地元の荒尾聡が獅子奮迅の働きを!
今年はSG全日本選抜が2度開催される。前回は2月に浜松で行われ、飯塚の荒尾聡が同タイトル初制覇で幕を閉じた。今回は飯塚オートで行われ、荒尾にとっては地元開催。連続優勝への期待がかかる。
その荒尾は近況まずまず。前走の浜松は優出こそ逃したが、その前の伊勢崎GIではしっかりと優出。更にその前の山陽では3日間シリーズで全て1着の完全優勝を決めている。地元での競争は二ヶ月ぶりになるが、どのレース場で走ってもエンジンはしっかりと仕上げてくる。全日本選抜連覇へ、初日から気合全開で臨んでくるだろう。
地元飯塚勢は篠原睦、浦田信輔、岩見貴史などが有力。篠原は直近のSGオートレースグランプリで自身初めてのSGタイトルを手にした。その後はエンジン状態もう一つの状況が続いているが、SG連続優勝へ向け、今回はエンジンを上積みさせてくるだろう。浦田は以前ほどの迫力は薄れているが、近況は重走路もこなすようになっている。岩見はここ数節、上位着でまとめられており、エンジンは中堅上位を保てている。
全国ランク1位の青山周平は、前走の地元GIで準優勝。初日も2着だったが、その後は3連勝。シリーズを通してオール連対の安定感を見せていた。3節前の地元SGでは優出を逃してしまったが、今回はキッチリとファイナルまで駒を進めてくるか。
伊勢崎勢で最も勢いがあるのは早川清太郎。青山が準優勝になったGIで見事に優勝。初日の重走路は3着だったが、そこからはピンラッシュ。地元走路で特に強い印象を再認識させられた。ただし、近況は遠征先でも折り合うようになっているので、自身初のSG制覇も夢ではない。高橋貢は地元GIで優出できなかったが、エンジン自体は十分戦える機力を有している。そのGIでは岩田行雄が優出。まだまだ血気盛んな走りを見せている。
全国ランク2位の鈴木圭一郎も状態は良い。前走の地元は優出4着だったが、初日からスーパーハンデを背負っての競争。優勝戦までは全て1着で通過していた。更にその前は3節連続で優勝。その中には川口GIも含まれている。今回の全日本選抜はこれまでに4度制している。SGは通算9Vなので、この大会との相性の良さは抜群だ。
浜松勢は金子大輔が前走の地元一般開催で優勝。4日間のシリーズでオール連対の内容だった。今回のSGは2015年に制しており、6年ぶりの優勝を目指す。その同期の佐藤貴也も好調。前走の地元はまずまずといった結果だったが、その前の伊勢崎GIでは優出し3着。鋭い仕掛けが決まっている。その伊勢崎GIでは木村武之も優出していた。前走の地元でもシリーズ中2勝を挙げており、エンジン状態はそこそこ良い。伊藤信夫、渡辺篤などもエンジンは高い位置にあり、条件さえ整えば好走を見せられる。
川口勢は中村雅人がランク最上位。前走の伊勢崎GIでは優勝戦まで進み4着。悪い状態ではないが、本来の実力を考えると、もう少しエンジンに上積みが欲しい現状か。永井大介は前走の伊勢崎GIでは準決3着。優出を逃したが、最終日は白星で締めており、エンジン状態はそこまで悪くない。その同期の若井友和は現在連続優出中。若井らしく、エンジンをある程度の位置で保てている。若井と同じく連続優出中なのは佐藤裕二。一時期は調子が上がらないでいたが、ここに来て上昇カーブを描いている。若手で元気があるのは小林瑞季。最近では大舞台でも活躍が目立っている。
山陽勢は佐々木啓が長らくトップに君臨している。安定感が代名詞の佐々木だが、近況はエンジン状態が良くない。どこかで巻き返しの機運を掴みたい。実力者としては松尾啓史、丸山智史、丹村飛竜などいるが、エンジン状態は並か、並より少しいい程度。SGでの競争となるともっと上向かせておきたい。
※9月20日時点。当日は欠場などにより、出場選手が変更になる可能性があります。
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主な出場予定選手
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荒尾聡〔飯塚 S-7(27期)〕
青山周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
鈴木圭一郎〔浜松 S-2(32期)〕
早川清太郎〔伊勢崎 S-3(29期)〕
金子大輔〔浜松 S-11(29期)〕
中村雅人〔川口 S-6(28期)〕
永井大介〔川口 S-8(25期)〕
高橋貢〔伊勢崎 S-10(22期)〕
佐々木啓〔山陽 S-9(23期)〕
主力不在で大混戦のシリーズ!
