
鈴木圭一郎の反撃攻勢だ
初日・3日目とも本走タイムを青山周平にほんのわずかながら上回られた鈴木圭一郎が、4日目の準決勝戦は青山周よりはるかに速い時計をマークした。今期S1の座を自身から奪った青山周に対する逆襲の第一歩を今大会で刻んで、令和GCの連覇と今年の初優勝も合わせて成し遂げる。
狙って妙味があるのは森且行の存在。準決勝戦のレース後半、2番手へ上がったあと滑り気味に見えながらでも3番手の岩崎亮一より直線の伸びが強めに感じられたので、決勝戦は内寄り3枠から逃げる展開に持ち込むと、4~6号車あたりには抵抗可能とみる。
佐藤摩弥は準決勝戦で、鈴木圭一郎のコースが大きくなったとはいえ1度は差し返す動きを見せており、エンジンも乗り手も充実度が高い。
いまひとりのガールズ松尾彩も、準決勝戦では青山周平に抜かれたあと喰い下がったばかりでなく外に併走して捲れるかと感じさせるパワーを示したので、森の場合と同様に独走に入れれば一発を秘めている。
◎ 7 鈴木圭一郎
○ 8 青山周平
△ 3 森且行
▲ 5 佐藤摩弥
× 1 松尾彩
おすすめの買い目
7ー8=3514
穴なら
1=7-3458
文/鈴木
9R...10線最内の五所が西村義を交わして逃げに入りそうだが、10線大外からカマシ気味にスタート決める有吉が早めに先頭に立つ。佐々木はエンジンが仕上がっており、序盤の位置取り次第では優出十分。捌きある高橋貢が後半浮上。一発あるなら高橋義弘。
◎ 8 有吉辰也
○ 2 五所淳
△ 4 佐々木啓
△ 7 高橋貢
▲ 5 高橋義弘
おすすめの買い目
8-2457-2457
穴なら 初日の走りを再現で高橋義弘
5-2478
10R...ここ一番で爆発的なスタートを決める黒川が速攻勝負。ハンデは重化している前田だが、枠ナリ発進を保てればインを抑えて粘り込む。岩崎は動きが軽快で、スタート後に好位置につければ参戦可能。篠原もカマシ気味に出るか。山本翔の大駆けに注意を。
◎ 8 黒川京介
○ 2 前田淳
△ 4 岩崎亮一
△ 7 篠原睦
▲ 3 山本翔
おすすめの買い目
8-2347-2347
穴なら 成長している山本翔
3-2478
11R...力強い攻めが決まっている青山周の軸は不動だ。道中の攻めが冴えているのは松尾啓。春本と松尾彩は準決からハンデが重くなっているが、外枠勢にそこまで行かれないスタートが切れそうで一杯に粘る。平田が猛追を見せるか。
◎ 8 青山周平
○ 7 松尾啓史
△ 1 春本綾斗
△ 2 松尾彩
▲ 6 平田雅崇
おすすめの買い目
8-1267-1267
穴なら 松尾彩のスタート一気
2-1678
12R...ここまで負けなしで来ている鈴木圭が柔軟な走りで内枠勢を突破。スタート力ある岩見と佐藤摩が速攻勝負に出るも、機力的には長田恭の方が上で、レース道中巻き返してくる。藤川竜はハンデ重化しているがスタート切れれば戦える。
◎ 8 鈴木圭一郎
○ 3 長田恭徳
△ 6 岩見貴史
△ 7 佐藤摩弥
▲ 2 藤川竜
おすすめの買い目
8-2367-2367
穴なら 藤川竜の大逃げ
2-3678
雨中決戦は田中哲に軍配!
試走時とレースでは走路状態が変わってしまった。試走時計の比較で松本康が一番人気となり、田中哲への2連単7-6は1.5倍、裏の6-7は3.7倍だった。3連単は7-6-5に人気集中し、6-7-5と7-6-1と続いた。
深沢悟を荒川哲也が追ったが田中哲は水しぶきを上げながらアウトコース伸びて行き、松本康も離れずマークする。松本康は何とか交わそうとするが、田中哲も譲らずマッチレースのままゴール。谷川一貴がイン戦で浮上し6-7-5と2連単、3連単とも2番人気で決着。田中哲は自身7度目の優勝となった。
無観客ゆえにファンの歓声は聞こえなかったが、画面越しに絶叫してた御仁は大勢いたはず。このあと伊勢崎オートは5月にかけてナイターとアフター5のオンパレード。本日のような熱い戦いに期待したい。
田中哲が完全Vを決めるか!
