2023年の締めくくり、スーパースター王座決定戦。2022年の王座決定戦では消音マフラーで苦戦を強いられた青山周平選手が完全優勝を果たしました。さらに記録ずくめとなりました。しかし、その裏側では毎日余裕なく一つ一つ丁寧に向き合う青山選手がいました。年末のお話、年始のGI優勝についてもお話しして頂きました。
(取材日:2024年1月12日)
AKI:年末のスーパースター王座決定戦、完全Vおめでとうございます!
青山:ありがとうございます!
AKI:表彰式では嬉しさを大きく表現されていましたが、お気持ちいかがですか?
青山:やっぱり嬉しいですね。難しい走路というのと、消音マフラーということで自分自身、優勝をあまり期待していなかったので嬉しいの一言です。
AKI:以前も、年末のSSは消音マフラーになって勝てていないというお話がありましたが、今回もレース場に入る前は不安があったんですね。
青山:そうですね。実際に消音マフラーを乗る機会が少ないですし、川口で走るのも久しぶり。どうして良いか分からない、どうなるか分からないという感じからのスタートでした。
AKI:ただ、初日から1着、感触はいかがでしたか?
青山:初日走ってエンジンとかよりも1着取れたということが大きかったですね。ポイントもありますし、気持ち的に少し余裕を持てました。初日に掲示板に載れれば2日目以降メンタル的にもだいぶ楽になります。とりあえずホッとしましたね。SSの3節前に飯塚で落車がありましたがあまりは影響なく、次の浜松も問題なく走れました。その後、地元のアフター5ナイターを走って。落車に関係なく、腰回り、膝当てを新しくしてみたりしていましたが問題はありませんでした。
AKI:2日目以降も1着を並べましたが、振り返るとエンジン状態はいかがでしたか?
青山:悪くはないし、思ってた以上にタイムも出ていたし、自分の中は上出来という感じでした。ただ、その良い状態からどうやってさらにエンジンを良くしたらいいのか分からなくって。上がりタイム3.32台まで出たんですが、その後3.31、3.30台ってどうやって目指すんだろう?と。3.32台ってほぼ自己ベストなんですよね。さらにその上、そして消音マフラー。「どうしたもんかな?」となりました。タイヤとかエンジンをこうしたら良いのかな?とか考えたりしてましたね。結局は3日目が終わってメタル交換を行なったくらい。メタル交換もSSが始まる前から予定ではあったもの。あとは、毎日セッティングをちょこちょこ。やっては戻して。タイヤも毎日当たりつけして選んでいきました。
AKI:ポイントトップで王座決定戦を迎えましたが、1枠は最初から取るつもりで行きましたか?
青山:もちろんです。空いてる内側を取るつもりでした。けど、正直スタートが悪くはないけど黒ちゃん(川口33期:黒川京介選手)が速かったし、たまには2枠、3枠を取ってみようかな?と一瞬思いました。そうしたらみんな動揺するかなって(笑)けど、そこはいつも通り1枠を選びました。
AKI:王座決定戦は走路の2コーナーが濡れている不安定コンディションになりました。
青山:1レースから少しずつ乾いていたので最後は乾くかな?と思っていたんですが残ってしまって。中間練習も行こうと思ったんですが変なイメージが付いて乗れなくなったら嫌だなと思っていきませんでした。ちょうど良いところが濡れていたので、前のレースを見ながらどう走ったら良いのか考えていました。実際、試走を走ってみたら乗りづらいながらも思ったよりは乗れたなという感じ。これで試走タイム3.34も出るんだと思いました。全然ダメという感覚はなかったです。もっと試走タイムから負けてると思ったんですが、周りと試走タイムも差はなかったし、意外に大丈夫だなと思いました。まずは第一関門クリア!という感じです。
AKI:少しスタートに不安がある中でしたか、レース本番はどうでしたか?