直後に飯塚でSG全日本選抜オートレースが控えている関係で、今節はS級とA級上位の選手は不在。A級中堅以下の争いになるが、ズバ抜けて好調な選手は見当たらず、誰にでも同じように優勝のチャンスが巡ってくる。そんな混沌としたシリーズを制するのは...。
まずは地元伊勢崎勢だが、前走がGIムーンライトチャンピオンカップだった選手がほとんど。今回出場する中で、そこで優出した選手はいないが、健闘していた選手はちらほら。栗原俊介は初日から好気配を見せていた。準決ではハンデが重化し、苦しいレースになったが、今回出場する中ではスピードがある方だ。後方から追うレースでも車群を捲っていける。
高橋義徳は初日から連勝発進。やはり準決ではハンデが重くなり8着になったが、それ以外は全て車券に絡めていた。7月14日には地元伊勢崎の重走路で自身3度目の優勝を決めており、近況はエンジンが高い位置で推移している。戸塚尚起はシリーズ前半イマイチだったが、3日目からは3連勝を決めていた。調子は上向きだ。鈴木清市は初日5着だったが、その後の4走は全て車券に絡む活躍。持ち味の渋太い走りでレースを盛り上げていた。
外来では山陽勢に好調な選手がやや多い。前走の山陽で自身初優勝を決めたのは松生信二。近況はエンジン状態が良く、スタートも切れている。優勝戦は試走から気配が良く、レースもしっかりと走れていた。この優勝を機に、ますます活躍が見られるかも。その優勝戦で3着だったのは矢野正剛。矢野は成績が安定しない傾向あるが、この良い流れをなんとか持続させたい。ハンデ的にも今は魅力大。さらに、その優勝戦で6着だったのは五所淳。3節前も優出しており、リズムとしては悪くない。
飯塚勢は、内山雄介が2節前のミッドナイトで優勝。その後の山陽はイマイチだったが、地元の動きを出せれば今節も楽しみ。田中正樹はエンジン状態が並ながら、レースは堅実な走りで大崩れはしていない。
川口勢は佐藤正人が前走の地元で優出。レース後半は動き鈍くなるケースが多いが、ハンデ位置を生かして序盤で好位置を取れれば粘りを発揮できる。柴山信行は、前走の地元GIでは4回車券に絡めている。浜松勢は鈴木健吾がランク最上位。現在はエンジン状態が並だが、少しでも上向けばスピードある走りを展開できる。
※9月17日時点。当日は欠場などにより、出場選手が変更になる可能性があります。
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主な出場予定選手
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栗原 俊介〔伊勢崎 A-104(31期)〕
高橋 義徳〔伊勢崎 A-135(28期)〕
松生 信二〔山陽 A-107(30期)〕
矢野 正剛〔山陽 A-205(31期)〕
五所 淳〔山陽 A-111(23期)〕
内山 雄介〔飯塚 A-100(30期)〕
鈴木 健吾〔浜松 A-67(28期)〕
佐藤 正人〔川口 A-151(22期)〕
篠原睦、岩見貴史の速攻派が地元の牙城を守る!
