6月に岸和田競輪場で行われる『第2回パールカップ(GI)』で初めてのGI出場が決まった竹野百香選手(三重124期)。デビューしてから約1年、素晴らしい活躍となりました。ここまでの振り返りとパールカップ(GI)への意気込みを伺いました。
山口みのり:まずは6月のパールカップ(GI)の出場が決まりました。デビューして約1年でのGI出場、ご自身ではいかがですか?
竹野百香選手:早すぎだなと思います。全然意識もしていなくて、出られるとも思っていなかったのでびっくりしました。ファンの方から教えていただいたんですが、最初は何のことかわからなかったです。
山口:GIを目標にしていたというよりは、日々のレースを頑張っていたらだったんですね。
竹野:はい、もちろんいつかは出たいとは思っていましたが、まさかこんなに早く出られるなんてびっくりしました。
山口:デビュー後、ここまで振り返っていかがですか?
竹野:競走得点で言うとだいぶ良い方だと思うんですが、得点に見合った実力だとは自分では思っていません。もっと脚をつけていきたいです。
山口:レースや生活の流れというのはいかがでしょう?
竹野:だいぶルーティーンなどもできてきて、良い感じだと思います。
山口:レースの内容としても、やりたいことはできていますか?
竹野:はい、かなりできています。もちろんできなかった時もありますが、その時はどうしてできなかったのかを考えて、次に生かせるように振り返っています。
山口:理想のレースはどんなレースですか?
竹野:全部つっぱって先行しての逃げ切りが理想です。
山口:そうなんですね!だからSを取ってのレースも多くあるんですね。
竹野:それもありますし、後ろにいると他の選手に蓋をされてしまう(内側に封じ込められてしまう)のが嫌なんです。そうならないように前にいっていたら、そのまま突っ張り先行になるというのが今の私のスタイルになっていますね。
自分の思い通りの仕掛けができないと嫌ですし、他の選手と接触の危険性もありますから。
山口:逃げと捲り、両方とも決まり手を残していますが、捲りの時も冷静に走れていますか?
竹野:そうですね。前も後ろも見ながら、冷静にいけていると思います。自分のいけるところから行こうと思っています。
山口:先行なのか捲りなのかは、流れを見て決めているんですか?
竹野:そうですね。でも予選は先行をするようにしていますが、決勝まで行くと先行ができない時もあります。Sを取って前にいても、次々と切りに来てしまうので、そんな時は捲りで行こうと思っています。
山口:それで勝てている時も多いですもんね。
竹野:勝率は捲りの方が高いと思います。
山口:4月久留米の決勝ではSを取りに行って取れず、どこにも入れずに最後方までさがる時があったかと思います。あの時はどんな気持ちでしたか?
竹野:すごく焦りましたが、もうどうにもできないと思ったので、切り替えて捲りに構えました。仕掛けるのも、前にいた田中まい選手(千葉104期)がすごく見ていたのがわかったので、先行も無理だなと思っていました。
山口:前にいた田中選手が最初に仕掛けた時に、竹野選手はのっていくのではなくそのままの位置でしたね。
竹野:はい、仕掛けはシッティングでいきたかったのと、他の選手の動きも見たかったので一旦は後ろにいました。Sで失敗してだいぶ脚を使ったため、脚力を温存しようという意図もありました。
山口:残り1周辺りで動きがあり、一番外を捲っていきましたが、乗り越える時はいかがでしたか?
竹野:捲りの方が得意なので、いけるなと思っていました。後ろは全然見えていなかったんですが、大丈夫かなと思いました。
山口:ありがとうございます。では続いてガールズフレッシュクイーンも振り返ります。単発レースはいかがでしたか?
竹野:すごく緊張しました。500バンクで動きも難しい中でしたが、自分のやりたいレースはできました。結果は3着と優勝はできませんでしたが、内容は満足しています。
山口:500バンクでの先行はいかがでしたか?
竹野:高知は500バンクでもカントがまったくない感じがしました。宇都宮は走ったことがあるんですが、全然違って「こんなバンクがあるんだ」とびっくりしました。
山口:そうでしたか。今後への経験になりますね。では今年の目標は何ですか?