青山:違うレースの時も黒ちゃんにスタート行かれたことがあって。なんとか上手く切って1コーナーで突っ張れるかな?と思いながら、行かれちゃってもしょうがないなと思っていました。レースは少し浮いちゃって、失敗したけど悪くはないかなという感じ。ただ、スタート後の1、2コーナーが怖くて。突っ込んでからじゃないと濡れてるところが見えないんです。突っ込みすぎて膨らんでもダメだと思い抑えつつ回っていきました。2コーナー立ち上がってからは必死。バックで渾身の突っ込みをしてなんと先頭に行けました。あそこで先頭に立てなかったら厳しい流れになっていたと思います。行けてよかったです。
AKI:その後9回1、2コーナーを走ることになりますがどのように走っていたんですか?
青山:その後は、自分のペースが遅いか速いか正直分からなくて。濡れているところでいつも通りグリップを開けると滑ってしまう。だからと言って、滑らないように丁寧に走りすぎると立ち上がりが鈍くなってしまう。その辺の葛藤がありました。体感的には速くないから、開けてみたらちょっと滑ってしまって。ロスしてしまったのでそこから安全に走りすぎた感じはありましたね。それもあって残り4周くらいはだいぶ固くなっちゃいました。なので、最後圭一郎(浜松32期:鈴木圭一郎選手)に迫られましたね。けど、後ろも滑っていましたし先行有利という走路でした。いつもと違う感じでなかなか難しくだいぶ長い10周回でした。もう少し上手く乗れたんじゃないかなと今になっては思います。
AKI:消音マフラーになってからスーパースター初制覇!完全Vに年間最多勝記録樹立、5度目の10連勝、記録も更新する年末となりました。記録に関しては意識されていましたか?
青山:最多勝取れて嬉しいですしよかったです。ただ、言われるまで気づいてなかったですし、意識もしていませんでした。取材等で「あと一勝ですね!」と声をかけられることもあったんですが、実際はスーパースターの毎日のレースで記録どころではありませんでした。1着取れるのが1番なんですけど、王座決定戦に残ること、残ってからもさらにエンジン状態を上向かせることで頭がいっぱいでした。余裕は全くなかったです。なので、後からついてきたという感じですね。10連勝などもついてきた結果という感じ。今回のスーパースターはとにかくみんなのスタートが向上していて、タイミングから凄くって。スタートからのプレッシャーもかなり大きかったし、それプラスエンジンをさらに良くするにはどうしたらいいか。朝練乗ったところでレースの時間帯とは異なるのでよく分からない。ということを考えていると記録に関しては全く頭になかったです。本当に全て終わって色々付いてきたなという感じです。あの場面で最多勝など記録のことを考えながら走れる人の方が僕はすごいと思います。一瞬たりともミスはできないので自分は余裕がありませんでした。節間通してあんなにスタートタイミングを攻めたのは初めてかもしれません。初日に12タイミングで切ったら思ったよりみんな早くて「これじゃだめだ。」となりました。なので、2日目からは0台のスタートを切っていった感じです。みんな当たり前に0台で切ってくるので、0台前半じゃないと先に行けない。だいぶ精神的に削られましたね。
AKI:ただ、優勝を決めた時、表彰式での最高の笑顔を見ると、その疲れは吹っ飛んだんじゃないですか?
青山:そうですね。結果、最高の形で終えられたのでこれ以上はないですね。一昨年2022年の王座決定戦で1枠からスタート失敗して4着に終わった時は凄く情けなくて。そのことがとにかく悔いでした。王座決定戦が終わってその夜は情けなくて情けなくて。なので2023年はどんなレースでもどの大会でもスタート切ってやろうという気持ちで1年間頑張ってきました。そして、2023年の王座決定戦では表彰式の場に戻って来れて借りを返せた感じ。スタート自体はトップではなかったんですが、自分なりには切れたし、タイミングも02で切れたので借りは返せました。表彰式ではその喜びが出ちゃいましたね。勝てたことで一昨年の気持ちの整理がつきました。2023年は最高の締めくくり、感無量です。
AKI:毎年の目標として「去年の自分を超えること」と仰っていますが、2023年を振り返るとどうですか?
