今年9月の弥彦競輪場での一戦から9連勝で特別昇級を決め、S級に返り咲いた熊本の宮崎大空選手(熊本115期)にその時の感想、そしてS級での目標などについてお話を伺いました。
大津:S級への特別昇級おめでとうございます。
宮崎:ありがとうございます。
大津:見事S級に返り咲きました。お気持ちはいかがですか。
宮崎:熊本バンクでかなり練習ができていたので特進はできるんじゃないかと思っていました。
大津:競輪場が使えるようになったのがかなり大きかったのでしょうか。
宮崎:そうですね、5月くらいからバンクが使えるようになりまして、その影響はかなりあると思います。
大津:バンクが使えるまではどのような練習をされていたんですか。
宮崎:その時は街道に行ったり筋トレをしたりしていました。
大津:バンクが使えると使えないではかなり違うのでしょうか。
宮崎:全然違いますね。バンクだと先輩や若手の選手もいっぱいいるので皆でもがいたり練習したりして、お互いを高め合えますから。街道の時もグループで練習はしていましたがバンクのほうが人数も多いので良かったです。練習内容も量も多いし質も高いし有意義な時間が過ごせました。
大津:降級したときは一刻も早くS級に上がりたいという気持ちもありましたか。
宮崎:失格が重なってしまっての降級だったのでA級では負けられないって気持ちもありましたし早くS級に戻りたいって思っていました。
大津:降級後初戦の向日町では未勝利に終わりました。
宮崎:きつかったですね。一発目だったので一勝もできなかったってのはメンタルにきました。
大津:まさかという感じだったのですか。
宮崎:普通に優勝して帰ろうかなって気持ちだったので凄くショックでした。
大津:状態面や展開面というのもあったのですか。
宮崎:言い訳になるかもしれませんが鎖骨を折って復帰2場所目だったので、そこまで万全の状態ではなかったのかもしれません。
大津:ただ、その次の場所の伊東温泉では完全優勝と立て直しました。
宮崎:準決勝も決勝もハコ回りだったので前のおかげです。
大津:ひとつホッとした部分もあったのではないですか。
宮崎:そうですね、完全優勝できてよかったなっていうのはありました。
大津:自身が前で戦うレースでは縦も非常に進んでいたイメージがあります。
宮崎:A級では自力でも勝てるんですがS級では周りのレベルも上がっているのできついですね。
S級では追い込み寄りで考えています。人の後ろを回っているほうが自分には合っている気がしますね。
大津:それは性格的な問題ですか、脚質ですか。
宮崎:脚質ですね。S級で戦うには脚が全く足りてないというのを実感しています。
大津:宮崎さんの捲りを見ていると通用するのではと素人考えで思うのですがA級とS級ではそんなに違うのですか。
宮崎:全然ちがいます。先行選手もそうですが、番手の選手も厳しいブロックがあるので本当に簡単には捲れません。S級の選手はどの位置を回る選手もそれぞれの仕事がしっかりとしているので大変です。
大津:お話が戻りますが9月の弥彦から連勝が始まりますが特進への意識はあったのでしょうか。
宮崎:全く意識はしていなかったです。弥彦が終わって佐世保の前検の日に久留米の追加がきて間もそこまで空いていなかったので連勝のことなど意識せずに追加を受けたら佐世保で6連勝してしまって、そこから意識しました。
大津:特進が見えると重圧もありそうですがプレッシャーは感じるタイプですか。
宮崎:少しは感じますけど、この時は楽しんでレースにのぞむことができました。
オッズも見ます。自分が売れているときは勝たないといけないなぁって感じますね。
大津:久留米の準決勝も1着で特進にリーチを決めたときは周りから何か言われましたか。
宮崎:「頑張れよー」とは言ってもらいました。
大津:特昇初戦は小倉でした。
宮崎:同じく特別昇級でS級に上がってきた西田優大さん(西田優大選手・広島123期)にあてられるとは思っていなかったですし、まして捲れるなんて思ってなかったですけどうまく捲れてよかったです。
大津:そして先日の立川初日は石原颯選手(香川117期)と対戦もありましたね。
宮崎:こっちもまさか同じ番組になるとは思ってもみなかったです。最初は石原さんの番手を回れる番組なのかなって喜んだんですけど中四国の方がいたので、自分が前で別線で勝負することになりました。
大津:先ほど「人の後ろを回るほうが」と仰っていましたが、このように宮崎さんが前で戦う番組もまだまだ多いのではないですか。
宮崎:自力の決まり手が多いので、そういう番組を組まれたら仕方ないかなぁって思ってます。
大津:いまレースの中で意識していることや課題はなんですか。
宮崎:今期は特進して点数も関係ないんで色々試そうとはしています。
大津:ちなみにどんなことを試したいんですか。
宮崎:競りとかですかね。捲りに構えても絶対に捲れない相手だったりすると横で勝負するのも良いのかなって。実際に対戦してみてどれだけ強いんだろうって感じてみたい部分もあります。
大津:人の後ろを回る時に参考にしている選手はいらっしゃいますか。
宮崎:大阪の古性さん(古性優作選手・大阪100期)です。ダントツです。「すごいなぁ。」って思いながらいつもレースを見ています。
大津:古性さんとは面識はありますか。
宮崎:一回も話したことはないです。いつもレースを見ながら、なんでこんな動きができるんだろうって思ってます。
大津:今年は熊本競輪場も再開し、先日は記念も行われました。
宮崎:今年の熊本記念(GIII)は誘導で走ったんですが声援が多くて自分もここで走りたいと強く感じました。誘導の自分にも声をかけてくださるお客さんもいてうれしかったです。熊本記念(GIII)は久留米であった時に走っていますが、熊本競輪場では走っていないので早く走りたいです。
大津:今の目標を教えてください。
宮崎:S級で一回も決勝に上がったことがないので決勝に上がって、そこからは決勝の常連選手になっていきたいです。いずれはGIにも出ていきたいです。今、熊本支部の練習の雰囲気とかも良いですし自分も置いていかれないように頑張りたいです。
大津:ガラッと話題を変えさせてください。宮崎さんは色んな髪型をされていますよね。
宮崎:そうですね(笑)ドレッドヘアーにしてみたり、紫色にしてみたり色々しましたね。今はとりあえず金髪にしています。本当は黒にしたいんですけど、すぐに染めたくなっちゃうんですよね。
大津:本当は黒にしたいんですか!?
