今年正月の新春賞で上位3着までを占めたのが、1着アクロマティック、2着エーシンクリアー、3着サウスウインド。その後、いずれも崩れることがあまりなく、勝ったり負けたりで甲乙つけがたい力関係。その中でも若い5歳で、北海道への一時移籍で力をつけたサウスウインドに期待する。今回も鞍上には高知から赤岡修次騎手が呼ばれた。赤岡騎手はこれまでサウスウインドに重賞で3回騎乗して2勝、2着1回と相性もいい。
アクロマティックとエーシンクリアーは、新春賞以降重賞で5度の直接対決があって、アクロマティック3勝にエーシンクリアーが2勝。前走金沢のイヌワシ賞ではエーシンクリアーが強い勝ち方を見せたが、地元園田での安定したレースぶりからアクロマティックを上にとる。
南関東から重賞2勝のオウマタイムが遠征してきた。昨年羽田盃で惜しい2着のあとはもうひと息という成績。9カ月ぶりの復帰戦が遠征競馬で実力発揮となるかどうか。
今年4月デビューですでに40勝を挙げているという新人の加藤聡一騎手で、名古屋からの遠征がヴェリイブライト。名港盃ではアクロマティック、エーシンクリアーからやや差をつけられての3着。今回はアウェーとなる園田でその差を詰められるかどうか。
3年前のこのレースの勝ち馬で、12歳になったダイナミックグロウだが、今年も3走前のA1特別では早め先頭から押し切って勝利を挙げている。マイペースで逃がすと油断できない存在だ。
◎1サウスウインド
◯12アクロマティック
▲2エーシンクリアー
△7オウマタイム
△6ヴェリイブライト
△4ダイナミックグロウ
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地元勢には連戦連勝という馬がなく、おまけにここまで行われた2歳牝馬の重賞3戦はいずれも勝ち馬が異なるという混戦ムード。一方の中央勢もダート経験馬は1頭だけと、なかなかに能力比較が難しいメンバー。
そんななかで本命はピンクドッグウッド。デビュー勝ちのあとのウィナーズチャレンジでは、その後に栄冠賞やイノセントカップを制するバンドオンザランを負かしていた。その後1000メートルのフルールカップを制したものの、前走リリーカップでは1番人気に支持されながらあまり見せ場もないまま4着。負けるときはあっさりだが、ここ一発の勝負強さに賭けてみる。
中央勢では唯一の2勝馬がリエノテソーロ。すずらん賞での直線3頭の競り合いから抜け出したという勝ち方は強かった。能力上位であることは間違いなく、問題はその能力がダートで存分に発揮できるかどうかということだけ。
ハタノオヌールは、フルールカップでは逃げて直線で失速したが、リリーカップでは一転控える競馬で直線抜け出し、シェアハッピーとの競り合いを制した。その一戦できっかけを掴んで能力発揮という場面もありそう。それにしてもピンクドッグウッドもこの馬も同じサウスヴィグラス産駒。昨年、エーデルワイス賞JpnIIIから北海道2歳優駿JpnIIIと連勝したタイニーダンサーも父はサウスヴィグラスだった。その勢いはまだまだ続きそう。
そしてリリーカップではハタノオヌールと叩き合いとなって、惜しくもアタマ差2着だったのがシェアハッピー。能力的に差はなく、展開次第でチャンスは十分。
中央勢のダート経験馬はアイルキャッチユー。デビュー戦を11番人気で勝ったという経験だけで、このメンバーに入ってどこまでやれるか。父アイルハヴアナザーには期待したいが、いきなりこのメンバーで頭までは想像しにくい。
リリーカップは差のある6着だったもののフローラルカップを制したオーブスプリング、やはりサウスヴィグラス産駒のアップトゥユーらも2歳のこの時期だけに上積みがあれば上位を争う力はありそう。
◎12ピンクドッグウッド
◯14リエノテソーロ
▲8ハタノオヌール
△5シェアハッピー
△11アイルキャッチユー
△15オーブスプリング
△1アップトゥユー
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早いものでホッカイドウ競馬の今シーズンの開催も、今週の瑞穂賞、エーデルワイス賞JpnIIIが終わると、残すところ2開催。ついこの前2歳の新馬戦が始まったと思ったら......というのは大げさだが、6カ月半の開催はあっという間だ。
というわけで道営記念の前哨戦となる瑞穂賞。他地区に転出もせずに期待にこたえて見事に成長を遂げたオヤコダカが、赤レンガ記念から連勝で道営記念まで勝ち続けるのかどうか、注目の一戦でもある。1800メートル戦は、昨年の瑞穂賞が2着で、今年初戦のコスモバルク記念も2着。内回りが得意と言われるが、それも「強いて言えば」という話であって、外回りが不得手というわけではないだろう。今回と同じ57キロでは、星雲賞、旭岳賞を楽勝しており、今回外回りになったぶん、他馬に付け入るスキがあるかどうかという程度。中心は揺るぎない。
相手筆頭は、今年の3歳二冠馬スティールキング。大井に遠征した黒潮盃は中団からの追走となって流れに乗れないままという感じで5着。前走、初めての古馬との対戦となったA1A2特別を快勝。55キロという斤量なら勝負になるのではないか。