青山:前半戦は思ったように成績が出せなかったというか、自分が納得いく走りができなかったんですが、後半は少しずつよくなってきましたし成績も残せたので選手になって1番よかったのかな?という気がします。体感的には2、3年前の方が調子が良かったしエンジンも出ていた気がするけど、1着回数とか、優勝回数とか、記録として残ったものは2023年の方が良かったです。スーパースターで1着取るのって凄く難しいんですが、それを5回も取れたというのは凄いことですし、あの舞台に立てて結果を残せて良かったです。自分を褒めてもいいなぁと思いますし、みんなの力があって優勝できたというのは実感しましたね。直前に落車もあったけど、みんなが手伝って助けてくれて最高の形で年末5日間を走ることができました。
AKI:年が明けて一発目の地元GIシルクカップ!スーパーハンデからのレースになりました!
青山:本当はもう少しリラックスした状態で新年を迎えたかったんですが(笑)なんとなく「もしかしたら」とは思っていたけどいざスーパーハンデになると「やっぱりか。」となりましたね。予選道中は自分の操作ミスで戒告をもらってしまって。言い訳はできないんですが、スーパーハンデはいつも以上に攻めていかないと先頭まで行けない。走るからには先頭を走りたいと思っているので本当に大変です。特に記念でスーパーハンデは本当に辛い。日を追うごとにメンバーもキツくなるし準決は「流石に無理じゃん!」と思っちゃいました。それでもなんとか優勝戦に乗れて。
AKI:そして優勝戦で勝っちゃうんですよ!凄いです!!
青山:優勝できたことは凄く嬉しいですね。本当たまたまスタートもめっちゃ切れたし展開が開けたので道中も冷静に走れました。残り2周で先頭に立ってからも一所懸命走って。ゴールした瞬間「やったぜ!」と思ったけど、このハンデで勝ったらハンデ位置が戻る要素ってない。自分で自分の首を締めてる感じ。我に返ったらそんなことを考えていました(笑)それくらいスーパーハンデは辛いんです。「簡単じゃん」と思われる方もいるかもしれないけど本当に大変なんです!でも、贅沢な悩みではあるんですよね。どんな時でも優勝できることは嬉しいことなので。キツいし大変だからと言って「これくらいでいいか」とはならないし、なれないタイプ。それに、買ってくださってるファンの方に相当失礼なことだと思うので、与えられた環境でこれからも頑張らないとですね。お客さんにはしっかり還元したいですし、楽しんでもらえたら良いなと思っています。スーパーハンデでGI優勝は2回目。自分が退化せずに走れてることは良いことだと思います。2024年は特別な始まりになりましたね。スーパーハンデでグレード優勝は大変だけど、自分だからできる、そして日々勉強と思って。まだまだ気持ちも負けないようにしたいし、若手もどんどん入ってきてみんな速いから刺激を受けるし、学ぶところもいっぱいあります。そういうところは凄くプラスです。若手のいいところを自分に取り入れられたらなと思っています。これからも頑張ります。
AKI:それでは最後にオッズパーク会員の皆様にメッセージをお願いします。
青山:昨年末最高の形で終えられて、今年も最高のスタートを切れて、2024年まだまだこれからですけど、良い状態を1年間続けていければと思っています。そのためにも皆さんの声援が必要なのでこれからも応援お願いします。
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着実な成長を見せている浜松33期・花田一輝選手にお話を聞きました。
(取材日12/26)
―オートレーサーになろうと思ったきっかけは何ですか?
きっかけは、親父が昔から好きで、それで一緒に見に行っていて、なりたいなって思った感じです。
―もう小さい時からですか?
小学校ぐらいだと思います。
―その時なにか印象に残ったことってあります?
いやもう、音がすごすぎて...。
―気になる選手とかいましたか?
信夫さん(浜松24期:伊藤信夫選手)とか、やっぱり武之さん(浜松26期:木村武之選手)とか。目立ったのは岩見さん(飯塚29期:岩見貴史選手)とか。ピンクで、なんか印象に残ってますね。
―試験を受けられる年齢になってすぐ受けたのですか?
