荒尾聡が稲妻賞初制覇!
伊勢崎オートで行われていたGII稲妻賞は飯塚の27期・荒尾聡の優勝で幕を閉じた。重走路での戦いになった優勝戦、好スタートから冷静なレース運びで初めての稲妻賞制覇となった。
試走タイムは金子大輔が一番時計で55。次いで内山高秀、岡部聡、荒尾聡、青山周平が59。吉原恭佑と田村治郎が60。鈴木宏和が61だった。
10Mオープンでのスタート争いは、最内の吉原がしっかりと先行した。これに田村と内山が2番手争い。6枠から荒尾が4番手に付ける好スタートを見せた。
まずは吉原の逃げでレースが始まった。田村と内山が2番手争いをしていたが、1周を回るころには荒尾が2人を交わして2番手を奪取。先頭を走る吉原と一対一の態勢になった。何度か荒尾は仕掛けのタイミングをうかがうが、交わし切るまではいかなかった。動きがあったのは5周4コーナー。荒尾が吉原をまくりにかかる。豪快に一発で抜き去るまくりではなかったが、微妙なグリップワークを必要とするジワッとしたまくりで吉原をパス。荒尾はそのままコースを丁寧に回り先頭ゴール。準優勝はゴール前で吉原を交わした内山が入った。金子は追い上げていたが4着止まり。青山も車を押し進めることができなかった。
今節の荒尾はシリーズ中盤から良かった。伊勢崎の新走路に素早く対応し、良走路の試走タイムも良く出ていた。そして、優勝戦の重走路にもしっかり合わせてみせた。選手間でも整備熱心で知られる荒尾。それが今回の優勝につながった一因とも言える。もちろん、ここ一番でのスタート力や、レース展開の読みの巧さ、それを実行する確かなハンドルワーク。オート界のトップクラスに君臨し続けられる要因はこれらを全て合わせた総合力だ。今回の優勝でGIIは9度目のV、記念レースは26度目のV。この数字はこれからも当然、増え続けるだろう。
山陽VS飯塚で地区対抗戦の様相!
今回の山陽オートは3日間のナイター開催。出場するのは山陽と飯塚のみ。地元山陽の方が参加選手は多いが、好調な選手が多いのは飯塚勢。どちらの地区から優勝者が現れるのか。
地元S級は3人参戦予定。その中でランクトップは松尾啓史だ。前走の山陽は準決3着だったが、シリーズを通して見ればエンジンは悪くなさそうだった。その前の山陽では優勝しており、おおむね好調を保てている。今回出場する中では実力上位。強力な飯塚勢を迎え撃つ一番手になるだろう。長田恭徳は前々走で落車したが、前走では4走中2回の白星があった。落車による悪影響はないとみていい。エンジン的には戦える状態にあるので、今回も力強い走りを見せてくれるだろう。岩崎亮一は前走が川口GIIだった。ここでは成績がパッとしなかったので、今回の地元でエンジンを立て直したいところ。
飯塚S級は5人参戦予定。その中では篠原睦がランクトップだ。前走の山陽は優勝戦が2回ある変則シリーズだったが、そのどちらでも優出しており、後半の優勝戦では優勝している。エンジンは仕上がっているし、道中の攻めも冴えている。飯塚勢をけん引する存在となりそう。
岩見貴史と田中茂も前走は山陽の優勝戦が2回あるシリーズだった。どちらも初日と3日目の準決で全て白星。優勝戦には2回とも進出していた。岩見は優勝戦で5着2本。優勝戦に入るとエンジン劣勢だったが、スタートは本来の切れを見せていた。あとはエンジンを少しでも底上げできれば、レース道中も有利に進めるはず。田中茂は優勝戦で3着2本。絶好枠で勝ち切れなかった点は気になるが、ちょっと前までは絶不調だったので、その時を考えれば気配はだいぶ上向き。これからが楽しみだ。浦田信輔と滝下隼平は前走が地元だったが、どちらもエンジンはまずまずといったところ。
A級は復調してきた佐々木啓が楽しみ。前々走では優出3着だったし、前走でも好成績を残していた。スタートに頼らないレーススタイルは変わらずで、今のエンジン状態ならレース中盤から後半にかけて巻き返していける。藤岡一樹も爆発力が戻ってきている。若手で勢いがあるのは古城龍之介や永島潤太郎。穴見和正は前走で優出6着。予選準決はオール連対で通過しており、気配は上向き。飯塚勢は別府敬剛、根本将人、川口裕司、松尾隆広が前走で優出していた。
B級では西久保英幸が前走の後半3走で全て1着。その内2走は重走路だったが、良走路でも走路温度の高まりと共に粘り強さが増していた。同様に田斎英世や西崎洋一郎なども渋太さを発揮していた。飯塚勢では新人の村瀬月乃丞が楽しみな存在。
※6月10日時点。当日は欠場などにより、出場選手が変更になる可能性があります。
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主な出場予定選手
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松尾 啓史〔山陽 S-7(26期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-22(25期)〕
長田 恭徳〔山陽 S-37(32期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-17(26期)〕
岩見 貴史〔飯塚 S-21(29期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-29(23期)〕
田中 茂〔飯塚 S-36(26期)〕
滝下 隼平〔飯塚 S-43(28期)〕