新年度初の開催は浜松オートから!
この4月から全国ランクが更新される。各選手に大なり少なり変動はあるが、それでも1位は変わらず鈴木圭一郎。今期も鈴木圭一郎を中心にオート界が回っていきそう。しかし、年度始めとなるこの開催で、弾みをつけておきたいのは誰でも同じ。はたしてどの選手が今期のよい滑り出しを見せるのか。
鈴木圭一郎は前走のプレミアムカップでも上々の動きを見せていた。初日から連勝を決め準決も1着で通過。優勝戦は永井大介の前に屈したが、準優勝を決めていた。エンジンも乗り手も問題ない現状で、今期も圭一郎旋風を巻き起こすべく、優勝の二文字に向け初日から飛ばしていきそうだ。
鈴木圭が準優勝だったプレミアムカップで、同じ優勝戦に乗っていたのは西原智昭と鐘ヶ江将平。西原はこのシリーズでは初日から車の仕上がりが良く、道中でも素晴らしいタイムをマークしていた。その勢いのまま優出し4着だった。特にスタートの切れが良く、レース序盤の仕掛けが決まっていた。鐘ヶ江は今、急成長中で前走の地元ミッドナイトでも好結果を残していた。若手だけに勢いに乗ると、なかなか止められない止まらない。
今期から全国ランク5位に大幅アップしたのは金子大輔。前走のプレミアムカップでは準決入りを逃すなど、残念な結果に終わったが、2日目には試走26をマークするなどエンジン面はそれほど心配なさそうだった。鈴木圭、金子と共に浜松勢の主力をなす木村武之も近況はマズマズだ。前走の飯塚ミッドナイトでもしっかりと優出。全体的な流れは悪くない。渡辺篤や中村友和は、やや変調気味。
外来S級の注目株は浦田信輔。前走の飯塚ミッドナイトでも優出していた。ただし、近況は以前のような迫力が薄れていて、強引な突っ込みが影を潜めている。田中茂、東小野正道も同様で、攻めの果敢さの程度が弱くなっている。それでも元々は力強い走りを身上としていたので、エンジンさえ中の上になれば上位に進出してくるだろう。西村龍太郎は今期からS級に復帰。現状のエンジンは今イチだが、イン一本の走りは健在で、混戦でもしっかりと浮上してくる。
A級では伊勢崎の石川岳彦と栗原勝測が、前走の地元開催で優出してきた。そして、浜野淳。今期からまさかのA級落ち。ピーク時の走りはなかなか見られないとはいえ、まだまだ天才肌の捌きは健在。早期にS級復帰を目指して気合を入れ直してくる。
B級では福田義久と近藤裕保が前走で優出。新人の花田一輝は前走の地元で初日から3連勝で優出。優勝戦は8着だったが、メキメキと力を付けており初優勝も近づいている。落合巧、金田悠伽も結果を残すようになってきた。なかなか初勝利が決まらなかった交川陽子が、前走の最終日に嬉しい初勝利を挙げた。
※浜野淳選手は欠場になりました。
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主な出場予定選手
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鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
金子 大輔〔浜松 S-5(29期)〕
木村 武之〔浜松 S-7(26期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-10(23期)〕
田中 茂〔飯塚 S-25(26期)〕
鐘ヶ江 将平〔飯塚 S-30(31期)〕
内山 高秀〔伊勢崎 S-28(26期)〕
西村 龍太郎〔山陽 S-41(25期)〕
年度の最後を締めくくる川口一般開催!
