ばんえい競馬情報局とは?

ばんえい競馬の最新情報を提供します。重賞を中心に予想や回顧のほか、ばんえい競馬に関するコラムなどもご覧いただけます。
カレンダー
リンク
おすすめコンテンツ

« 2007年9月 | メイン | 2007年11月 »

2007年10月 アーカイブ

<<前へ 1234

やっぱり馬が好き(第40回) 旋丸 巴

2007年10月18日(木)

大好評マグカップ

 ナイター競馬が終わった途端に、ばんえい競馬にも秋風が吹いて、ちょっと売り上げが心許ない。いや、売り上げだけではなく、競馬場に来る観客も目に見えて少なくなった。

 この時期は、北海道は秋の収穫期。特に、農業が基幹産業の十勝では農家だけではなく、関連する様々な産業が大忙しの時期であって、だから、競馬場の入場人員や売り上げが低下するのも、ある意味仕方ないのだけれど、しかし、「仕方ない」と言って手をこまねいている訳には行かないので、ばんえい競馬応援団としては、あれやこれやと考えるのだけれど、色々な人の意見を聞いてみると、しばしば、「ばんえい競馬を、もっと魅力的に」というような意見に出くわすのである。特に、あまり競馬に親しんでいない方からは、そういう御意見を頂戴する……のだけれど……いや、ちょっと待って。本当に、今の、ばんえい競馬って、そんなに魅力がないの?

 情報局の読者諸氏なら御存知通り、答えはNO! そうなのである、ばんえいは既に充分な魅力を持った競馬なのである、スポーツなのである、競技なのである。

 ただし、である。その魅力が、充分に伝わっていない。いや、充分に伝えていなかった、という方が正しいかもしれない。

 という訳で、「ばんえい競馬の魅力を伝えよう!」と、私なりに奮起。勿論、私の本業は物書きであるから、各メディアでピーアールするのは当然だけど、もうひとつ、私が実験的に着手したのは「名馬グッズ」の作成。

 個性的な名馬達を知れば、ばんえい競馬の面白さ倍増すること間違いなし。だから、百花繚乱のヒーロー、ヒロインをグッズで紹介し、一人でも多くの人に彼らの個性を知ってもらおう、と考えたわけである。

071018-1.jpg

 という訳で、最初に作った名馬グッズが「フクイズミ・マグカップ」。先日(10月14日)のオープン戦・狩勝特別でも、ゴール前、怒濤の差し足でキッチリ差し切ったフクイズミ。厩舎サイドからも作成について快諾していただいたので、この愛しの芦毛ちゃんのマグカップを作って、競馬場の売店リッキーハウスで販売したのだが……。

 価格1500円という、ちょっと高めの値段設定にも関わらず、これが大好評でアッという間に売り切れ。慌てて増産する、ということに相成った。しかも、嬉しいことに、お客様からは「他の馬のはないの?」と尋ねられることも、しばしば。

 それでは、ということで、先日、第2弾として、「アンローズ・マグカップ」も販売開始したのだけれど、これまた売れ行き上々で、まずは一安心というところである。

 因みに、フクイズミ・マグカップは1種類、アンローズについては2種類のマグカップを作ったけれど、いずれにも小さな「紹介メモ」を入れた。生年月日や戦績の他、この馬の特徴なんかも記して、少しでもファンに楽しんでもらおう、というのが狙い。このマグカップで一人でもディープなファンが増えてくれれば嬉しいのだけれど……。

071018-2.jpg

071018-3.jpg

 そんな名馬マグカップだけれど、関係者からは早くも「次は、どの馬のマグカップ作るの?」とか「あの馬のマグカップを作ったらいいのに」というような御意見を多数いただいていて、はてさて、どうしましょうか? 私個人としては、次はミサイルテンリュウかな、などと考えているのだけれど、貴見いかが?

付記:一昨日、フクイズミの厩務員ヤスさんから、「アン姐さんだけ2種類なんて、ズ・ル・イ ズ・ル・イ」というメールが届いた。「そのうち、マグカップの売り上げで大儲けしたらフクイズミの別バージョンも作りますけん」とお返事メールを出して、しかし、1個につき利益は40円。なので、余程売れない限り「大儲け」には、ほど遠く……。

レース回顧(10/13~10/15)

2007年10月15日(月)

