32期の新人・吉原恭佑が大金星!
飯塚で行われたGIプレミアムカップの優勝戦は、伊勢崎の新鋭・吉原恭佑が制した。重走路の難コンディションを、吉原が我慢のレースで乗り切った。これで吉原はタイトルホルダーの仲間入り。
優勝戦は、事前の予報通り重走路で行われた。スタートを決めたのは地元の荒尾聡。最初の2周は各選手がコース取りに迷う形で、入れ替わりが激しかった。そこから、だんだんと、各々のコース取りが決まり、吉原はインコース徹底。荒尾と高橋貢は真ん中から外めのコース取りで競り合っていた。4番手以下は大きく離されて、早々と優勝争いからは離脱していった。
高橋と荒尾の競り合いは、最終的に高橋の勝ち。マイペースで走る荒尾の一瞬の隙を突いてインに飛び込んだ高橋に軍配が上がった。ここからは、高橋と吉原のマッチレース。直線の後半で伸び返す高橋に対し、吉原は突っ込みで差を詰めていく。最終周回までどちらが勝つのかは分からなかった。結果としては吉原が真っ先にゴール線を切った。
これで吉原は嬉しい記念初優勝。しかし、たまたま今回は優勝できたわけではない。ここに来るまでにはしっかりとした過程があった。吉原は常に勝利を目指して精進している。走法、乗る方に関してはかなりストイックに取り組んでいる感じが受けられる。どんなレースも負けたくはない気持ちで臨んでいる。この向上心は一流オートレーサーに不可欠な資質。まだまだ成長の余地はある。あると言うかありすぎる。この優勝戦のレースで、今後のオートレース業界に楽しみを与えてくれる選手になった。
雨中の決戦を制するのは?
飯塚オートで行なわれている特別GIプレミアムカップも優勝戦のメンバーが出揃った。準決のレースの頃には激しい雨が降り、走路は重走路。優勝戦の日も雨予報が出ており、優勝戦も重走路でのレースとなりそう。
準決の第8レースは、黒岩明が大健闘した。序盤で先頭を奪取すると、そこからはマイペースの逃げ。その黒岩を追えるのは、王者高橋貢だけだった。高橋は序盤こそ苦しんだが、コースを自在に切り替え黒岩を追撃。そして、最終周回で黒岩を差し切って存在感を示した。
第9レースは、重富大輔が新井恵匠との競り合いを制し逃走。2着には、今節唯一の女子レーサー佐藤摩弥が入った。佐藤は中村雅人の追撃に対し、冷静に自分のコースを走って最後まで粘り込めた。
第10レースは、丹村飛竜の圧勝。好スタートからペース落ちることなく逃げ切り。2番手はインベタ走法の大木光に対し、鐘ヶ江将平は大外を開けて回る走法。結果的に、鐘ヶ江に軍配が上がった。金子大輔、青山周平は全く動けなかった。
第11レースは、主導権を握った吉原恭佑がインコースを通り快走。そこへ、地元の荒尾聡が大きめのコースで交わしにかかる。これがゴール線で微妙に届いたか否か。写真判定にまでもつれ込んだ結果、荒尾のチョイ差しが決まり1着ゴール。
優勝戦は雨走路を想定して展望をしてみたい。
まずはスタート。単純なスタート力で言えば荒尾聡が断トツ。続いて佐藤摩弥、高橋貢。その他はそれほど差のない争い。トップスタートは好枠を得た荒尾とみた。そこに佐藤が続く形か。ただし、大外の8枠からでは厳しくなりそう。
レース展開。荒尾は近況の重走路で全て1着。更に、今回は地元走路というアドバンテージがある。先行する荒尾がそのまま押し切るとみた。2番手に出る佐藤はどこまで粘れるか。準決は6周戦で捕まってしまったので、2周延びる優勝戦では厳しくなりそう。丹村飛竜や高橋貢が襲いかかっていく。
他の選手達にチャンスがないかと言えば、そうではない。雨走路ではいち早く通りたいコースを奪った者が断然有利。序盤で自分の走りたい所を取れれば、ペースを上げて行ける。重富大輔や鐘ヶ江将平、更には吉原恭佑も主導権を取れれば怖い存在だし、黒岩明も今年に入り活躍が目立っている。もしも、荒尾がミスするようなら、大金星となる結果が訪れるかも。
◎荒尾聡
○丹村飛竜
△高橋貢
△重富大輔
▲鐘ヶ江将平
特別GIプレミアムカップ開幕!