今回の飯塚オートは前回と同様にミッドナイトでの開催。S級選手が6人参戦と、いつものミッドナイトよりはメンバーがやや豪華。地元S級は2人に対し、川口から4人来場。どのようなシリーズになっていくのか。
地元S級の2人は篠原睦と岩見貴史。篠原の前走は前回のミッドナイトだった。ここでは準決5着で優勝戦には進めなかったが、最終日は白星で締めていたように、エンジンが大崩れしている訳ではない。試走タイムを見ても、まずまずの数字は出ており、十分戦えるだけの機力はある。今回は地元のトップとして、強力な走りに期待したい。岩見の前走は伊勢崎GIだった。ここでは準決4着で優出はならなかったが、シリーズを通して全て4着以内でまとめており、エンジン的には問題なさそうだった。ここ最近は機力が高い位置で推移しており、得意の速攻に期待できる状態だ。
外来S級で最もランクが高いのは佐藤摩弥。前走は伊勢崎GIで2日目に白星はあったが、シリーズ全体を見るとピリッとしない内容だった。近況はエンジン出しに苦戦している様子。試走タイムは元々出る方ではないので、そこはあまり気にしなくてもいい。平田雅崇、小林瑞季も前走は伊勢崎GIだった。平田はシリーズ中に3回車券に貢献できていた。白星はなかったが、エンジン的にはそこまで悪くなさそうで、チャンスがあればしっかりと番手を上げて行ける動きはありそうだった。小林瑞も白星はなかったが、予選中はまずまずの動きを見せていた。更にその前の地元GIでは準優勝。ここ1年で着実に走力を増している。佐藤裕二の前走は地元一般開催。ここでは準決2着でしっかりと優出を決めていた。以前は苦手だった重走路も、近況は結果を出せるようになっている。
A級では田中輝義に注目。前走のミッドナイトでは準優勝だった。田中輝はこれまでにも準優勝は何度かあるが、優勝の経験はまだない。近況はエンジン状態が良く、本人も乗れている方なので、今回で悲願の初優勝を遂げてもおかしくない。前回ミッドナイトの優勝戦で3着だったのは花元初美。スタート後の展開にはやや注文が付くが、道中回り出してからは渋太い競争ができる。他ではミッドナイト得意な滝下隼平や、前走の伊勢崎GIで好走を見せていた藤川幸宏が地元勢では注目の存在。
外来A級では泉田修佑が前走の地元で準優勝。それも4日間のシリーズでオール連対だった。一時期は伸び悩んでる時もあったが、ここにきて再び成長を見せている。その同期の黒川京介は前走でソコソコ。その前の地元GIでは優出しており、33期のトップ級として存在感を見せている。更に同期の金田悠伽は、前走の川口4日間開催で2回の白星。逃げる展開なら結果が付いてくる。B級ではあるが、浜松の深谷俊太が前走の地元で優出2着。ゆっくりとだが着実に力をつけており、自身初優勝へ向け熱心に取り組んでいる。
※9月15日時点。当日は欠場などにより、出場選手が変更になる可能性があります。
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主な出場予定選手
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篠原 睦〔飯塚 S-13(26期)〕
岩見 貴史〔飯塚 S-32(29期)〕
佐藤 摩弥〔川口 S-15(31期)〕
佐藤 裕二〔川口 S-19(24期)〕
平田 雅崇〔川口 S-23(29期)〕
小林 瑞季〔川口 S-36(32期)〕
田中 輝義〔飯塚 A-69(29期)〕
泉田 修佑〔川口 A-37(33期)〕
鈴木圭一郎が断トツの優勝候補!