 13日(土)もみじ特別(3歳以上混合700万円未満)が行われ、1番人気のシンザンウィークが優勝。前走2着に続く勝利で、好調をアピールしました。
 馬場水分2.3%の重馬場とあって、各馬第2障害で苦戦。そうしたなかシンザンウィークが先頭で障害を越え、カツテンリュウも1馬身ほどの差でこれを追走。徐々にカツテンリュウが差を詰めてきましたが、残り10メートルを切ってからは脚いろが同じになり、結局シンザンウィークが先頭でゴール。0秒6差の2着にカツテンリュウで、障害5番手から脚を伸ばしたホクショウダイヤが3着に入線しました。

 14日(日)のメインレースは狩勝特別(3歳以上オープン)が行われ、フクイズミが勝利。後方から豪脚を繰り出し、今季3勝目を挙げました。
 第2障害は予想どおりミサイルテンリュウが先頭で越える展開。しかし徐々にその脚いろが鈍り、残り20メートル付近でタケタカラニシキ、ミサイルテンリュウ、トカチプリティー、スーパークリントンの4頭が一線となる好レースとなりました。そこから、まずはミサイルテンリュウが脱落。続いてタケタカラニシキが止まり、残り5メートル付近でスーパークリントンもストップ。トカチプリティーだけが歩き続けて勝利、と思われたところで、障害6番手から飛んできたのがフクイズミでした。ゴール前は6頭が入り乱れる大混戦でしたが、結果2着がトカチプリティー、フクイズミと並んで障害を下りたエビスオウジャが3着。以下、カネサブラック、スーパークリントン、ミサイルテンリュウの順で入線しています。

 この日の第7レースは2歳A-1戦が行われ、オレワスゴイが快勝。一時期調子を落としていましたが、前走に続く勝利で復活をアピールしました。2着にキンセイモン、3着リードムサシ。1番人気のコトブキタイガーは4着に敗れました。

 15日(月)はメインレースにいちょう特別(3歳以上500万円未満)が行われました。ここを制したのはライジングサン。7月以来となる今季2勝目を挙げました。
 第2障害を先頭で越えたライジングサンは、重馬場をものともしない軽快な脚を披露し、一気にリードを広げました。しかし残り5メートルでいったん止まり、さらにゴール寸前でもう一度ストップ。ヒヤヒヤする内容でしたが、コトノカツマの追撃を振り切って先頭でゴールを果たしました。3着は、最後方に近い位置から追い込んだテンカが入線。

映像はこちら。またこれらを含め2カ月前までの映像は、すべてオッズパークにてご覧いただけます。

馬券おやじは今日も行く(第38回) 古林英一

2007年10月13日(土)

内田靖夫という人

 みなさん、お変わりございませんか。北海道は突然寒くなりました。この週末は平地でも初雪になるかもしれないとの予報が出ております。ばんえい観戦も暖かい服装でおいでくださいませ。

 みなさん『ばんえいまんが読本』という書物をご存じでしょうか? 小生、この1~2年、あちらこちらで、ばんえいの歴史なんぞを書いたり喋ったりする機会があるのですが、その際、もっとも参照することが多い本がこの『ばんえいまんが読本』なのであります。ネタバレ覚悟で白状しますと、小生が偉そうにばんえいの歴史なんぞをあちこちで書いたり喋ったりするとき、実はこの本がネタ元になっていることが多いのです。

 著者は内田靖夫という人です。亡くなって久しい人なので、小生も残念ながらお目にかかったことはありません。北海道の古い競馬関係者のなかには「ばんえいというのは内田さんの競馬みたいなもんだったからね」という人がいるくらいの人です。ばんえい競馬を草創期から今のかたちにつくりあげた大プロデューサーです。

 『ばんえいまんが読本』は1978年に当時の北海道市営協議会が発行した本です。市営協議会というのは、市営競馬組合の前身みたいな組織です。現在オッズパークばんえいマネジメントで活躍されているMさんやFさんがその昔就職したのはこの市営協議会でした。Mさんの話だと、当時の就職試験には算盤があったそうです。

 それはともあれ、書名だけを見ると、マンガでばんえい競馬を紹介・解説したパンフレットみたいな印象を受けますが、そんなちゃちな本ではありません。ばんえい競馬成立の事情、ルールの変遷、馬具の変化、馬の品種、さらには当時の競馬場の紹介と、内容は実に豊富です。いわばエンサイクロペディア・オブ・ばんえいです。

 ばんえい草創期、いやそれ以前から深くばん馬に携わった内田靖夫自身が自ら執筆しているだけでなく、ふんだんに挿入されているマンガタッチの挿絵も内田靖夫自身が描いたものなのです。このマンガタッチの挿絵がまさに玄人はだしで素人離れしたものなのです。

 素人離れしているのも当然で、この内田靖夫という人、第二次世界大戦前から戦中にかけて活躍した漫画家・岡本一平(画家・岡本太郎の父)に師事していたのです。

 さらに驚いたことに、内田は自らの日中戦争への従軍記を『馬部隊』という書名で出版しているのです。もちろん内田自らが描いた挿絵つきです。比較的古くからばんえいに携わっている人たちの殆どは内田をよく覚えていると思うのですが、内田が戦時中に本を出版していたということを知る人は少ないのではないでしょうか?

