デビュー以来連対を続けてきたヴァリヤンツリは、土佐春花賞で初めて3着に惜敗し、さらに続く仙台屋桜特別でも2戦続けてレマンコに先着を許した。しかし続く前走、古馬C1戦では3馬身差の快勝と能力の高さを見せた。ここは巻き返しのかかる一戦。
デビューから初勝利まで17戦を要したレマンコだが、その中で世代トップと互角の争いをできるだけの力をつけてきた。3歳2戦目にデビュー以来の初勝利を挙げて以降では、8戦5勝といよいよ本格化。2歳時には2強牝馬に遅れをとっていた第3のオトコが一冠目に挑む。
ネオプリンセスは、金の鞍賞制覇から3カ月ぶりの出走となった土佐春花賞では、逃げたものの3コーナーでヴァリヤンツリにとらえられると直線まったく手ごたえをなくして失速。初めての惨敗だった。それが実力でないことは明らかで、立て直して臨んでくるかどうか。打越勇児調教師は、目下のところ雑賀正光調教師を抑えて全国リーディングのトップ。勝率でも31.2%(5月3日現在)という高い数字をマークしている。
土佐春花賞を制したスターアイリスは、中央から転入後の4戦すべてで手綱をとっていた木村直輝騎手が期間限定騎乗を終えて岩手に戻ったため、今回は佐原秀泰騎手で臨む。
中央未勝利からの転入初戦を制したプラズマディライトもあなどれない存在だ。
◎4ヴァリヤンツリ
○11レマンコ
▲6ネオプリンセス
△9スターアイリス
△1プラズマディライト
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昨年のこのレースを制し、年末には中日杯を制したメイジンはオグリキャップ記念へ遠征、圧倒的な強さでA1特別2連勝のナガラオリオンは登録のみで回避となり、チャンピオン級は不在となった。
であれば、これまで2着3着は何度もありながらあと一歩のところで重賞タイトルに手が届かないまま8歳になってしまったマイネルリボーンにいよいよ初タイトルのチャンスが巡ってきたといえそうだ。冬休み明け初戦を快勝して臨む一戦だけに期待したいところ。
トウショウプライドは昨年6月の百万石賞が7歳にしての重賞初勝利。昨年のこのレースと中日杯は、ともに勝ったのはメイジンだが、マイネルリボーンとは2、3着を分け合った。冬休み明け3戦目での上積みがあるかどうか。
大井から再々転入したプラチナバディは、その2戦目となった兼六園観桜特別でトウショウプライドに2馬身差をつけて完勝。前回金沢に在籍していた2015年にはA1特別でたびたび好走がありながら勝利には至らず、重賞挑戦は3歳時のサラブレッド大賞典(4着)以来となる。
冬季の笠松遠征では白銀争覇3着があったディアグリスター、中央2勝から転入して3戦目となるトウショウコマンチらも争覇圏。
◎11マイネルリボーン
○10トウショウプライド
▲2プラチナバディ
△9ディアグリスター
△6トウショウコマンチ
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マイタイザンが人気になりそうだが、中央オープンから転入し、今回が5戦目となるキクノソルに期待する。転入初戦の新春賞ではマイタイザンの3着に敗れたものの、佐賀記念JpnIIIでは前3頭からは離されたものの地方最先着の4着と見せ場をつくった。そして1番人気に支持された六甲盃は向正面で先頭をとらえると3コーナー過ぎで単独先頭。そのまま完勝かに思えたが、ゴール前では脚が上がってしまい、後方からロングスパートのノブタイザンにとらえられてしまった。慣れない長距離戦ということもあっただろうが、先頭に立つのがちょっと早すぎた。続く前走A1特別では抜群の手ごたえのまま3コーナーで前をとらえると、直線では軽く気合をつけられただけで後続を突き離し独走。8歳とはいえ、さすがに中央オープンの実力を見せつけた。
マイタイザンは年明けの新春賞を逃げ切って見せた。続くA1特別では2着のマークスマンに7馬身差をつける圧勝。5歳になっての充実ぶりがうかがえるレースぶりだ。
エイシンニシパは前走佐賀のはがくれ大賞典制覇など、遠征を含めて重賞で常に好走を見せている。マイタイザンとは勝ったり負けたりなだけに、ここでもチャンスは十分。