今年度最後の開催は川口オート。3日間の短期決戦だが、永井大介らを筆頭に強豪が参戦しており、ハイレベルな戦いが見られそう。優勝戦に進出してきそうな選手を挙げていく。
まずは永井大介。前走のプレミアムカップでは見事、同大会8度目の優勝を飾った。5日間シリーズで4勝を挙げ、文句のない勝ち方を見せていた。更にその前の地元GIでも優勝しており、現在記念レースを連覇中。エンジンも本人のリズムも最高潮で、今節もよほどのことがない限りは優勝戦まで進出してくるだろう。もちろん優勝候補の筆頭に挙げられる。
その永井に対抗できるのは中村雅人、早川清太郎、篠原睦あたりか。中村は、プレミアムカップの3日目に4着を取ってしまい準決までは行けなかった。ただし、シリーズ中に大きな着は取っておらず、エンジンはある程度の位置で推移している。今回は少しでも上積みできれば十分、永井と互角に渡り合えるだろう。早川も中村と同様に、プレミアムカップの3日目に4着になり準決には進めなかった。それでもシリーズ中に2勝を挙げ、それなりのタイムが出ていたのでエンジン面はそれほど心配ない。篠原は準決までは進めたが、シリーズを通して見るとパッとしなかった。しかし、一般開催の方が好結果を出すことが多いので今回は期待。
他では新井恵匠がマズマズ動きで活発。プレミアムカップの2日目には上がり35のタイムを叩き出し、エンジンは上昇傾向にある。大木光はプレミアムカップでは準決に進めなかったが、3日目以外の走りはマズマズ良かった。佐々木啓、岩崎亮一、角南一如、岡松忠らの山陽勢も永井の内枠に置かれてのレースになるので、序盤の位置取り次第では先着ゴールもありそうだ。遠藤誠は今年に入ってからは軽いスランプに入っている。何らかのキッカケで良化の兆しを出しておきたい。山田達也、池田政和、佐藤裕二は地元に帰っての整備で立て直したいところ。
A級では牧野貴博と小栗勝太に注目。牧野は前走の地元開催で久々に優勝。小栗は約1年、ケガで療養していたが、復帰2節目となる前走で見事に優勝。早々とレース感覚を取り戻している。その優勝戦には辰巳裕樹も乗っていた。
川口は新人3選手が順調に成長している。現在、勝ち星で他を圧倒しているのは黒川京介。前走では優勝戦に乗り8着だったが、初日から3連勝を決めるなど走りに安定感が出てきている。稲川聖也は準決5着だったが、それ以外の3走は全て1着。泉田修佑は初日の3着で予選モレしたが、残りの3走は全て1着。3者ともに切磋琢磨し、お互いを高め合っている。
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主な出場予定選手
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永井 大介〔川口 S-2(25期)〕
中村 雅人〔川口 S-6(28期)〕
山田 達也〔川口 S-14(28期)〕
池田 政和〔川口 S-16(23期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-5(29期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-15(26期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-21(23期)〕
遠藤 誠〔浜松 S-36(25期)〕
今回のミッドナイトは豪華2本立て!
年度末の開催となる今回は、通常のミッドナイト戦とは別に、MN(ミッドナイト)王座決定戦の番組が組まれている。連日、全6レース行われるが、初日と2日目は1~4Rまでは通常のミッドナイト戦、5と6RはMN王座決定戦予選が行われる。そして、最終日の5Rに通常の優勝戦、6RにMN王座決定戦が行われる。MN王座決定戦シリーズに参加するのは、平成29年4月から11月までのミッドナイト開催で優勝や準優勝するなどミッドナイトで実績を残した面々。今回の開催で真のミッドナイト王者が決定される。
まずMN王座戦に出場する中で有力な選手を挙げていく。一番手は荒尾聡だろう。昨年末からおおむね好調をキープできている。前走のプレミアムカップでもしっかりと優勝戦まで駒を進めてみせた。スタート良し、スピード良しならいきなりの独走態勢からブッチ切るレースを展開してくるハズ。鐘ヶ江将平も悪くない。ミッドナイトでは2度の優勝経験があり、前走のプレミアムカップでも優出してみせた。優勝戦以外はシリーズを通して全て車券に絡む活躍を見せるなど成長も著しい。若さあふれる走りを武器に見せ場を作ってきそうだ。岩見貴史も荒尾や鐘ヶ江と同タイプ。素早いスタートからの速攻を得意としており、1回先頭に立ってしまえば巧みなコース取りで後続を抑える技も持っている。
追い込み型では田中茂や岡部聡も怖い存在。スタートで好位を奪えなくても、諦めない走りで上位に食い込んでくる可能性が高い。岡部の弟子に当たる丹村飛竜は、速攻も追い込みもできるタイプ。走路温度が下がり、タイヤが食いつく条件なら更にパワーが増してくる。そして、忘れてはいけないのが滝下隼平。スタートの甘さは解消していないが、それを補って余りある猛追撃は脅威。冷え込む時間帯に行われるミッドナイトレースなら存在感を多いに示せる。
通常のミッドナイト戦では浦田信輔が登場。近況は、以前のような鬼の走りが見られないケースが多いが、それでもここ一番での混戦突破力は高い。スピード戦にも十分対応できるだけに、ミッドナイトでも優勝圏内にいる存在。その浦田に対抗できるのは浜松の木村武之。スタート、スピード、捌き、雨走路と、どれをとってもこれといって死角がなく、様々な状況に柔軟に対応してくる。浦田と木村が優勝候補に挙げられるだろう。
他では、徐々に状態が上向きつつある田中賢や鈴木清、エンジンが安定してきた鈴木聡太、S級に匹敵する実力を持っている藤岡一樹と前田淳。このあたりが優勝戦まで進出してきそうだ。
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主な出場予定選手
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浦田 信輔〔飯塚 S-4(23期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-9(27期)〕
田中 茂〔飯塚 S-20(26期)〕
鐘ヶ江 将平〔飯塚 S-33(31期)〕
木村 武之〔浜松 S-10(26期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-18(29期)〕
斎藤 撤二〔川口 S-31(25期)〕
田中 賢〔伊勢崎 S-35(29期)〕
永井大介が8度目のプレミアムカップ制覇!
