひとつホッとした部分もあったのではないですか。
宮崎:そうですね、完全優勝できてよかったなっていうのはありました。
大津:自身が前で戦うレースでは縦も非常に進んでいたイメージがあります。
宮崎:A級では自力でも勝てるんですがS級では周りのレベルも上がっているのできついですね。
S級では追い込み寄りで考えています。人の後ろを回っているほうが自分には合っている気がしますね。
大津:それは性格的な問題ですか、脚質ですか。
宮崎:脚質ですね。S級で戦うには脚が全く足りてないというのを実感しています。
大津:宮崎さんの捲りを見ていると通用するのではと素人考えで思うのですがA級とS級ではそんなに違うのですか。
宮崎:全然ちがいます。先行選手もそうですが、番手の選手も厳しいブロックがあるので本当に簡単には捲れません。S級の選手はどの位置を回る選手もそれぞれの仕事がしっかりとしているので大変です。
大津:お話が戻りますが9月の弥彦から連勝が始まりますが特進への意識はあったのでしょうか。
宮崎:全く意識はしていなかったです。弥彦が終わって佐世保の前検の日に久留米の追加がきて間もそこまで空いていなかったので連勝のことなど意識せずに追加を受けたら佐世保で6連勝してしまって、そこから意識しました。
大津:特進が見えると重圧もありそうですがプレッシャーは感じるタイプですか。
宮崎:少しは感じますけど、この時は楽しんでレースにのぞむことができました。
オッズも見ます。自分が売れているときは勝たないといけないなぁって感じますね。
大津:久留米の準決勝も1着で特進にリーチを決めたときは周りから何か言われましたか。
宮崎:「頑張れよー」とは言ってもらいました。
大津:特昇初戦は小倉でした。
宮崎:同じく特別昇級でS級に上がってきた西田優大さん(西田優大選手・広島123期)にあてられるとは思っていなかったですし、まして捲れるなんて思ってなかったですけどうまく捲れてよかったです。
大津:そして先日の立川初日は石原颯選手(香川117期)と対戦もありましたね。
宮崎:こっちもまさか同じ番組になるとは思ってもみなかったです。最初は石原さんの番手を回れる番組なのかなって喜んだんですけど中四国の方がいたので、自分が前で別線で勝負することになりました。
大津:先ほど「人の後ろを回るほうが」と仰っていましたが、このように宮崎さんが前で戦う番組もまだまだ多いのではないですか。
宮崎:自力の決まり手が多いので、そういう番組を組まれたら仕方ないかなぁって思ってます。
大津:いまレースの中で意識していることや課題はなんですか。
宮崎:今期は特進して点数も関係ないんで色々試そうとはしています。
大津:ちなみにどんなことを試したいんですか。
宮崎:競りとかですかね。捲りに構えても絶対に捲れない相手だったりすると横で勝負するのも良いのかなって。実際に対戦してみてどれだけ強いんだろうって感じてみたい部分もあります。
大津:人の後ろを回る時に参考にしている選手はいらっしゃいますか。
宮崎:大阪の古性さん(古性優作選手・大阪100期)です。ダントツです。「すごいなぁ。」って思いながらいつもレースを見ています。
大津:古性さんとは面識はありますか。
宮崎:一回も話したことはないです。いつもレースを見ながら、なんでこんな動きができるんだろうって思ってます。
大津:今年は熊本競輪場も再開し、先日は記念も行われました。
宮崎:今年の熊本記念(GIII)は誘導で走ったんですが声援が多くて自分もここで走りたいと強く感じました。誘導の自分にも声をかけてくださるお客さんもいてうれしかったです。熊本記念(GIII)は久留米であった時に走っていますが、熊本競輪場では走っていないので早く走りたいです。
大津:今の目標を教えてください。
宮崎:S級で一回も決勝に上がったことがないので決勝に上がって、そこからは決勝の常連選手になっていきたいです。いずれはGIにも出ていきたいです。今、熊本支部の練習の雰囲気とかも良いですし自分も置いていかれないように頑張りたいです。
大津:ガラッと話題を変えさせてください。宮崎さんは色んな髪型をされていますよね。
宮崎:そうですね(笑)ドレッドヘアーにしてみたり、紫色にしてみたり色々しましたね。今はとりあえず金髪にしています。本当は黒にしたいんですけど、すぐに染めたくなっちゃうんですよね。
大津:本当は黒にしたいんですか!?
宮崎:落ち着きたいですね。でも気が付けば髪が染まっちゃってるんです。
大津:何歳くらいには落ち着けそうですか。
宮崎:うーん、いま25歳なんですがまだまだ落ち着きそうにないですね。30歳くらいには落ち着けたら良いですけど。
大津:もうやりたい髪型はないですか。
宮崎:さんざんやってきたので、もう特にはないですね。本当はもう一回ドレッドにしたいんですけど頭皮にダメージがきそうですからね。頭もずっと洗えないですし。
大津:プライベートでの時間の過ごし方はどうされているんですか。
宮崎:魚釣りに行ったり、レース終わりはみんなでお酒を飲みに行ってます。
大津:魚釣りは大人数で行かれるんですか。
宮崎:同期の松尾勇吾(松尾勇吾選手・熊本115期)や、本郷雄三さん(本郷雄三選手・熊本99期)や興呂木雄治さん(興呂木雄治選手・熊本96期)とかと一緒に行っています。
大津:我々も宮崎さんから大きな配当を釣らせてください。
宮崎:そうできるように頑張ります。
大津:最後にオッズパークの会員の皆様にメッセージをお願いします。
宮崎:少しでも一着を多くとって車券に貢献できるように頑張るのでこれからも応援よろしくお願いいたします。
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※インタビュー / 大津尚之(おおつなおゆき)
ソフトな見た目と裏腹にパワフルで安定感のある重低音ボイスが魅力。
実況、ナレーション、インタビュー、俳優など活躍の場は多岐にわたる。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
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