ばんえい競馬の古馬の一線級には、常に勝ち負けというタイプと、年に1、2度しか勝てないものの、ここ一番に強いというタイプがいる。10歳になったキタノタイショウは明らかに後者。今シーズンのばんえい古馬重賞戦線は、北斗賞、ばんえいグランプリで上位4着までを占めた4強という感じで推移しているものの、負担重量が重くなったどこかで狙おうと思っていたのがキタノタイショウ。昨シーズンも北見記念まで勝利がなく、7番人気での勝利だった。今シーズンは2走前に初勝利を上げており、昨年以上に調子を上げて臨んでくると見る。
相手筆頭は岩見沢記念を制したフジダイビクトリー。6歳2強のオレノココロ、コウシュハウンカイより10キロ軽い860キロで臨めるのは有利。
安定感ではコウシュハウンカイが抜群。今シーズンここまで13戦して3着以内を外したのはたった一度だけ。たとえトップハンデでもほとんど崩れることがないのは、これまでのレースで示しているとおり。
安定感ということでは、今シーズンのニュータカラコマはすばらしい。今季初戦のばんえい十勝オッズパーク杯こそ4着だったものの、その後は北斗賞の勝利を含め7戦連続連対中。ただ高重量戦になると、ときに苦戦することがあるので△まで。
オレノココロは、今シーズン挙げた2勝が、ばんえい十勝オッズパーク杯、ばんえいグランプリと、いずれも重賞。障害次第というところはありそう。
岩見沢記念3着のカイシンゲキも上位争いにからんでくる可能性はある。
◎5キタノタイショウ
◯6フジダイビクトリー
▲9コウシュハウンカイ
△3ニュータカラコマ
△4オレノココロ
△2カイシンゲキ
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地元岩手勢でJRA認定競走を勝っているのはニードアフレンドだけというメンバー。しかしそのニードアフレンドもここ2戦はイマイチという成績なら、やはり北海道からの遠征馬に分がありそう。
ホープライズはアタックチャレンジで勝利を挙げたのみだが、ここまで7戦して3着以内を外したのは一度だけという安定した成績。前走のウィナーズチャレンジも惜しい2着だった。デビューから1200メートル戦のみを使われているものの、200メートルの距離延長なら問題ないだろう。
JRA認定競走こそ勝っていないものの、未勝利から2歳の条件戦を連勝しているのがダンストンレガーメ。小柄な馬体だけに前走で体重が増えてきたのもいい傾向。父フリオーソは、新種牡馬ランキングでは目下のところ9位だが、勝利数では27勝とダントツ(10月28日現在)。フリオーソ産駒の重賞初制覇なるかどうか。
地元の期待はメモリーダンス。2走前のJRA認定フューチャーステップこそベンテンコゾウから離された3着だったが、前走、盛岡ダート1600メートル戦を好タイムで快勝。ここに来ての充実ぶりがうかがえる。
門別の未勝利戦を勝っただけのワンチャンスもあなどれない存在。鞍上は山本聡哉騎手で、岩手リーディングのツートップが北海道からの遠征馬に騎乗(村上忍=ダンストンレガーメ)するということでも、地元勢にこれといった有力馬がいないことがうかがえる。
そのほか地元勢ではビギナーズカップを含めて3戦連続2着というココロヲコメテ、2歳の一般戦で2連勝中のモリノスイセイあたりがどこまでやれるか。
◎3ホープライズ
◯6ダンストンレガーメ
▲11メモリーダンス
△9ワンチャンス
△5ココロヲコメテ
△2モリノスイセイ
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A級馬による1800メートルのS2重賞。
マサヤが佐賀に戻ってきた。一昨年の3歳夏に船橋に移籍し、下級条件から着実にクラスを上げて、A2特別を勝利するまでに成長を遂げた。船橋での最後の2戦はいまひとつの成績だったが、南関東のA級で上位を争っていたという実力なら、このメンバーでは能力上位は間違いない。距離も問題なく、凱旋出走を勝利で飾りたいところ。
昨年末、中島記念を制したのがキョウワカイザー。ところが今年は1月のS2重賞、9月の特別戦と2勝を挙げたのみ。前走の九州大賞典も初めての2500メートルとはいえ勝ち馬から離された4着。昨年ほどの勢いがないのは気になるところだが、巻き返してほしいところ。