山陽で行われていた特別GIプレミアムカップは、川口の25期・永井大介が制した。最内の1枠からスタートを決め、そのまま誰にも抜かれずゴール。これでこの大会は8度目、川口のGIに続いて記念連覇になった。
試走は青山周平が一番時計の27。鈴木圭一郎が28、永井が29、西原智昭と荒尾聡が30、若井友和と鐘ヶ江将平が31、高橋貢が一番悪くて33だった。スタートは先述の通り、永井が先行。これに西原と鈴木圭が乗って出る。若井はややへこむ形。外枠では青山が悪くないスタートを決めていた。
永井の逃げをピタリマークは西原。道中で1回インに車を向ける素振りがあった。しかし、これは入りきれず車を引いてしまう。3番手では鈴木圭が様子をうかがっていた。なかなか番手に変動がなかったが、レース終盤でまず動いたのは鈴木圭。7周回1コーナーで西原のインに突っ込む。この仕掛けが決まると永井と一対一になる。残りの1周半は見応えがあった。ジワリと迫り来る鈴木圭に永井は冷静に対処していた。インコースをしっかり守り切り、ゴール前ではかなり差を詰められたが、最終的には永井が振り切った。
3着には後方から追い込んできた青山が西原を交わして入線。鐘ヶ江や高橋貢、荒尾は序盤の位置取りがうまくいかず苦戦。
見事に人気に応えた永井の走りは流石だった。包まれると失速する恐れがある0オープンの最内で、気負うことなく注文どおり先行。先頭に立ってからはペースが上がらないかに見えたが、上がりタイムを考えればスピードは出ていた。ここにきて記念を連覇するなど、永井は全く衰えていない。鈴木圭の躍進が目立つオートレース界だが、さまざまな選手が個性のある走りを見せ続ける限り、オートの魅力は保ち続けられていくことだろう。
AB選手権開幕!
今回の伊勢崎オートは、直前に山陽でプレミアムカップが行なわれていた関係でS級とA級の上位選手は不在。そこで、A級中堅以下とB級上位によるAB選手権が開催されることになった。ある意味、実力が拮抗していることもあって、初日は全レース10オープン、2日目以降は0または10オープン戦となる。A級陣が意地を見せるのか、それともB級勢による下克上があるのか、楽しみなシリーズになりそう。ちなみに3日間の短期決戦だ。
今回出場するA級の中でランクトップは大月渉。このところエンジンが良い所で安定している。持ち味のスピードが生きており、前走の川口GIでも大きな着は取らなかった。オープン戦でカギになるスタートは散発傾向だが、それを補えるスピードは魅力。後方からのレースになっても、車速に任せて伸び返してくるだろう。
伊勢崎勢で他に楽しみなA級は、今年優勝経験がある米里信秀と北渡瀬充。米里は試走タイムが出なくても渋太く乗るレースが多いので注意。北渡瀬は今回出場する選手の中では車速がある方で、序盤の展開さえ決まれば圧勝するケースも出てくる。芝崎茂信もスタート力を武器に成績をまとめている。逆にスタート不安ある小林晃は、レース道中の巻き返しで上位着が狙える状態。
外来のA級は松生信二が好調。前走の川口では優出してきた。優勝戦は6着だったが、それまでの3走は全て2着。試走28を出す日もあったようにエンジン面は好調だ。松生の他にも山陽勢に元気な選手が多く、山下知秀も前走の浜松で優出してきた。岡本博幸や稲原良太郎も今回のシリーズなら十分通用するエンジンレベルを保っている。川口の岩佐常義も前走の地元で優出。しっかりしたイン走法には定評がある。
B級は、1位にランクされている川原剛が、長らく高い位置でエンジンを推移させている。川原もスタートにやや難があるが、よっぽど遅れない限りは巻き返してこれるエンジン力と走力がある。ランク2位の森本優佑は、A級に匹敵するスピードの持ち主。抜け出してしまえば、今回出場する選手では追ってこれないくらいの車速がある。ランク5位の長谷川啓も元気一杯だ。昔から抑えるレースが巧く、先頭に立ってしまえば後続を大渋滞させることができる。
他にも渋太さがあるのは橋本優一や馬場雄二、宮地朗。独走力があるのは松永幸二、近藤裕保、戸塚茂、鈴木啓示あたり。前走の川口で準優勝を決めた岩永清文にも注意したい。スタートの甘さは解消されていないが、一回最後方に下がってからも脅威の追い込みがある。
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主な出場予定選手
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大月 渉〔伊勢崎 A-134(31期)〕
塚本 浩司〔川口 A-183(21期)〕
松尾 学〔飯塚 A-196(22期)〕
松生 信二〔山陽 A-190(30期)〕
川原 剛〔川口 B-1(26期)〕
森本 優佑〔飯塚 B-2(31期)〕
長谷川 啓〔川口 B-5(12期)〕
岩永 清文〔山陽 B-43(27期)〕