5日間晴天で行われたシルクカップは、優勝戦も良走路でのレースになった。戦前から高橋貢と木村武之の一騎打ちムードだったが、試走が終わってからもその流れは変わらなかった。2人共に試走3・28の好タイム。次に良いタイムの荒尾聡が30だから、実に2つ上回っていた。
レース展開は最内の荒尾がスタート飛び出した。そこに、高橋と木村が続く形。1周を回った頃には荒尾は抜かれて、高橋と木村で逃げる展開になった。そのまま最終周までこの態勢だったが、ドラマが待っていたのは最終3、4コーナー。それまで再三、高橋のインを狙っていた木村だが、最終3、4コーナーでは高橋の外に付けて捲りを狙った。これが功を奏し、ゴール前では伸び勝って栄冠のゴール。
木村が駆け引きの巧さを見せた。エンジン的にはほぼ互角の勝負だった。高橋はインに入り込まれないような走りをしてブロックしていたが、木村は最後の最後に外から攻めた。若いときの木村だったら、無理やりインに突っ込んでハラんでいたかもしれない。しかし、経験が木村に捌きの幅を広くしていた。スピード面でも全国屈指の木村だが、攻めにも多彩さが出てきた。
3着には、久門徹を抑えて荒尾が粘っていたが、金子大輔が機力を活かして浮上してきた。0オープンの大外からという厳しい位置から良く健闘した方だ。荒尾はエンジン仕上がり切らずに苦戦したが、それでもスタートを決めてくるあたり流石と言える。
早船歩は両隣にスタート行かれて見せ場を作れなかったが、エンジンは安定しているし、準決などを見る限り独走展開を作れれば戦えることを証明した。爆発力ある牧瀬嘉葵はもう少し安定感が出れば成績も良くなってくるだろう。佐藤貴也は果敢な走りを更に磨きをかけたいところだ。