NAR『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』、『競馬総合チャンネル』などで地方競馬を中心に記事を執筆。グリーンチャンネル『アタック!地方競馬』『地方競馬中継』解説。1964年生まれ。
NAR『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』、『競馬総合チャンネル』などで地方競馬を中心に記事を執筆。グリーンチャンネル『アタック!地方競馬』『地方競馬中継』解説。1964年生まれ。
 JRA勢は実績馬に加えて、勢いのある新興勢力もいてというメンバーが揃い、地方勢も年末の兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIで2〜4着に好走した馬がいるという、充実したメンバーが揃った。
 ここは、実績馬よりも斤量的に有利な新興勢力組から、ワイドバッハを狙ってみたい。昨年秋に制した武蔵野ステークスGIIIもそうだが、何よりチャンピオンズカップGI、フェブラリーステークスGIで、ともに着順こそ6着だが、勝ち馬からコンマ5秒差、コンマ3秒差と互角の勝負をしている。後方から直線一気の脚質だが、高知は直線が短いぶん、向正面から早めにまくってくるのではないか。"地方のサンデーサイレンス"といわれ、残念ながら2月20日に死亡したアジュディケーティングの産駒ということでも期待したい。
 JBCスプリントJpnIを制したドリームバレンチノは、印は◯だが並んで本命という評価。JpnIを勝ったことで今回59キロを背負うことになるが、2013年の兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIを勝ったときに克服済み。明けて8歳になったが、芝からダートに転向したことで競走馬としての寿命が伸びた。
 ダノンレジェンドは、12番人気で臨んだカペラステークスGIIIであっと驚く逃げ切りのパフォーマンスを披露。今回もマイペースの逃げに持ち込めるかどうかがカギになりそう。JBCスプリントで逃げたタイセイレジェンドにからまれるようだと厳しいかもしれない。
 このレース4連覇がかかるのがセイクリムズン。震災直後で中止になった年も出走予定で、もしその年にも勝っていれば、今年で5連覇の記録を目指すことになったかも、と思うとちょっと残念ではある。一昨年、昨年は黒船賞しか勝っていないという得意のコースだが、さすがに明けて9歳で、勢いのある馬たちもいて、ということで狙いを下げた。
 地方勢では、中央オープン実績があり、地の利に期待のサクラシャイニー、兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIではあわやという場面があっての2着だったジョーメテオあたりがアッと言わせる場面があるかどうか。
 ◎8ワイドバッハ
 ◯3ドリームバレンチノ
 ▲4ダノンレジェンド
 △2セイクリムズン
 △7サクラシャイニー
 △10ジョーメテオ
 
 黒船賞の出走表はこちら
 近年の成績を見ると、必ずしも5歳馬有利というわけでもなく、それは大きなハンデ差にもよるのだろう。今回も、牡馬同士でも最大50キロのハンデ差となった。
 定量のイレネー記念、ばんえいダービーを制しているホクショウマサルは、前走4歳オープンの白雪賞では、トップハンデながら雪が積もって行ったもん勝ちの馬場で、最軽量のアアモンドセブンにわずかに及ばず2着。今回、トップハンデのコウシュハウンカイ、ハクタイホウより10キロ軽い780キロならチャンス大と見る。
 キサラキクは最軽量ハンデの740キロが魅力。ばんえい菊花賞ではハクタイホウの2着、ばんえいダービーではホクショウマサルの2着と、この世代のトップクラスの牡馬と互角に渡り合って、それでいてこの負担重量は有利だ。
 トップハンデではあるものの、やはり実績では前走チャンピオンカップ2着でトップハンデのコウシュハウンカイ。
 ナナノチカラは牝馬限定重賞を3勝しているばかりでなく、牡馬との柏林賞で3着という結果は評価できる。
 ハクタイホウは、4歳でトップハンデの790キロは厳しいが、チャンピオンカップ3着の実力は侮れない。
 A1クラスで健闘しているダイコクパワーはトップハンデから30キロ差の760キロなら上位に食い込んでくる可能性は十分考えられる。
 ◎8ホクショウマサル
 ○7キサラキク
 ▲1コウシュハウンカイ
 △2ナナノチカラ
 △4ハクタイホウ
 △10ダイコクパワー
 