そうです。たまたま高2で受けられることになったので、それで高校を中退してって感じですね。
―一発で受かったんですか?
そうです、はい。
―そうですか、けっこう難関の試験ですからね。
よかったです。
―それで、養成所に入って、養成所の生活は人によって大変とかありますけど花田さんはどうでした?
うーん、教練とかはそうでもなかったんですけど、教官に怒られたりするのが怖かったですね。でも、訓練自体はそこまで大丈夫でしたね。
―今までで一番覚えているレースってありますか?
覚えてる.........、川口で初優勝したんですけど、その準決勝の時に、なぜか雨が乗れて、増田さん(川口23期:増田伸一選手)とか抜けたので。
―増田さんは、かなりの雨巧者ですもんね。
はい。なんであの時は抜けたのか分からないんですけど、すごく印象に残っています。試走から出てたので...。今は乗れないです。
―今、連対率とか見るとちょっとあれですもんね。
今はゼロです。
―では、今の課題としては?
まあ昔からですけど、スタートですかね。
―ここまでで苦しかったことってありますか?
えーと、夏場が毎年乗れないですね。どうしてもタイヤが滑っちゃったりするので。セッティングを変えたりするんですけど、あまり変わらないかな。滑る走路は嫌いですね。
―逆に嬉しかったことはありますか?
ファンの方に応援されるのが一番ぼくは嬉しいですね。レースとかよりは、応援されることが嬉しいです。
―日々、オートレーサーとして取り組んでいることはありますか?
人のレースを見るとかですかね。家にいてもレースを見るようにはしています。
―オフの日の過ごし方は?
まあ、だいたい友達と飲みに行くか、ゴルフとか、それぐらいですかね。お酒は好きですね。
―お師匠さん(伊藤信夫選手)が決まった時はどう思いましたか?
憧れの人だったので、『ホントに!』と思いました。
―お師匠さんからアドバイスだとか教えてもらっていることはありますか?
整備とかは教えてもらってます。それをマネしたりとかして、信夫さんが言ってくれるので、それを信じてやっています。まあ、結果が出るかどうかは走ってみてなんですけど。
―33期の同期の存在はどうですか?刺激を受けたりしますか?
自分は同期と一緒に走るのはあまり好きじゃなくて。
―よく同期と同じレースになると気合が入るとか聞きますけど?
それが嫌で。無理しちゃって迷惑かけちゃうのも嫌なので。
―巧いと思う選手は誰かいますか?
まあ、信夫さんと武之さんですかね。落車しないと言うか。
―あと、車名で今はノノリキというのを使っていますがこれは?
これは『E-girls』っていうグループがあって、それの『山口乃々華』っていう子のあだ名が『ノノリキ』だったので、それにしました。デビューした時の車名の『シュウカレン』も同じグループの姉妹です。
―どうですか?オートレーサーとして、ここまで振り返ってみて。
うーん、まあ、今のところはうまくやれてますけど、大きな怪我をしていないので、よかったかなと思ってます。
―最後にオッズパーク会員の皆様へメッセージをお願いします。
そうですね、あまり魅力あるレースをする方ではないんですけど、たくさん車券を買って応援してください。
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伊勢崎所属30期。常にオートレースに情熱を持って、そして楽しそうに取り組んでいる高身長レーサー・新井恵匠選手にお話をお聞きしました。
―去年を振り返ってみてどうでした?
最初の方はあまり良くなくて、11月ぐらいから少しずつ良くなってって感じですね。乗り方とかいろいろ考えて、実践してみたらいい方向へ行ったなって。それをちゃんとコントロールできるようになれば、もっと良くなると思う。まだ形にはなってないけど、今までできなかったことができたり、自分より強い人がやっていることが少しずつできるようになってきました。今まではできなかったけど、少しずつ良くなってきました。
―今、自分の中で課題としていることはあるんですか?
