*18日金沢 第11R『金沢シンデレラカップ』 1500m 16:15発走*
今年新設された新しい重賞・金沢シンデレラカップ。
全国から有力な馬たちが集まりました。
まず本命にしたのは北海道からの遠征馬フィールザファイア。
前走は園田プリンセスカップに挑戦し、馬なりで外3番手につけると直線もよく伸びて2着を確保。
勝ったナンネッタには及ばなかったものの、内容は良かったと思います。
すでに遠征で結果を出しているのは大きな強み。
先行して最後までしっかりと走れる脚質も、金沢向きと考えます。
対抗は地元金沢のヴィーナスアロー。
ここまで5戦無敗と敵なしの活躍を見せています。
前走の金沢プリンセスカップでは、これまでとは違って行きっぷりがイマイチで、道中は中団から、直線に入っても「大丈夫かな?」と思うような位置にいましたが、最後の最後に鋭く伸びて初重賞制覇。
管理する金田一昌調教師のお話では、まだ一度も本気を出して走ったことがないそう。
それでも無敗を誇るということで、相当な能力の持ち主です。
遠征馬相手にどこまで戦えるか、そしてどこまで無敗記録を伸ばせるか、とても楽しみな1頭です。
北海道からの遠征馬イケノアサも気になる存在。
すでに門別で2勝を挙げており、レベルの高い北海道の2歳戦で結果を出しています。
前走の園田プリンセスカップは中団から長くいい脚を使って4着。
前々走は逃げ切りで勝っているので、すんなり先行出来るかがカギになりそうです。
地元金沢のヤマミダンスも2戦2勝と無敗でここに挑んで来ました。
2戦共に逃げ切り圧勝で、まったく底を見せていません。
初めて揉まれた時のことを考えると少し不安はありますが、スムーズに先手が取れればここでも十分戦えるのでは。
◎11、フィールザファイア
〇3、ヴィーナスアロー
▲4、イケノアサ
△2、ヤマミダンス
△9、メモリーロイヤル
1998年10月10日、【メイセイオペラ】が勝利した南部杯当日。実は私の記念すべき、騎手デビューの日でもあるのです。
16歳で初めて競馬を見てから約4年間、ただただこの日を夢見て頑張ってきたわけですが、いざレースがスタートすると、何がなんだかわからないうちに終わってしまい、私自身は何もすることが出来ませんでした。
この日は2頭の騎乗でしたが、どちらのレースも自分が思い描いていたようなことは全くできず、ただただ先輩騎手たちの間で縮こまって乗っているだけ。自分自身の不甲斐なさに、涙が出るほど悔しかったし、このままでは一生勝つことなんてできない・・・と本気で思いました。
緊張から開放されたことと、精神的な落ち込みによって、控え室に戻って来た時にはもうぐったり。みんなの前では抑えていた涙が、次から次へと流れていきました。
そこで南部杯のファンファーレ。場間場外発売により、高崎の場内テレビでも南部杯が放送されたのです。1番人気は【アブクマポーロ】。その年は1月の『川崎記念』から6連勝中。特に6月の『帝王賞』では並み居る中央馬を退けて、強い勝ち方を見せてくれました。
『帝王賞』当時、私はまだ地方競馬教養センターの生徒で、同期たちと一緒にテレビを食い入るように見たものです。「地方競馬にも、こんなに強い馬がいる!」と本当に勇気をもらいました。
〔地方競馬教養センター終了式にて、同期の繁田健一騎手と〕
そんな【アブクマポーロ】が出場するということで、泣いてはいられないわ!と真剣にレースを見たんですけど・・・なんとなんと、3馬身もの差をつけられて、【メイセイオペラ】に負けてしまったではないですか!しかも【タイキシャーロック】にもハナ差負けて3着。
この時は【メイセイオペラ】が勝ったことよりも、【アブクマポーロ】が負けたことの方が衝撃でした。
「あんなに強い馬でも、負けることがあるなんて・・・」勇気と感動をもらった馬だけに、本当にショックだったんですけど、衝撃が去って落ち着いてくると、考え方が変わりました。
「あんなに強い馬でも、負けることがあるなんて・・・競馬ってやっぱり面白い!!」
その時は、本当におこがましいんですけど、【アブクマポーロ】が先輩騎手たち、【メイセイオペラ】を自分に置き換えて、「いつか私も、上の騎手たちを負かすんだ!」とさっきまで泣いていたことも忘れて、「早くレースに乗りたい!うまくなりたい!」という気持ちになりました。
騎手として最初の障害にブチ当たっていた私を【メイセイオペラ】が救ってくれたのです。デビュー戦の苦い思いと重なって、この年の南部杯は一生忘れられない思い出です。
今年もいよいよ南部杯が迫って来ました!今年は【ブルーコンコルド】の3連覇がかかっていますよ〜。どんなレースになるんでしょうか♪
懐かしいお菓子を発見したのでつい買ってしまいました!