宮崎:落ち着きたいですね。でも気が付けば髪が染まっちゃってるんです。
大津:何歳くらいには落ち着けそうですか。
宮崎:うーん、いま25歳なんですがまだまだ落ち着きそうにないですね。30歳くらいには落ち着けたら良いですけど。
大津:もうやりたい髪型はないですか。
宮崎:さんざんやってきたので、もう特にはないですね。本当はもう一回ドレッドにしたいんですけど頭皮にダメージがきそうですからね。頭もずっと洗えないですし。
大津:プライベートでの時間の過ごし方はどうされているんですか。
宮崎:魚釣りに行ったり、レース終わりはみんなでお酒を飲みに行ってます。
大津:魚釣りは大人数で行かれるんですか。
宮崎:同期の松尾勇吾(松尾勇吾選手・熊本115期)や、本郷雄三さん(本郷雄三選手・熊本99期)や興呂木雄治さん(興呂木雄治選手・熊本96期)とかと一緒に行っています。
大津:我々も宮崎さんから大きな配当を釣らせてください。
宮崎:そうできるように頑張ります。
大津:最後にオッズパークの会員の皆様にメッセージをお願いします。
宮崎:少しでも一着を多くとって車券に貢献できるように頑張るのでこれからも応援よろしくお願いいたします。
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※インタビュー / 大津尚之(おおつなおゆき)
ソフトな見た目と裏腹にパワフルで安定感のある重低音ボイスが魅力。
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GIII初優勝を見事地元で決めた大西貴晃選手(大分101期)。
決勝では同門の阿部将大選手(大分117期)との連係から栄冠を掴み取りました。
どんな想いで今シリーズを戦ったのか。そして今後の目標は。色々なお話を伺いました。
ナッツ:まずは地元GIII初優勝おめでとうございます。
大西:ありがとうございます。
ナッツ:少し時間が経ちましたが、今のお気持ちはいかがですか。
大西:やっぱり、みんなからのお祝いメッセージが来るので嬉しいですね。
ナッツ:反響としては今までで1番ですか。
大西:はい、多かったですね。LINEだけじゃなくてインスタでも沢山お祝いしてもらって、今まではそういうのがなかったですね。
ナッツ:優勝した、という実感がそれで湧いてきたような。
大西:それこそゴールした時はもう全然優勝したのかわからなくて。1周してちょうどモニター見た時に亮馬さん(坂本亮馬選手・福岡90期)が僕の手を挙げてくれたんですよね。
そこでやっと「あ、優勝したんだ」っていう感じだったんです。それからこうして沢山祝ってもらえたので嬉しいです。
ナッツ:あのゴールの瞬間は私も実況しててどちらかわからずに言い切れなかったのが悔しいんです。笑
ゴール直後に園田匠選手(福岡87期)が小川勇介選手(福岡90期)のことをポンポンって叩いてたんですよ。それで、もしかして小川さんが優勝したのかって。
大西:あー、あとでレース見たら確かに叩いてましたね。笑
ナッツ:大西選手自身もモニターを見ないとちょっとわからないくらいだったのですね。
大西:そうですね。もうがむしゃらでしたし、勇介さんがやっぱり最後の最後伸びてきてたので、「これ、食われたんじゃねえかな」っていうのもありました。
ナッツ:そこを凌いでのS級での初優勝が地元での優勝で、更にそれがGIII初優勝というところはいかがですか。
大西:やっぱり嬉しい気持ちが大きかったですね。GIIIも地元もS級も、ってもう色々なことが重なったので。
ナッツ:大西選手はこの前の7月の別府記念(GIII)の時にも準決勝までは勝ち進んだんですよね。そこから約2ヶ月で今回のこのGIIIに臨むにあたっての想いはいかがでしたか。
大西:地元GIIIが2回目だったので、チャンスをもらえたなっていうのもあって気持ちは入れていきました。そして前検日の時に1回目の地元GIIIの時よりリラックスして入れましたね。
ナッツ:1回経験するのと2回目ではやはり全然その辺りが違ったんですね。
もうその時点でいけるぞっていう気持ちがあったのですか。
大西:そうですね。状態面は正直初日走ってみて、という感じではありました。
やっぱりレースと練習は全然違うんですよね。練習の時はあんまり仕上がってはなかったんで、いつもより前検日の前の日までもがいたりはして、やれることはやった感じで入ったんです。そして決勝に乗るにあたって、優勝できるかはわからなかったんですけど、3日目の準決勝で自分で持ち出して1着来れたのは、だいぶ大きかったなとは感じます。
ナッツ:ではその辺りも含めてレースを振り返っていきたいんですが、初日は岩谷拓磨選手(福岡115期)の番手で、後ろは師匠である菅原晃選手(大分85期)との連係でした。振り返っていかがですか。
大西:拓磨の気持ちが強くてホームで行ってくれたことによって3人で決まりましたね。
僕は抜けるなとは思って余裕見ながら最後交わしに行ったんですけど、菅原さんからは「お前、俺が内に来たら閉めたな」って言われました。笑
ナッツ:そんなやり取りをされたのですね。笑
やはり大西選手からしたら岩谷選手のダッシュには気を付けて、というようなイメージでしたか。
大西:そうですね。そこをしっかり付いていければ僕も自力があるんで大丈夫かなっていう感じでした。
ナッツ:そして2日目なんですが、ここは厳しい展開になりましたね。梶原海斗選手(福岡123期)との連係でしたがいかがでしたか。
大西:「あれ?何するんだろう」と思って。ここは引いちゃダメなのにって思いながら引いてたんで、僕は援護しつつ位置を確保しようとしていたのですが、そこもまだ見送ってるような感じだったんでびっくりしましたね。最終ホームで自分で捲りに行っても良かったんですけど、梶原の番手に行く、ということを言ってる以上はまだ我慢した方がいいかなと思って我慢した感じです。結局離れてしまいましたが、ゴール前で合流できて良かったですね。
ナッツ:やっぱり最終ホームで9番手になっていたあたりは想定外だったのですね。
大西:突っ張るという感じで話はしてたので、ジャンでは引かれるとは思ってなかったですね。
ナッツ:そしてその後、準決勝でも梶原選手と一緒になりましたね。
まず並びなんですが、梶原選手と同県の大坪功一選手(福岡81期)もいる番組でした。どういう話がありましたか。
大西:まずは2日目のレースのこともあったので、海斗には「もうああいうレースじゃ僕は付けないぞ」っていう話はしてたんです。それも行くって言ってて行かなかった部分もあるし、地元の記念だったので、そこら辺はちょっと強気で言ったんです。
それで、僕がハコを主張するのもどうなのかなっていうのもありましたし、福岡の間に入るのもおかしいので、3番手で勉強しますっていう話をしていたんですよ。
ナッツ:え、最初は3番手という話をしていたのですね。
大西:そうなんです。でも僕は大坪さんも何度か連係があって、大坪さんも結構熱い人なんで「ハコ行かんでいいんか」みたいな感じでめちゃくちゃ推されて、「こんな時ねえぞ、いいんか」って結構言われたんで、「じゃあ行かせてもらっていいですか」という感じで結局3人まとまったっていう感じなんです。
ナッツ:素敵な話ですね。大西さんの中では福岡と別で単騎で自力っていう可能性はなかったんでしょうか。
大西:やっぱり単騎だと"九州は1つ"って言っているのが崩れるし、色々とその辺りも考えてですね。
あとは僕も今は自力って言っても、自在でも戦う感じでこうやってハコに付いたりすることもあるので、もうそこはマークに変わるなら変わっていくような動きをした方がいいし、長い目で見るなら、3番手でもいいかなという気持ちだったんです。