(車の)向きの変え方とか、上手に車を押さえると言うか、そういうことですね。直線もそうですけど、コーナーリングとか、やっぱり自分より強い人とかはしっかりしてますもんね。
―今、巧いなと思う選手はいますか?
いっぱいいますよ(笑)。でも、やっぱり貢さん(伊勢崎22期:高橋貢選手)が凄いっすよね。伊勢崎所属になって、近くで見ることも増えたじゃないですか。やっぱり次元が凄いっすよね。向きを変える技術があるので、あとはその、周りを見る能力が高かったり、展開を見る能力だったり、全部に関係するわけじゃないですか。そういうのを自分の中で鍛えて、今があると思うので、やっぱり凄いなって。周りが見えてないと事故にもつながっちゃうだろうし。事故を回避する能力も凄いなって思います。
―改めてですけど、オートレーサーになるきっかけって何だったんですか?
高校ぐらいの時にみんなでオートレースを見に行って、最初は格好いいなと思っていたんですけど、だんだん憧れに変わっていって、その憧れから自分もなりたい、なろうみたいな感じになって。
―養成所での生活はどうでしたか?
最初の体力作りの期間が一ヶ月ぐらいあったんですよ。それはもう、それはそれはキツかった。でも、(オートバイに)乗るようになってからは楽しかった。
―それまで、運動って何かやっていたんですか?
いやもう、その時22才くらいだったんで。社会人になってやんなくなってました。だから、最初の体力作りはつらかった。
―一番印象に残っているレースはありますか?
初めて記念を獲った若獅子ですかね。あれは印象に残ってます。デビュー戦も印象に残ってますけど。デビュー戦は小林啓二さん(山陽8期:小林啓二元選手)に抜かれて2着でした。どっちも印象に残ってますね。
―ここまでで苦しかったことはありますか?
苦しかったことは、やっぱあの、反則したり、人を落車させちゃったりすることですね。人に迷惑をかけてしまうので、それはやっぱり苦しいですよ。すごく。
―体調管理とか体重管理とか、日々取り組んでいることはありますか?
一応、(体重が)増えないようにはして、なるべく減らしたいんですけど。食べる量とかも少なめにして、運動もある程度して、増えないようにしてます。
―仕事がない時の、オフの過ごし方はどんなですか?
ゆっくり。ゆっくりがいいですね。この仕事だと、のんびりもやってられないじゃないですか。(休みの日は)のんびり起きて、長い時間寝てって感じですね。
―師匠ってどなたでしたっけ?
義明さん(伊勢崎22期:木村義明選手)です。
―今もけっこう話とかするんですか?
同じ伊勢崎に行ったし、ロッカーも隣ですよ。変わらずの関係です。
―これからオートレーサーとしてどうなっていきたいですか?
直近の目標は、あの、SGを獲るつもりで今、仕事をやっているんですよ。去年の春ぐらいから。で、だんだん乗る方も良くなってきているし、エンジンもちょっと良くなってる気がするんですよね。なんで、ここ数年以内には獲るつもりでいます。
―ここまでSGでは優勝戦3着が最高の結果なんですよね。
ですよね。今はまだあの、技術を高めたりしてる最中なので。本格的にもうだいぶここまで良いってなったら、自分もだいぶ(体重を)絞ると思うんですよ。あまり絞ると動けなくなっちゃうし。なんか、高身長の利点がこの競技にもある気がするんですけどね。
―最後にオッズパーク会員のみなさんに一言お願いします。
自分の仕事の信念は、お客さんの車券に絡むことだと思っているので、1走1走、3着以内には入って、一生懸命仕事して、一生懸命走ります。ぜひ車券を買う時はオッズパークでよろしくお願いします。
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GⅡレジェンドカップを制した加賀谷建明選手。
8着、5着と惨敗スタートからマシンの立て直しに成功した話を聞いてみました。
(取材日12月30日)
―伊勢崎のレジェンドカップ優勝おめでとうございます。
ありがとうございます。初日の段階では、まさか優勝できるとは思いませんでしたね。
―結構、ドドドがひどかったと聞きましたが...。
そうですね、何をやってもダメで、今節は厳しいな...と感じてました。
―3日目の準々決勝で1着。タイムも大幅に上がりましたね。
ダメ元で、フレームの一部の「先ナット」という部品を新型に換えてみたんです。
そうしたら、それまでのドドドが止まって走りやすくなったんです。もっと早く試してみればよかったですね。
―優勝戦は10メートルオープンの3枠でした。
スタートで達也(川口28期:山田達也選手)に行かれちゃって、厳しいかなっと思ったんですけど、自分の方が強めだったので、後ろへ付けられたら仕掛けてみよう!と。
―見事なレース運びでした。
達也には行かれてしまったけど、その外にズラっと並んでたSG優勝メンバーに行かれなかったのも大きかったですね。
―ドドド解消の要因となった「先ナット」というパーツですが...。
最近、新型が出て選べるようになったんですよね。
―どのような違いがあるんですか?
