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2005年10月 アーカイブ

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馬券おやじは今日も行く(第8回)  古林英一

お引っ越し

 6月18日にはじまり、8開催48日間に及んだ岩見沢開催は、小生の愛してやまないアンローズの岩見沢記念連覇で幕を閉じた。レースはアンローズとサダエリコの牝馬2頭で決まり、馬券的にもまことにもって気持ちよいレースであった。王者スーパーペガサスがまさかの敗退となったのであるが、「女刺客」が今年のトレンドということか。

 さて、北海道はここのところ急速に気温が下がり、あれだけ暑かったのが嘘のようだ。今週からは北見開催である。トレーニングセンターのないばんえい競馬では、開催場替わりは「お引っ越し」の季節でもある。春の旭川、夏の岩見沢、秋の北見、そして冬の帯広へ、馬も人も広い北海道を季節に応じてお引っ越しだ。馬と人だけではない、調教用ソリや家具などもまとめてのお引っ越しだ。そういえば、岩見沢の馬場に並んでいた調教用ソリもすっかりなくなっている。

 岩見沢の最終日(10月3日)、お引っ越しの様子をみせてもらうべく、岩見沢競馬場の厩舎エリアにお邪魔した。みなさんさぞや忙しくしておられるかと思っていたのだが、まだレースが終わっていなかったせいか、思っていたほどの喧噪はなく、案外静かなものだ。

Photo_4  岩見沢の厩舎エリアはパドックの後方から坂を下っていったところにある。現在の岩見沢競馬場は1976年に完成した(現在地への移転は1965年)ものだ。当時は地方競馬場のスタンドとしてはたいへんに大きなものだったという。故中西関松氏の奥様にお話をうかがったときにおっしゃっておられた話だが、昔は岩見沢開催のときには仮設の厩舎をつくって馬を繋いでいたという。ところが、この馬の繋用地がとんでもないところで、雨が降ったりすると泥沼になってたいへんだったそうだ。それに比べれば今の厩舎は立派なものなのだろうが、それでも見るからに年季モノの建物も多い(写真)。

A_2  厩舎村のあちこちに大型トラックがとまり、さまざまな荷物が積まれている。われわれの引越と違って重量物が多いので、トラックにはクレーン付きのものが使われる(写真)。引越のトラックは厩舎がそれぞれに手配する。えさ屋さんのトラックだったり、運送業者のトラックだったり。青森ナンバーや秋田ナンバーのトラックもちらほら見える。輓馬の世界が東北地方との強いつながりを持っていることが実感される。

C_2  家財や馬具の輸送は小型トラックだ(写真)。衛星放送受信用のアンテナもとりはずされている。すべてが馬と一緒に旅するのがばんえい競馬である。

  

Photo_3  旭川から北見というのが最も長い移動だ。高速を使っても5時間くらいかかるという。馬も人もほんとにご苦労様といいたくなる。朝早く出発することが多いようだ。途中ちょいと立ち寄った山田厩舎ではすでに馬の半分くらいは先に北見に行ったそうだ。どこの厩舎もすでに馬房は閑散としている。最終日に出走した馬もぽつんと寂しげに繋がれている(写真)。

 今は岩見沢の厩舎を使っているのはばんえい競馬だけだが、旭川の場合は今でも道営ホッカイドウ競馬とばんえい競馬の両方が厩舎を利用している。先日、こちらももうすぐ開催地替わりのホッカイドウ競馬旭川開催を観戦し、田部和則厩舎におじゃまし、田部師の奥様と世間話をしていたときにうかがった話をひとつ紹介しよう。

 田部師の奥様は秋に旭川の厩舎を引き払う際、きれいに掃除して、トイレにトイレットペーパー、台所にボックスティッシュをおいていかれるのだそうだ。すると、翌年、やはり同じようにきれいに掃除された厩舎には、トイレットペーパーとティッシュがちゃんとおかれているのだそうだ。お互い顔も名前も知らないどうしだが、ちょっと心温まる話ではある。

レース回顧(10/1〜10/3)

2005年10月 3日(月)

