ナイスヴィグラスは、ここまで4戦して2勝2着2回という成績もさることながら、前走スマートファルコン賞では、スタートでタイミングが合わず馬群から完全に置かれてしまい、4コーナーでも単独最後方という位置から大外に持ち出してゴール前差し切ってという競馬には驚かされた。まだまだ奥がありそう。ここまでに行われた北海道の2歳重賞の4戦で、サウスヴィグラス産駒はモダンウーマンが2勝しているということもあるが、栄冠賞と合わせて産駒が3勝と、今年も勢いがある。
リンダリンダは3戦目のウィナーズチャレンジでタイニーダンサーに2馬身差をつけての完勝。タイニーダンサーといえば、栄冠賞を制して函館2歳ステークスでも4着と好走した実力。リンダリンダも世代トップクラスの実力であることは間違いない。芝の2戦では結果を残せなかったが、その経験を生かせるかどうか。
シュネルバレイは、初勝利が4戦目だったが、続く2歳5組戦も勝って、さらにヤングチャレンジカップ1で2着。徐々に力をつけてきている。社台ファーム生産としてはめずらしいサウスヴィグラス産駒だが、この世代の既デビュー馬は、中央・地方合わせて5頭いる。
デビュー戦で圧巻の逃げ切りを見せたシーズアウーマンは、2戦目のフルールカップでも逃げたものの後続に来られるとバッタリ。ただ初戦で見せたスピードからはまだ見限れない。
スマートファルコン賞でナイスヴィグラスにアタマ差、ハナ差で2、3着のフィランソロフィー、エイシンキロオルらも差はない。
◎7ナイスヴィグラス
◯3リンダリンダ
▲9シュネルバレイ
△4シーズアウーマン
△1フィランソロフィー
△2エイシンキロオル
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名港盃、くろゆり賞と連勝して好調のアップアンカーにとってはだいぶ楽なメンバーになった。本来の力を出せていないサイモンロードを別とすれば、重賞勝ちがあるのはドリームカトラスのみ。先の2重賞で対戦した相手でも、名港盃6着のマヤノクレドが1秒3差、くろゆり賞3着のドリームカトラスが0秒8差。この差を逆転するのは容易ではない。
実績的にも相手筆頭はドリームカトラス。勝ち切れないレースが目立つものの、A級特別では常に上位争いと安定して力を発揮している。
怖いのはやはりサイモンロード。去勢明けの今年、名古屋記念、梅見月杯と連勝して、さすがという実力を見せたものの、その後はさっぱり。たしかにダートグレードでは相手が厳しいが、地方同士の東海桜花賞でも結果を残せなかった。マーキュリーカップJpnIII遠征以来2カ月ぶりの実戦で良化があるのかどうか。
サイモンロードがあまりアテにならないだけに、重賞でたびたび2、3着があるメモリージルバにも出番はありそう。くろゆり賞では好位4番手を追走して、砂を嫌がったか勝負どころの3コーナーでは位置取りを下げ、しかし直線ではもう一度脚を使っての4着。3着のドリームカトラスとは1馬身半差だった。
金沢から遠征のプラチナタイムもA-1で上位争いという実力なら侮れない。
マヤノクレドは名港盃は6着だったが、A級2組、3組で圧勝という内容なら上位争いも可能。ただ別定とはいえ全馬同じ57キロはちょっと厳しいかもしれない。
◎9アップアンカー
◯3ドリームカトラス
▲1サイモンロード
△6メモリージルバ
△2プラチナタイム
△4マヤノクレド
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グランダム・ジャパン2歳シーズンの各レースでまず気になるのが、北海道からの遠征馬がいるかどうか。圧倒的な層の厚さを誇る北海道の2歳戦線で、たとえ1勝馬であっても、重賞やオープンを戦ってきた馬はそれなりの実力がある。今回も、北海道の中でも2歳馬の量と質が圧倒的な角川秀樹、田中淳司、両厩舎から1頭ずつ遠征してきた。
エムティーシャトルの能力が高そうだ。前走1000メートルの牝馬重賞フルールカップでは、スタート後から追いどおしでの追走でどうなるかと思ったが、直線では一旦は前に迫って見せ場をつくっている。あとは初めての輸送競馬とコースをこなせるかどうか。
迎え撃つ地元勢では3戦3勝のスマイルプロバイド。前走JRA認定のアッパートライは、スタートダッシュよく逃げると、3コーナーで早めにジェスロに並びかけられたものの、直線で振り切っての完勝。今回、内枠では4番のハッピーガールが行きそうだが、すんなりハナで逃げられれば遠征勢相手でも期待できそう。