どっちもいい所があって、悪い所もあるんだけど、新型の方が安定感があって、フロントの喰い付きがいいんだけど、ジワーっと戻るから向きが変わるのが少し遅い感じなんですよ。
旧型はアオったりしやすいけど、向きが変わりやすくて乗りやすい。レースしやすいイメージですね。突っ込んで行く時の沈み方は、どっちもそんなに変わらない感じですね。
―川口では旧型に戻したんですね。
川口は消音マフラーでハネにくいから、旧型に戻してみました。
これからも、走路だったり、天気だったり、季節だったり、その時の状況に合わせて使い分けて行けたらな、と思いますね。
―先ナットは旧型がシルバー、新型がゴールドと色分けされてるので、スタンドからチェックしてみてください。
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今年1級車に乗り換えたばかりの佐藤選手。夏こそ苦戦していたものの、12月20日に行われた山陽オートのGIスピード王でGI初優出から初優勝を飾りました!山陽はデビュー初優勝を飾ったレース場。しかも、GII初優出から初優勝!相性の良いレース場でのGI初制覇!どんな開催、どんな気持ちだったのか、お話しして頂きました。
(取材日:2023年12月24日)
AKI:GI初優出、初優勝おめでとうございます!!
佐藤:ありがとうございます!!
AKI:GIIに続いてGIも初優出、初優勝ですね。
佐藤:そうなんですよね。しかもまた山陽で。恵まれてますよね。GIは簡単に取れるものでもないですし、優勝できて素直に嬉しいです。あとは、今回逃したらいつ取れるかわからなかったので、ホッとした部分もありました。
AKI:ただ、初日は雨で6着。厳しいスタートになりましたよね。
佐藤:そうなんです。まさか、1Rに組まれるなんて思ってなくて。さらに、久々の山陽で、1級では初めて。そして新走路。前検日から全くエンジン合っていませんでした。やばいなぁという感じ。案の定、初日に負けて、レース後からはとにかく手を動かしました。ヘッド、キャブ、電気と思い当たるところ全て扱って。先輩にも山陽はどんなセッティングが合うのかを聞いて、それをベースに合わせていきました。とにかくセッティングをしてエンジンかけに行ってを繰り返してましたね。2日目も行ける練習は全て行きました。かなりバッタバタでした。その前の節に9連勝して良い状態だったんですが、前検日にリングとバルブを替えたりしてあえてその流れを終わらせました。心機一転ですね。そしたら初日は全然合わなくて、「やばいな、まずいな...」という感じ。ただ、2日目以降はなんとかセッティングが合ってくれました。手応えもありましたね。2日目終わって一安心。
AKI:2日目から3日目にかけては何か扱ったんですか?