 今シーズンの岩見沢最終開催となったこの3日間。6月からのロングランも、無事フィナーレとなりました。開催メインの岩見沢記念は、アンローズが快勝して見事に連覇を達成(詳細は別掲)。その余韻もさめやらぬうちに、来週からは北見競馬場へ舞台が移されます。オホーツクブルーの空のもと、充実のレースを期待しましょう。
 さて、1日(土)に行われた神無月特別(550万円未満)プリンセスサクラコが1番人気にこたえて快勝しました。あっさりと障害をクリアすると、その後も確かな脚取りでゴールまで。上位人気に推されたタカギクとエビスコマチの2頭も追い上げましたが、余裕たっぷりのプリンセスサクラコに、なすすべがありませんでした。昇級初戦での派手な勝ちっぷりに、今後も期待できそうです。
 3日(月)のメインレース、クリスタル特別(4歳)エンジュオウカンが優勝。7月以来の勝ち星で、今季2勝目となりました。とはいえ、今季はこれまで5着以下がなく安定した成績。このレースでも、差のない2番手で第2障害をクリアして、ジワジワ脚を伸ばす堅実なレース運びを見せました。やはり現4歳世代は、この馬を中心に回っている印象です。
 そのほか注目の一戦としては、2日(日)の第5レースの2歳A-1戦マルミシュンバが快勝し、通算成績を5戦4勝としました。1番人気に推されたメダマは精彩を欠き、5着に敗れています。また同日の第10レース、北央産駒特別(2歳、北央地区産駒限定)は、ニシキセンプーが勝利。8月の青雲賞勝ちの意地を見せました。

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10/2岩見沢記念回顧

2005年10月 2日(日)

アンローズが連覇!

 2日(日)に行われた岩見沢開催の総決算、岩見沢記念(3歳以上オープン)は、アンローズが優勝。昨年に続く連覇を達成しました。
 レース序盤は1番人気のスーパーペガサスが終始先行。アンローズは、それを見るかたちで追走しました。そして第2障害に真っ先に挑んだスーパーペガサスですが、ひと腰目がまったく上がらず苦戦。その間に、障害巧者のミサイルテンリュウが先頭で第2障害をクリア。2番手でアンローズが続く展開となりました。
 ゴール20メートル手前あたりで先頭に躍り出たアンローズは、確かな脚取りでゴールを目指します。外から絶好調のサダエリコが猛追してきましたが、2番手に上がるのが精一杯。そのままアンローズが先頭でゴールを果たし、7個目の重賞タイトルをゲット。2着サダエリコ、3着にミサイルテンリュウが入り、王者スーパーペガサスは7着に敗れました。

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大友栄人調教師
「去年に比べると、調子はあまりよくありませんでした。動きはいいのですが、体調面がよくなかったですね。
 レースは第2障害を越えたところで前との差もなかったし、差しきれるなと思いました。でも、正直アンローズが勝つとは思わなかったですよ。北見記念も連覇できるように、それからケガをさせないように(苦笑)、がんばります。今季はばんえい記念も使うつもりです。
 スーパーペガサスは、ばんえいグランプリの時と同じくらいのレース間隔だったし、ローテーションは悪くなかったと思います。ただ今日は馬があせってレースをしていた感じでしたね」

藤本匠騎手
「今季は少しきつい調教をすると体調を崩してしまって、今回も体調面では万全とは言えませんでした。成績は安定していましたが、底力で勝っていた印象ですね。
 今回のレース前は流れに乗りつつ、この馬のレースができれば、と思っていました。ミサイルテンリュウが先に抜け出しましたが、アンローズはジワジワと平均に歩くタイプだから交わせると思いました。でも、うしろから追い込んでくる馬もいるから、ゆっくり交わしていこうと心がけました。残り10メートルくらいで外を見たら、差される感じはなかったから、勝てると思いましたね。
 時計が掛かってくれる馬場のほうが、この馬には合っています。いつもマジメ一筋。一生懸命走ってくれますよ」

10/2岩見沢記念予想 矢野吉彦

2005年10月 1日(土)

ペガサス、アンローズを中心に相手を絞る

 いやいや、たとえ人気サイドの決着とはいえ、ばんえいグランプリ、クインカップ、ばんえい大賞典と、当コラムの予想が3連勝を飾りました。いったいどうしちゃったんでしょうね? 自分でも驚いています。さて、今回は秋の大一番、伝統の岩見沢記念。4連勝目指して予想しましょう!

