菊水賞で2着に好走したクラウドノイズは、兵庫優駿でも逃げたものの、ウインディーパレスにぴたりと競りかけられて厳しいペースとなり、さらに向正面ではマルカイグアスに早めに来られてまったく息が入ることがなく苦しいレースとなって最下位に沈んだ。そして前走でも逃げて2番手の馬にプレッシャーをかけられたが、今度は直線突き放し2着に5馬身差をつける圧勝。それが古馬B2というクラスということでは価値がある。1400メートル良馬場で1分30秒3は、3歳馬としては好タイム。兵庫優駿で厳しいレースをしたことで一皮むけたのかもしれない。今回1700メートルでどうかだが、マイペースで逃げられればチャンスある。
相手はプリムロゼ。2歳8月のデビューからこれまで13戦して3着以内を外したのは、名古屋に遠征した東海クイーンカップ(5着)と、兵庫優駿(11着)だけ。その後、1400メートルの古馬C1戦を連勝して力をつけた。勝ち星が1400/1500メートルに限られるため1700メートルとなってどうかだが、1870メートルのJRAとの条件交流で2着があり、距離をこなせれば上位争い。
マルカイグアスは2歳時に園田ジュニアカップを制し、兵庫優駿では8馬身差圧勝。それぞれ地元馬限定の世代頂点といえるレースを制しているが、兵庫優駿は前半のハイペースから向正面でペースが落ち着いたところで早めに動いた鴨宮騎手の好判断が光った。ときに強いレースを見せるが、兵庫優駿の印象ほど能力が抜けているとも思えない。
オーシンロクゼロは、菊水賞を制し、西日本クラシックでは、その後ダートグレードで活躍している高知・シンメデージーの2着。兵庫優駿8着で評価を落としたが、巻き返しが期待される。
兵庫優駿トライアルのオオエライジンメモリアルでマルカイグアスに7馬身差をつけて逃げ切ったウインディーパレスは、デビューから6連勝。兵庫優駿では5着と初の敗戦を喫したが、こちらも巻き返しを期待。
古馬B2戦で好走があるインテンシーヴォ、中央未勝利から転入して2連勝でトライアルのクリスタル賞を制したファッシネイトパイらも能力的に見劣らない。
◎11クラウドノイズ
◯4プリムロゼ
▲5マルカイグアス
△12オーシンロクゼロ
△10ウインディーパレス
△7インテンシーヴォ
△1ファッシネイトパイ
園田オータムトロフィーの出走表はこちら
サンビュートは昨年北海道のシーズン終了後に兵庫に移籍し、その初戦では、のちにサマーチャンピオンJpnIIIを制するアラジンバローズにアタマ差2着。8カ月の休養があって、復帰初戦となった摂津盃では中団まま見せ場をつくれず6着。そこを叩いて期待された佐賀の鳥栖大賞は不運にも馬場悪化で取止め。今度は笠松への遠征だが、北海道時代は2600メートルでも勝ち星があり、距離延長は望むところ。
タイセイドリーマーは、5月のオグリキャップ記念では全国の強豪相手に着順こそ6着だが、勝ったタイガーインディに0秒7差で、着差にして3馬身半ほど。今年中央から笠松へ移籍後は1400〜1600メートルを中心に使われているが、3走前には1800メートル戦での勝ち星もあり、距離をこなせれば能力的にヒケをとらない。
3歳馬ではキャッシュブリッツに期待だ。重賞戦線ではことごとくフークピグマリオンという壁に阻まれたが、それでも常に上位争い。初めての古馬相手でどんなレースを見せるか。
連覇がかかるトランスナショナルは再び金沢に戻っての参戦。ここ4走は結果が出ていないが、前走姫山菊花賞は、着順こそ5着だが勝ち馬とは0秒3差。復調して臨む一戦となりそう。
昨年岐阜金賞を制したペップセは、今年撫子争覇も制したが、4歳になってからはオープンに入ると牡馬相手にはやや分が悪い。距離面でも4歳になってからはマイルあたりを中心に使われており、あらためて挑戦する立場。
◎10サンビュート
◯5タイセイドリーマー
▲7キャッシュブリッツ
△2トランスナショナル
△3ペップセ
オータムカップの出走表はこちら
門別でデビューし、ちょっと勝利とは遠かったウルトラピースが佐賀に移籍して2連勝。父ウルトラカイザーは、佐賀では中島記念、門別では道営記念と、両グランプリレースを制するなど重賞14勝。しかも中島記念は、3歳時と10歳時、6年ものブランクを経て2勝している。その初年度産駒の現3歳はウルトラクロス1頭のみで、佐賀で3勝を挙げている。そして2年目の産駒も、このウルトラピースのみ。転入初戦は2着に半馬身差だが、着差以上に余裕があっての勝利。2戦目は中団から徐々に位置取りを上げ、直線先頭の馬をとらえて4馬身差。3着には9馬身差がついた。タイム的には平凡だが、2戦ともゴールでの手応えには余裕があり、もっと上を目指してほしいという応援の意味も込めての本命。