佐藤:もう少し上積みが欲しかったのでピストンを替えたり、スタートが切れてなかったのでアッセンを替えたりしました。3日目は12R。冬で12Rとなると気候も変わってナイターの感じになります。3日目はタイムは出るもののそこまで手応えがなく。なので、4日目に向けてキャブを大きく扱ったりもう一回ピストンを替えたりしました。優勝戦に乗れば12Rを走る事になるのでそのことも考えつつ3日目から4日目にかけて整備をしていました。
AKI:そんな中、準決は湿走路での戦いとなりましたね。
佐藤:そうなんです。竹谷さん(飯塚23期:竹谷隆選手)と一緒のレースだったんですが、以前ムーンライトの湿走路で負けたことがあって。なかなか勝てないなぁと思っていたんですが、準決では勝てて嬉しかったですね!
AKI:湿走路はご自身ではどう感じているんですか?
佐藤:苦手意識は全くなくて。ただ、1級車になって雨のエンジンの作り方が理解出来てないっていうのがありました。なので、準決の日も行ける練習は全て行って、とにかく練習練習でした。あの日は自分が1番練習していた自信があるくらい。その練習の成果が準決勝戦の1着に繋がったと思います。練習の大切さを痛感しましたね。竹谷さんに勝てたというのは自信にもなりました。
AKI:優勝戦は0mに1人、10mに7人、5枠という位置になりました。初めてのGI初優出という面での気持ちはいかがでしたか?
佐藤:GI初優出に関してはそこまで意識してなくて、優出できて良かったなぁという感じ。あとは、いかにしてタイトルを取るかという事を考えてました。自分がいまGIを取れない要素はなんなのか、ということを色々と考えて。その中で、「取れない要素はない!取れる!」という気持ちでいました。
AKI:試走タイムは3.30でした。レースは少し雨もパラつきましたがいかがでしたか?
佐藤:そうですね。雨がパラついたり不安定な感じ。エンジンも3日目の12Rをベースにしてたんで、試走の時間帯にはエンジンは合っていませんでした。試走見た時は心配だったんですが、レースに合わせた調整だったので3日目の感触を信じて臨みました。
AKI:いざスタート切ってからはどうでしたか?
佐藤:スタート切れませんでした(苦笑)練習から丹村さん(山陽29期:丹村飛竜選手)に先行されてて。本番ではタイミングが遅れたかと思ったらそうでもなかったので、自分のスタートの出だしがまだまだなんだなぁと思いました。行かれた瞬間は焦りましたね。「これはまずい!」と(笑)その後は、とりあえず1、2コーナーで良い位置つけようと落ち着いて。あえて丹村さんを行かせて乗っていくような形を取りました。結果、それがバックで良い位置取りになりました。そこは良かったですね。
AKI:道中の捌きは振り返っていかがですか?
佐藤:エンジン的に作戦大成功でレースの時間帯にバッチリ合っていました。すごく良かったです。なので、直線で前にすごく詰まる感じがありましたし乗りやすさもありました。丹村さんと比べると凄く余力はあったんですが、やっぱり丹村さんレースが上手いですね。何度か仕掛けたんですが入れず。残り5周あったんで、一旦外につけて捲れるかなぁと思いながら捲れず。なので、どこかで思いっきりズバッと入るしかないなと思ってました。直線で完全に並び切ったら行けると思ったんで、ここだっというところを決めて捌いていきました。バッチリ決まって良かったです。エンジンが良い分落ち着けていました。そのままの勢いで前の緒方さん(山陽30期:緒方浩一選手)を行けるなら行こうと思っていたのでそこも思いきって行きました。
AKI:先頭に立ってからの気持ちはどうでしたか?
佐藤:残り2周で先頭に立ったんですが、そこから雨がだいぶ強くなってきて。とにかく不安でした。ペースを落としたくなかったし、雨だから滑りも気をつけないといけない。とにかく集中するしかないなと思っていました。なので、先頭立ったけど全く油断は出来ない、そんな感じでした。
AKI:そんな気持ちの中でトップゴール決めた時はどんなお気持ちでしたか?
佐藤:まずはホッとした気がしますね。「良かった、GI取れた!」という感じです。「よっしゃー!」という嬉しさももちろんあったんですが安心したという気持ちの方が大きかったです。
AKI:その後、周りの選手が集まってきたと思いますがいかがでしたか?