 ポプラ賞の出走表はこちら
 兵庫から3頭、高知から1頭の遠征馬が強力だ。期待するのは高知のリワードレブロン。昨年はオグリキャップ記念での勝利が印象的で、昨年末には高知県知事賞を圧勝。年明け初戦も勝って3連勝で臨んだ佐賀記念JpnIIIは、さすがに中央勢の壁は厚かったとはいえ、地方馬最先着の6着。今回は、その佐賀記念で一度経験している舞台。全国リーディングで目下2位の永森大智騎手にも期待だ。
 相手はやはり兵庫勢で、筆頭はこのレース連覇のかかるエーシンクリアー。オグリキャップ記念では2番人気に期待されながらリワードレブロンの7着だったが、その後地元園田では1勝のみとはいえ、ほとんど崩れることはない。前走梅見月杯はやや離されての4着だったが、勝ったのがダートグレードでも好走しているサイモンロードが完全復活ともいうべきレースを見せてのもので、相手が悪かった。まだ5歳だけにこれからが期待できる馬。
 4歳のサウスウインドは、前走が兵庫A1特別の初勝利。3走前にはエーシンクリアーの7着に敗れているが、成長の余地はまだまだある。
 昨年の兵庫ダービー馬トーコーガイアは、3走前にA2特別を制したが、古馬の一線級が相手だとやや壁を感じさせる近況。とはいえメンバー的には馬券圏内は十分に狙える。
 地元勢では、佐賀記念に出走していたプルーフポジティブ、コパノエクスプレスが上位に食い込めるかどうか。
 ◎11リワードレブロン
 ○5エーシンクリアー
 ▲3サウスウインド
 △1トーコーガイア
 △4プルーフポジティブ
 △8コパノエクスプレス
 
 はがくれ大賞典の出走表はこちら
 飛燕賞では3着に敗れたキングプライドだが、鮫島騎手に戻っての巻き返しに期待する。その飛燕賞は、向正面の勝負どころでは前に先行した2頭がいて、外には人気のソウルケンシがいて、ソウルケンシの行きっぷりがいまひとつだったため、3〜4コーナーを回るまで内に閉じ込められたまま。直線を向いてようやく外に持ち出したが、最後は脚色が一緒になってしまった。佐賀若駒賞を勝ったソウルケンシ、飛燕賞を勝ったダイリンザンが揃って不在という今回のメンバーなら十分勝負になる。
 レアファルコンは飛燕賞で逃げ粘って2着。佐賀若駒賞こそ6着だったが、距離延長で力を発揮するようになった。飛燕賞が6番人気での2着だけに、おそらく他馬からのマークがきつくなる今回は楽には逃げさせてもらえないだろう。
 トゥータフは大観峰賞を4番人気で勝利。サウスヴィグラス産駒ゆえか北海道では1200メートル以下のみを使われ、しかし佐賀では、同じ父のキングプライドも同様だが、距離延長で結果を出している。
 中央未勝利から転入して4戦3勝2着1回のシゲルルミナリエ、中央からの転入初戦を勝っただけのベルウッドツルギらも底を見せておらず、上位争いに食い込んでくる可能性も。
 ◎3キングプライド
 ◯6レアファルコン
 ▲8トゥータフ
 △9シゲルルミナリエ
 △4ベルウッドツルギ
 
 古伊万里賞の出走表はこちら
 今回から全国交流となったスプリングカップには、兵庫から3頭、南関東から2頭が遠征してきた。中心は、トーホウエンペラー産駒のブラックスキャット。11月20日のセレクトゴールドから岡部誠騎手に乗替って3連勝。新春ペガサスカップは、ゴール前迫ったファストボーイに差されたようにも見えたが、首の上げ下げでハナ差競り勝った。前走梅桜賞は6馬身差の2着だが、勝ったのがトーコーヴィーナスでは相手が悪かった。兵庫勢もトーコーヴィーナスにはかなわないというメンバーだけに、ここは重賞2勝目のチャンス。
 マキシマムカイザーは、デビューした北海道ではJRA認定競走を勝てず2勝を上げたのみだが、兵庫に移籍してからは6戦5勝。一度だけ10着に惨敗しているのは、トーコーヴィーナスを直後でピタリと追走して失速してのもの。そのレースでは、逃げた馬、先行集団でトーコーヴィーナスをマークした馬たちが総崩れ。2着に入ったのは前半最後方を追走していた馬なので、やはり1頭だけ次元が違っていた。そういう意味ではブラックスキャットとの力差はやってみなければわからないところではある。
 南関東から遠征するのがハーモニーウィル。ここまで5戦してすべて3着以内。デビュー2戦目では、その後に重賞2着、準重賞の雲取賞を勝ったノースノースに1馬身半差2着という好走があり、さらに前走はJRAとの条件交流戦を制して2勝目。2歳8月のデビュー戦から500キロあった大型馬で、成長もうかがえる。
 新春ペガサスカップ3着のハナノパレード、前走でマキシマムカイザーの2着だったバズーカ、笠松のゴールドジュニア3着に加えて兵庫の世代最強インディウムの2着があるケルソンらも、若いこの時期だけに成長次第ではあっと言わせる場面も考えられる。
 ◎7ブラックスキャット
 ○10マキシマムカイザー
 ▲4ハーモニーウィル
 △11ハナノパレード
 △1バズーカ
 △8ケルソン
 
 スプリングカップの出走表はこちら