スペルマロンは、2019年末の高知県知事賞から重賞7勝という、いまや高知の古馬戦線の中心馬。距離はオールマイティーにこなし、今年は4戦2勝。負けたのはそれぞれ理由があり、大高坂賞は速い流れに後方で脚を溜めていたアイアンブルーの出し抜けをくらった形。黒船賞はさすがに相手が強く、それでも地元馬では最先着だった。そして前走二十四万石賞は、3番手から3コーナー過ぎで先頭に立つと、直線半ばからは手綱を緩める余裕でショートストーリーに5馬身差をつける圧勝だった。展開やペース次第で逃げることも控えることもできる自在なタイプ。いまもっとも安定して能力を発揮できるのがこの馬。
二十四万石賞と同じワンツーになってしまうが、ショートストーリーが対抗。佐賀に遠征したはがくれ大賞典では、重賞13勝目となった兵庫のエイシンニシパに差のない3着まで詰め寄った。早めにスペルマロンをとらえにかかる展開になれば逆転もあるかもしれない。
2頭に人気が集中して既存勢力が苦戦なら新興勢力を狙ってみたい。笠松から転入3戦目となるニューホープは、2歳時に岩手で重賞を勝ったほか、笠松での重賞3勝はすべて1900メートル。前走でも勝っているように、ゆったり流れる1600メートルも同じようにこなせるはず。
ここに来て調子アップはミサイルマン。前走二十四万石賞は、勝ち馬と同じような位置を追走し、ペースアップした向正面では置かれてしまったが、それでもよく3着に粘った。1600メートルの流れも合っていそう。
末脚が生かせる展開ならアイアンブルーだが、ここに来て一時期ほどの調子にはないのが気になるところ。
◎9スペルマロン
○5ショートストーリー
▲3ニューホープ
△4ミサイルマン
△7アイアンブルー
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テイエムサウスダンの黒船賞JpnIIIは圧巻だった。逃げたのはグリムだったが、テイエムサウスダンは外枠から行く気満々で岩田騎手はがっちり押さえて2番手。3コーナー過ぎでグリムがやや一杯になると、自然な形で先頭に立って直線では後続を寄せ付けず2着に8馬身差の圧勝だった。今回のハンデ57.5キロは気になるところだが、地方のコーナー4つの1400メートルへの適性は抜群。昨年はラプタスが黒船賞JpnIIIからここを連勝していたように、連勝を期待したい。
東海桜花賞ではハナ、クビの接戦で3着だったナリタミニスターだが、昨年末からの充実ぶりは評価できる。兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIでは4コーナー6番手から直線では前との差を詰めて4着。そのときより今回はハンデが1キロ増量となっての53キロだが、スムーズに運べれば勝負になる。
ベルダーイメルは未勝利から途中2勝クラスでの2着を挟んで一気に3勝クラス勝利まで駆け上がった。前走初めての1400メートルでも好位から直線抜け出して快勝。4カ月半の休み明けがどうかだが、そのレースぶりでハンデ55キロは有利。
トップハンデ58キロのラプタスは押し出される形で△まで。
スマートセラヴィーは、4走前のオータムリーフステークスや3走前のギャラクシーステークスのレースぶりならここでも十分勝負になる。
人気薄でも地方でたびたび好走するノボバカラも連下では押さえておきたい。
◎11テイエムサウスダン
○6ナリタミニスター
▲2ベルダーイメル
△4ラプタス
△10スマートセラヴィー
△3ノボバカラ
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29日付けのコラムで、このレースの登録馬の平均年齢が6.1歳と書いたが、登録馬の中で最年長9歳のセンゴクエースが回避。7歳のゴールデンフウジンが繰り上がって出走馬の平均年齢は5.9歳とさらに若くなった。今年15回目のばんえい十勝オッズパーク杯だが、第1回から必ず9歳以上の馬が出走していて、出走馬の最年長が7歳というメンバー構成は初めて。そのことだけを見ても、今シーズン、ばんえいの古馬戦線が一気に世代交代したことがわかる。
そうしたメンバーで期待したいのは、今後のばんえい古馬戦線の中心的存在となるであろう5歳2強の1頭、メムロボブサップ。今季初戦の前走スプリングカップでは差のある4着だったが、同期のライバル・アオノブラックと並んで先行したものの、第2障害でアオノブラックに先を越されてしまった。負けたのは障害で詰まったぶんだけ。シーズン初戦の仕上がり途上で今回は調子を上げてくるはず。