新春賞のゴール前でマイタイザンにアタマ差まで迫ったのがエイシンホクトセイ。ここまで重賞未勝利も、2着3着は何度かあり、どこかでチャンスは巡ってきそう。
六甲盃では見事なまくりを決めて兵庫ダービー以来の重賞制覇となったノブタイザン、同じく六甲盃でコンマ4秒差の4着と善戦を見せたアサクサセーラらも上位食い込みは可能。
◎6キクノソル
○8マイタイザン
▲7エイシンニシパ
△12エイシンホクトセイ
△5ノブタイザン
△3アサクサセーラ
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地元勢では菊水賞を圧勝したアゼツライトが出走してきたものの、兵庫のこの世代は勝ったり負けたりで確たる主役は不在。そうした状況で、中央5頭はいずれもダートで2勝以上というメンバーでは、地方馬の出番は難しいと言わざるをえない。
中心はテーオーエナジー。前走が500万の平場とはいえ、2着に5馬身差をつける強い勝ち方。ここまでダート1800メートルのみ4戦してすべて3着以内。初めての地方の園田コースがどうかだが、そこは鞍上を信頼する。
2歳時にもちの木賞をレコードで制したビッグスモーキーは、3歳になって芝を2戦して今回ダートに戻ってきた。すみれステークスでキタノコマンドールの3着なら、おそらく芝をあきらめたということではなく、ここで賞金を加算してということなのかもしれない。姉がダート牝馬線戦で大活躍のワイルドフラッパーという血統なら、やはりダートでこそという気はする。
中央馬で唯一3勝を挙げているのがメイショウヒサカタ。前走昇竜ステークスのレースレベルがやや疑問で、今回一気の距離延長もどうかという▲評価まで。
3歳になってダートでの2戦がいまひとつのワークアンドラブ、前々走中山の500万条件を勝ったときのデムーロ騎手に鞍上が戻るキャベンディッシュらも能力的にそれほど差はない。
中央勢で地方を経験しているのがビッグスモーキーだけ。まだ経験が浅い3歳のこの時期だけに、園田の小回りコースをこなせるかどうかというのもポイントになりそう。
◎3テーオーエナジー
○4ビッグスモーキー
▲10メイショウヒサカタ
△8ワークアンドラブ
△5キャベンディッシュ
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高知県知事賞3着のあと、今年2連勝の牝馬ティアップリバティに期待する。1月の大高坂賞では、4頭の争いから3コーナー過ぎで先頭立つと、そのまま後続を突き離してというレースぶりは圧巻だった。中央での未勝利勝ちもダート1600メートル戦で、高知でも1600メートル2戦2勝なら、この距離でさらにということはありそう。
イッツガナハプンは持てる能力を発揮できれば強いレースを見せるが、そうでないときはさっぱりというタイプ。高知県知事賞では途中でレースをやめてしまい、御厨人窟賞では中団まででまったく見せ場がなかった。前走二十四万石賞でも2着に3馬身差は、数字だけ見れば完勝だが、3〜4コーナーでの行きっぷりもそれほどではなく、ミッキーヘネシーの早仕掛けにも助けられた感じだった。繰り返しになるが、気分良く走れば圧勝もある。
そのイッツガナハプンがイマイチ能力を発揮しなかった黒潮マイルチャンピオンシップを制したのがワイルドコットン。前走二十四万石賞は、後方から勝負どころではイッツガナハプンを追う形で進出したが、4コーナー手前で馬群の中で一瞬置かれる場面があり、外に持ち出すロスもあった。後方追走から後半勝負の脚質だけに展開に左右される面はありそう。
昨年トレノ賞を制しているヒロノカイザー、御厨人窟賞2着と好走したギンパリ、高知県知事賞2着のチャオなど、重賞ごとに着順が入れ替わっているメンバーだけに、狙いを絞るのが難しい。
◎10ティアップリバティ
○1イッツガナハプン
▲9ワイルドコットン
△5ヒロノカイザー
△2ギンパリ
△3チャオ
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