前回の浜松オートはアーリーレースで、木村直幸の優勝でシリーズを終えた。今回は通常の昼間開催となり、4日間のシリーズで優勝を争う。現状は鈴木圭一郎が絶好調。これを負かせる選手は現れるのか。
その鈴木圭は前々走の川口GIで優勝。その後も連続で川口に参戦し、4日間の一般開催でオール1着の完全優勝を達成した。その初日や準決は重走路だったが、しっかりとこなし、最終日の優勝戦では試走29、上がり396を叩き出す十分な数字。エンジン状態の良さを示していた。今回は地元に帰ってきての戦い。エンジンのベースはできている様子なので、後は浜松走路にしっかりと合わせるだけ。初日から快進撃を見せてくれそう。
佐藤貴也と木村武之は前走の伊勢崎GIで優出。佐藤貴はその優勝戦で好スタートを決め、一時は先頭を走っていた。道中で早川清太郎と青山周平に抜かれてしまい3着の結果だったが、ここ最近の佐藤貴の動きからすれば、かなり良化している様子だった。この流れは大切にしたい。木村武は優勝戦で好位置に付けていたが、車がブレて後退。結果は6着だった。それでもシリーズを通して見れば、木村武らしい走りはできており、今回に楽しみを持てる内容だった。
伊藤信夫と金子大輔も前走は伊勢崎GIだった。伊藤信は準決5着で優勝戦には進めなかったが、シリーズ中には2勝を挙げていたし、試走は好タイムは連発させていたのでエンジン自体は良いレベルにある。金子は初日から6着を4本並べ、最終日も4着。1回も車券に貢献できなかった。今回は地元での競争なので、整備でしっかりと立て直しておきたい。
外来勢で注目なのは荒尾聡。荒尾の前走も伊勢崎GI。シリーズ中は随処に勝負強さを見せ、準決も1着で突破。優勝戦まで駒を進めていた。その優勝戦では試走から気配が良くなく、タイムも劣勢だった。それでも5着まで追い上げていたので、そこまで心配はないか。近況は試走タイムがあまり出ない傾向あるが、レースでは執念の走りを見せている。
有吉辰也も前走は伊勢崎GIだった。まずまずの動きを見せていたが準決は5着で優出はならず。ただし、最終日は選抜戦で2着に入っていたので、エンジン的には戦えるレベルにありそう。田中茂も前走は伊勢崎GI。準決3着で惜しくも優出はならなかったが、シリーズ中は田中茂らしい鋭い差しが見られていた。吉原恭佑は前走が地元GI。ただし、初日に内線突破で反則失格。早々と勝ち上がり権利を失っていただけではなく、その後のレースも精彩を欠いていた。
※9月15日時点。当日は欠場などにより、出場選手が変更になる可能性があります。
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主な出場予定選手
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鈴木 圭一郎〔浜松 S-2(32期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-4(24期)〕
木村 武之〔浜松 S-5(26期)〕
金子 大輔〔浜松 S-11(29期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-12(29期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-7(27期)〕
有吉 辰也〔飯塚 S-22(25期)〕
吉原 恭佑〔伊勢崎 S-40(32期)〕
早川清太郎がムーンライト5度目の優勝達成!
初日こそ重走路でのレースもあった伊勢崎GIムーンライトチャンピオンカップだが、最終日は1Rから良走路で行われ、優勝戦も良走路だった。このスピードバトルを制したのは早川清太郎。これでこの大会5度目の優勝となった。
試走タイムは中村雅人が一番時計で29。次いで木村武之と佐藤貴也と早川清太郎が30、青山周平が32、岩田行雄と荒尾聡が35、湯浅浩が41だった。
レース展開だが、0ハン単騎の湯浅はスタートを残せなかった。これを叩いて行ったのは岩田と佐藤貴。そして素早く佐藤貴は岩田を交わしていく。後ろでは木村武が追走して仕掛けのタイミングをうかがっていた。木村武は佐藤貴を差しにいこうとしたが、車がぶれて後退。今度は早川が佐藤貴の後ろにつけていく。中団では青山が中村や木村武を捌いていく。早川は、やや強引に佐藤貴を差し、先頭を奪取。青山も佐藤貴を交わし2番手に立つ。残り3周で一対一の様相。ここから青山が差を詰めにかかりそうだったが、思うように車が進まない。結果的に早川が先頭でゴール。後ろでは佐藤貴が青山を差し返そうとしていたが、これは届かず3着入線。準優勝は青山だった。
早川は初日の重走路こそ3着だったが、そこからは4連勝。2日目からエンジンの良さを示していた。それにしても優勝戦は強かった。スタートもしっかりと切って、外枠勢に先行を許さなかった。そこからの攻めも全くロスがなかった。前を走る車を交わせそうなら迷わずインに突っ込んでいけた。追ってきた青山に対しても全く隙を与えなかった。エンジンが万全に仕上がった時の早川は信頼できる。最近では遠征先でも記念タイトルを獲っているが、やはり地元での早川はパワーが何倍にも増す。あとはSGタイトルを待つのみだ。