 小生がこの『馬部隊』を知ったのは全くの偶然です。『ばんえいまんが読本』が欲しくて、もしかすると、古書で売りに出ていないかと思い、インターネットの古書検索サイトで「内田靖夫」で検索したら、たまたまとある古書店から『馬部隊』が売りに出ていたのです。その段階では、同姓同名の人かとも思ったのですが、なんせ馬関係の書籍ですし、もしかすると…と思って購入したのです。

 『馬部隊』によると、内田は獣医として北海道庁に勤務しており、たまたま十勝に出張中に召集を受け、中国戦線に出征することになります。ついでにいうと、当時の北海道庁は地方自治体ではなく国家機関です。ですから北海道には知事はいませんでした。北海道庁の長は長官です。『馬部隊』はその当時馬がいかに重要な軍事家畜であったかを教えてくれます。

 マンガ家志望から獣医へ、さらにばんえい競馬へ。まことに興味深い人物です。ぜひもう少し詳しく調べてみたいと思っている次第です。内田靖夫に関する資料や情報をお持ちのかたはぜひご一報くださいまし。

※お詫び:当初、内田靖夫氏が、「のらくろ」の田河水泡氏に師事していたと書いていましたが、これは岡本一平氏の誤りでした。本文はすでに訂正してあります。

今週の見どころ(10/13~10/15)

2007年10月12日(金)

今週の日曜日(14日)帯広競馬場では、10月31日(水)に大井競馬場で開催されるダート競馬の祭典・JBC(クラシック・スプリント)オリジナルグッズのプレゼントが行われます。来場先着1000名様に入場門にて抽選整理券を配布し、整理券を持つ全員に、キャップまたは、ストラップが当たります。どうぞお早目にご来場ください。

10月13日(土)のメイン第11レースは、もみじ特別(混合700万円未満)。この条件を4連勝していたギャンブラークインがオープンに昇級したことで、一転、混戦ムードが漂います。
ホクショウダイヤは、今季この条件で5戦1勝、2、3着各1回の好成績を収めているほか、オープン混合でも勝利しています。追い込み一手の脚質だけに、前走(8着)のように、あまり障害に手間取ると厳しいものの、順当なら今回も上位進出は間違いないでしょう。
オープン混合1着を含め、今季開幕から1度も掲示板を外していなかったバンゼンですが、5走前からの混合700万円未満では、ちぐはぐな競馬で4走連続して8着以下。先行して粘り込む競馬が身上だけに、強力な同型馬・ギャンブラークインの存在は目の上のたんこぶだったに違いありません。前走は4着とやや持ち直しただけに、ギャンブラークイン不在の今回は変わり身を期待したいところです。
ほか、今季この条件で勝利を挙げているシンザンウィークアローコマンダーも差はありません。また障害次第ですが、唯一の700万円条件馬グレートサンデーの一発にも警戒が必要でしょう。

10月14日(日)のメイン第11レース狩勝特別(オープン)には、前開催の岩見沢記念の1~5着馬が揃って出走してきました。
その岩見沢記念を制したのが、今季ここまで未勝利だったトモエパワー。逃げてゴール線上で一杯になったミサイルテンリュウを障害4番手から差し切りました。今年3月のばんえい記念圧勝の実績のとおり高重量戦での強さは特筆もの。今回は前走から約100キロ減量され745キロと決して得意の条件ではありませんが、復調なったとあれば、期待をかけてみたいところです。
岩見沢記念では、6番人気で2着に食い込み馬単万馬券の立役者となったカネサブラック。これまで実績のない重量での連対だけに成長を感じさせました。今回は、エビスオウジャミサイルテンリュウらとトップハンデ750キロでの出走ですが、好走の可能性も十分でしょう。
最後はカネサブラックにも交わされ惜しい3着のミサイルテンリュウは、障害で後続との差を広げる得意の競馬に持ち込んでの敗戦だけに悲観する必要はなく、今回も上位をうかがう存在に違いありません。同5着のフクイズミも、最後はよく追い込んでおり、今回は巻き返しの可能性もあります。
岩見沢記念不出走組では、700万円条件で逃げて4連勝を飾りオープン入りしたギャンブラークインや、9月9日の金杯で穴をあけたトカチプリティーが不気味な存在です。