佐藤:師匠(川口27期:阿部剛士選手)の前でのGI制覇だったので良かったですし、退場門にも1番最初に来てくれたのが師匠でした。その他の川口の先輩も喜んでくれてたと思いますし、「おめでとう!」と言ってもらえてめちゃくちゃ嬉しかったです。
AKI:表彰式はいかがでしたか?
佐藤:自分は地元じゃないんですが、沢山のお客さんが待ってくれていてめちゃくちゃ嬉しかったですね。まさかGII、GIと山陽で取れると思ってなかったのでびっくりですし山陽大好きです!!
AKI:整備のお話も出ましたが、デビューから2年。整備面はどうですか?
佐藤:最重ハンデになって人一倍エンジンを出さないといけない。その辺の整備は2級車と違い大忙しですよね。1級車の方が良いところ、ストライクゾーンが狭い気がします。狭いストライクゾーンにセッティングを入れないといけないので難しいです。良いパーツを入れれば良いわけじゃなくて、そこからさらに良いところを探さないといけない。ただ、そのセッティングが少しずつ分かってきた気がしていて、結果にも繋がってきているのかなと思います。整備の知識が少しずつ増えてきています。
AKI:デビュー年にGII、今年はGIを取りましたが、どんな一年になりましたか?
佐藤:GI取れたり、9連勝出来たり、尻上がりに良かったですね。ただ、夏場の1級車乗り替わりの時はすごく苦労しました。レース道中ミスしたり、危ない時もありました。凄く悩みました。けど、苦労した分最後で取り返せた1年かなと思いましたね。かなり波はあったと思いますが、良い結果につながるための苦労だったのかなと思います。整備も上から下までかなり扱って、理解度も上がったことが結果に繋がりましたね。
AKI:デビューからまだ2年なんですよね!
佐藤:まだ2年なんだという感覚。ただ、人一倍努力はしてるつもりで、一節が他の人よりも濃く過ごせてる自信はあります。凄く疲れますけどね。毎日倒れそうなくらい(笑)
AKI:負けず嫌いが出てるという感じですか?バイク好きというところが出てる感じですか?
佐藤:両方ですね。1番はオートレースが大好きなこと。趣味はオートレースと言えるほど。他にも趣味はありますが、オートレースが好きです。とにかく競走車を整備するのが大好きで、乗る事も大好き。オートレースが大好きというところが向き合う姿勢に繋がってると思います。手先はかなり不器用な方なんで、元々整備とか下手くそで。選手になる前は、バイク用品店で働いたりしてたんですがミスばっか(笑)なので、この世界に入るまではここまでオートレースにどっぷりハマるなんて思ってもいませんでしたし不器用な分厳しいと思ってました。けど、エンジンを自分で整備して、レースするっていうことが他の競技にはなく、そこがハマる要因の一つだったと思います。天職と言えますね。今は本当に楽しく仕事をさせてもらってます。
AKI:2023年飛躍の1年になりましたが来年の目標はありますか?
佐藤:2024年はSGの舞台で活躍したいですね。GII、GIときたらSGしかないので。今年はSGの準決まで走らせてもらったんですが手も足も出ず。SGを取るための力は自分には足りないですね。あとは、地元のグレードを取りたいですね!
AKI:SGで活躍するために課題はなんですか?
佐藤:1番はスタート力ですね。全てはスタートだと思います。もっともっと身につけないと、研究しないとダメだと思ってます。なので、来年はスタートを研究してスタート力を身につける。そこに尽きると思います。今回のGIのように10m角度がある中でスタート行かれるようじゃSGでは話にならないと思ってます。課題はとにかくスタート力です。スタートの研究に終わりはないです。あとは、整備の幅を広げて上を目指していきたいです。
AKI:それでは最後にオッズパーク会員の皆様へメッセージをお願いします。
佐藤:今回GI取ることができたのはファンの皆様の支えがあってのことだと思います。来年はもっともっと活躍できるように、スタート力を磨いて頑張るので応援をよろしくお願いします。
(写真は山陽オートSNSより)
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