竹野:実は「GIへ出場する」だったんですが、すでに叶ってしまいました(笑)
山口:パールカップ(GI)ですね(笑)
竹野:そうです。大きいレースに出たいとは思っていたんですが、まさかこんなに早く出られるとは思っていませんでした。出られるとしても競輪祭女子王座戦(GI)あたりなのかなと。だから本当にびっくりしました。
山口:今のところですが、太田美穂選手(三重112期)との同時斡旋ですね。
竹野:美穂さんは三重で一番強い選手なので、吸収できるものはしっかりできれば良いですね。
山口:練習は一緒にする機会もあるんでしたよね?
竹野:はい。私のグループは街道をメインに練習をしているんですが、バンクで練習を一緒にさせていただく時はあります。練習でもスピードがあったり本当に強いんです。でも練習も強いんですけど、美穂さんはレースを見ている方が「強いな」と思います。先日も別府の優勝も本当に強いなと思って見ていました。先輩は違うなと思います。
山口:背中を追っていけるのは良いですね。
竹野:はい。レースの内容も逃げて強いので、私の理想のレースの一つです。
山口:まもなく新人選手も入ってきますが、後輩期が入ってくるのはいかがですか?
竹野:先輩たちが言っている意味がわかりました。「新人選手が入ってくるのは怖い」と仰っている方がたくさんいて、どういうことだろうと思っていたんですが、いざ自分が先輩期になると思うとその気持ちがわかります。レースでコテンパンにやられないように頑張らないとと思います。
山口:ここまでの1年で先輩選手と話していて印象に残っている言葉はありますか?
竹野:すごくたくさんのアドバイスをいただいていて、印象に残っている言葉はたくさんあります。
石井貴子選手(東京104期)は先行のコツを教えてくださったり、加瀬加奈子選手(新潟102期)や中村由香里選手(東京102期)に「良いレースするね!内容が一番良かったよ」と褒めてもらったのはすごく嬉しかったです。フレッシュクイーンの前には山原さくら選手(高知104期)に、同じ開催の時にずっと励ましていただきました。
SNSでも「頑張ってね」とメッセージをいただいたりなど、先輩に恵まれていていろんな方に良くしていただいています。
山口:石井選手が先行のコツを教えてくださったのは、ライバルになる選手なのに素敵ですね。
竹野:そうなんです。以前お姉さんの石井寛子選手(東京104期)と岐阜で対戦したんです。その時は確か、私の後ろにいた選手にビビってしまいスピードを落とした瞬間に日野未来選手(奈良114期)にかまされてしまったんですが、レース後に貴子選手と同じようなアドバイスをいただきました。
山口:アドバイスを受けレベルアップしていっているんですね。
竹野:たくさん助けていただいています。
山口:初めてのGIですが、同じGIのオールガールズクラシックでは2回とも前半のレースに参加されました。GIの雰囲気というのは感じられましたか?
竹野:はい。何となくですが感じることはできました。
山口:パールカップ(GI)は男子とも同じ開催なのでオールガールズクラシック(GI)とはまた違う雰囲気かもしれませんが、フレッシュクイーンでは高知記念(GIII)でS級選手とも一緒でしたね。
竹野:そうですね。その時も何となくこんな感じなんだという雰囲気は掴めたと思います。自分も気を引き締めていきたいです。
山口:GIではどんなレースを見せたいですか?
竹野:GIだからと言って勝ちだけにこだわるのではなく、お客様のことも考えてレースの面白さであったり思い切ったレースというのも意識して走りたいです。
山口:岸和田は初めてですよね?
竹野:そうなんですよ。多少不安はあります。というのも先日の高知がフレッシュクイーンの時に初めてで、自分では「大丈夫だろう」と思っていたのに痛い目を見たので、レースを見たり他の選手に話を聞いたりなどして対策をしたいと思います。
山口:400バンクは走りやすいですか?
竹野:はい。ほとんどのバンクが400バンクなので高知よりは不安はないです。
山口:GIまでに強化したいことは何ですか?
竹野:全員が強いしスピードもすごいので、まずスピードの強化ですね。後はいつも通りの練習で仕上げていきたいです。
山口:スピードは課題ですか?
竹野:はい、とても思います。一緒に走っていて一番差があるなと感じる部分が、ダッシュとスピードなんです。
山口:そのための練習も今も継続しているんですか?
竹野:はい。練習も取り入れています。
山口:ありがとうございます。それでは最後にパールカップ(GI)への意気込みをオッズパーク会員の皆様へよろしくお願いいたします。
竹野:パールカップ(GI)に出場が叶いましたが、124期を背負っているので、124期の代表の気持ちで恥ずかしくないように精一杯走りたいと思います。
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:公益財団法人 JKA
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