
7頭立ての少頭数ながら、転入後2戦以内という馬が3頭いて、また過去5走の馬柱を見ると1着と2着がひとつずつという、なんとも難解なレース。ならば地元で苦戦続きの馬よりも、転入後の経験が浅い馬たちの変わり身に期待したい。
まずはマイネルガヴロシュ。転入初戦の前走早春賞は、スタートイマイチもハナを取りに行って3頭ほどが競り合い前半が速くなった。まったく息の入らない流れとなり3コーナー過ぎで失速という結果。障害を使われる以前、平地では、芝ではあるものの2000メートルで3勝、1800メートルで1勝という実績。今回2000メートルに距離延長となって力を発揮すると見る。
もう1頭、中央から転入後、出走取り消しがあって、これが2戦目となるのがリッカアリュール。2013年以降の中央では、ほとんど二桁着順ばかりとはいえ、準オープンで勝ち馬から1秒前後の差での入線。とはいえ短距離を中心に使われていただけに、距離をこなせるかどうかが課題。
3走前の九州オールカマーで2着だったセイリオス、前走早春賞では直線伸びて3着だったハカタドンタクらにもチャンスはある。
◎7マイネルガヴロシュ
◯5リッカアリュール
▲4セイリオス
△1ハカタドンタク
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この週末は同じ2000メートルで、日曜日にA1クラスの馬たちによる鏡山賞があり、この嘉瀬川賞はA2クラスの馬たちによるS2重賞。とはいえ実際には、2月14日の唐津湾賞、15日の早春賞の先着馬はこの嘉瀬川賞に出走していて、賞金は安くともレベルの高いレース。
本命は、唐津湾賞で2着だったマイネルパルフェ。唐津湾賞で惜しくもハナ差先着を許したバルーンは、もともとホッカイドウ競馬で重賞勝ちがあり、さらに得意の距離となって力を発揮した。それを考えれば2着はむしろ好走というレース内容。ここ3戦連続連対と好調で、ここでも相手関係的に崩れることはなさそう。
中島記念2着が光るのがコパノエクスプレス。前走佐賀記念JpnIIIも8着とはいえ地元最先着。ときに凡走もあり安定感に欠けるところもあるが、このメンバーに入れば能力上位は間違いない。
マイネルティンランは中央1000万下からの転入2戦目となった前走唐津湾賞で、マイネルパルフェに1馬身差の3着。走り慣れたこの距離で、しかも山口勲騎手への乗替りで上積みも期待でき、ここで一発の期待もできる。人気があまりないようならむしろ狙いはこの馬。
昨年11月の九州大賞典で2着があり、前走早春賞で2着だったシゲルリンゴや、昨年12月の関門海峡特別まで連戦連勝だったコスモウィローらも上位を脅かしそう。
◎3マイネルパルフェ
◯8コパノエクスプレス
▲9マイネルティンラン
△1シゲルリンゴ
△2コスモウィロー
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9頭立てとはいえかなりの好メンバーが揃った。それでもやはり昨年7月以降、14戦13勝というノゾミダイヤの勢いに期待する。東海菊花賞では3着に負けたものの、大晦日の東海ゴールドカップを危なげない勝ち方で制すると、年が明けてからも3連勝。すでに重賞4勝を挙げており、まだまだ上が目指せそうだ。
連覇を狙うのがサイモンロード。昨年はやや相手が軽かったとはいえ、逃げて大差の圧勝。しかしその後は勝ち星から遠ざかり、オータムカップでもノゾミダイヤに3馬身差をつけられての完敗。それでも3カ月ぶりの実戦となった年明けの名古屋記念で久々の勝ち星を挙げた。そこを叩いての上積みがあれば、強い頃のサイモンロードがもう一度見られそう。最内枠から一気に逃げれば、ノゾミダイヤは大外枠だけに展開利も期待できる。
