気性的なことから遠征には慎重だったハクサンアマゾネスだが、金沢所属時として初遠征となった昨年の兵庫サマークイーン賞を制すると、ここまで園田では牝馬重賞で3戦3勝。名古屋遠征では2度とも負けているので、よほど園田との相性がいいのだろう。ここ2戦は勝ちきれていないが、先着されたのはいずれも全国区の活躍馬。このメンバーでは負けられない。
地元筆頭はやはり重賞6勝のスマイルミーシャ。昨年末には3歳ながら古馬一線級相手の園田金盃を制し、牝馬同士のコウノトリ賞は単勝1.1倍の人気にこたえて当然のように勝利。ただ前走六甲盃は、遠征勢相手とはいえ後方まま見せ場なく最下位に敗れているのが気になるところ。それ以来4カ月半の休み明けで調子を戻していればハクサンアマゾネスを負かす場面も期待したい。
新興勢力としての期待がエントラップメント。中央1勝クラスから転入して4戦3勝。8着に負けた2走前の1870メートル戦はハナがとれず内に包まれ行きたがるような感じで、勝負どころでペースアップしたところではもうおつりがなかった。前走1700メートル戦を逃げ切ったが、52キロという斤量にも恵まれた。今回あらためての1870メートル戦で、定量55キロでどうか。2番枠のネネもハナを主張しそうな感じで先行争いもカギになりそう。
昨年3歳時には重賞で勝ち負けしていたマルグリッド、重賞初挑戦となるネネらは、このメンバーに入ってどこまでやれるか。
◎1ハクサンアマゾネス
◯6スマイルミーシャ
▲5エントラップメント
△4マルグリッド
△2ネネ
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ページェントは門別で3戦、惜しくも勝ちきれないままでの転入。初戦のセレクトゴールドでは3コーナーからケイズレーヴと一騎打ちとなり、直線で振り切った。続く前走のセレクトゴールドではそのケイズレーヴの2着に敗れたが、前3頭が競り合うハイペースで、ケイズレーヴはそれを見ながら抜け出したところ、ページェントは中団から追いかけたが直線では脚色が同じになってしまった。真っ向勝負ならこの馬が能力上位とみる。
3カ月のブランクを挟んでデビューから2連勝がカワテンティアラ。2走目の前走では1番枠からのスタートで、ほとんど仕掛けずとも持っていかれるような感じで先頭に立ち、岡部騎手ががっちり抑えるほどのスピードだった。ゴール前ではアップショウグンに差を詰められたが、最後は流してのもの。気性的に難しい面がありそうだが、うまくコントロールできれば能力は相当なものがありそう。
ミトノプライドは6戦目の前走で初勝利。3番手から直線で抜け出し、まだ余裕があった。1500メートル良馬場の勝ちタイム1分35秒1は、◎○ともほとんど同じ。ここ3戦で走破タイムを約1秒ずつ縮めてきただけに、さらなる充実も期待できそう。
ケイズレーヴは4戦3勝、2着1回。ここ2走でページェントと勝ち星を分け合った。持ちタイムでいえばこの馬の前走1分34秒9が最速だが、今回は重賞で木之前騎手の2kg減がなくなってどうか。
エレインアスティは、前走逃げてミトノプライドの2着。アップショウグンは前走3コーナーからロングスパートでカワテンティアラに迫った。ともに成長次第では逆転もありそう。
◎8ページェント
○10カワテンティアラ
▲4ミトノプライド
△9ケイズレーヴ
△2エレインアスティ
△6アップショウグン
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デビューから3連勝としたドライブアウェイの堆金菊特別は圧巻だった。大外枠からダッシュを利かせて迷わず先頭に立つと、後続を気にせず単騎での逃げ。3コーナーで一旦引きつけたものの、4コーナーからは再び突き放してリケアカプチーノに6馬身差をつけての圧勝。3着馬はさらに4馬身離れた。将来的にマイル以上の距離になったときにどうかはわからないが、1400メートルならスピードで一気に押し切る。
その堆金菊特別で1番人気に支持されながら完敗の2着だったリケアカプチーノだが、続く前走潮菊特別では2番手追走から4コーナー手前で先頭に立つと、直線で突き放しての圧勝。控えるレースができるということでは、先行争いが激しくなるなどしたときにはこちらに分がありそう。堆金菊特別のリベンジなるかどうか。
ゾクゾクは、堆金菊特別ではリケアカプチーノの直後をぴたりと追走したものの直線で脚が上がって差のある4着だったが、潮菊特別ではリケアカプチーノに唯一直線でも食い下がっての2着。強い相手と厳しいレースを経験する中で力をつけており、2強に迫る場面もあるかもしれない。
ジャガーノートは堆金菊特別では差のある5着だったが、川崎・鎌倉記念(5着)を経験しての上積みがあれば上位争いも。