準決は最重ハンの選手が苦しみ、軽ハン勢の活躍が目立った。優勝戦の0ハンには3車並んでいるが、いずれも準決で良い上がりタイムを出した。スタート争いは難解だが、先行した選手はかなりペースを上げそう。枠の利で最内の深沢がスタート行くか。10線2車も仕上がりは悪くない。スピード戦になると木村享の方に分がある。
初日から連勝は荒川と田中哲。荒川は0ハン大外で展開は辛いが、道中で内枠勢を捌ける機力がある。田中哲も今節は車の進み方が良く、混戦になっても強引に突っ込んでいける強さがある。前団の競り合いを割って先頭に立ちそうだ。松本康は前節からの好調を保っており、田中哲の攻めに付いて行きそう。道中で田中哲に隙が生まれれば差して行く可能性もあるだろう。
◎ 6 田中哲
○ 7 松本康
△ 3 荒川哲也
△ 4 木村享平
▲ 1 深沢悟
おすすめの買い目
6=7ー134
穴なら 0ハンから先行する深沢の粘り込み
1-3467
G1令和グランドチャンピオンカップの展望
年号の切り替わりに伴い『平成チャンピオンカップ』から改名した『G1令和グランドチャンピオンカップ』は今年で6度目の実施となる。2021年の第2回大会以降は浜松以東の選手も数多く参戦するようになり、前回大会は鈴木圭一郎と青山周平の全国ランキングS1・S2によるワンツー決着となった。
青山周は2024年度上期いらい2期ぶりの全国S1として今回に臨む。今年1月は『G1シルクカップ』、2月は『SG全日本選抜』、3月は『G1プレミアムカップ』に優勝。どの節も、出走した全レース1着の完全V。直近に出場した山陽デイレースは2月の『G1スピード王決定戦』で、ここでも初日から3連勝して準決勝戦に進出。
しいて弱点を探るなら、雨走路での走りか。今年37走して敗戦は7度。そのうち6度は走路が湿っていた。前述した山陽スピードの4日目は濡れ走路で、5日目は良走路に近い状態ながら完全には乾いていなかった。とはいえ今期10度目の全国ナンバー1へ輝いたように、長い目で見れば走路・気候条件を問わず実力を発揮できるオールマイティーである。
今期を含めて通算14期も青山周とS1・S2の座を分け合ってきた鈴木圭は、過去3年の山陽・雨走路に13度出走して12度が2連対と、青山周をはるかに上回る安定感を示しているが、総合的にみると近況の勢いは青山周に遠く及ばない。青山周が今年6度優出して4度優勝したのに対して鈴木圭は7度優出して優勝ゼロ。青山周が30勝している今年、鈴木圭も26勝しており、エンジンや乗り手が良くないわけではなさそう。何かひとつ歯車が噛み合うきっかけさえ掴めれば...という現状だ。
直近の山陽出場は青山周と同じくG1スピード王決定戦。最終日5日目は青山周に10メートル以上の差を付けて圧勝している。
この4月から適用されている最新ランキングは、上位3名の顔ぶれが2期前と同じ並び。黒川京介が通算2度目の全国S3の座に付いた。2月のSG全日本選抜は6日制の初日から5日目の準決勝戦まで5連勝。2月中旬から3月上旬にかけて自身初めての通算10連勝を達成。いずれは、近年オート界の2強体制へ切り込みを入れるか、と思わせられる活躍ぶりだ。
直近の山陽デイレースは昨年10月の『G2若獅子杯争奪戦』で、この時も初日から4連勝で優出。先月末には山陽『G2ミッドナイトチャンピオンカップ』を5戦4勝で制し、通算8度目のグレードタイトル獲得となった。特にここひと月くらいの傾向として、通常・消音どちらのマフラーでもデイレースでの出足が超抜に切れていることを銘記しておきたい。
今節には高橋選手が2名参戦。そのいずれも今年に優勝を飾っている。
高橋義弘は先月に川口デイレース『G1開設記念グランプリ』を通算3度目の優勝。その2節前には山陽ナイター3日制の予選~準決勝戦を2連勝で優出した。山陽デイレースは昨年7月の『G2小林啓二杯』と11月の『G2オートレースメモリアル』でまずまずの成績を残している。
高橋貢は3月下旬の伊勢崎デイレース3日制に完全V。山陽デイレースは、今シリーズと同時期におこなわれた2023年と2024年の春季プレミアムカップに優出。同じく山陽デイレースとして実施された昨秋のプレミアムカップも5戦オール3着以内に好走している。
全国3強を31期・32期・33期が占めている今期、34期からも3名をピックアップ。
山本翔は昨年後半からグレードレースで上位に入着するケースが目に見えて増えた。そして今月4日の山陽ナイター決勝戦は、『ベストマッチオブザイヤー』にノミネートされそうな大逆転勝利で通算6度目のV。全国ランキングの自身最高位は2期前のA-25だが、今やすっかり最重ハンに慣れて、S級並みの実力をすでに備えている。
同期34期・石川哲也のエンジンがこのひと月ほど猛烈に噴いているし、やはり34期の藤川竜は先月の山陽ミッドナイトで初優勝したのを契機にひと皮むけた印象がある。
山本翔たち地元の若手をリードして山陽勢を束ねる立場の丹村飛竜と浜野淳は、ともに先月のG2ミッドナイトチャンピオンカップで落車しているが、今年これまではおおむね良い流れで推移している。丹村飛は前期S-30から今期A-10にランキングを下げたが、浜野淳は前期A-13から今期はS級へ復帰しSー19まで大幅ジャンプアップ。
松尾啓史は早めの周回から仕掛けていけるケースが少なく、G2ミッドナイトチャンピオンカップ決勝戦も10メートルオープン戦7名からひとりだけ大きくスタート遅れたが、篠原睦や小林瑞季を捌いて2着まで追い上げた。
令和GC初代ウイナーの長田恭徳は2月の伊勢崎デイレース一般開催で今年の初優勝を挙げたあと前々節まで、夜の消音開催ではあるが山陽に3節連続で優出した。二代目覇者の丸山智史と同様、近況は攻撃の決め手がアップしている。
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主な出場予定選手
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浜野 淳〔山陽 S-19(24期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-26(26期)〕
丸山 智史〔山陽 S-31(31期)〕
丹村 飛竜〔山陽 A-10(29期)〕
長田 恭徳〔山陽 A-14(32期)〕
山本 翔〔山陽 A-89(34期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-2(32期)〕
黒川 京介〔川口 S-3(33期)〕
有吉 辰也〔飯塚 S-7(25期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-13(22期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-18(26期)〕
高橋 義弘〔川口 S-39(29期)〕
文/鈴木