この日の第7レースは2歳A1戦が組まれています。
ここはやはり、前回の2歳A1で2着のコトブキタイガーが中心でしょう。
白菊賞を制し2歳牝馬ナンバー1のカネヅル、前走A2を圧勝し復調ムードのオレワスゴイがどこまで迫れるかに注目です。

10月15日(月)のメイン第11レースは、いちょう特別(500万円未満)。
この500万円条件の特別戦は上位クラスを臨む、勢いのある馬たちが多く集まるだけに連勝するのは至難の業です。そんななか今季、唯一連勝を飾っているのがキョクシンオー。05年シーズンには、オープンでトモエパワー、エビスオウジャらを破った実績の持ち主で、今回も上位をうかがう存在でしょう。
ライジングサンは、安定した障害力を武器に、今季この条件で13戦して1勝のみも2着5回、3着2回と堅実な成績を残しています。前開催の神無月特別では、エメラルドには僅かに及びませんでしたが、キョクシンオー(3着)には先着しています。
神無月特別4着フクノカミカゼも有力、同7着のコトノカツマも2走前の混合600万円未満ではライジングサン(3着)とコンマ3秒差4着に健闘しています。また昇級2戦目でクラス慣れが期待できる銀河賞馬ツジノコウフクも一角崩しを狙います。

レース回顧(10/6~10/8)

2007年10月 9日(火)

 6日(土)は石勝特別(3歳以上オープン)が行われ、スターエンジェルが快勝。今季2勝目を挙げ、オープン戦線における存在感を示しました。
 馬場水分が2.3%まで下がり、各馬第2障害で苦戦を強いられましたが、障害には定評のあるニシキダイジンが先頭でこれをクリア。続けてホクトキング、スターエンジェルも障害を越え、さらにナリタボブサップ、シンエイキンカイあたりも勝負圏内でクリアしました。先頭のニシキダイジンは残り30メートル付近から脚いろが鈍りはじめ、代わって先頭に立ったホクトキングもスローダウン。そうしたなかスターエンジェルだけがきっちり脚を伸ばし、残り20メートルを切って先頭に躍り出ると、そのままゴールを果たしました。追い込んできたシンエイキンカイ、ナリタボブサップが脚いろの鈍った2頭を交わして2、3着。以下、ニシキダイジン、ホクトキングの順で入線し、1番人気のサダエリコは6着に終わりました。

 7日(日)は秋桜賞(3歳オープン)が行われ、昨季のイレネー記念2着馬シベチャタイガーが優勝しました。
 第2障害はアローファイターとシベチャタイガーの実績馬2頭が並ぶようなかたちでクリア。いったんは先頭に立っていたアローファイターですが、残り30メートルを切ってから脚が重くなり、シベチャタイガーが先頭へ。その後シベチャタイガーはゴール寸前で脚が止まりましたが、すぐに立て直して1着でゴールイン。アローファイターは、重い馬場に苦戦して残り10メートル付近で立ち止まったものの、後続の追撃を振り切って2着を確保しました。3着には牝馬のプリンセスモモが入線。

 この日の第10レースに行われたのは北央産駒特別(2歳産地限定)。ここはウメノタイショウが1番人気にこたえて優勝しました。
 第2障害を先頭で越えたウメノタイショウは、軽快に脚を伸ばして楽勝ムード。しかし、重量をさほど積まれていないとはいえ、2歳馬にとってこの日の重い馬場は過酷なもの。ウメノタイショウもゴール線上で脚が止まり、どっと押し寄せた後続に交わされそうな勢いでしたが、これを何とかしのぎきって、先頭ゴールを果たしました。2着は、障害2番手から追い込んだエナジーユウシオ。3番手で障害を越えたタイソンショウが、きわどいところまで追い込み、3着でゴールしています。

 8日(祝・月)は重賞のクインカップ(4歳牝馬オープン)が行われ、ヒメカワキタが重賞初制覇を果たしました。このレースについては別掲のクインカップ回顧をご覧ください。

映像はこちら。またこれらを含め2カ月前までの映像は、すべてオッズパークにてご覧いただけます。

<<前へ 1234
Copyright (C) OddsPark Banei Management Corp. All Rights Reserved.