 ここも、フツウに考えれば、スーパーペガサスが中心。相手は、最近の成績からすると、アンローズ、サダエリコ、シンエイキンカイ、それにミサイルテンリュウといったところでしょう。もう結論が出ちゃいました。スーパーペガサスを頭にした馬単流し。チャンピオンホースを信用するなら、これでいいと思います。ただここは、各馬が800キロ以上のソリを引く高重量戦。スーパーペガサスはいいとして、その他の馬は大丈夫でしょうか。
 まずはアンローズ。この馬は、去年の岩見沢記念で800キロ、北見記念で840キロを引いて、いずれも優勝しています。去年の岩見沢記念の前3走は、5、2、5着という成績。今年は2、2、1着。ローテーションは違いますが、着順からすれば去年よりも順調です。去年の実績もありますから、ここは打倒スーパーペガサスの筆頭と言ってもいいくらいです。この馬から馬単を買う手もありますね。
 ところがサダエリコは、800キロ以上のソリを引いたレースを3回経験しているものの、6、7、3着とまだ勝ち星がありません。さらにシンエイキンカイは、今回のばんえい重量が820キロ。この目方以上のソリを引いたレースは、22戦1勝、2着2回、3着7回という成績です。健闘しているようには見えますが、勝ったのは02年の帯広・然別賞(850キロ)だけで、それ以降の14戦では連対していません。2年半以上、1、2着に絡んでいないわけです。そしてミサイルテンリュウも、800キロ以上のばんえい重量では2戦未勝利(6、4着)。ということは、今回はスーパーペガサスとアンローズの一騎打ちになるかもしれません。
 一方、高重量戦だからこその復活があるとすれば、やっぱりミサキスーパーでしょう。岩見沢記念には過去2回出走していて、一昨年が4着。去年はアンローズ、スーパーペガサスに次いで3着に粘っています。ここ数戦の成績からは去年ほどの順調さを感じませんが、サダエリコやシンエイキンカイ、ミサイルテンリュウが重いソリに苦戦すれば、この馬の巻き返しがあってもおかしくないところです。
 では結論。スーパーペガサスとアンローズの馬単折り返し。それに、この2頭を頭に、サダエリコとミサキスーパーへの馬単。とにかく、この4頭に絞ります。シンエイキンカイとミサイルテンリュウまで手を広げると買いすぎになっちゃいますから。買い目は6点ですので、あとはオッズとの相談です。
 当日は中央競馬でもGⅠのスプリンターズSが行われますが、あっという間に終わる電撃の6ハロン戦とはまるで違う岩見沢記念も、大いに楽しんでください。では、今回はこのへんで。

10/2岩見沢記念予想 斎藤修

アンローズから勝負!

 前回のばんえい大賞典は○◎でようやく的中。しかし3、2番人気の決着で馬連複420円と堅かった。
 ホントに今年の岩見沢は堅かった。北斗賞こそスーパーペガサスが6着に沈んで馬連複7,410円と荒れたものの、ばんえいグランプリはペガサスが雪辱し1番人気のサダエリコが2着。クインカップも2、1番人気の決着で馬連複は310円だった。

 さて、岩見沢記念。スーパーペガサスとサダエリコがそれぞれプラス10キロではあまり荒れる要素は見当たらない。人気になるであろうペガサス、サダエリコ、アンローズをどう評価するかだが、重賞6勝のうち3勝を岩見沢で挙げているアンローズを中心にする。昨年もスーパーペガサスとは30キロ差だった。連覇濃厚と見る。
 とはいうもののサダエリコも岩見沢で重賞4勝、ペガサスに至っては5勝だから、実はこの3頭に限ってはコース適性も何もあったものではない。しかしアンローズにとっては岩見沢最終開催のここが勝負に違いない(と、勝手に決めつける)。
 2番手にどちらをとるかだが、サダエリコの安定感を買ってみたい。スーパーペガサスが3番手。
 あえて穴を探すならこの重量がこなせないわけではない上に、忘れられたときに来るシンエイキンカイまで。
 ミサキスーパーは近年この時期にはまだ本調子ではないことが多く見送り。
 北斗賞2着のミサイルテンリュウはメンバー的にも重量的にもここではまだ荷が重い。

 ◎アンローズ
 ○サダエリコ
 ▲スーパーペガサス
 △シンエイキンカイ

 たとえばペガサス→アンローズで決まったりすると印としては的中だが、またまたそんなに堅い決着でもしょうがいないので、アンローズ1着の馬単流しとする。シンエイキンカイがあまり人気がないようであれば、キンカイから馬連複で少額で流してもおもしろいかもしれない。

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