9月15日~19日まで飯塚で特別GIプレミアムカップが開催される。全国ランク上位96名が集結し、飯塚のナイター走路で覇が争われる。ちなみに、地元大将格・浦田信輔は、まだ療養中で欠場。地元のランクトップは荒尾聡となる。地区別に有力選手を挙げていく。
まずは地元。荒尾聡の前走は伊勢崎GIだったが、ここでは成績が振るわなかった。しかし、今回は地元開催。しかも地元のランクリーダーとあっては、エンジン立て直し必至だ。状態としては久門徹の方が良い。前走の地元4日間はオール連対の準優勝。今回に向けて弾みが付いた。その優勝戦に乗っていたのは同期の田中茂。優勝戦は5着だったが、シリーズ中に2勝を挙げており上向き加減。篠原睦と東小野正道は状態マズマズ。近況の成長が著しい鐘ヶ江将平が、台風の目的存在なるか。
鈴木圭一郎が移籍して活性化された感のある浜松。浜松のランクトップは金子大輔。前走の伊勢崎GIではしっかりと優出していた。優勝戦は5着だったが、予選道中は3勝を挙げるオール連対。エンジンに関しては不安はない。その優勝戦で優勝したのが鈴木圭一郎。更に準優勝は木村武之だ。鈴木は予選中からケタ違いの試走タイムを出しており、優勝戦は試走後の突然の降雨にも見事に対応していた。木村もエンジンはマズマズの推移。伊藤信夫は前走の飯塚一般開催で優出。昼間から夜の開催に移行するが、走路的なアドバンテージはあるハズ。
伊勢崎勢も近況は元気一杯だ。伊勢崎でランクトップの高橋貢は、前走の地元GIで珍しく反則を取られてしまった。エンジン的にもやや不安はあるが、整備力はあるので必ずや上昇させてくるだろう。次期の全国ランク1位が決まっている青山周平はエンジン絶好調。前走の地元GIでは4連勝を挙げて優出。優勝戦は突然の雨の難走路に対応できず苦しんだが、良走路に関しては自信を持って乗っている印象。早川清太郎もエンジンは良かったが、地元GIでは2日連続で不利を被るまさかの事態に泣いた。しかし、最終日は1着を決めており、今回巻き返しは必至。田村治郎も前走の地元GIで優出し3着。スピード戦では高いセンスを発揮している。新井恵匠、吉原恭佑あたりもエンジン的には十分戦えるレベルにある。
山陽勢は好調者が少ない。山陽でランクトップの浜野淳は、前走が伊勢崎GIだったが思うような結果が出なかった。ただし、エンジン悪い時は整備に積極的に取り組むので、近いうちに機力アップがあるかも。エンジン状態としては佐々木啓、前田淳の方が良い。前田は前走の伊勢崎GIで優出。予選道中は好ダッシュからの速攻が決まっていた。佐々木は前走の飯塚4日間開催で優出。優勝戦は4着だったが、予選道中は3連勝と安定感ある内容。岩崎亮一はレースが久々になるが、前走の伊勢崎SGでは久しぶりの優出を決めていた。その時のイメージで今回も走りたい。
最後に川口。川口は参加するS級選手が最も多い。ランクトップは中村雅人。前走は地元で優出するも、台風の影響により中止。ただ、シリーズ中はオール連対できていたし、前々走の伊勢崎SGではグランドスラムを決める優勝を決めていた。流れとしては良い方だろう。2番手の永井大介は、前走の伊勢崎GIで優出を逃していた。エンジン的に完調とは言えないものの、けっして悪い部類ではない。永井と同期の若井友和は、前走の飯塚でもマズマズの結果を残していたし、その前の地元では優勝していた。山田達也と大木光の28期コンビも近況は動き活発。特に、大木は差しが冴えまくっており、前走の地元4日間開催でもオール連対の準優勝だった。
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主な出場予定選手
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中村 雅人〔川口 S-1(28期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-2(22期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-3(31期)〕
永井 大介〔川口 S-5(25期)〕
金子 大輔〔浜松 S-6(29期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-7(32期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-8(27期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-9(26期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-10(29期)〕
浜野 淳〔山陽 S-11(24期)〕
オールA級による戦い!
