B級が大量参戦だが、優勝争いはS級がメイン!
今節は56人ものB級選手が参戦予定。ひと開催で96人の選手が参加するので半分以上はB級という構成。まだまだ暑い日が続き、軽ハンデの逃げは有利。ただし、S級陣も実力を見せつけ、レース後半にはしっかりと浮上してくるハズ。
地元のランクトップは田中茂。前走は地元で、準決は5着だったが、それ以外はオール連対。エンジン状態としてはマズマズといったところ。かつての強烈な攻めは影を潜めているが、今でもハンデが前の選手なら軽々と抜いて行ける。オートレースの魅力である追い込みを堪能させてくれる貴重な選手だ。その田中と同期の久門徹は、近況のエンジン状態ソコソコ良い。ただし、前走の2日目に反則を取られているので、それが気持ちの面で悪影響なければいいが...。地元のもう一人のS級は東小野正道。少し前までは軽いスランプに入っていたが、ようやく良化の兆しが出てきている。
外来S級で最も勢いがあるのは若井友和。前走の地元一般開催で優勝してきた。4日間とも天候が不安定で、優勝戦も重走路でのレースになったが、キッチリと勝ち切った。レース場が変わりエンジン的に変化があるかもしれないが、乗り手のリズムとては絶好と言える。勢いそのままに今節も大暴れしてもらいたい。同地区からは中野憲人と斎藤撤二も参戦。ともにスタートに不安があるものの、レース後半の追い込みが鋭い選手。
浜松からのS級は佐藤貴也と伊藤信夫。前走は2人とも地元の一般開催で、しっかりと優出していた。しかし、その優勝戦で佐藤が伊藤に対して反則妨害。2人とも落車してしまった。悪い影響がなければいいが、整備でしっかりと立て直してくるだろう。落車前までの動きは良かった。
山陽からは佐々木啓と藤岡一樹。佐々木は前走の浜松では、準決は4着で優出ならなかったが、それ以外の3走は全て3連対を果たしていた。上昇ムードにある。藤岡は深刻。なかなかエンジンが良くなってこない。何かしらのキッカケを早めに掴みたい現状。
A級では中尾貴志、竹谷隆が前走の川口で優出。越智尚寿と本門延唯が前走の地元飯塚で優出と好気配。エンジンだけで言えば新村嘉之が一番出ているかもしれない。S級相手でも直線の伸びは引けを取っておらず、格上のインに入っていけそうなほどエンジンは出ていた。
大量参戦するB級は特徴別に何選手かを分けてみたい。まずはスタート力があって序盤にリードを作れる選手は、井上秀則、仲野秀哉、高倉健吾、関仁孝、安東久隆。
先頭を走るとインを抑え込んでブロックが巧い選手は、岩野守、深沢悟、滝沢健、杉本雅彦、西久保英幸。
独走でペースが上がるのは、清水雄平、猿谷敦史、鈴木啓示、重富英雄。B級ながら混戦で捌きを発揮できるのは、浅野浩幸、岩永清文、松本康晃だ。
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主な出場予定選手
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田中 茂〔飯塚 S-20(26期)〕
東小野 正道〔飯塚 S-27(25期)〕
久門 徹〔飯塚 S-29(26期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-12(23期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-16(29期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-22(24期)〕
若井 友和〔川口 S-17(25期)〕
中野 憲人〔川口 S-38(24期)〕
鈴木圭一郎が今年3度目のGI制覇!
伊勢崎の第23回ムーンライトチャンピオンカップは、浜松の新鋭・鈴木圭一郎が制した。試走は良走路で、一番時計の28をマーク。エンジンは申し分なかったが、レース発走までに走路が濡れて重走路に。それでも好ダッシュから一気に抜け出し、レース序盤でケリを付ける形。見事な勝利だった。
0ハン先行は三浦康平。大きなコース取りでペースを上げたいところだったが、10線からトップスタートを決めた鈴木が早々と交わす。そこからは独走状態。コースを外さず、かつ、ペースを上げて逃げに入る。ただし、木村武之だけは徐々に差を詰めにかかってきた。残り2周はだいぶ差がなくなってきたが、なんとか振り切って優勝を決めた。
金子大輔、青山周平の外枠両者は序盤で好展開を作れず、最後まで苦しいレースを強いられてしまった。前田淳もスタート後の1コーナーで好位を奪えず、見せ場を作ることができなかった。田村治郎はレース終盤で意地を見せ、3着に食い込む健闘。谷川一貴は苦手の重走路で力を出せなかった。
今回の優勝戦では鈴木の対応力の高さが証明された。試走後の走路状況の変化は、選手にとって悩みのタネのひとつ。タイヤもエンジンのセットも良走路を想定してのモノ。それが重走路になったら、どこまで突っ込んでよいか、どこまでグリップを開けてよいか、その判断は難しい。最も若い期である鈴木がそれに対応できたのは、総合戦力が大きく上昇したことを示す形。ファンの想像以上の成長を見せている。これからがますます楽しみな選手だ。
前田淳が2度目のGI制覇へ力走を!
第23回GIムーンライトチャンピオンカップも優勝戦の日を迎えた。4日間の激闘を戦い終え、ファイナリスト8人が出揃った。ハンデは0に2名、10線に6名の構成。記念レースの優勝戦だと0オープンが多い近年だが、今回はハンデ戦。これがレース展開にどう影響を及ぼすか。
まずスタート争い。0ハンは本来のスタート力なら三浦康平の方が上だが、今節は谷川一貴もスタート切れており、内枠の利で先行しそうだ。10線もスタート力は大きな差がなく、ほぼ枠ナリに出るとみた。もしくは最内の田村治郎がやや後手を踏んで、前田淳の先行。
0ハン谷川はインコースを抑えて粘りこむタイプ。対して、三浦は大きなコース取りでスピードを乗せてくるタイプ。三浦にとって谷川はちょうど捲りやすい。序盤は逃げる谷川を三浦が交わして逃げに入る。しかし、そのまま押し切りまではあるかどうか。
10線は田村か前田の先行。田村が出てもすかさず前田がインに突っ込んで行きそう。0ハンを追う一番手は前田に。速攻で0ハン両者を交わすまではなさそうだが、8周のうちには捕らえそうだ。その後はインコースをキッチリ回って、外枠勢に付け入る隙を与えず、栄冠のゴールへ。前田を当ブログの本命に推す。
相手は10線外枠勢。第一候補は鈴木圭一郎。準決では試走一番時計となる29を叩き出している。スピードは申し分ない。道中の攻めもレースを重ねるごとに良くなっており、安心して見ていられる選手になってきた。今回は本命に推しててもおかしくないが、対抗にするには理由がある。鈴木の内枠に木村武之が控えているからだ。木村は準決の動きを見る限り、エンジンは明らかに不足。この優勝戦でも勝ちきるまではなさそう。ただし、枠ナリスタートで出て、道中回り出すと簡単には抜かせないだろう。苦労して突破した先には前田が大きくリードを広げていそう。この優勝戦で金子大輔と青山周平の評価を下げたのも同様の理由。木村を捌くのに手間がかかり、レース展開が多少厳しくなりそうだからだ。
一発があるとすれば三浦。近況は軽いスランプに入っていたが、ここにきて完全に脱出している。序盤で大きくリードを作り、10線勢が激しく競り合うようだと自身2度目のGI制覇も。
◎前田淳
○鈴木圭一郎
△金子大輔
△青山周平
▲三浦康平