ナッツ:そうだったのですね。大坪選手も、普段大西選手が前で頑張ってるから任せるっていうコメントがあったんですが、そのあたりはやはり気持ちとしては嬉しかったですか。
大西:そうですね。やっぱりそうやって回らせてもらってるのは嬉しいですね。特選選手がハコに行くべきでしょっていう話もあると思いますし、S級では特に点数で決まる部分もあるので。
ナッツ:その並びの中で梶原選手は2次予選の反省を踏まえて、もう1度大西選手がつく以上は頑張るっていうような話ではあったんですか。
大西:そうですね。あとは大坪さんまで付いているということで、頑張りますと言っていたので任せました。
ナッツ:実際のレースでは突っ張られるレースになりました。7番手から、ジャン4コーナー付近から梶原選手が仕掛けてという感じでしたね。作戦としてはいかがだったんでしょうか。
大西:本当はもう前を取っての全突っ張りだったんですよ。でも星野(星野洋輝選手・福島115期)のSが速かったですね。そして杉森さん(杉森輝大選手・茨城103期)が内枠だったんで、初手が後ろ攻めになるのも想定内ではあったんですよ。
でも早めに行けば杉森さんも中団を回りたいから切りに行くよ、っていう話をしていて。ただ、結局杉森さんも切らなくて誘導も残っていたので全てがハイペースになってしまいましたね。海斗もちょうど杉森さんが踏んだ時に1回ちょっと踏みやめたんですよね。そこで無理くり行けば、海斗も先行できたかもしれないですね。
ナッツ:なかなか作戦通りにいかずに想定外の流れになっていたのですね。
大西:そうですね。ただ海斗のやる気は凄かったですね。その後なんとか仕掛けていって、これはちょっと一緒に行けるかなって思ったところに、星野のブロックがありました。
そこはもうやられたら止まるやろうなと思って、ちょっと先に外に持ち出してたんで準備は出来ていましたが、あそこまで持って行くとは思っていなかったですね。
ナッツ:結果的に星野選手は失格になるブロックでしたもんね。ただ、よく大西選手もあそこでこけなかったですね。
大西:僕も車輪が潰れたかなと思ったんです。1回ちょっとカシャンって当たって。でも、踏んでる感覚はまだ車輪が生きていたんです。
だから行けるとこまで行って、3着まで入れるかなと思って最後まで踏み切ったんです。後ろの状況はもう見えてなくて、縦に踏んだ時から、もう必死でしたね。
ナッツ:そしてしっかり押し切って決勝戦に勝ち進みました。
九州は6車となりましたが並びとしてはいかがでしたか。ファンの中ではもしかしたら大分の自力2人が分かれるんじゃないか、みたいな意見もありました。
大西:僕と将大はそれこそ同門なので、もうそこは絶対並ぶ、という風に決めていました。あとは福岡勢の中でも久留米の2人は5-6番手を固める、と言ってくれましたし、園田さんは勇介さんに任せる、という感じだったので、あとはもう僕と勇介さんの話だけだったんですよね。もし勇介さんがハコに行くって言うなら、そこは僕ももう譲れないので勝負するしかないなと思っていました。ただ、勇介さんが「地元やし行っていい」という感じで言ってくれたんです。
ナッツ:そんな経緯があったのですね。
九州がしっかりまとまったことにより大西選手からすると1番チャンスのある位置になりましたね。その辺りの責任感はいかがでしたか。
大西:並びが決まった時点で将大が先頭なので、みんな死に駆けするって思ってましたよね。
でも僕は1番車でもSが速くはないので、前取れなかった時は誘導切って、ブーメランしてから自分の行けるタイミングで行けっていう話は将大にしよったんです。そしたら僕も将大を残せるしっていう。今回も結構我慢してあのタイミングで行った感じだったんで、もっと早かったら多分小川さんに差されていましたね。番手捲りになると尚更勇介さんの方がチャンスが出てくる、という話も自力2人でしてたんです。
ナッツ:地元2人でしっかりその辺りは話されていたのですね。
小川選手もやっぱり差し脚がありますもんね。オッズを見ても、大西選手の頭の次に小川選手が差すところも結構人気になってました。
大西:いや~なってましたもんね。笑 そのあたりもしっかり見てました。
ナッツ:その中で九州勢としての作戦としては、やはりまずは前を取っての突っ張りっていうのが基本だったんですか。
大西:そうですね。それで行こうって言う話をしていて、僕がスタート遅かったのですが将大が自分で取り行って、ああいう風になったんでよかったです。
ナッツ:あとは選手紹介の時から、単騎で戦う山本伸一選手(奈良101期)の動きが怪しかったんですが気になっていましたか。
大西:みんな言ってましたね。もうジカで来るんなら来てくれた方が飛ばしやすいけど、どうなんだろうなっていう話を小川さんとしていましたね。最悪僕のところに1回来て、カンナ削り気味にしてくるんじゃないかなっていう感じもありましたね。もし、そうなったら僕が1発持っていって線を外してカンナ削りされんようにはします、っていうのも顔見せ後に2人で話してました。
ナッツ:結果的には九州ラインが前を取って突っ張っていく中で、ジャン過ぎに7番手から山本選手は良いスピードでカマしてくる形になりました。あのあたりはいかがでしたか。
大西:将大もちょうど踏み出した時だったので、僕はもう安心してましたし2回ぐらい張ったんですよね。でもそこまでに将大がかかりきってなかったんで、前に出させてもらったっていう感じになりました。
ナッツ:やはり阿部選手自身も7月の記念の時と比べると状態面としてはイマイチというお話があったのですが、大西選手から見てもそれは感じていましたか。
大西:そうですね。それこそ4日間走っていて、ジャンからホームの先行ならいつも残るところを差されていたり、タイムとか見る限りでは7月の記念の時の方が仕上がってたなっていうのは感じましたね。やっぱり練習を一緒にしていても、あの時の方がやっぱ強かったなっていうのはあったので。でもお互い地元のGIIIだったんで、2人でお互い「2人とも仕上がっちょんよ!」って言って高め合ってましたね。笑
ナッツ:その高め合いめちゃくちゃ良いですね。笑
阿部選手も万全でない中でもしっかりと仕掛けて行き、大西選手は2コーナーからタテに踏みました。その後は杉森選手も良いまくりで迫っていましたがあの辺りの仕掛けは見えていましたか。
大西:杉森さんが来てるのは見えてましたね。これは乗り越えられたらまずいと思いながら、もうそこはもうとにかく踏んで、という感じでしたね。
ナッツ:その後直線で小川選手との一騎討ちでした。直線で脚は残ってましたか。
大西:4コーナーぐらいで、1回サドルに座れてないというか、1回落ちた感じがあったんで、もう1回座り直して踏んでいった感じですね。
ナッツ:もう本当に最後の気力を振り絞ってっていう。
大西:そうですね、あんまりタイム出てないんだろうなと思っていたのですが、結構出てたのが逆にびっくりでした。
ナッツ:優勝した後阿部選手とはどういったお話をされましたか。
大西:「ありがとう、頑張ったな」っていう話をして、将大からは「大西さん、前取ってくださいよ~」って言われましたね。笑
ナッツ:その冗談っぽいやり取りが良いですね。その後の表彰式は、雨でバンク内からステージの方に変更になりました。お客さんが結構近かったですが、ファンの声援はいかがでしたか。
大西:やっぱりあれだけ人が集まってくれると走っていても嬉しいですね。
そして最後も表彰式でいっぱい残ってくれてたので。
ナッツ:地元支部での胴上げもありましたね。
大西:あれは予想外だったんですけど、胴上げしに来た他の選手もみんな笑顔だったんで、僕はそれはそれでやっぱり嬉しかったです。
ナッツ:私はもう実況の時に大西選手の優勝ということで泣いていたのですが、大西選手は涙は流すシーンはなかったですよね。笑
大西:そうですね。涙を流しちゃいけんと思いながらも、もう目元は結構ゆるゆるでしたよ。笑