今回は直後にプレミアムカップが控えている関係で、S級は不在。更に、B級も参加していないので、全てA級選手によるシリーズとなる。今回の川口も消音マフラーによるナイター開催。地区別に有力選手を挙げていく。
今回出場する地元ランクトップは田辺誠だが、長期欠場していて、前走の伊勢崎GIが復帰戦。以前の感覚を取り戻すのには少し時間がかかりそう。ランク次位は深谷輝。前々走の地元で優出するも台風の影響で開催中止。前走は白星なかったが、そこまでエンジンは悪くなさそうだった。S級不在の今回なら、スピード面では上位級。最後方から強烈な追い込みを見せてくれるか。ランク次位は梅内幹雄。スピード的には深谷に劣るが、道中の捌きは上。前団がゴチャつくような混戦で持ち味を発揮できる選手。他では、速攻が魅力の谷島俊行。独走に入るとペースが上がる高塚義明。スタートを含め序盤は不安ながら、回りだすと車速が出てくる金子和裕あたりが好調の部類。
伊勢崎は状態の良い選手が何人かいる。今回出場するランクトップは田中哲。前走の地元GIでは、マズマズの走りを見せていた。課題とされるスタートさえ並に切れれば上位争いに参加できる。ランク次位は岩沼靖郎。前走の地元GIでは、1勝を挙げたものの全体的にはイマイチだったが、今回のような一般開催ではスピードが目立ってくるハズ。鈴木聡太は前走の地元GIの準決で2着に入ったが、そのレースでフライングをしており勝ち上がり権利を喪失。優勝戦には進めなかった。ただし、エンジン面は大幅な上昇が見られた。鈴木将光は不安視されているスタートが良くなり、元々のスピードを活かせてる近況。
飯塚は、そこまで好調な選手はいない。今回出場するランクトップの佐藤裕児は近況伸び悩み気味。しかし、ライディングテクニックの素質としてはかなりのモノを持っているので、いつそれが開花されるかといった現況。田中進は前走の地元開催で優出。今年はミッドナイトレースで優勝しており、ナイター開催では見せ場を作れるかも。
最後に山陽。今回出場するランクトップの西村義正は、エンジン状態がイマイチだがレース展開によっては活躍できる。というのも捌きがしっかりしているので、スピード戦ではなく混戦になれば車券の圏内にまで入っていける。田方秀和も同様のタイプ。こちらは前走の川口で雨走路が多かったとは言え、良い動きを見せていた。スピードある福永貴史、的確な捌きがある林弘明らもエンジン好調。また、長田恭徳、矢野正剛らの若手が順調に成長している。
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主な出場予定選手
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田辺 誠〔川口 A-54(27期)〕
深谷 輝〔川口 A-57(26期)〕
梅内 幹雄〔川口 A-70(19期)〕
田中 哲〔伊勢崎 A-56(28期)〕
岩沼 靖郎〔伊勢崎 A-64(25期)〕
西村 義正〔山陽 A-58(17期)〕
田方 秀和〔山陽 A-63(22期)〕
佐藤 裕児〔飯塚 A-94(32期)〕
田中 進〔飯塚 A-99(27期)〕
力量差が拮抗で、見ごたえあるレース多数!
今回の直後にプレミアムカップが控えている関係で、S級とA級上位の選手は不在。A級の中堅以下とB級による戦いは、夏場の追い込みづらい走路とも絡んで、読みづらいレース展開になりそう。
今回のランクトップは須賀学。全盛期ほどの勢いはないが、近況の動きはマズマズ。前々走の飯塚で優出すると、前走の地元4日間でも2勝を挙げるなど、ある程度の位置でエンジンは推移している。今回のメンバーなら車ナリに浮上していくことも可能で、優勝争いに名乗りを挙げてくるハズ。須賀を含めて地元浜松のA級陣はおおむね悪くない近況。
速攻派の浅田真吾や筒井健太は、前走でもソコソコの走りができていた。同ハンに何車か並んでもトップスタートを切っていける技術がある。対して、柴田健治と鈴木健吾はスピード派。前団がバラける展開なら、スピードに乗った攻めで上位に進出できる。長欠から復帰して数節をこなした山浦博幸は、かつての車速を取り戻している。インが混み合うなら、豪快な捲りで番手を上げていける。長谷晴久は、課題のスタートは変わらずだが、近況はエンジンが良好で道中の伸びが鋭くなっている。勢いで言えば中村晋典と辰巳裕樹がいい。ともに前走の地元開催で優出している。
外来勢は、好調な選手が多くない。ランクで言えば藤川幸宏だが、最近はいい時のスピードが出ていない。冬場の方が得意なイメージがあるので、走路温度が少しでも下がってくれた方がいいか。それでも雨走路は別物。雨が降れば強烈な捲りを披露してくる。山陽のランクトップは畑吉広。しかし、このところ全く元気がない。スピードもそうだが、かつての代名詞だった速攻が鳴りを潜めている。伊勢崎の北渡瀬充は、前走の地元GIは散々だったが、一般開催ならもっと良い成績を残せるハズ。川口でランクトップは片野利沙。節単位で調子が上下動するタイプ。初日が良ければ、その節はずっと良い。
片野の他に、女子選手が3人参戦。近況の成長が著しいのは岡谷美由紀。ちょっと前から、一人で走るレースでは安定した成績を残せてきていたが、ここにきて前に選手がそれほどいないような番組でも、1回は先頭に立つような動きをみせてきた。人を抜く技術が身に付いてきている。岸萌水もゆるやかだが成長中。独走ではかなりの車速を発揮できている。藤本梨恵は現在伸び悩んでいる。それでも上昇志向は高い選手なので、今度どう成長して行くかは楽しみの一つ。
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主な出場予定選手
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須賀 学〔浜松 A-59(19期)〕
柴田 健治〔浜松 A-60(27期)〕
鈴木 健吾〔浜松 A-74(28期)〕
浅田 真吾〔浜松 A-77(27期)〕
藤川 幸宏〔飯塚 A-73(29期)〕
畑 吉広〔山陽 A-89(20期)〕
北渡瀬 充〔伊勢崎 A-102(25期)〕
片野 利沙〔川口 A-204(32期)〕