成績に大きな数字が多いヴァケーションだが、それはダートグレードや南関東遠征でのもの。岩手転入後、地元同士で結果が出せなかったのは今年のシアンモア記念(7着)だけで、逃げた1番人気のゴールデンヒーラーに競りかけていって共倒れとなったもの。水沢1600メートルは昨年シアンモア記念を勝っており、赤松杯でも2年連続2着と能力を発揮できる舞台。あとは8月以来の実戦でどこまで仕上がっているか。
昨年末のトウケイニセイ記念、桐花賞では5、3着だったグランコージーだったが、その後大井に移籍。そしてこの秋岩手復帰初戦となった晩秋特別(盛岡1600メートル)を逃げ切って5馬身差の圧勝。昨年以上に力をつけたと見る。
3歳重賞戦線で圧倒的な強さを見せたミニアチュールは今回初めての古馬対戦で、しかも牡馬一線級が相手。川崎に遠征したロジータ記念は流れに乗れず見せ場をつくれなかったが、岩手に戻ってどうか。水沢1600メートルではスプリングカップの勝ちタイムが1分43秒4で、このメンバーで勝ち負けにはタイムを詰める必要がある。ただそれから半年以上が過ぎて確実に力はつけている。
中央では芝でオープンまで出世したインテンスライトだが、盛岡芝では結果が出ず。盛岡ダート1600メートルで連勝と、むしろダートで適性を示した。
昨年末、トウケイニセイ記念、桐花賞を連勝したノーブルサターンは、今年夏以降の成績がいまひとつで、人気を落とした北上川大賞典を逃げ切った。ただそれは2600メートルという距離もあり、相手にも恵まれた。今回相手強化の一戦となって、あらためて真価が問われる。
今年中央から転入して、赤松杯、あすなろ賞を制したグローリーグローリだが、夏以降はひと息の成績。春の勢いが戻れば能力的には見劣らない。
◎5ヴァケーション
○7グランコージー
▲2ミニアチュール
△9インテンスライト
△4ノーブルサターン
△8グローリーグローリ
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第1回ネクストスター名古屋を勝ったのがミトノユニヴァース。手応え十分のまま3コーナーで先頭に立って直線突き放すと、接戦の2着争いに5馬身差をつける完勝。今回は新興勢力といえる馬もなく、勝負付がすんでいる馬がほとんどというメンバーでは負けられない一戦だ。
相手筆頭は、門別から転入して3戦オール連対のウルラニ。2走前の2歳特別でミトノユニヴァースと対戦して3馬身差2着。続く前走オータムフューチャー戦を1番人気にこたえて勝った。門別では1700メートルでも好走があり、父ラニなら距離延長でのスタミナ勝負にも対応できそうだが、ミトノユニヴァースも距離延長はむしろよさそうなだけに、どこまで差を詰められるか。
11月14日の2歳特別では、3コーナー過ぎから2頭の一騎打ちとなって、ウインジャックがゴール前でスペリオルパンサーを振り切って1馬身差をつけた。ただここは、門別のアタックチャレンジ勝ちがあり、ネクストスター金沢で3着など経験豊富なスペリオルパンサーの転入2戦目での上昇に期待する。
サンヨウラフェスタは2走前のオクトーバーフューチャー戦ではゴール前ウルラニとの接戦をクビ差で制した。続く前走ネクストスター名古屋で3着なら、ミトノユニヴァース以外の印上位馬たちと能力的に差はない。
◎8ミトノユニヴァース
○3ウルラニ
▲11スペリオルパンサー
△9ウインジャック
△4サンヨウラフェスタ
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中央2勝クラスから転入したジョンソンテソーロが、B級ではあるが1400メートル戦を2連勝。初戦は2着に7馬身差、そして前走さざんか賞でも2番手から向正面で抑えきれないような手応えで先頭に立つと、直線でもほとんど追われることなく2着に8馬身差。その勝ちタイムは1分28秒6。近年の古馬1400メートルの重賞の勝ちタイムをみると、おおむね1分28〜29秒。そのタイムを楽々とマークしたのだから、いきなりでも重賞で勝ち負けできるレベルにあるといえるだろう。
リュウノシンゲンは、休み明けだった前走で地元馬相手に初めての惨敗。ここは中島記念に向けてのひと叩きかもしれないが、1400メートルの吉野ヶ里記念を連覇している短中距離の古馬チャンピオンとして無様なレースはできない。
このレース連覇がかかるのがダイリンウルフ。今年夏には門別に移籍し、3戦目となったマイルのA1特別を勝って佐賀に戻ってきた。その前走でも騎乗していたが、今年も期間限定騎乗の石川倭騎手で臨む。
キングキャヴィアは昨年末に中央3勝クラスから転入し、しばらく目立った成績が残せなかったが、10月の佐賀オータムスプリントで最低人気ながら佐賀では初めて馬券圏内の3着に好走。続く1300メートルの周防灘賞で3着、そして前走1400メートルの有明海賞で佐賀初勝利となった。その勝ちタイムが良馬場1分28秒3という好タイムで、いよいよ調子を上げてきた。