ナッツ:ゆるゆるだったんですか。笑
表彰式でもしかしたら泣くかなとか思ってたんですけど。
大西:本当に結構我慢してました。
ナッツ:そして改めて阿部選手は同門という関係ですが、大西選手にとってどういう存在なんでしょうか。
大西:やっぱりS級に上がってきてすぐ記念を取って、しかも1回だけじゃなくもう4回も取りました。僕としてはそこは置いていかれたなっていうのもありましたし、それで僕も頑張んないといけないっていうのは結構強かったですね。
ナッツ:普段の練習からもやっぱりよく一緒にされてるんでしょうか。
大西:前は結構していたんですけど、将大が子ども生まれて全然会わなかった時もあったんですよね。でも競輪場には入ってたんで、僕も入った時は一緒に練習することはあります。
ナッツ:あとは大西選手は自力で、特に捲りが強力なイメージがありますけど、最近人の後ろも増えてきて、今後そのあたりの戦い方のビジョンはありますか。
大西:今回のように番組さんが人の後ろを回らせてくれることもあるので、そこはもう自力だけよりも、自力自在に後ろを回る時は仕事するし、前がいなかったら前でしっかり戦うという感じです。
ナッツ:その中で、大西選手は今後大分や九州という枠の中でどういった存在になっていきたいですか。
大西:今はもう僕は先行は出来ないので、後ろに回った時はちゃんと仕事するっていうのもありますし前で戦う時は、捲りでも先輩たちをちゃんと連れていけるように頑張るっていうだけですね。
ナッツ:今後の大西選手の選手としての目標はいかがでしょうか。
大西:選手になってからは、やっぱりS級や記念で優勝することがやっと1人前の競輪選手かなっていうのは思っていました。そして選手になったからには、やっぱりGIに出たいっていうのがあったんで、これからはずっとGIに出れるようになりたいですね。
今年の小岩さん(小岩大介選手・大分90期)みたいにずっと出られる選手にはなりたいなと思います。今までの大分の選手も大塚さん(大塚健一郎選手・大分82期)や菅原さんのようにGIに出ることが多かったんで、こうやってまた大分の選手がGIにいっぱい出てくれれば意識もみんな高くなるかなってのもありますね。
ナッツ:大分は若手も結構出てきてますもんね。
大西:そうですね。一応来期から甲斐くん(甲斐俊祐選手・大分121期)と空吾(長松空吾選手・大分123期)がS級なのでそこら辺も楽しみですね。あとは、これから競輪祭(GI)などの大きな舞台を走る以上は、今まで以上に練習せんといけんなってのもあるしそういう気持ちを強くしてますね。
ナッツ:では最後にオッズパーク会員の皆様へ一言メッセージをお願いします。
大西:今後も自力自在に戦って、大分の先輩達のように名前を覚えてもらえるように走っていきたいです。これからも応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / ナッツ山本(なっつやまもと)
公営競技の実況に憧れ、一念発起し脱サラ。2022年別府競輪と飯塚オートレースの実況でデビューを果たすことになった期待の新星。
まだデビューから間もないが、競輪中継の司会も経験し徐々に活躍の場を広げつつある。星の観測と手品が趣味。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
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今回は去る8月17日、平塚競輪場で行われました<第67回オールスター競輪(GI)>にて通算500勝を達成された山崎芳仁選手(福島88期)にお話をうかがいました。大舞台で果たした大きな節目の他に、大ギア志向へのきっかけなどもお聞きしました。
大村篤史:通算500勝の達成おめでとうございます!
山崎:ありがとうございます!500勝というのは大きな節目でなかなか出来ることではないと思うと、大きな怪我もなくやってこれたこと。何よりずっと支えてくれた家族への感謝、そして競走で一緒に走ったラインのおかげです。
大村:去年22勝を上げ、年初から今年中に大きな節目が期待されました。
山崎:自分自身はまったく意識していなかったですね。いつも目の前の一戦に向き合ってきましたし、一勝々々の積み重ねですね。
大村:当日に連携した佐々木悠葵選手(群馬115期)はどうでしたか。
山崎:佐々木君の走りは以前は外だけでなくて内へ行ったりもしてましたが、ここ最近は縦に踏んだ脚が目立っていた印象でした。自分の500勝については・・・どうかな?レース前に話してなかったんで彼も意識はしてなかったんじゃないかな。
大村:当日のレースはまず後方から阿部将大選手(大分117期)がレースを動かしました。
山崎:佐々木君の作戦は初手は前か中団からレースを始めて、(別線が)斬ったところを叩いて早めの捲りかカマシで仕掛ける。そんな話でした。
阿部君が斬った後に岩本君(岩本俊介選手・千葉94期)が来て小川君(小川真太郎選手・徳島107期)が追い上げて中団がもつれてましたね。佐々木君はバックを踏んですぐ仕掛けてくれたんですが踏み出しが強烈で自分はクチが空きました。
(最終)1コーナーで追い付いたときに伊藤君(伊藤旭選手・熊本117期)がインコースにいて車輪が掛かってました。軽く締めこんだんですがバックでもう一度見ると内をさらに上がってきました。その時に自分の前輪が佐々木君の後輪に差しこんだのでこのままだと外へ持っていかれちゃうので一度引っこ抜いて立て直して外を追込みました。
大村:見事500勝!そしてワンツーフィニッシュでした。
山崎:勝てたのはたまたまです。番手を守って二人で決められたことがなによりだし、最高です。
大村:ゴール後に右手でアピールしていましたね。
山崎:スタンドのファンから「山崎おめでとう!500勝おめでとう!」と声をかけてもらいました。これは大きな舞台で競輪場に来てくれて自分から買ってくれたお客様への礼儀といいますか、声援へのアクションとして応えました。
大村:今回の節目はGIでの達成ですが、これまでの節目の1着を振り返っても好メンバーでの対戦でした。
山崎:そうですね。節目の一戦で強い人たちと当たって勝てたのは思い返せばデカいのかなと思います。
大村:話は変わるのですが、山崎選手といえば大ギア(4倍超ギア)時代の先駆者です。ここからは当時のエピソードをうかがいます。まずは実戦に投入したきっかけは?
山崎:練習で重いギアを使うのはいろんな人がしていたと思うんですが、自分の場合は(きっかけは)単純に練習でギアを掛けてたときに後半のスピードが落ちなかったんです。このスピードを維持できるなら本番でもギアを掛けたまま逃げてもいいんじゃないか?使いこなせるならばやらない手はないんじゃないか?練習で使っているうちにそう考えるようになりました。
大村:ペダリングの違いや工夫されたことはなんですか?
山崎:3.54/57といった軽いギアは脚だけで回せるんですが、重いギアだと体重移動が必要になるのでそれを支えるしっかりした体幹が必要になりますね。
大村:踏みこなすための体づくりは?
山崎:あの時は新たに体を大きくしようとは思わなかったですね。軽いギアの回転数を維持して重いギアを回すイメージを作る。重心移動に意識を向けてペダルを踏み込めるように、脚力だけでなく体重でギアを回すようにしていきました。
大村:ヤンググランプリを当時の大ギア3.71で制した若手選手がさらに4倍の壁を超えてきた、超大ギアで押切るのはセンセーショナルだったと想像します。
山崎:函館のふるさとダービー、熊本の全日本選抜(GI)、ビッグレースで勝てましたからインパクトはあったでしょうね。
大村:そこから競輪界が大ギア志向に舵を切りました。それをどんな風に見ていましたか?