ランランランは、フレッシュチャレンジを圧勝したあとの3戦はいずれも1秒以上の差をつけられて負けている。とはいえ、栄冠賞を勝ったタイニーダンサーはその後に函館2歳ステークスで4着があり、前走メイショウボーラー賞を勝ったジャーニーマンは札幌芝のすずらん賞で差のない3着と、いずれも世代を代表する馬たち。そうした相手に揉まれているだけに、ここであっさりがあっても驚けない。エムティーシャトルとの比較でも見劣るところはなく、オッズ次第で狙ってもおもしろいかもしれない。
笠松から遠征の3頭はいずれも同馬主で、またいずれも門別でJRA認定競走勝ちがあっての移籍。秋風ジュニアのレースぶりからは、シャイニーネーム、ハッピーガールが勝負になりそう。
地元勢でもう1頭は、JRA認定のアッパートライで2着のナツ。
◎9エムティーシャトル
◯8スマイルプロバイド
▲10ランランラン
△7シャイニーネーム
△4ハッピーガール
△3ナツ
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日が短くなったからなのだろう、ナイター照明のないマイルの重賞、旭岳賞は16:50発走の第4レースに組まれた。
距離を延ばしての挑戦をはじめたアウヤンテプイ。2走前のAiba苫小牧祭特別は、3歳時以来じつに3年ぶりのマイル戦。しかし直線では後続をちぎってレコードでの逃げ切り勝ち。今回は重賞で勝ち負けしている強敵が揃ったが、距離の心配はなさそう。
グランプリブラッドは中央オープンから転入後、コスモバルク記念2着、赤レンガ記念3着ときて、星雲賞を勝利。そのときの1600メートル1分40秒7はコースレコードだったが、それをコンマ1秒更新したのが上記アウヤンテプイ。星雲賞のグランプリブラッドが、ウルトラカイザー、キタノイットウセイ、オヤコダカらの強豪と競り合って出したタイムに対して、アウヤンテプイは稍重だったとはいえ、単独先頭で楽に出したタイム。その比較からもやはりアウヤンテプイが中心となる。
キタノイットウセイは、赤レンガ記念でグランプリブラッドに先着しての2着があるなど実力的に差はない。ただこちらはマイル戦はやや忙しい印象で、外回りの1800メートル以上のほうが向いている。
3歳牝馬のルージュロワイヤルは、他馬より4キロ軽い53キロならひょっとしてという可能性はある。ただ、アウヤンテプイ、スタンドアウトなど、内枠に逃げ馬が揃ってというところでは苦戦しそう。
昨年3歳時に王冠賞(昨年までは2600メートル)を制したスタンドアウトは、古馬重賞ではやや苦戦。スローに落として先行できたときにどこまで粘れるか。
◎1アウヤンテプイ
○5グランプリブラッド
▲3キタノイットウセイ
△4ルージュロワイヤル
△2スタンドアウト
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別定30キロ増(850キロ)を背負うことになるはずだったフジダイビクトリーが回避。5歳のコウシュハウンカイがトップハンデの840キロで、同じく5歳のオレノココロ、それに今季7勝を挙げている8歳のトレジャーハンターが830キロ。5歳2強といえども、さすがにこの重量を背負うことになっては勝つまでは難しいのではないか。
そこで中心はインフィニティー。障害を早目に越えられて、ある程度粘りもきく。ばんえいグランプリでは先頭のフジダイビクトリーに差のない2番手で障害を越え、その後交わされたのは5歳の2強。最終的にオレノココロがゴール上でヒザをついてしまい、それを交わして3着だった。今回、フジダイビクトリーが不在で、5歳馬2頭が別定重量増となれば、一気に逃げ切る可能性大。
相手にはキタノタイショウ。今シーズンの重賞ではいずれも勝ち馬から10秒以上の差をつけられて負けているものの、基礎重量が重くなってきたここらあたりであっさりということも考えられる。
昨年9番人気でこのレースを制して驚かされたのがホクショウユウキ。この馬の成績を見ると、重賞初挑戦初制覇となった柏林賞以降では6勝しか挙げていないのだが、そのうちの5勝が重賞。高重量戦で力を発揮する、といっていいのかどうなのか、とにかく重賞に強いタイプではある。
5歳2頭が別定重量増となって、歴戦のベテラン勢に対してどんなレースを見せるか。さすがに頭までは厳しいと思うが。
ばんえいグランプリで4着だったオイドンも連下までなら。ただ昨シーズンの成績を見ても、重賞で好走したのが旭川記念(3着)、北斗賞(3着)、ドリームエイジカップ(2着)と、いずれも負担重量は700キロ台だっただけに、800キロあたりに壁があるような気はする。
◎8インフィニティー
○7キタノタイショウ
▲5ホクショウユウキ
△4オレノココロ
△2コウシュハウンカイ
△3オイドン
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