ティアモブリーオは南関東から兵庫に移籍し4戦してまだ勝ち星がないが、前走のA1特別では3コーナーで先頭に立ち、直線ではハルイチバンとの叩き合いとなって惜しくもアタマ差2着。負けたとはいえ相手が今勢いのある馬だけに、ティアモブリーオも調子を上げてきている。
中央1勝から笠松に移籍して2連勝の良血馬ディアデラバンデラ、昨年3着で今年も遠征してきたエーシンクリアーらも上位争いにからんでくる力はある。
◎9ノゾミダイヤ
◯1サイモンロード
▲4ティアモブリーオ
△5ディアデラバンデラ
△8エーシンクリアー
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キングプライドは、年明けの佐賀若駒賞こそ3着だったが、その後、筑紫野賞、背振山賞と、ともに1番人気にこえたて連勝。2歳時は1勝を挙げたのみだったが、3歳になって力をつけた。サウスヴィグラス産駒のわりに、距離が延びて結果を残すようになったのは、母アイディアルクインが、大井で東京プリンセス賞2着、佐賀転入後は、荒尾2150メートルの九州王冠、佐賀2500メートルの九州大賞典を制しているように、母方からくるものだろう。
11月のカペラ賞を制したダイリンザンは、年明けの佐賀若駒賞では2番人気と期待されたものの勝ち馬から大きく離されて9着。勝ったソウルケンシとほぼ併走するようにレースを進めたが、向正面でペースが上がったところでついていけず後退してしまった。それまでのレースぶりからそれが実力とは思えず、ここは巻き返しを期待したいところ。
ソウルケンシも明けて3歳になって力をつけた1頭。佐賀若駒賞では、1番人気ユズチャンを追ってのやや速いペースながら、ゴール前で一杯になったユズチャンをとらえての勝利。今回は重賞初制覇の期待がかかる一戦。
レジェンドスイグンは、休養明けの花吹雪賞を取消した影響があったのかどうか、背振山賞は5着。2歳時の力を取り戻していれば。
重賞で常に善戦しているワットプラケオも上位争いに食い込んできそう。
◎5キングプライド
◯9ダイリンザン
▲1ソウルケンシ
△11レジェンドスイグン
△6ワットプラケオ
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翌日に飛燕賞が行われるが、その残念飛燕賞ともいえるメンバーによる3歳のS2重賞。
シゲルウチワマツリが、中央未勝利から転入して、いずれも他馬を寄せ付けないレースぶりで3連勝。前走もスタートからハナを奪うと、後続を引きつけての逃げ。3コーナーから徐々に後続を離しにかかると、直線では流すような感じでのゴールで2着に8馬身差。3歳の下級条件とはいえ、素質の違いを感じさせるレースぶり。今回初距離がどうかだが、このクラスなら力の違いで押し切るのではないか。
マイディスティーノも、前走オッズパーク杯(3歳-2組)では、他馬をまったく問題にせずの逃げ切り圧勝。こちらも底を見せておらず、初距離がどうかということになるが、レースぶりからはやはりシゲルウチワマツリのほうに分があるように思う。
怖いのがジョニーギター。8月のデビュー戦で5馬身差をつけて2着に負かしたキングプライドは、筑紫野賞、背振山賞と連勝して、飛燕賞でもおそらく人気の中心になりそうな実力馬。デビュー戦以来5カ月ぶりとなった前走つばき賞は7着惨敗だったが、叩き2戦目の変わり身があれば、上記◎◯を相手にも圧勝という可能性も秘めている。
前々走筑紫野賞でキングプライドに1馬身差2着だったトゥータフ、九州産のJRAとの交流では惨敗だったが地元同士なら3戦2勝のテイエムクロウサギ、大井から転入2戦目となるピンクインハートらも侮れない存在。
◎8シゲルウチワマツリ
◯7マイディスティーノ
▲3ジョニーギター
△9トゥータフ
△6テイエムクロウサギ
△10ピンクインハート
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