ここまでのパフォーマンスでいえばポリスヴィークルが最上位か。デビューから2連勝のあと、前走1番人気に支持された九州ジュニアチャンピオンはミトノドリームに5馬身差をつけられて2着だったが、1400メートル良馬場での走破タイム1分30秒9は優秀。前走2着の借りを返したいところ。
シスアールは門別1勝2着3回という成績から転入初戦を勝利。4コーナーでもまだ差のある6番手から直線大外を豪快に追い込んだ。浦和から期間限定騎乗の及川烈騎手には重賞初制覇のチャンス。
ルチルはデビュー戦を7馬身差で圧勝。経験馬相手に勝ちきるにはさらなる上積みがほしいところ。
ダイメイヒロインは九州ジュニアチャンピオンは4着だったが、続く前走アンタレス特別では2番手から3コーナーで先頭に立って後続を突き放した。1400メートルの勝ちタイム1分30秒6はメンバー中最速だが、不良馬場でのもの。ポリスヴィークルとの再戦であらためて能力が問われる。
◎2ウルトラピース
◯1ポリスヴィークル
▲7シスアール
△3ルチル
△11ダイメイヒロイン
カペラ賞の出走表はこちら
昨年第1回の勝ち馬フジユージーンは、東北優駿まで無傷の8連勝。不来方賞JpnII、ジャパンダートクラシックJpnIはさすがに相手が強く結果を残せなかったものの、それでもまさに"ネクストスター"という活躍を見せている。
一転、今年はここまで無敗という馬がなく混戦といえるメンバー。
若鮎賞を制したサウザンドマイルは、ジュニアグランプリは3着だったが、ほか掲示板4頭は北海道からの遠征馬。地元馬として唯一意地を見せた。9月の水沢開催は休んで、再び盛岡コースで地元馬同士なら重賞2勝目のチャンスといえそう。
そのサウザンドマイルに岩手所属馬として唯一先着しているのがラポジート。6月、水沢の新馬戦でサウザンドマイルを8馬身ちぎって見せた。続く盛岡1400メートル戦も7馬身差で逃げ切り、3戦目は雨で水の浮く不良馬場もあって7着に沈んだが、ビギナーズカップでは2番手から早め先頭でポマイカイに2馬身半差をつけて勝利。極悪馬場だった3戦目を別とすればまだ底を見せていない。
北海道からの転入馬が2頭。9月22日の水沢1400メートル戦では3コーナーで先頭に立ったサンカリプソに、ラヴェイがぴたりと直後につけたが、直線ではサンカリプソが振り切り3馬身差をつけて勝利。ただ水の浮く不良馬場で逃げ有利だったこともあり、門別では2歳オープンで戦ってきた経験からラヴェイを上にとる。
ポマイカイは、若鮎賞は6着に敗れたが、ビギナーズカップではラポジートに2馬身半差で2着と好走。サンカリプソ(4着)には先着した。
ステイクラッシーは前走水沢のビギナーズカップは10着惨敗だったが、若鮎賞3着に、フューチャーステップを制した盛岡の舞台に戻れば上位を狙える。
◎12サウザンドマイル
◯1ラポジート
▲11ラヴェイ
△4サンカリプソ
△10ポマイカイ
△5ステイクラッシー
ネクストスター盛岡の出走表はこちら
ナミダノキスは中央未勝利から転入して4連勝で石川優駿制覇。そのとき1番人気で2着だったリケアマロンは岩手に移籍して2戦目のオータムティアラを圧勝。そのライバルがいないとなれば、連勝をさらに伸ばしそう。
デビュー以来ほぼ掲示板を外さず堅実な成績を残しているのがダブルアタック。掲示板に載れなかったのは、2歳時のネクストスターと、他地区から競合が遠征してきた西日本3歳優駿だけ。石川門カップではガガヒャクマンゴクに1馬身及ばなかったが、前走古馬B2のオッズパーク杯では2着に3馬身差をつけて完勝。この時期にこのクラスを勝てるのであれば、ここでも勝負になる。
ガガヒャクマンゴクは2歳時は1勝のみでそれほど目立たなかったが、3歳になって力をつけ、石川門カップを逃げ切った。西日本3歳優駿でも逃げて6着ながら地元馬では最先着。前走古馬C1戦でも前半他馬に競りかけられても直線突き放して逃げ切っており、ここにきての充実ぶりがうかがえる。
ロックシティボーイは中央未勝利から転入し、今シーズン開幕から7戦してすべて3着以内。石川優駿ではダブルアタック(4着)に先着しての3着。ただ勝ち馬からは大きく離されているだけに、このあたりの力関係は微妙。この馬も前走で古馬C2特別を5馬身差で圧勝。押し出される形で△だが勝ち負けまであっておかしくない。
フレーズタルトはここ2戦が惨敗だが、転入後4連勝したときの走りから軽視できない。
サザンフィールドは4月に大井から転入して金沢ではまだ勝ち星がなく成績にもムラがあるが、4走前にロックシティボーイの2着、2走前にショウガフクキタルの3着があり、上位食い込みの可能性も。
◎6ナミダノキス
◯5ダブルアタック
▲3ガガヒャクマンゴク
△8ロックシティボーイ
△4フレーズタルト
△9サザンフィールド
サラブレッド大賞典の出走表はこちら