この世代の東海勢は勝ったり負けたりの主役不在。金沢のヤマミダンスが出走すればレースとして相当違ったものになっただろうが、不在となっての混戦。
ならば中心は兵庫から遠征のスターレーン。4戦連続2着が続いていて、2走前の園田クイーンセレクションは、直線先頭に立ったところ、ゴール寸前でカツゲキマドンナにとらえられたが、レースぶりから能力的にはこちらのほうが上と見てよさそう。前走梅桜賞の2着は、相手がヤマミダンスでは仕方ない。
混戦ゆえに怖い存在が新興勢力のショルト。中央2戦未勝利からの転入初戦が大差圧勝。今回と同じ1400メートル戦の勝ちタイム1分30秒7は、3歳馬同士ならそのまま重賞で通用する時計だ。
1〜4番枠に東海の重賞勝ち馬がずらりと並んだが、先手がとれずに惨敗した梅桜賞に目をつぶれば、メモリーミラクルの重賞での好走が目立つ。前走スプリングカップの勝利から力をつけて一気に台頭という場面もあるかもしれない。
佐賀のコパノレイミーは前走で飛燕賞を快勝。とはいえ、この世代の上位クラスが抜けてというメンバーだっただけに、今回のメンバーを相手でどんなレースができるか。ただ佐賀に移籍してからはレースを重ねるごとに力をつけている。
園田クーンセレクションを制してスプリングカップでも2着だったカツゲキマドンナ、笠松では3連勝の勢いを見せていたセレニティフレアらにもチャンスはありそう。
◎12スターレーン
◯8ショルト
▲4メモリーミラクル
△9コパノレイミー
△6カツゲキマドンナ
△3セレニティフレア
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フェブラリーステークスGIの約1カ月後に行われる黒船賞JpnIIIは、このあとにも東京スプリントJpnIII、かきつばた記念JpnIIIと、ダート短距離の路線がしっかりと確立しているため、毎年のように中央から一線級のメンバーが揃う。それゆえ過去5年で馬券にからんだ地方馬は2015年に3着のタガノジンガロ(兵庫)だけと、地方馬にはなかなかに厳しいレースとなっている。今回も、地元勢には牝馬のディアマルコ、兵庫からは新設の園田ウインターカップを制したトウケイタイガーなど期待馬はいるものの、さすがに中央のこのメンバーに入っては厳しいと言わざるをえない。
ニシケンモノノフは、昨年の黒船賞JpnIIIでダノンレジェンドに1馬身差2着と好走。年末には今回と同じ57キロを背負って兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIを制した。地方の1400メートルは力を発揮できる舞台だ。
キングズガードはダートでほとんど馬券圏内を外さない活躍を続けてきて、昨年はオープンの1400メートル戦で2勝。エニフステークスは57キロで制し、グリーンチャンネルカップでは58キロを背負って、その後フェブラリーステークスGIで3着に好走するカフジテイクに1馬身差と食い下がった。重賞級の能力であることは間違いなく、あとは初めての地方の馬場が合うかどうか。
ドリームバレンチノは、黒船賞JpnIIIに今回で4年連続での出走。昨年はやや差のある4着だったが、秋には東京盃JpnIIを制し、兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIでも59.5キロのハンデを背負ってニシケンモノノフにクビ差と迫る2着。明けて10歳だがまだ衰えはなさそう。
昨年のサマーチャンピオンJpnIIIで重賞初制覇を果たしたグレイスフルリープ、前走が初オープン勝ちのブラゾンドゥリスと、中央5頭の勝負だが、どの馬にもチャンスがありそうなメンバーだ。
◎3ニシケンモノノフ
◯9キングズガード
▲10ドリームバレンチノ
△6グレイスフルリープ
△12ブラゾンドゥリス
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センゴクエースは昨年4歳でこのレースを制したときが790キロで、今年は10キロ増えただけの800キロ。そして最大のハンデ差が昨年と同じ60キロなら、普通にレースをすれば負けようがないのではないか。8月の山鳩賞では障害を越えられず最下位に負けたことがあったが、それは平地の競馬にたとえれば、ほとんど落馬などのアクシデントのようなもの。なにしろ世代限定の重賞ではまだ一度も負けたことがない。
センゴクエースは別格として、実績上位は前走でA1級-1・2組決勝混合を勝ったホクショウディープ。その実力でセンゴクエースより40キロも軽い760キロはかなりおトクな感じがする。ただ端枠同士で1-10という決着があるだろうか、ということはちょっと不安。