山崎:使えるんだったらみんな使いこなそうと考えるだろうし・・・。けど思ったよりも(4倍ギアを)使う人が増えたな、当たり前になっていったなと感じていました。
大村:2015年からギア倍数の上限規制がかかりました。事前に規制への流れといいますか予兆というのはありましたか?また規制はどのように受け止めましたか?
山崎:当時は指定されたギアの範囲でこれからもやっていくんだとだけしか思ってませんでしたね。自分たちは常に決められたルールの中で走っていくだけなので、規制というかルール変更には試行錯誤して、新たな挑戦へのきっかけにしましたね。
大村:規制直後は選手の皆さんは色々な取り組みをなさっていました。特にセッティングの面で変更があったと記憶しています。
山崎:自分の場合、4倍超のギアのときはシートの角度を5°半から6°で乗っていたんですけどそれだとスカスカしてしまうのでシート角を4°半から5°に寝かせてギアに対する当たりを出す。体重をかけるために前乗りにしていたものをギアを軽くさせた分だけ調整しました。
大村:ギア規制後では最初の特別競輪(静岡競輪場・全日本選抜(GI))を制して時代の変化に対応された後は戦法も自力から自在寄りへそして番手戦へと変化していますね。
山崎:88期の同期の仲間たちと当初から切磋琢磨しGIでも戦って、それから時間が経って後輩たちが出てきて番手で走るのも徐々になれてきました。
大村:番手戦が増えるにあたって気を払ったことは?
山崎:もともと自力一本でやっていたころから前と車間を切って走るのが得意だったんですが、番手戦となるとしっかり付いて位置を守ることが大事なので前との距離を詰めて走るのが当初は難しかったですね。普段の街道練習では前と半車輪ほど離して走るんですけど、それを前の後輪ギリギリまでタイヤを近づけて走る練習をしました。車間を空けないように空かないように走る練習に時間を割きました。
大村:大ギア時代にも作戦上の番手回り、北日本地区同士での連携はありましたが本格的な番手戦はいつごろからですか?
山崎:始めて他地区の選手に付いたのが41才でした。同期の小埜正義(小埜正義選手・千葉88期)の後ろを回りました。たまたま二人が決勝に乗って(注:2021年1月4日久留米FI決勝)、単騎同士の番組になりました。お互いに「(地区が)近いけどどうしますか?」って話になり、小埜は自分でやりたいと。その時の自分は他地区に付いたことはなかったんですが小埜は同期でなんだか他地区の選手と思えないというか・・・。
大村:同期のよしみ、絆ですね!
山崎:そうですね。なので同期になら付けてみようというのが最初でした。
但、一度でも他地区の後ろを回ったからには自分自身の中で『完全な自力とは言えなくなったな』という自覚が生まれました。同時にこれからは自力自在に走る、正攻法だけでない戦い方をやってみようと思いました。
大村:さきほど街道練習の話が出ましたが、山崎選手の練習スタイルは二勤一休。二日間を追い込んで一日休息のサイクルと記事で読みました。今でも同様でしょうか。
山崎:今はまばらになってしまいましたね。年齢とともに若いころのようにとことん追い込めなくなりました。そのまま2日練習して1日休むサイクルだとただの練習不足になってしまうから、今は4日続けたり一週間続けて練習してます。自分の体調に合わせて練習日程を考えています。
大村:現在、トレーニングで取り組んでいることは?
山崎:心拍を上げていく練習に重点を置いてるかな、高回転で下りをモガいたり軽いギアで登ったり。
大村:ウエイトトレーニングよりも実際に自転車に乗って行うのですか?
山崎:自分も過去にウエイトトレーニングはやったんですけど、どうにも体がロックしてしまうんですね。踏み方と合っていないようで効果がでなかったです。自分の身体、体調を見ながら取り組んでいます。
大村:練習と競走の合間のお休みの日や山崎選手のプライベートの時間の過ごし方はいかがですか?
山崎:趣味は昔からゴルフですね。家族や兄弟とごくごく親しい者で回ります。完全にリフレッシュの時間なので選手同士でってのはないなぁ。
大村:昨今のスピードレース化が著しい中、レースで気を付けていることは?
山崎:今は若手選手みんなスピードがあるし、競走の変化として自分たちのデビューしたころに比べてモガく距離が長くなりました。それでも番手戦であっても自分でやるときでも兎に角離れないことですね。
大村:今年はご子息(山崎歩夢選手・福島125期)がデビューされました。ご子息だけでなく若手選手の多くが山崎選手へ憧れを抱いているかと思います。ルーキーへ向けたメッセージはありますか?
山崎:そうですね。これから辛い時期があるかもしれませんが常に上を目指してトレーニングとケアを忘れずにGIの頂点を目指して頑張ってほしいです。
大村:今回500勝を達成されて9月は立川FIにて501勝目を上げました。次なる節目へ踏み出しました。そしてファンの関心はやっぱりグランドスラム!今後の目標は・・・?
山崎:自分では意識していないんですが、ダービー(GI)を走ると周りからちらほら話が出ます。そうなると意識せざるをえないですね。とはいえ常にGIをめざして練習をしています。なので目標も長くGI戦線にいる体づくりをしていくことです。
さっきの新人へのメッセージと重なりますが、競走がつづく中で不安に駆られることがあっても自分を奮い立たせ挑みたいです。若手は当然ですが強いので彼らのスピードに追いていかれないように、フィジカルとメンタル合わせて『まだやれるぞ!』ってところを見せたいですね。
大村:最後にオッズパーク会員の皆様と全国の山崎芳仁ファンへ向けたメッセージをお願いします。
山崎:いつも応援ありがとうございます。ファンの皆さまのおかげもあって大きな節目500勝が達成できたんだと思います。これからも上位をめざして、GI優勝をめざして日々の努力につとめますのでこれからも応援をよろしくお願いします!