ロンドンテソーロは吉野ヶ里記念こそ6着だったが、その後は5戦して3勝、2着1回。1400 メートルでも勝利したが、好成績はより短い距離で、中央・大井での計5勝も1200メートル以下だったことを考えると、1400メートルはちょっと長いかもしれない。
◎9ジョンソンテソーロ
◯2リュウノシンゲン
▲12ダイリンウルフ
△10キングキャヴィア
△8ロンドンテソーロ
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銀河賞をトップハンデで制したキングフェスタは、2カ月ぶりの実戦となった前走では障害で手間取るなどして4着だったが、9月のオープン・マロニエ賞ではアオノブラック相手に10kg軽いだけの重量差で圧勝してみせた。今回はひと叩きしての上積みが見込め、別定10kg増の770kgならチャンスは十分といえそう。
相手には同じ4歳のヤマカツエース。こちらもオープンの狩勝賞で、重量差はあったもののメムロボブサップの2着という実績。銀河賞ではキングフェスタと10kg差で2着だったが、今回同じ10kg差でも展開ひとつで逆転のチャンスがないとはいえない。過去5年、4歳でこのレースを勝ったのは2頭いて、2019年アアモンドグンシン、20年アオノブラックは、ともに銀河賞2着からの勝利だった。
ゴールドハンターは今シーズン、ばんえいグランプリ2着、北見記念3着と、古馬重賞戦線でいよいよタイトルを狙えるところまできた。
メジロゴーリキは、今シーズン勝ち星こそないものの、2着5回、3着2回と惜しいところで勝てていないだけ。昨年と同じ770kgで連覇を狙う。
前走3着で復調気配を見せたコマサンブラックはシーズン終盤に向けて弾みをつけたいところ。
7歳世代は、メムロボブサップ、アオノブラックの2強が揃って不在となったことで、出番が巡ってきたのがインビクタ。トップハンデでこのレース初出走となる。
過去5年では、5年前こそ2番人気のオレノココロが勝ったが、その後は5、5、7、6番人気馬が勝ち、3連単10万円以上の配当が3回と、一筋縄ではいかない高配当が期待できるレース。人気馬から絞るのではなく手広く狙ってみたい。
◎4キングフェスタ
◯6ヤマカツエース
▲9ゴールドハンター
△2メジロゴーリキ
△8コマサンブラック
△1インビクタ
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JBC2歳優駿JpnIIIに出走していた中央勢はいずれも1勝馬だったが、ここは中央5頭のうち4頭が2勝馬で、さらにそのうち2頭はダートで2連勝。JBC2歳優駿JpnIII以上に強力なメンバーといえそうだ。
イーグルノワールは、前走プラタナス賞では2着ライジンマルとクビ差だったが、相手の脚色を測りながらという感じで、着差以上の完勝。3着馬には4馬身差がついていた。今回距離短縮でもコーナー4つの1400メートルは道中で息が入るので苦にはしないだろう。
北海道のトラジロウは、デビュー戦2着のあと5連勝で、イノセントカップ、ネクストスター門別と重賞連勝。直線力強く抜け出したネクストスター門別の勝ち方をみても、「勝つたびに強くなっている」という角川秀樹調教師のとおりの印象だ。ただ1200メートルまでの経験しかなく、長距離輸送に小回りコースをこなせるかどうか。
サトノフェニックスは、前走ヤマボウシ賞ではクビ、アタマ差という接線の勝利だったが、スタートで出遅れながら4コーナーで馬群をさばいて直線抜け出すというレースぶりから、これも着差以上の強さだった。ただ4コーナーから直線を向いたあたりで外に張っていたのを鞍上が修正していた。小回りの園田コースではそのあたりが不安なため3番手評価まで。
オーキッドロマンスは、前走京王杯2歳ステークスでは直線一旦は完全に抜け出して勝ったかと思えたレースぶり。ただ今回は小回りコースの初ダートで、中2週でと不安材料も少なくない。
平和賞を勝ったカプセルだが、ブリーダーズゴールドジュニアカップ、サンライズカップの勝ち馬が、JBC2歳優駿JpnIIIで中央勢に完敗だったことを考えるとあまり強くは推せない。
ゼルトザームは前走京王杯2歳ステークスは惨敗だったが、渋滞による長時間の輸送と熱中症の兆候があったということでは、度外視としてよさそう。
1勝馬とはいえ前走初ダートを勝ったタリスマンも見限れない。
◎7イーグルノワール
◯10トラジロウ
▲2サトノフェニックス
△12オーキッドロマンス
△9カプセル
△4ゼルトザーム
△1タリスマン
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