『チョココ』
食べたことありますか?メッチャメチャ美味しいんですよ♪
『チョココ』との出会いは10年前、地方競馬教養センターにて、ある時教官の車の中に入ってたんです!
毎日ひもじい思いをしていた私は即反応し、
「あれはなんだろう?チョココ??
どんな味がするんだろ?食べてみたいなぁ〜」
と思い、誰もいないうちに・・・と車を開けようとしたんですが、そこは教官も心得ているので完璧にカギが閉まっている。それでもメゲずに、必死にドアをカチャカチャやっていると・・・まんまと教官に見つかり鉄拳制裁を受けた・・・
という思い出のお菓子なのです。
もちろんその時は食べさせてもらえなかったし、私たちの頃はやんちゃな生徒が多かったため、外出も一切禁止だったので、実際チョココを食べたのは半年後の競馬場実習の時。
夢にまで見たチョココ。美味しかったなぁ〜・・
今は食べたいと思えば何でも食べられる。これってかなり幸せなことなんですよね。
てか、飢えてる生徒がいるのわかってて車にお菓子積んでるなんて、教官の方が悪いですよね?!あの頃の食べ物に対する執着は、尋常じゃなかったなぁ〜
あんまり自虐ネタを書くと、両親が心配するので。。。
通知表ネタなんか書くと、両親に怒られるので。。。
たまには自慢話。
高崎の廃止が決定した時、関係者みんなで署名活動をした事があった。
毎朝調教があって、午後の仕事もあって、、、みんな忙しくて、ピリピリした感じ。
そんな時、藤水(私の実家のそば屋)が休みの日に、父が差し入れを持って来てくれた。
美味しいと評判の焼きそば30個と、飲み物30個。
「熱いうちが美味しいんだ!」と言って、急いで持って来てくれたんだけど・・・お店の人が割り箸を入れ忘れたらしく、その場では食べる事が出来なかった。
みんなとっても喜んでくれて、各自お土産に持って帰ったんだけど。
「美味しい時に、食べてほしかった!!」と、父はとっても悔しがり、
「せっかく急いで買いに行ったのに・・・」と、母も怒っていた。
この時、うちの両親はなんてイイ人なんだろう・・・と、本気で思った。
赤見千尋に生まれて良かった・・・と、本気で感謝した。
なんて。。。ちょっと恥ずかしいけど。。。
競走馬たちの身体は、暑さに対応するようには出来ていない。だから夏場は特に、人間が気をつけてあげなければいけない時期。
厩務員さん達はこの時期、何度も厩舎を訪れては馬たちの変化に注意し、水を継ぎ足す。自分が眠る前にももう1度、トイレに起きたついでにもう1度・・そんな風に愛馬たちを暑さから守っている。
それでも体調を崩してしまった時には、基本的には休ませるけれど、そうもいかない事情もある。
「休ませるなら、引退させる。」と言われてしまったら、どうする事も出来ない。
私の現役時代、そんな風景はたくさんあったけれど、なかでも忘れられない出来事がある。
群馬県が日本一気温が上がった日。私自身も暑さと戦いながらの騎乗でフラフラ、何頭かの馬たちはうっすらと白い粉を吹いている状態。これは馬にとっての危険信号でもある。
ゴールに入った瞬間、隣を走っていた馬がバッタリ倒れて動かなくなった。レース直後だというのに、汗ひとつかいていない。これは最悪の症状で、汗をかけなくなってしまったために体温調節が出来ず、死んでしまったのだった。
厩務員さんが走って来て、死んでしまった馬の顔や身体に、何度も何度もバケツで水をかけていた。
「もう死んでるから。」と周りに止められても、「ごめんね、ごめんね・・」と泣きながら、必至に水を飲ませようとしていた。
次のレース、その馬が倒れていた所だけ、馬場が濡れていた。