絶対王者・高橋貢が君臨するか
2004年にデビューした29期生よりも古株、20年以上オートレースを支えてきたレーサーによって争われる今年の『G2レジェンドカップ』。今回参加選手の最古参は2期生、前回の東京オリンピックが開幕する前の月にデビューしてからキャリア60年を数える鈴木章夫。通算勝利数は1400を超え、すべての公営競技を通じての最年長勝利記録を今も更新し続けている鉄人。まさに生ける伝説である。
地元勢のリーダーは、こちらも現役レジェンドの高橋貢。史上最多勝利と史上最多Vの数を今も延ばし続けていて前期も今期も全国ランキングS級シングル。11月は気候の急激な冷え込みとレースの高速化に車を合わせきれなかったのか、出場2節とも準決勝戦3着で優出を逸したが、直近の伊勢崎デイレースとなる今年1~2月の3節は2度の優出。伊勢崎ナイターは7月と8月に優勝。そして6月に浜松デイレースG2も制覇している。あと伊勢崎の雨は今年9走して8勝・2着1回と2連対パーフェクトであることも特筆事項だ。
29期は今大会からあっせん対象に加わり、早川清太郎が出場できるようになり地元勢の戦力が大幅にアップ。昨年12月を最後にVから遠ざかっており、今年のグレード戦線でも目立った戦歴は残せていないものの、1月『G1シルクカップ』、6月『G2稲妻賞』、9月『G1ムーンライトチャンピオンカップ』と伊勢崎のタイトル戦すべてに優出しているのはさすが。直前の浜松デイレース『G1スピード王決定戦』は予選の成績がふるわず準決勝戦に進めなかったが、以前から相性が今ひとつな浜松での不振はあまり心配しないで良いだろう。ナイターながら伊勢崎では9月から3節連続で優出しているからだ。
今期は3期ぶりにS級へ復帰した三浦康平は、今年はアフター5ナイターにも多く出走しており、1年を通じて伊勢崎オート開催を牽引してきた1車といえる。伊勢崎では今年26節を走って優出10度。夜開催2度のVと、1月G1シルクカップ準優勝が光る。昨年の秋までは数か月間に及ぶ長いスランプに陥り、短期間ながら最重ハンの20メートル前までハンデが軽くなったが、その姿はすでに過去のもの。現況は最重ハンに戻っても安定して活躍している。昨年12月に開催された前回レジェンドカップは最重ハンの10メートル前で予選を好走し、最重ハンへ重化した4・5日目も上位に入着している。
今月1日に閉幕したばかりの浜松G1スピード王から転戦してくる選手は早川以外にも大勢いる。まずは優出した4名から。
伊藤信夫は青山周平には離されたが金子大輔を捌いて価値ある準優勝。木村武之は10線7車並びの中枠からトップスタートを切って力走した。松尾啓史は予選~準決勝戦の仕上がりが非常に高かった。青島正樹は決勝戦は後方に置かれたが5日制3日目の準々決勝戦では浦田信輔を捌き、鈴木圭一郎の追撃を振り切って2着に好走した。松尾啓は1月G1シルクカップに、青島は10月アフター5ナイターに優出した実績がある。
永井大介と有吉辰也は予選~準決勝戦で速い本走タイムを計時。佐藤貴也と久門徹は日を追うごとにタイムを上げてきていた。加賀谷建明と荒尾聡は落車事故に遭い早退しており、復帰戦は試走から動向に注意を払いたい。
森且行は前回レジェンドカップに優出。今夏オートレースグランプリの節後半に状態が上向いて、続くムーンライトチャンピオンカップでは優出3着と活躍を見せた。地元川口では9月から10月にかけてデイレース3連続優出。SG日本選手権も初日5着のあと3着3回に1着2回と好走した。直近の出走レースが先月下旬の伊勢崎ナイターであり、今の気候での走路を実戦で体験・体感できている点もプラス材料だ。
丹村飛竜は、SGオートレースグランプリは開催直前に他落事故に見舞われて欠場、6月のナイターG2稲妻賞は3着1度を除いて大敗が続いたが、1月デイレースのG1シルクカップは優出。4日目の準決勝戦は本走3.347秒のスピードで佐藤貴也や黒川京介に大差をつけて圧勝した。それ以前にも近3年間は1月~2月の伊勢崎で活躍しているため、冬期の伊勢崎デイレースである今回も初日から気配に注意したい。
佐久間健光も今季の活躍ぶりはめざましい。8月下旬と9月上旬のG1開催2節でマズマズの成績を挙げると、9月下旬から仕上がり上昇。11月中旬まで伊勢崎ナイター5節に連続して優出。その4節目と5節目は最重ハンへハンデ重化しての好成績だった。最近のランキングはA級40位前後で推移しているが、昨今のスピードに乗った捌きはS級レベルと評して差し支えない。
A級中堅ランクが続いている田中哲も数か月間おおむね好調をキープできている。お盆の伊勢崎ナイター『SGオートレースグランプリ』は全国トップクラスの強豪に苦戦を強いられたが、8月下旬に勢いを取り戻すと伊勢崎ナイターや飯塚デイレースで好走したのち、11月は山陽デイレース2節で活躍。その山陽2節目の後半から次節の伊勢崎ナイターにかけて調子を崩したが、11月下旬の伊勢崎アフター5ナイターでエンジン復調。この秋の特徴としては、スタート力が上がって10メートル前の選手を叩くシーンを何度も見せていることが挙げられる。
伊勢崎のA級には他にも、SGホルダーであり9月G1ムーンライトチャンピオンカップに優出した岩田行雄、最重ハンの10メートル前なら速攻力を発揮できる新井淳・鈴木聡太・亀井政和、冬場にスピードを増す傾向のある桜井晴光、現ランクA162ながら捌きの技術はA級上位選手レベルの中野光公、現在のハンデ位置は最重ハンの20メートル前だが10メートル前でも戦える底力のある戸塚尚起・竹内正浩・北渡瀬充、2節前に快速の逃げを連発して優勝した白次義孝といった、S級勢の脅威になりうるレーサーがひしめいている。
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主な出場予定選手
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高橋 貢〔伊勢崎 S-6(22期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-17(29期)〕
岩田 行雄〔伊勢崎 A-18(15期)〕
佐久間 健光〔伊勢崎 A-44(26期)〕
有吉 辰也〔飯塚 S-4(25期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-5(27期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-7(29期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-13(26期)〕
加賀谷 建明〔川口 S-14(27期)〕
永井 大介〔川口 S-18(25期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-19(24期)〕
木村 武之〔浜松 S-22(26期)〕
森 且行〔川口 S-35(25期)〕