今年のさくらも、キレイでしたね。儚く散ってしまったけれど、やっぱりさくらは大好き☆
特に私は、夜桜が好き。
さくらの季節になると、いつも思い出す。境トレセンの、向正面に咲くさくらたち。
初めてそのさくらを見たのは、デビュー1年目。あの頃の私は、ただ、馬に乗る事に無中だった。
午前2時、暗闇にライトが灯る。ひと気の少ない馬場に、愛馬とともに入って行く。まだ脚跡のついていない馬場を走るのは、とても気持ちがいい。
馬場にいるのは、2〜3人。ほとんどの人たちがまだ眠っている時間。
1頭目の調教を終えて、帰ろうとする私に、水野騎手が言った。
「さくらを見てごらん。」
人馬が少ないこの時間だけは、向正面で馬を歩かせる事が出来る。
真っ暗な闇の中に、ライトアップされたさくら。ひらひらと花びらが落ちて来て、それはもう、幻想的な世界。水野さんに言われるまで、その美しさに気付かなかった私。
「キレイだね。」と愛馬に話かけながら、ゆっくり歩いて帰る。心にゆとりが出来た気がした。
この時期だけは、早起きも全く苦にならない。早く起きた人にしか見られない、年に1度のプレゼント。あのさくらより美しいさくらを私は知らない。
明後日から、胴体着陸で話題の高知へ旅立つ私。もちろん、『黒船賞』と『新人王』の取材。
思い起こせば7年前のミレニアムイヤー、若き赤見千尋は期待に胸を膨らませ、高知空港に降り立ったのでした。カツオが美味くて美味くて、1泊2日で5食くらい食べた気がする。
前日のレセプションで、橋本大二郎知事とスマイル写真撮ったし、【はりまや橋】の小ささにもビックリして高知を満喫。レース当日の朝に、同期3人と攻め馬を手伝って下見完了☆
結果は5着。けっこう人気の馬に乗せてもらったのに、負けてしまいました。。すいません。
2年間の騎手課程を修了し、旅立って行く時に、同期と言い合った「高知で逢おう!」という言葉。もちろん全員が逢える訳ではない。新人王に出られないというのは、すごく悔しい事だと思う。
でも今回、『黒船賞』に同期の佐藤博紀騎手の名前が!!!あの時は高知に来れなかったけれど、その後の努力が報われて、今じゃすっかりリーディングに顔を出すジョッキーに。
まだ確定してないのでなんとも言えないけれど、もし高知で逢えたら7年越しの約束が果たせるって事で、ちょっとロマンティな感じじゃないですか?ま、南関で逢ってるけど、高知で逢う事に意義があるのですよ。
これは多分、およそ1年くらい前の写真。左が高橋哲也騎手、右が佐藤博紀騎手。高橋騎手は怪我でデビューが遅れたけど、元は同期なのです。てか、ずいぶん茶パツだったんだなぁ、私・・
水曜日は『ダイオライト記念』を見に船橋競馬場へ。
距離適性を考慮して予想から外していた【キクノアロー】が余裕の勝利☆
パドックで見た時、外した事を後悔したんですよね。。でも時すでに遅し。
厩務員さん曰く、距離は全く問題ないとの事。これからの交流重賞を盛り上げてくれる存在になりますね♪
さてここで、ビックリな方に遭遇しました!高崎時代お世話になった、馬主さんです。【オンワードテースト】という、知る人ぞ知る、我が畠中厩舎のOP一歩手前までいった馬のオーナーでした。
この【オンテー】君、私にとっては忘れられない思い出の1頭。
デビューした時、自厩舎で何度もいい馬に乗せてもらったにもかかわらず、ことごとく負け続けていた私。初勝利は橋本厩舎の【フェアウイング】、2勝目は井田厩舎の【エムジーガール】、自厩舎の馬では勝てないのでは?と思っていた、デビュー4ヶ月目の事。
【オンテー】の主戦は大先輩の「茂呂菊次郎」騎手。でもたまたま、茂呂騎手の厩舎でゲートが悪い馬とかち合ったため、私がレースに乗る事になりました。
この時、【オンテー】は6戦5勝2着1回という、ものスゴイ成績。当然私が鞍上でも1番人気☆そして、【ダイワパサー】という、中央から移籍して来たばかりの強敵もいたので、とにかく緊張!心臓バクバク!