そして相手はアオノブラック。前走スプリングカップは、障害をひと腰先頭で越え、後続を寄せ付けないままの圧勝だった。4歳シーズンの三冠ではメムロボブサップを負かすことができなかったが、ドリームエイジカップ、チャンピオンカップ、ポプラ賞を制した。障害のタイミング次第では、ここもあっさりという場面は考えられる。若い5歳馬の勢いに期待したい。
メジロゴーリキは、昨シーズンわずか2勝だが、そのうちのひとつが北見記念のタイトル。そのほか帯広記念2着もあった。2019年シーズンからの成績を見ても、年を重ねて高重量戦専用タイプになったと思われる。個人的に期待していたばんえい記念は雨の軽馬場になってしまったのがまったく残念だった。そういうタイプだけに、今季初戦のスプリングカップは680キロという重量で2着には驚いた。この重量でもあっと言わせる場面があるかもしれない。
ミノルシャープは昨シーズン前半に重賞3連勝と古馬戦線で一気に台頭。しかし後半は重量を課されたこともあって着外が続いた。今季初戦のスプリングカップ3着は復調を感じさせる内容。今シーズンも注目の存在となりそうだ。
昨シーズン、重賞への出走はなかったマツカゼウンカイだが、オープン特別で5勝を挙げた。重賞戦線でも上位に食い込んでくるかもしれない。
◎9メムロボブサップ
○4アオノブラック
▲5メジロゴーリキ
△1ミノルシャープ
△10マツカゼウンカイ
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岩手三冠の一冠目。リュウノシンゲンが万全の態勢で臨む。今季初戦となったスプリングカップは、正月の金杯からプラス19キロの馬体重ながら、直線楽に突き放して9馬身差の圧勝。成長と充実を感じさせた。ここまでダートでは9戦8勝。新興勢力はいるものの、地元同士では負けられない。逃げにこだわるタイプではないので、1600メートルの外枠も問題ないだろう。
シエルグリーンは、中央未勝利から転入して冬休みを挟んで4連勝。いすれも一方的なレースで、前走は2着サンエイマジックに4馬身差だが、4コーナーから早くもうしろを振り返って後続を脚色を確認しながら、直線では軽く気合をつけられただけでの楽勝。そのレースぶりなら重賞初挑戦でも一発はあるかもしれない。2019年デビューの塚本涼人騎手にも重賞初制覇の期待がかかる。
スプリングカップでは2番人気ながら3着で、リュウノシンゲンと明暗を分けたのがグランフォロミー。こちらは金杯2着以来プラス14キロの馬体重は仕上がり途上だったと思われる。一度叩かれての上積みがあれば、リュウノシンゲンに迫る場面があってもおかしくない。
あやめ賞を楽勝したゴールデンヒーラーは、牡馬の一線級相手でどこまでやれるか。
グランステーファノは岩手でデビューするはずがデビュー戦が出走取消となってそのまま船橋に移籍。2勝を挙げて岩手に戻っての初戦となる。いきなり勝ち負けまではどうだろう。
◎8リュウノシンゲン
○2シエルグリーン
▲3グランフォロミー
△9ゴールデンヒーラー
△1グランステーファノ
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金沢デビューの3歳牝馬限定戦となると層の薄さを感じざるをえないメンバーで、出走9頭中5頭が未勝利。
そんな中でサブノタマヒメの成績が際立っている。前走、名古屋に遠征しての東海クイーンカップこそ初めての惨敗を喫したが、地元金沢ではここまで10戦8勝。2着2回で先着されたのがともに牡馬だっただけに、牝馬同士なら断然。ほかに勝ち星がある馬でも2勝もしくは1勝という勝利数だけを見ても圧倒的だ。
相手探しの筆頭は、もっとも戦歴が浅い2戦1勝のハクサンエガオでどうだろう。前走は未勝利馬同士の対戦とはいえ、逃げて直線では後続を楽に振り切った。1500メートルの稍重1分40秒8という勝ちタイムは平凡だが、そこを勝っての上積みはありそう。
2歳時に2勝を挙げているのがラッシュフェイス。冬期は一時的に大井に移籍したが、今シーズン開幕前に金沢に戻ってきた。その後は入着までという成績だが、前走1500メートルの走破タイム1分37秒7は、サブノタマヒメ以外では最速。
未勝利馬では、ここに来て2戦連続2着のカナザワクリステル。前走1400メートル戦で逃げて2着の走破タイム1分32秒8はやや物足りないが、8カ月半ぶりの実戦で2秒近くタイムを縮めているだけに、さらなる上積みも期待できそう。
◎5サブノタマヒメ
○3ハクサンエガオ
▲1ラッシュフェイス
△6カナザワクリステル
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