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※インタビュー / 大村篤史(おおむらあつし)
2012年4月から小倉競輪場を中心にレース実況を担当。
名前と同様の"熱い"実況スタイルでレースのダイナミズムを伝えることが信条。
2022年7月からは小倉ミッドナイト競輪CS中継の二代目メインMCとしても出演中。
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今年の卒業記念チャンプとなった森田一郎選手(埼玉125期)。
本デビューの地元戦では準優勝だったものの、その後の3場所で9連勝を達成し早々とチャレンジを卒業。今後はS級での戦いも見据える23歳の新星に様々なお話を伺いました。
ナッツ:まずは特別昇班おめでとうございます。
森田:ありがとうございます。
ナッツ:本デビューして4場所目での特別昇班はどう捉えてますか。
森田:ちょっと1場所目で躓いてしまったんで、そのあたりは反省したいなと思っています。
ナッツ:ただ、その1場所目での反省をしっかりと活かすことができたんですね。
森田:そうですね。徐々に成長していって、成長の実感を掴めたので修正はできたと思います。
ナッツ:その成長というのはどういった部分ですか。
森田:本デビューの大宮ではレース全体が見れてなかったですし、心と身体が別々なことをしてしまってるなと感じました。そこから師匠にも色々とアドバイスをいただいたので、そういうところをしっかり詰めていくうちに向日町くらいで形になり始めて、レースの組み立てもすごく考えながらレースを走れるようになってきましたね。
ナッツ:その成長が特別昇班に繋がったのですね。ちなみに森田選手は養成所時代は2位という順位でしたが、ご自身の中でデビューしてからもやれる手応えはありましたか。
森田:そうですね。ちょっと不安はあったんですけど戦えるだろうとは思ってましたね。
ナッツ:そして実際にデビューをして、最初の段階として自分の思い描いたように走れていますか。
森田:やっぱりチャレンジとA級やS級でレースの流れが違うと思いますし、これからそういうところを走ってからにはなりますが、まずは大体は予想通りに走れていますね。
ナッツ:森田選手の場合、ルーキーシリーズでデビューして初めて車券の対象になったという部分で緊張感はありましたか。
森田:高校と大学でやってきた競技とは全く別物というのは感じていました。
ただ、今までも全てを出し切るという感じで走ってたので、それは本当に車券の対象になっても変わらないことで、あまり変な気負いはなかったですね。
ナッツ:意外にその辺りは落ち着いていたというか、その経験が活きている部分があったということですね。
森田:そうですね。一走一走大切にやってきたっていうのが、そういうところで活きたのだと思います。
ナッツ:ルーキーシリーズが終わって、地元の大宮競輪場で本デビューを迎えましたが何か違いは感じましたか。
森田:地元って言っても正直「うわ、緊張するな」って感じはなかったですね。
どっちかというとルーキーシリーズの方が同期に負けたくないって感じが強くて、緊張しましたね。
ナッツ:地元を走ってのファンの声援はいかがでしたか。
森田:決勝は2着という形に終わって、僕が人気をしていた分皆さんの期待を裏切ってしまったんですが、終わった後も「ここからだぞ!」と温かい声援をいただいて、もう1回気を引き締めて頑張んないとな、と思いました。
ナッツ:そこからは連勝街道となったわけですが、9連勝目がかかる最後の立川の決勝の時は特別昇班に対する意識はいかがでしたか。
森田:同じナショナルBチームである中石君(中石湊選手・北海道125期)も先に特別昇班していたので、ここは絶対に取りこぼせないっていう気持ちでしたね。ただ通過点っていうのも感じていましたし気負いはなかったです。
ナッツ:やはりそれは森田選手自身が見据える位置はまだここじゃなく、更に上の位置だからこそってことですよね。
森田:そうですね。S級に上がって通用する練習をしてると思うので、しっかりと早くそこで力が発揮できるようにしたいですね。
ナッツ:実際にその立川の決勝のレースで125期が4人いる中で捲って9連勝を決めました。特別昇班を決めた気持ちはいかがでしたか。
森田:本当に安心というか、ひとまずは短期目標をクリアできてよかったなっていう気持ちでしたね。ただ終わって、これで一喜一憂はしていられないなと思っていました。
ナッツ:話を聞いていると、森田選手は結構しっかりと自分のメンタルもコントロールしながら取り組んでいるように感じますね。
森田:いや~僕は優先順位や今何をやるべきか、どういう目標を立てばいいのかみたいなものをちょっと見失ってしまうふしがあるんですよね。だからこそしっかりとそうやって自分に言い聞かせないと、と思ってやっていますね。
ナッツ:逆にそういう部分があるからこそ自分をしっかりと律することができているのですね。
森田:そうですね。そのあたりは意識をしています。
ナッツ:レースを見ていると、先行も捲りも出ているイメージですが、ご自身の中での脚質はダッシュ、地脚だとどちらになるんでしょうか。
森田:それが本当に僕もまだわからなくて。まだまだ発達段階っていうかこれからだと思うので、自分でどういう風な競争がスタイルに合ってるのかっていうのを探していきたいですね。今は大学時代からやっていることがメインになってしまっているんですけど、先行もそうですし、ゆくゆくはしっかりとレースの戦術の幅を広げていきたいなと思っていますね。
ナッツ:今、練習環境としてはナショナルの練習がメインなのでしょうか。
森田:そうですねナショナルで練習させていただいてます。
ナッツ:競輪もありつつ、ナショナルも、ということでいわゆる二刀流のような感じだと思うのですが森田選手自身はどう捉えていますか。
森田:僕はあんまり器用じゃないんで、どこかで悩む時期があると思うんですけど、そういう壁に当たるまではしっかりと両方を全力でやっていきたいですね。
ナッツ:ということはナショナルでは、今後のオリンピックに対する意識もあるのですね。
森田:はい。こないだのパリオリンピックも見ていて本当に刺激をもらえましたね。すごくかっこいいなと思いましたし、自分が出たい、何年後かに出たいっていう気持ちも本当に強くありました。本当に大きな目標はやっぱりロサンゼルスオリンピックっていうことになりますね。今のこの身体やパフォーマンスではロスに出れるか出れないかって言われたら絶対に出れないと思うので、今はただただ強くなることしか考えてないですね。
ナッツ:先輩にあたる太田海也選手(岡山121期)だったり中野慎詞選手(岩手121期)の走りを間近で見る機会もあると思うのですがいかがですか。
森田:脚力があるとかそういう面では本当に一目瞭然なんですけど、その他にも選手として、あとは自転車に対する考え方も本当に違います。そういった面でも早く追いつきたい、追い越したいという気持ちはあります。
ナッツ:やっぱり近くで見ていて学ぶことが多いんですね。
森田:本当に多いですね。自分がまだ考えもつかない意識などを実際に聞いて学べる場所にいるというのは本当にありがたいです。
ナッツ:その時点でやっぱり他の同期が聞けないようなことも聞いているわけですもんね。
今はナショナルでの練習とのことですが、競輪の方では師匠の山信田学選手(埼玉83期)からはどんなことを言われていますか。
森田:特にレースの内容に関してはどういう風に走れとは言われていないんですけど、一走毎に電話でアドバイスをいただいていますね。
あとは「隙の多いレースだった」っていうアドバイスをいただいた時には、師匠も全ての答えを言わずに自分で考える力をつけさせてくださいます。
少しアドバイスをいただいて、あとは自分でどう隙があったのかを考えていたり、本当に自分のことを思って成長させてくれる師匠です。
ナッツ:それは本当にすごく自分の成長に繋がりますよね。森田選手自身は元々考えること自体は高校や大学の時からも結構してきたタイプなのでしょうか。
森田:正直言うと、僕は大学時代あんまり考えて走るタイプではなかったんです。
