オートレースの楽しみ方(初級編)
オートレースの競技の特色を3点挙げてみたい。1、ハンデ戦。2、6周回。3、試走。
1、オートレースでは選手間で実力の差がハッキリしている。通常1レースを8車で走るわけだが、全員が同じ位置からスタートすると、実力上位の選手が毎回先着する事が予想される。そこで、ルールに用いられたのがハンデ。それは、選手の力量を考慮してスタートラインをずらすというものだ。選手の力量が上がるごとにスタート位置が後ろになっていく。こうすることによって、全選手に1着を取れる可能性を生むことができる。車券を買う側からすれば予想が難しくなるのだが、レース自体は見応えあるものになる。ただし、同じレースで走る8選手が同じような力量なら、オープン戦と言って8車同じラインからのスタートとなる。
2、オートレースでは楕円形のコースを通常6周走って勝負が付けられる。1で述べた通り、実力者が後ろの方から追いかけるのが基本スタイル。ハンデの軽い選手達も必死に抵抗するが、最重ハンの選手が6周回を目一杯使って先頭まで行くのを見るのがレースの醍醐味だ。他の公営競技と比べると、競馬なら最後の直線、競輪なら「ジャン」が鳴ってから、競艇ならスタート後の1マークが見所となるのだろうが、オートレースはスタートからゴールするまでの6周全部が見所となる。これが、他の公営競技との最大の差であり、オートレースの魅力の特長ではないだろうか。
3、最後に試走。試走とはその日レースをする前に選手が全力で1周走り、そのタイムを発表することによってエンジン状態を把握するための行為だ。タイムは1周を走った時計を5で割った数字が発表される。と言うのは、オートレースは1周が500メートルで、1周走った時計を5で割ると、100メートルあたり何秒で走ったかのタイムになるからだ。当然、数値が低ければ低いほど、100メートルあたりを速く駆け抜けた事になり、エンジン状態が良いと判断されるわけだが、それがそのままレースに当てはめられるとは限らない点でオートレースの魅力や難しさがある。試走は周りに競りかけてくる選手もなく、自分のリズムで走れるが、レースでは8人一斉に走るので自分の通りたいコースを走れるとは限らないし、自分のグリップ操作で走れるとは限らない。更に、試走が苦手な選手もいる。試走タイムはあまり出ないものの、レースでは好走する選手も多数いる。これらは選手の特徴なので、オートレースを長く見ていればだんだんと分かってくることだが、オートレースは知れば知るほど面白い競技だし、この試走だけに特化して見てみてもかなり奥深さを感じられると思う。
その人なりにオートレースの魅力を感じてもらえれば幸いである。