カンタベリーナイトは中央準オープンからの転入初戦。2年半以上、芝の中長距離を使われてきたが、それ以前はダートもこなしていた。佐賀のダートをこなせるかどうかだが、準オープンで勝ち馬から1秒前後の差という実力なら一発あってもおかしくない。
コウユーヒーローは1年以上勝ち星から遠ざかっているとはいえ、昨年終盤には九州大賞典2着、中島記念3着という実力。ここ4戦も2着3着に健闘しており、上位を狙える。
エリモブリーズは前走こそ大敗したものの、その前は8戦連続で2着または3着。距離も1400から2000メートルまでオールマイティにこなしているだけに上位食い込みのチャンスはありそう。
◎6マサヤ
◯3キョウワカイザー
▲1カンタベリーナイト
△4コウユーヒーロー
△5エリモブリーズ
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園田プリンセスカップを制したナンネッタ、園田で3戦3勝のブレイヴコールという注目馬が揃って回避。JRA認定アッパートライ勝ち馬が門別2勝から転入したスターレーンただ1頭で、ほかは1勝か未勝利という低調なメンバーとなった。
となると本命はやはりスターレーン。門別ではJRA認定競走を勝てなかったものの、それでも3着以内を外したのは一度だけと安定した走りを見せていた。ここでは能力断然と見る。父スマートファルコンは、15頭の産駒が勝利を挙げ、中央地方総合の新種牡馬ランキングで5位(10月24日現在)と大活躍だ。
相手には、アッパートライでスターレーンの2着だったキューティハーバー。スターレーンが差のない2番手からの抜け出しだったのに対し、キューティハーバーは後方追走から向正面で一気のまくり。3コーナー手前でスターレーンから2馬身ほどのところまで押し上げ、直線でその差を詰めることができなかったが、離されることもなかった。展開次第でというところはありそう。
地元馬が低調なら、やはり門別からの転入組。エイシンウルルは門別のJRA認定競走を3戦してそれほど差のない3着、4着と好走がある。キョショウは一般の未勝利戦で3着のあと、兵庫転入初戦を逃げ切った。
そのほかでは、アッパートライでブレイヴコールに1秒差の4着だったナチュラリー。セカンドインパクトは、ブレイヴコール、ナンネッタ双方との対戦があって、ともに1秒ちょっとの差。3連勝式の3着を当てるのは相当手を広げないと難しそうだ。
◎8スターレーン
◯4キューティハーバー
▲1エイシンウルル
△3キョショウ
△2ナチュラリー
△11セカンドインパクト
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高知生え抜きでグランダム・ジャパン3歳シーズンで2位となり、凱旋出走となった高知優駿を制したディアマルコ。それだけでも相当スゴイのに、さらにGDJ古馬シーズンにも挑戦して兵庫サマークイーン賞でトーコーヴィーナスを差し切ったのには恐れ入った。この勝利には関係者も驚きだったようだ。そして古馬シーズンでも総合3位。初めての中央馬相手となったレディスプレリュードJpnIIはさすがに勝負にならなかったが、そうした一線級とのメンバーとの対戦を経験して、さらにパワーアップしていると見る。
相手はセイエスパーニャ。黒潮皐月賞2着、高知優駿4着と、タイトルには手が届いていないものの、栴檀特別5馬身差圧勝を含め、1400メートル戦を1分31秒台の好タイムで3連勝中と、ここに来ての充実ぶりがうかがえる。
金の鞍賞、黒潮皐月賞を制しているブラックビューティは、栴檀特別ではまさかの8着と惨敗。続く古馬A-4戦でも見せ場がなかったが、前走同じA-4戦で巻き返しての勝利。1900メートルのここに向けて、距離延長の1600メートル戦で勝ったことも大きい。
中央未勝利から転入してC級で勝ち星を重ねているという馬が何頭もいて能力比較が難しいが、高知では9戦7勝、2着2回というナスノフラッシュ、中央時代はダート1800メートルの未勝利戦で2着があり、今回が高知2戦目となるグラウスを連下候補として挙げておく。
◎4ディアマルコ
◯3セイエスパーニャ
▲8ブラックビューティ
△10ナスノフラッシュ
△1グラウス
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