SG優勝翌週の青山周平と捲土重来を期する鈴木圭一郎
今月10日~15日に開催された伊勢崎ナイター『SGオートレースグランプリ』は、ともに5戦5勝で優出した青山周平と鈴木圭一郎が決勝戦でもデッドヒートを演じたすえ青山周が無敗で通算5度目の大会制覇。青山周が優勝することによって、同時に優出していた鈴木圭のグランプリ獲得を阻んだケースは、今回で4度目である。
飯塚『G1ダイヤモンドレース』は、青山周が通算3度の優勝歴を持つ一方、鈴木圭は2016年・2017年・2022年に優出していながら、その3度とも青山周に破れての準優勝と無念の足跡を辿ってきた。
グランプリとダイヤモンドレースをめぐる、この8年間の流れを経て対峙する両者の動向が、今大会も最大の焦点となるだろう。
飯塚・消音・夜開催での遠征車の実績を振り返りたい。
今年4月の『SGオールスター』の決勝戦は青山周が優勝、鈴木圭が4着、佐藤貴也が6着。中村雅人・伊藤信夫・上和田拓海はいずれも準決勝戦へ進出。6戦して3勝を挙げた。若井友和は6戦して2連対4度。佐藤励は初日から3連勝したがフライングで失権。しかし後半3日間も3連対を外さなかった。昨年10月には飯塚ミッドナイトで優勝している。
一般開催になるが、横田翔紀が今年3月に2節連続で優出した。そのうち1節目に優勝したのは金山周平。木村享平は先月下旬、鈴木聡太は今月中旬の飯塚ミッドに優出したばかりで、当時と気候の変化が少ない今回は車を合わせやすそう。米里崇徳も今月中旬の飯塚ミッドに5走して全て4着以内と好成績を残した。
浜野淳はちょうど1年前の8月に、飯塚ミッドナイト優出1度。藤岡一樹は昨夏の飯塚ミッドナイトG2で準優勝している。
続いて地元勢へ目を向けよう。
通常マフラーで実施された伊勢崎ナイター『SGオートレースグランプリ』に、飯塚勢として決勝戦までただ1人コマを進めたのが森本優佑。自身初のSG優出となり、準決勝戦を突破したあとにはエンジン完調宣言まで飛び出した。
有吉辰也は初日から2連勝しながら節の後半は着順ふるわず。だが試走・本走ともタイムは節後半の方が速くなっていた。
荒尾聡は6戦オール3着以内に好走。準決勝戦では鈴木宏和に競り負けたものの2着とは微差の3着。仕上がりは高かった。
岩見貴史は2日目から3連勝して準決勝戦に進出。いま述べた鈴木宏と荒尾の競り合いに割って入る反応があり、こちらも状態は良かった様子。
浦田信輔は初日にいきなりフライングを喫してしまい権利喪失。だが最終日は、今回も出場する佐々木啓・中村友和・佐久間健光・木村享平らをくだして快勝。7月の川口消音ナイター『G1キューポラ杯』や、グランプリ前節の飯塚消音ナイター一般開催でも勝利を挙げており、本来の決め手が少しずつ戻りつつある。
長田稚也は昨年のダイヤモンドレース覇者。グランプリは初日1着のあと車券に絡めなかったが、飯塚消音には4月下旬から5節に出走して、オールスターを含めた4節に優出している。
グランプリ未勝利に終わった中村杏亮も地元飯塚の消音では活躍中。オールスターとミッドナイトG2の両方に優出したほか、5月にも飯塚ナイターで優出した。
グランプリと別の路線組では...
初夏の気候になって以降の飯塚・夜で吉松優輝・松尾隆広・藤川幸宏・井村淳一が優勝。
牧瀬嘉葵が6月下旬ころから昼夜ともに勝率が急上昇。今大会はフライング持ちの状態で迎えるが(23日の時点で7走前。9走する間にフライングを繰り返すと罰則休が課される)、エンジンの充実度は高い。
オールスターは他落をこうむり早退となった田中茂もまた、6月から上位着順が増加し始めて、グランプリの週に開催された今月13日の飯塚ミッド準優勝。グランプリ選出の採点期間であった昨年6月~今年5月の優出は3度で、出場基準の得点に届かず、今年のお盆は伊勢崎でなく飯塚を走ることになったが、今季は7月以降だけですでに3度も優出し、これまでとは勢いが違う。SG4度Vの強豪が7年ぶりのグレード制覇および19年ぶり3度目のダイヤモンド獲得へ照準を合わせてきた。
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主な出場予定選手
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有吉 辰也〔飯塚 S-8(25期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-10(27期)〕
岩見 貴史〔飯塚 S-17(29期)〕
長田 稚也〔飯塚 S-18(34期)〕
中村 杏亮〔飯塚 S-19(33期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-30(23期)〕
森本 優佑〔飯塚 A-9(31期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-2(32期)〕
中村 雅人〔川口 S-6(28期)〕
若井 友和〔川口 S-12(25期)〕
藤岡 一樹〔山陽 A-18(29期)〕
文/鈴木