キンメダルはここまで重賞を勝てそうでなかなか勝てず。センゴクエースと同じ年に生まれてしまった不運としかいいようがない。ここまで重賞では2着、3着が4回ずつ。同じく760キロなら上位争いは十分期待できる。
ハンデ差が大きいため軽量馬にも出番があると見て、チャンピオンカップに出走(6着)したアスリート、B級ではあるものの11月から15戦連続連対中のタカラシップ、ばんえい菊花賞を制したツルイテンリュウらが連下候補。
◎1センゴクエース
◯10ホクショウディープ
▲4キンメダル
△5アスリート
△8タカラシップ
△6ツルイテンリュウ
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有力馬がなかなか一同に会することがなかった佐賀の古馬戦線だが、今回はオールスター勢揃いという様相。そうなると、どの馬に誰が乗るのかという苦悩を感じさせるような鞍上・鞍下の組み合わせで、さらにこの日は山口勲騎手がハクユウロゼで阪神に遠征ということもあって、一層難しいものになった。さらに、昨年の勝ち馬サウスウインドに、3年前と2年前に連覇を果たしたエーシンクリアーまで遠征してきて、充実のメンバーとなった。
ここは2年連続で佐賀記念JpnIIIに挑戦したキョウワカイザーの経験に期待してみる。昨年の佐賀記念JpnIIIはやや暴走気味に逃げて6着に沈んだが、さすがに今年は控える競馬で5着。今や地方を代表する存在になったカツゲキキトキトが4着で、そこから2馬身半差だった。昨年のこのレースでは1番人気で6着に敗れたが、今年こそはの期待も大きい。
ウルトラカイザーは北海道からの再転入初戦となった九州オールカマーがキョウワカイザーに半馬身差の2着。それ以外のメンバーが軽かったとはいえ3着に大差をつけた。中島記念を制したのは2011年のことだが、昨年も門別で重賞を勝っているように、9歳だからという衰えはない。
引き続き鮫島克也騎手の手綱となるのがコウザンゴールド。昨年1月31日のC2級戦以降、負けたのは九州大賞典の3着だけ。今回はそれ以来のS1重賞で、あらためてここが試金石となりそうだ。
過去にこのレースを勝っているエーシンクリアー、サウスウインド、それに中島記念2着だったマサヤなどは、まさに押し出される形での△。キングプライドは前走鏡山賞の直線での失速っぷりが気になるところ。
ここまで7頭、どれが勝ってもおかしくない上位拮抗の混戦。3年連続で兵庫勢にタイトルを持っていかれているだけに、地元勢の奮起を期待しての印でもある。
◎9キョウワカイザー
◯7ウルトラカイザー
▲5コウザンゴールド
△11エーシンクリアー
△3サウスウインド
△1マサヤ
△4キングプライド
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3級馬による1800メートルのS2重賞。
メンバー10頭中、前走飛燕賞組が6頭。最先着の4着だったホワイトウィングスは、その前走花吹雪賞で5着、さらにその前走佐賀若駒賞で4着と、いずれも勝ち馬とは1秒台の差で、同世代の一線級を相手にまずまずの好走を見せてきた。今回、転入初戦や2歳時以来久々という馬たちを除けば能力上位。世代のトップを争う馬たちが抜けたメンバーで、ここはチャンスといえそうだ。
ビミコウフクは中央の芝1200メートル戦のみ4戦して未勝利で転入。ダートも距離も初めてでまったくの未知数だが、中央での4戦で勝ち馬からもっとも差をつけらたのがデビュー戦で、それもコンマ7秒。前走は着順こそ9着だが大混戦の決着で勝ち馬からはコンマ2秒。それがわずか3週前のこと。そのスピードがこの舞台でも発揮できれば圧勝もある。
ロイヤルピンクは2歳時以来、5カ月ぶりの復帰戦。九州ジュニアチャンピオンこそ5着だったが、それ以前にはオヒナサマやスーパーマックスなど、この世代の重賞級を相手に2着と好走。5戦目に2歳-1組戦を制しており、そこからの成長に期待。
ロトスキャンダルは九州ジュニアチャンピオンで2着と、2歳時は重賞でも上位を争ったが、3歳初戦となった飛燕賞は差のある6着。叩き2戦目での上積みがあるかどうか。
飛燕賞は惨敗だったがS2重賞の筑紫野賞を制すなど佐賀で3勝を上げているダダッコ、花吹雪賞は7着も前走大観峰賞で2着のスターダストライトらにもチャンスはありそう。
◎2ホワイトウィングス
◯1ビミコウフク
▲5ロイヤルピンク
△4ロトスキャンダル
△3ダダッコ
△7スターダストライト
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