もちろんちょっとは考えましたけど、今考えると本当に考えてるか考えてないか微妙なレベルだったと思います。
ナッツ:今になって振り返るとそう思うのですね。
森田:そうですね。当時はどうすれば速くなるかっていうのを考えてはいたんですけど、具体的な方法とかそういうのはなく、漠然とただただ練習をすればいいと思っていたので。今は本当に練習以外のものが出るのが競輪だと思ってるので、そういうのをしっかり考えるという力はついたと思います。
ナッツ:インタビューや考え方も含めすごく落ち着いてらっしゃいますよね。良い意味で若さが無いというか。笑
森田:そうですね。たぶん変なことを深く考えすぎる性格なんで、考えてることが変にまとまっちゃうんですよね。
ナッツ:森田選手は色々なことを器用に出来るタイプなのかなって思っていました。結構考え込むんですね。
森田:そうなんですよね。例えばアドバイスいただいたら、そんなに考えなくてもいいことをすごく深く考えすぎちゃったりして、本当に器用ではないですね。
ナッツ:でもその考えるということは競輪選手にとって絶対大事ですもんね。
森田:でもやっぱり限度があると思うので、それを長所に出来るようにしていきたいですね。
ナッツ:今後、森田選手の目標はどこに置いていますか。
森田:やっぱり大きな目標はグランプリなんですけど、今は叶わないと思うので、しっかりと力をつけていきたいです。今の短期の目標としてはやっぱりS級に上がってGIなどのレースで埼玉の偉大な先輩方の前で戦いたいですね。
ナッツ:やっぱり埼玉というと本当にたくさん強い選手がいますもんね。
森田:本当に埼玉は選手層が厚いのでそういう人の前でしっかり走りたいです。
ナッツ:ちなみに同期の中で意識する選手はどなたかいらっしゃいますか。
森田:やっぱり中石湊ですね。
ナッツ:そこはナショナルで戦ってるからというところでしょうか。
森田:そうですね。本当に競技じゃ負けてばっかりなんで競輪では負けたくないです。
ナッツ:そして今後はまずはA級1-2班の舞台が待っています。ここも特別昇班に対する意識はご自身の中ではどうですか。
森田:もちろんここで止まりたくないっていう思いが強いです。その為に1-2班のレースもしっかりと予習してます。同期の栗山さん(栗山和樹選手・岐阜125期)や南部君(南部翔大選手・大阪125期)のレースも見て、どういう勝ちパターンなのか、どういったレースが負けちゃうのかっていうのを見て勉強していますし、しっかりと事前準備をしてから入りたいです。
ナッツ:すごいですね。そういった他の選手の1、2班の戦いとかもチェックされてるんですね。
森田:そうですね。先輩方からも1、2班はちょっとレース形態や流れが違うって言われたんで、そこらへんはしっかり勉強しておかないと、脚があっても競輪なら負けちゃうと思うので、しっかりとできる準備はしておきたいですね。
ナッツ:その中で森田選手のファンに対する走りのアピールポイントを教えてください。
森田:一走一走、全力で諦めないレースを意識していつも走っています。もちろんそれは当たり前のことではあるのですが、気合は誰よりもあります。そういうところを見ていただければと思います。
ナッツ:では最後にオッズパークの会員の皆様へメッセージをお願いします。
森田:A級1-2班戦も全力で、そしてS級にも上がれるように本当に一走一走全力で頑張るので引き続き応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / ナッツ山本(なっつやまもと)
公営競技の実況に憧れ、一念発起し脱サラ。2022年別府競輪と飯塚オートレースの実況でデビューを果たすことになった期待の新星。
まだデビューから間もないが、競輪中継の司会も経験し徐々に活躍の場を広げつつある。星の観測と手品が趣味。
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今年のオールスター(GI)では初めてのファン投票1位に輝いた古性優作選手(大阪100期)。
優勝という最高の結果でその期待に応えました。
大歓声の中で走った気持ち、そしてファンに対する想いなど様々なお話を伺いました。
ナッツ:オールスター(GI)の優勝おめでとうございます。ファン投票1位に応えての優勝でしたね。
古性:本当に嬉しいですね。
ナッツ:2021年に出場した時は16位でしたが、今年は1位でした。
ファン投票の順位がどんどんと上がっていったことはどう感じますか。
古性:やっぱり日々のレースを評価していただいたということですごく嬉しいなと思います。
ナッツ:このオールスター(GI)は他のGIとはやっぱり少し違う感覚なのでしょうか。
古性:そうですね。やっぱりファンの皆さんの投票がなければドリームレースにも出場できないですし、そこはすごく特別な思いはあります。
ナッツ:実際に1位に選ばれた時の気持ちはいかがでしたか。
古性:まさかでしたね。笑
ナッツ:まさか、ですか。それはどういった部分で感じたのでしょうか。
古性:なんですかね...特にインパクトのあるレースもすることができてないですし、それでも僕なんやなと思いました。自分の中では物足りなさを感じていた中だったのでびっくりしました。
ナッツ:そのファン投票1位で迎えたオールスター(GI)でしたが、状態はいかがでしたか。
古性:状態面もあんまり上がりきらずに、今年のGIの中では1番不安を抱えたまま入った開催にはなりましたね。
ナッツ:そうだったんですね。自分の中では全然満足いく状態ではなかったと。
古性:はい。岸和田のGIの状態が良かったんで、それに比べるとかなり物足りないなって感じでした。
ナッツ:平塚競輪場自体は去年のダービー(GI)以来だったのですが、イメージとしてはいかがでしたか。
古性:すごく華やかですし、相性っていうよりかは走って楽しいバンクだなと思いましたね。
ナッツ:その中で初日はドリームレースを走りました。ファンの期待が集まってのレースでしたが、声援はいかがでしたか。
古性:本当に素晴らしい舞台で走らせてもらって、もう僕は脇本さん(脇本雄太選手・福井94期)と深谷さん(深谷知広選手・静岡96期)がすごくもがき合ってたんで、なんかこう観客目線じゃないですけど、ちょっとそんな感じで見てましたね。余裕はない中ですけど、迫力があってすごい光景でしたね。
ナッツ;それほど沢山のファンが声援を送っていたのですね。以前、記事で脇本選手との連係時は作戦は立てないと見たことがあったのですが、実際はどうなんでしょうか。
古性:最近までは立ててなかったんですけど、今年のサマーナイト(GII)ぐらいからちょろちょろっと作戦は組み立てるようにはなりました。
ナッツ:その辺りの変化はどういった理由でしょうか。
古性:やっぱり脇本さんもやりたいことがあると思いますし、その中で自分が脇本さんが走りやすいように援護できたらいいなっていう感じで立てるようになりましたね。
ナッツ:その作戦を立てることで、連係も少しずつ変わってきた実感っていうのはありますか。
古性:そうですね。やっぱり作戦ないよりかはある方が、どうしたらいいかっていうのがわかるので、自分は動きやすくなったかなと思います。
ナッツ:ドリームレースでは3着でしたが、一走しての感覚はいかがでしたか。
古性:本当にもう脇本さんがすごく強くて、僕はもうただただきつくて力不足を実感したなって感じですね。
ナッツ:ただ、そこから2走目に関しては自力でのレースでした。2コーナーから捲って後続を離すようなスピードでしたが、自力で動いての感触はいかがでしたか。
古性:状態を上げる意味でも色々な試行錯誤をして、少しずつ良くなってきたかなっていう感じですかね。
ナッツ:その後、シャイニングスター賞では再び脇本選手の連携でしたが勝負所は前と大きく車間が空いていたのはわかりましたか。
古性:いや~もう風が強すぎて、僕は状況があんまりわかってなかったですね。
ナッツ:最後はその中で進路を内にとって4着まで伸びてきましたが、ご自身の中での手応えは。
古性:もう苦しかったですね。いっぱいいっぱいで。
ナッツ:準決勝では窓場千加頼選手(京都100期)との連係になりました。
