大会連覇とグレード連続V、そして打倒・鈴木圭一郎を狙う黒川京介
2015年の晩秋に現役引退した小林啓二・元選手の功績を称えて、翌2016年の6月に名前が冠されたG2小林啓二杯。現役時の70年代から90年代にかけて、小林啓二は『山陽王座決定戦』を6度も制している。
山陽王座『防衛戦』のサブタイトルで開催された時期もありながら、近4年は外来選手へのタイトル流出を許してしまっている地元勢が、2019年の緒方浩一以来となる優勝トロフィー奪還なるか。
山陽S級の直近開催は、岩崎亮一が飯塚デイレースで強い内容の走りを披露。佐々木啓と角南一如は山陽ミッドナイトで状態を上げてきた。
山陽A級は永島潤太郎が今月8日、山本翔は19日に山陽ミッドナイト優勝。G1優勝3度の実力者・西村龍太郎も先月からレースぶりが良くなってきた印象。現在ハンデ位置が有利なため注意を払いたい1車。2節前まで最重ハンデの30メートル前に置かれていた稲原良太郎は、前節の飯塚ミッドナイトでハンデ重化し、長年走ってきた位置に戻った格好だが、5月下旬から通常マフラーで13走して2勝、2着7回とかなりの安定感を示している。ランキングはA級下位だがハンデという意味では斎藤隆充も有利な1車。稲原良と同じく最重ハンデの30メートル前で走るようになって数節、走りが良くなってきただけでなく、課題であるスタートの切れが上向いてきたのはセールスポイント。
2022年の小林啓二杯を制した鈴木圭一郎は近1か月に浜松G2と川口G1を準優勝。今春にはG1令和グランドチャンピオンカップで5戦5勝の完全Vを決めており、当時と気候は異なるが山陽デイレースの感覚は掴めているはず。
勢いの高さでは黒川京介が上回るかも知れない。今月15日の川口G1キューポラ杯で同ハン鈴木圭一郎を引き離して圧勝V。地元G1タイトルを初めて獲得。今回は小林啓二杯のディフェンディングチャンピオンとして臨む。2019年のG1スピード王決定戦でグレードレース初優勝、今年2月にはG2若獅子杯争奪戦も制し、山陽デイレースにおける実績も申し分ない。
有吉辰也は今春、ともに山陽G1であるプレミアムカップと令和グランドチャンピオンカップに2節連続で優出したあと1節を挟んで、SGオールスターから11節も途切れず優出し続けて、今月19日の飯塚デイレースにて約半年ぶりのV。近30走で着外わずか4度のみと、今節出場メンバーの中で安定感の高さは鈴木圭と並んで抜きんでている。
ミッドナイトであるが直近の山陽開催で中村晋典が初日予選から3日目準決勝戦まで3連勝して優出の大活躍。同開催では浅香潤・野本佳章・鈴木聡太・佐久間健光・亀井政和・鈴木将光・吉田恵輔も好成績を挙げており、整備面も含めて他者に対するアドバンテージとなるか。
佐藤大地はG1令和グランドチャンピオンカップの後半2日間に連勝。深谷俊太は一般開催ではあるが4月末の山陽デイレース3日制2・3日目に同じく連勝している。
2月のG2若獅子杯争奪戦の最終日に勝利した一般戦は、丹村飛竜の30メートル前、まだ2級車である36期・村瀬月乃丞の10メートル前に置かれていた小椋華恋が、4月のSGオールスター4日目には高橋貢や篠原睦の10メートル前から6周回を逃げ切り『最終予選』に勝利して準決勝戦へ進出。そして翌5月にはグレードレース初優出にしてG2川口記念を制覇。女子レーサー史上2人目のタイトルホルダーに輝いた。非斡旋となったG1キューポラ杯にもし出場していたら、どんな活躍を見せてくれたのかと想像してしまうほど、今季の躍進はめざましい。
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主な出場予定選手
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丹村 飛竜〔山陽 S-20(29期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-43(25期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-44(23期)〕
山本 翔〔山陽 A-25(34期)〕
西村 龍太郎〔山陽 A-72(25期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-2(32期)〕
黒川 京介〔川口 S-3(33期)〕
有吉 辰也〔飯塚 S-8(25期)〕
浅香 潤〔伊勢崎 A-53(23期)〕
小椋 華恋〔川口 A-213(35期)〕
中村 晋典〔浜松 A-222(24期)〕