アイベットは潮菊特別3着だが、2着ゾクゾクからも6馬身離された。その差を詰められるかどうか。
ヤマノアシオトは、潮菊特別のスタートで落馬。堆金菊特別では2着リケアカプチーノから4馬身差の3着で、ゾクゾクには先着。3着争い候補。
◎10ドライブアウェイ
◯9リケアカプチーノ
▲1ゾクゾク
△7ジャガーノート
△2アイベット
△8ヤマノアシオト
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今シーズン負けなし6連勝というメムロボブサップにはもはや死角はないかに思える。主要古馬重賞コンプリートを目指し、今シーズンは前半の重賞に出走せず。岩見沢記念を制し、残すはこの北見記念と帯広記念だけとなった。昨年の北見記念が、別定40kg増の890kgでアオノブラックの2着。今年は前述の通り前半に重賞を自重したぶん30kg増の880kg。しかもライバル・アオノブラックの調子がいまひとつとなれば、中心はゆるぎないように思える。
ただそこは荒れる印象のある北見記念。昨年はアオノブラック→メムロボブサップという2強の決着のわりには3連単6,920円とついた。2021年は3連単3,340円だが、1頭取消して5頭立てのうえ2頭が競走中止で完走が3頭のみという特殊な状況。過去5年でその2年以外の3回の3連単は、3万3千円、2万9千円、3万5千円。特に2020年は、のちにばんえい記念を制するメジロゴーリキが8番人気で勝った。
メムロボブサップも絶対ではない。昨年はばんえい十勝オッズパーク杯で8着、昨シーズン(今年)はチャンピオンカップで5着と、1シーズンに一度は障害で苦戦することがある。それが今回かどうかはわからない。ただ高配当を狙うならここのような気がする。
それで狙ってみたいのはコマサンエース。昨シーズンが旭川記念、岩見沢記念、そしてばんえい記念でいずれも3着。今シーズンが旭川記念3着、ばんえいグランプリ2着、岩見沢記念3着。その成績で重賞未勝利なのはなんとも不思議なほど。
メムロボブサップが強いのは百も承知。勝つ可能性はかなり高いと思う。ただ、配当的妙味から連軸としてコマサンエースを狙ってみる。
ひとつ気になるのはアオノブラック。前走狩勝賞10着は、となりのコマサンエースが障害の天板で転倒してコースを塞がれてものなので度外視としても、それまでのレースぶりがあまり冴えない。ただそれゆえ別定増量なしの850kgは有利で、調子を戻していれば4連覇の期待も。
◎5コマサンエース
◯7メムロボブサップ
▲6インビクタ
△1コウテイ
△4クリスタルコルド
△2アオノブラック
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北日本新聞杯、石川優駿に出走していたのが、ダブルアタック、ドンリュウスターの2頭だけという、春の3歳重賞戦線とはガラリとメンバーが入れ替わった。
北海道デビューのプレストマーヴェルは兵庫を経由して転入。牝馬同士の加賀友禅賞では2着だったが、勝ったリケアマロンはその後、岩手に移籍して岩手牝馬三冠目のオータムティアラを圧勝した実力。そしてプレストマーヴェルは、この8月に調教師免許を取得した堀場裕充調教師のもとに転厩して、厩舎に初勝利をもたらした。そして2連勝。それが、古馬B2、古馬B1ということでは評価できる。堀場調教師には調教師として重賞初制覇の期待がかかる。
メイショウベルは、中央から転入して2連勝。古馬の下級クラスだが、8馬身差、5馬身差と底を見せていない。
ショウガフクキタルは、2歳時には石川テレビ杯2着、ネクストスター金沢4着など世代の上位を争った期待馬。3歳前半は長期の休養で、復帰しての2戦は中距離を使って惨敗。しかし距離短縮で1400、1500メートル戦を連勝。特に前走古馬B1戦は逃げて直線突き放し2着に2秒1の大差をつける圧勝。この距離なら能力を発揮する。
ショコラエクレールは、中央未勝利から転入して6戦3勝、2・3着各1回。7月の転入初戦の1400メートルでは2着に2秒8の大差をつける圧勝。良馬場の勝ちタイム1分26秒9は、出走メンバーの持ちタイムでダントツ。
ダブルアタックは、北日本新聞杯2着、サラブレッド大賞典3着という実績があるが、ともに勝ち馬とは差があった。あらたて能力が問われるところ。
ハクサンツキミテイは中央1勝クラスから転入して3連勝。3歳戦から古馬C1戦とはいえ、7馬身、8馬身、3馬身差と底を見せていない。今回は一気の相手強化でどうか。
◎8プレストマーヴェル
◯11メイショウベル
▲3ショウガフクキタル
△7ショコラエクレール
△1ダブルアタック
△5ハクサンツキミテイ
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