窓場選手は近況非常に力をつけてきた印象があるのですが、古性選手から見て窓場選手はいかがですか。
古性:そうですね、年頭はちょっと頼りなかったんですけど、本当にウィナーズカップ(GII)ぐらいから覚醒した感じで、すごく頼もしかったですね。
ナッツ:その辺りは古性選手から見て、思い当たる理由はあるんでしょうか。
古性:競輪学校時代からすごくポテンシャルを持ってたんですけど、まあ自分を高めることを怠ってたのだけだなと思うんですけどね。笑
千加頼は練習したらあれぐらいのポテンシャルある選手ってもう知ってたんで。
ナッツ:自分のポテンシャルを引き出せるような練習や考え方とかが出来るようになったわけですね。その窓場選手との連係では、ジャン過ぎに3番手に松浦選手(松浦悠士選手・広島98期)が捌いて入っていました。あの辺りはいかがでしたか。
古性:もうすぐに後ろに入ったのがわかったので、動きに気を付けていましたね。
ナッツ:その後北井佑季選手(神奈川119期)が捲ってきましたがあの時の動きですよね。
軽く北井選手を振りつつ、インの松浦選手にはしっかりと当たった部分。結構SNS上でも話題になっていました。あの辺りは古性選手の中では考えての動きだったのでしょうか。
古性:そうですね。北井さんはまだ伸びてくる可能性もありましたし、そこをちょっと振ったら郡司くん(郡司浩平選手・神奈川99期)が中に来てくれるんで、そうなると北井さんは苦しくなると思いました。あとは内外線間を空けると、やっぱり松浦くんが来てくれるので、そこをしっかり潰したらワンツーは決めれるなっていう感覚はありました。
ナッツ:その辺りの判断がさすが古性選手、と感じたのですが、ああいった動きは走りながらの瞬時の判断なんでしょうか。
古性:ですね。もう走りながらです。
ナッツ:先ほど脇本選手との作戦の話もありましたが、この窓場選手とのレースの場合もあらゆるケースを想定して作戦を立てたのでしょうか。
古性:いや、千加頼の場合は作戦はなかったですね。そのあたりは全部任せて、という感じでした。
ナッツ:ということは、決勝戦も窓場選手との連係でしたが、ここも作戦は立てなかったということでしょうか。
古性:はい、初手の部分を確認しただけですね。
ナッツ:それだけだったのですね。結果的に前を取りましたが、そこから北日本の番手に粘るっていうところもプランとしては。
古性:いや、もうそのあたりもなんもわかんないです。笑 全部千加頼に任せてたので。
ナッツ:結果的には下げて5番手を確保して窓場選手が捲り上げていきました。前は新山響平選手(青森107期)が先行して、佐藤慎太郎選手(福島78期)のブロックもありました。
振り返っていかがですか。
古性:2コーナーで千加頼が踏んでいった時に、これはワンツー狙いに行ってるなって思う仕掛けでしたし、千加頼は伸びてもいったので、これは捲れるかなって感じはあったんです。ただ慎太郎さんがすごく上手やったなという感じでしたね。
ナッツ:そのブロックで窓場選手も少し勢いが止まったところ、古性選手は外に持ち出して踏み込みました。その時の感覚はいかがでしたか。
古性:千加頼がブロックもらった時に一緒に僕も煽りもありましたし、ちょっと苦しくなったなって感じだったんですけど、決勝戦が1番状態が良かったんで勝てたなという感じです。あれが準決勝ぐらいの状態だったら、多分4着ぐらいになってる感じはします。
ナッツ:そんなに準決勝と決勝で状態が違っていたのですね。古性選手の仰る修正っていうのは、どういったことを指すんですか。
古性:身体のインナーの使い方ですね。
ナッツ:それをローラーとかに乗りながら修正していくような感じなんですか。
古性:そうですね。決勝の前にローラー乗ったんですけど、最後の5分ぐらいで閃いたことがあって、それを決勝でやった感じですね。
ナッツ:その閃きがあっての勝利だったとは。そして、ゴール後すぐに右手でガッツポーズしました。感情が高ぶってたような印象ありましたがお気持ちとしてはいかがでしたか。
古性:そうですね。今年GIで情けないレースが多かったんで、やっとこう結果を残せたなって感じでしたね。
ナッツ:前半のGIで苦しい結果が続いていたことに対しての悔しさがあったと。
古性:ナショナルチームと練習させてもらって、色々感じる部分もありました。でもしっかり自分の思ってるトレーニングができれば結果は出るとは思ってたんで出せてよかったですね。でも今回に関しては本当に千加頼のおかげなんですけどね。
ナッツ:最近は窓場選手など、近畿の若手選手がたくさん出てきたことはどう捉えてますか。
古性:本当にそういう選手と走る機会も増えてきましたし。僕はすごく嬉しく思ってますね。
ナッツ:その中でもちろん自力も人の後ろも、というケースもありますが戦い方に関してはどう考えていますか。
古性:もちろん、自力と追い込みじゃ全然違うんですけど、やっぱり自力をやってないとGIは取れないですし、追い込みになっても自力持ってないと多分優勝できないんで。
そこは落とさずですね。むしろもっと上げていくイメージですね。
ナッツ:あとは今回のファン投票1位というところもそうなのですが、決して派手なパフォーマンスをしない中でもファンに支持され、古性選手自身もファンのことを考えている印象があります。改めてファンの存在はいかがですか。
古性:そうですね。僕はリップサービスもしないですし、それこそ純粋に自分のレースを見ただけで評価してもらったっていう嬉しさはあります。
むしろインタビューだけ出ていたらファン投票の順位は下がると思うので。笑
シンプルに競輪で評価してもらったのがすごく嬉しいなと思います。
ナッツ:だからこそ感謝の気持ちが自然と口に出てきたりっていうのもあるわけですよね。
古性:そうですね。自分はそれこそイベントに頻繁に出たりもしないですし、自分はやっぱり走って良い走りをしてファンの皆さんの期待に応えたいっていうのがあるんで。
やっぱりどうしてもイベントよりも練習の方がメインになってしまいますし、ファンの皆さん的には物足りない部分もあると思うんですけど、僕の中ではそこしかないと思ってるので、練習を突き詰めてやらしてほしいなって感じています。
ナッツ:それがファンに伝わってるからこその今回のファン投票1位っていうところだと思いますよ。
古性:そうだとしたら嬉しいですね。
ナッツ:その中で、古性選手は今後どこに目標を置いていきますか。
古性:ずっと言っているんですけど、ダブルグランドスラムをやってみたい、目指したいなっていう気持ちはあります。
ナッツ:そこに対してご自身の中で足りない部分だったり、強化していきたい部分はありますか。
古性:脚力的にももちろんですし、人間的にももっと成長しないと絶対取れないなと思います。もっとこうなんですかね...誰もやったことのないことを目標にしてるわけなんで、全ての項目でトップになっとかないとという気持ちですね。
トップスピードもそうですし、横の技術もそうですし、メンタル的にもそうですし。だからこそ難しい部分ではあるんかなと思いますけど。
ナッツ:心技体含めて全部がトップにならないと辿り着けない目標だと。
古性:そうですね。そうしないと誰も行けなかったところになかなか行けないなと思っています。
ナッツ:沢山のお話をありがとうございました。では最後にオッズパークの会員の皆様へ一言お願いします。
古性:いつも応援していただいてありがとうございます。これからも応援してもらえるよう頑張ります。
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※インタビュー / ナッツ山本(なっつやまもと)
公営競技の実況に憧れ、一念発起し脱サラ。2022年別府競輪と飯塚オートレースの実況でデビューを果たすことになった期待の新星。
まだデビューから間もないが、競輪中継の司会も経験し徐々に活躍の場を広げつつある。星の観測と手品が趣味。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
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