不気味なのはバラブシュカ。中央1勝から今季途中に転入し、その後は1800メートル戦のみを使われて5連勝。持ちタイムは1分53秒4(不良)。そのタイムでのパフォーマンスならいきなりでも通用する可能性はある。
昨年の道営記念の覇者グランプリブラッドは、今シーズンここまで惜しいところで勝ちきれず。今回は別定58キロを背負って、道営記念につながればというところ。
ジュエルクイーンは牡馬と対戦する古馬の重賞には初挑戦。同じ距離のノースクイーンカップ2着の内容からは通用する可能性は十分。
◎7オヤコダカ
◯3スティールキング
▲5バラブシュカ
△8グランプリブラッド
△9ジュエルクイーン
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今年から中央枠が7頭になったものの、10月1日のシリウスステークスGIIIにまわった馬が何頭もいて、中央馬は結局6頭。この週は中央が3日間開催ゆえ鞍上もだいぶ変わっている。中央6頭のうち引き続き主戦騎手が騎乗するのは、アスカノロマン、ホッコータルマエ、ベストウォーリアの3頭。一方、コパノリッキーは、武豊騎手が京都大賞典でキタサンブラック騎乗があるため、一昨年の東京大賞典GI以来となる田邊裕信騎手に戻る。レーザーバレットには金沢の吉原寛人騎手、ラテンロックには地元の山本聡哉騎手となった。
コパノリッキーは、帝王賞JpnIを勝って以来、休養十分で臨む一戦。休み明けは、コースレコードで圧勝した一昨年のJBCクラシックJpnI(盛岡)や今年のかしわ記念JpnIなどがあり、まったく問題ない。というより、むしろ休み明けにあっと驚く走りを見せる印象がある。ここまでGI/JpnIは7勝。ここを勝てば、ホッコータルマエのGI/JpnI・10勝という日本記録に一歩近づく。
ベストウォーリアにはこのレース3連覇がかかる。今年はホッコータルマエ、コパノリッキーという現役のチャンピオン級2頭の出走で、過去2回より格段にメンバーのレベルが上った。ただ南部杯では、ブルーコンコルドが3連覇、エスポワールシチーが3勝、古くはユートピアが連覇など、リピーターが多いレース。コースの得手・不得手が出やすいコースなのかもしれない。昨年のフェブラリーステークスGI以降は負けても差のないレースがほとんどで、相手は強いがチャンスはある。
アスカノロマンは帝王賞JpnIこそ惨敗だったが、フェブラリーステークスGIでは勝ち馬からコンマ2秒差の3着、アンタレスステークスGIIIではアウォーディーに半馬身差の2着、平安ステークスGIIIでは、その後韓国のGIでワンツーとなったクリノスターオー、クリソライトを5馬身千切る圧巻の逃げ切りと、レベルの高い競馬を続けていた。いつGI/JpnIを勝ってもおかしくはない実力と見る。
コパノリッキーとは対称的に、休み明けイマイチなのがホッコータルマエ。昨年の秋初戦JBCクラシックJpnI(大井)でもコパノリッキーから差のある3着だった。実力発揮は次走以降と見て△まで。
レーザーバレットは、一線級が揃ったこのメンバー相手にどこまでやれるか。速い流れになって末脚を生かせる展開なら上位争いも。
◎12コパノリッキー
◯13ベストウォーリア
▲8アスカノロマン
△10ホッコータルマエ
△5レーザーバレット
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デビューから2連勝というハクユウロゼの前走1750メートル戦は、行きたがる馬を抑え、前に馬を置いてという競馬を教えたようなレース。2着ロトスキャンダルとの着差は僅かだったが、実際にレースをしたのは直線だけという楽勝。実力の半分程度しか出していないレースぶりで、秘めた能力はまだまだ高いところにありそう。
オヒナサマの前走は、後続を引きつけての逃げで、3コーナーから徐々に後続との差を広げると、直線では手綱を引っ張ったままの楽勝。不良馬場でタイムが出やすい馬場だったとはいえ、そのレース内容は評価できる。
スーパーマックスはデビューから3連勝。前走は、2番手追走から3コーナー過ぎで先頭に立つと後続を寄せ付けずという完勝。距離延長にも対応できそう。父リーチザクラウンは、産駒数が少ないながらも中央でも目覚ましい活躍を見せているだけに注目だ。
ここまで3頭はいずれもまだ目いっぱいの走りをしておらず、どこまでの能力があるのか楽しみなところ。
1750メートル戦でハクユウロゼの2着だったロトスキャンダルには大井の真島大輔騎手が騎乗。ロイヤルピンクはデビューから3戦連続2着で、上記オヒナサマ、スーパーマックスが相手だった。この2頭は、現時点での素質馬が集結したメンバーとなって、どこまで食い下がれるか。
◎10ハクユウロゼ
◯1オヒナサマ
▲3スーパーマックス
△7ロトスキャンダル
△6ロイヤルピンク
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