しかし【オンテー】君、繊細なサラブレッドには珍しく、どっしり落ち着いていて動じない性格。まだ下級クラスだというのに、すでに大物の風格。
「俺にまかせとけ」てな感じで、スタートして難なくハナを切り、4コーナーで【ダイワパサー】が仕掛けて来ると、勝手にギアチェンジ。ものスゴク体が沈んでペースアップし、結果は楽勝☆
自厩舎初勝利をプレゼントしてくれただけでなく、走る馬とはどういうものかを教えてくれた。1番人気で王道のレースをして勝つ、というのは、ジョッキーにとってとても自信になる。
【オンテー】のレースに乗ったのはこの1度きりだけど、その後の私の騎手人生にとって、大きな影響を与えてくれた。
その後も、連勝街道を爆進していた【オンテー】君ですが、OP王手の時、追い切りでヒビが入ってしまい、引退する事に。予後不良になっても仕方ない状態でしたが、馬主さんの愛で乗馬クラブで治療する事になりました。結局、乗馬にはなれず星になったわけですが。
真っ白でムキムキだった【オンテー】君、【オンワードテースト】って名前だから、誰もが【ノーザンテースト】の仔だと間違えていた【オンテー】君、りんごが大好きだった【オンテー】君、私も馬主さんも、何年経っても君の事を忘れないよ。
今日もしつこくバレンタインネタ。
チョコレートを買いに行ったんですよ、伊勢丹に。そしたらまだ1週間も先だというのに、『バレンタイン特設会場』は女だらけの戦場と化していたのです。
暑いし、身動き取れないし・・しかも、4粒くらいでお値段5000円以上もする、超高級チョコに大行列。みんな、お金持ちだなぁ・・と感心しつつ、全然見えないので後日出直す事にし、結局自分の分だけ買って帰って参りました。
バレンタインは完全に、女子のイベントになってますよね。
「義理チョコってめんどくさい!」という人もいるようですが、私は好きです。
現役時代のバレンタイン、それはもぅ、たっくさんあげました。なんせ、周りはみんな男子ばかりですからね。それに、こんな時くらいしか、日頃の感謝の気持ちを表せないじゃないですか!
絶好調に乗っている時には、乗せてくれる人の数も多いので、60個くらい用意したし、逆に全然乗ってない年は20個くらいで、あげる数が少ない年は淋しい気持ちになりました。
中には、「チョコなんていらない!」と、受け取ってくれない人もいましたが、ほとんどの人が笑顔で受け取ってくれたので、あげる方としても「今年はどんなチョコにしようかな♪」と、楽しかったですね。
ジョッキー達には大きいのを買って、競馬場の控え室に置いておきました。でも、みんな私からのチョコだという事を気にしないで食べるので、
「あのチョコは私が買ったんです!」と、一人一人に言って回ってウザがられたりもしましたが。
だいたい2月14日は開催中が多かったので、現役時代は1度も手作りチョコを作らなかったな。
小学校5年から高校生の時まで、毎年作っていたのに・・。それで学校に持って行って、渡す前に先生に取り上げられて怒られたり、落として割れちゃったり、恥ずかしくて渡せなかったり・・と、ビターな思い出ばかりな気がする。
今年こそ!と思ってたけど、手作りする相手もいないし・・つまんな〜い!
男性はバレンタイン当日って、やっぱ意識してるんですかね?それとも普段と一緒?まぁ、女子ほどノリノリではないですよね。あ〜ぁ・・スウィートなバレンタインの思い出がほしいなぁ・・29歳心の声。