ネガティヴは、いまだフレッシュチャレンジを勝った1勝のみだが、エーデルワイス賞JpnIII3着の実績は評価すべきだろう。直線で突き放して圧勝となったウィッシュハピネスの直後をマークして進み、展開的に直線でバテるかという感じだったが、内から差してきたジュエルクイーンにアタマ差で食い下がった。今回から川崎に移籍し、北海道時代には手綱をとっていなかった井上俊彦騎手で臨むことになる。
相手には笠松のネイチャークルーズ。ラブミーチャン記念4着は、勝ったジュエルクイーンがエーデルワイス賞JpnIII2着という実績で、そこから0秒5差なら、内容としては悪くない。前走は中央の芝1400メートル戦に出走して着順こそ8着だったが、勝ち馬からは1.1秒差。1分21秒6という速いタイムで走った経験で上積みも考えられる。
ユヅルノオンガエシは、デビュー戦も含め2着が4回と勝ち切れないレースが目立ったが、2歳の条件戦でようやく2勝目を挙げたと思ったら、重賞初挑戦のブロッサムカップでは直線で鮮やかに抜けだした。重馬場とはいえ勝ちタイムの1分12秒9は、エーデルワイス賞JpnIII(稍重)とまったく同じ勝ちタイム。ブロッサムカップの勝利がきっかけとなって、さらに高い能力を発揮する可能性は十分に考えられる。引き続き鞍上は吉原寛人騎手。
パシコペンネッタのエーデルワイス賞JpnIIIでの6着は、3着のネガティヴからわずかコンマ2秒差。ブロッサムカップは9着と案外だったが、エーデルワイス賞の自身の走破タイムよりコンマ2秒遅いだけで、自身の力は発揮している。
ティープリーズは、園田プリンセスカップ2着に、ラブミーチャン記念5着と、地方同士の全国交流で上位争いの実力。
盛岡の知床賞を好タイムで制したミラクルフラワーは、前走ローレル賞は8着だったが、4コーナーを回るまで2番手で見せ場はあった。
ここまですべて遠征馬で、地元馬では水沢でデビューから2連勝のランデックハナコが上位争いにからめるかどうか。
◎12ネガティヴ
○9ネイチャークルーズ
▲3ユヅルノオンガエシ
△8パシコペンネッタ
△10ティープリーズ
△11ミラクルフラワー
△6ランデックハナコ
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ばんえい菊花賞で2着のキサラキク、同4着のアサヒメイゲツと、牡馬相手に上位に食い込んだ2頭が、今回の出走馬の中では格付けでも上位。全馬660キロの定量戦ゆえ、その実績を素直に評価する。
あとはやはりばんえいの若馬同士の重賞のセオリーとして、格下でも近走で力をつけてきて勢いのある馬に可能性がある。その筆頭が、C級でも4戦連続連対中のソラチキクヒメ。そして前走でB4級を快勝しているセンゴクイチ。
マルタウンカイは、勝ち切れないとはいえここ2戦、B3級で差のない競馬をしえいるところを評価。
アアモンドセブンは、ばんえい菊花賞では7着だったが、今回とほとんど同じメンバーで争われていた2月の黒ユリ賞ではキサラキクの2着という経験がある。この馬はちょっと怖い存在。
◎2キサラキク
○5アサヒメイゲツ
▲9ソラチキクヒメ
△1センゴクイチ
△4マルタウンカイ
△10アアモンドセブン
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石川門ジュニアカップでのエムザックサンダーは強かった。単騎で逃げたイヴシャンテマリーの2番手を追走し、直線を向いてとらえると楽に5馬身突き放した。とはいえそれは地元デビュー馬限定戦。11月4日の兼六園ジュニアカップでは、ホッカイドウ競馬からの転入馬、アロマベール、ハッピールミエールに軽くひねられていた。同じような位置を追走したが、直線を向いての追い比べになると瞬発力の違いを見せつけられた。
今回もそのアロマベール、ハッピールミエールが中心。特にアロマベールは、門別のレベルの高い重賞でこの世代の一線級に揉まれてきた経験は大きく、重賞以外でも9月9日のウィナーズチャレンジ6着は、その後に北海道2歳優駿JpnIIIで3着に好走したクラバズーカーに0秒7差と、それほど差のないレースをしている。
エムザックサンダーは、その2頭に対してどこまで差を詰められるか。
金沢プリンセスカップを制したエムティサラ、石川門ジュニアカップではエムザックサンダーに交わされてからもなんとか2着に粘ったイヴシャンテマリーらは、勝ち負けまでは難しそうだが、エムザックサンダーが勝ちにいって沈むような展開になれば馬券圏内のチャンスはある。
◎2アロマベール
○6ハッピールミエール
▲4エムザックサンダー
△10エムティサラ
△7イヴシャンテマリー
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天山賞は、笠松から戻っての初戦、7番人気のステイシーファレルにしてやられたという感じのレースだった。とはいえ勝ちタイム的には、同じ良馬場の九州ジュニアチャンピオンよりも2秒以上遅いもの。この時期の佐賀はどうしても転入馬のほうが優勢で、ここは北海道から転入初戦のハイネを中心に取る。JRA認定競走はとうとう勝つことができなかったものの、アタックチャレンジでは2着が4度もあり、そのとおり実力的には認定競走勝ち馬にもヒケをとらない。門別の2歳重賞でも毎年レベルの高い馬が集まるサンライズカップでは6着だったが、勝ったタケルオウジから0秒9差はむしろ評価できる。さらに門別での最終出走となった前走ウィナーズチャレンジでは3/4馬身及ばず、またも惜しい2着だった。実力は一枚抜けているように思う。
九州ジュニアチャンピオンでは1番人気に支持されながら3着だったダイリンザンは、前にいたイッセイイチダイ、キングオブザメインに先に仕掛けられて届かずという競馬。実力的には差はない。転入初戦の上記ハイネをはじめとする転入初戦の馬との力関係は未知数だが、佐賀の既出走馬との比較なら能力上位は間違いない。真島騎手への乗替りでも期待。
ゴルデンドラマは天山賞で3着。勝ったステイシーファレルとは、同じように後方から向正面で仕掛けていったが、ステイシーファレルが内々の経済コースから位置取りを上げたのに対し、ゴルデンドラマは外々を回って3/4馬身+アタマの差。展開ひとつで巻き返しは可能だ。
天山賞を制したステイシーファレル、天山賞では結果を残せなかったもののその前に2歳1組戦で1、2着のワットプラケオ、ウールーズらが上位に食い込めるかどうか。
◎3ハイネ
◯11ダイリンザン
▲8ゴルデンドラマ
△5ステイシーファレル
△4ワットプラケオ
△6ウールーズ
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エスワンプリンスがこのレース連覇を狙って、満を持しての遠征だ。前走JBCスプリントは9着。着順はともかく、かなり時計の出やすい馬場だったとはいえ、1200メートルを1分10秒8というタイムで走った経験は生きるはず。地元にはなかなか都合よく使える1400メートル戦が少なく、それゆえのJBCスプリント遠征だった。輸送や激戦の反動が心配といえば心配だが、現状では年間の目標としてきたのがこのレース。大外枠に入ってしまったが、必ずしも逃げなくても競馬はできる。今年も南関東から実績馬が遠征してきたが、去年もナターレを負かしている実力だ。
6歳になったゴーディーが好調だ。6月の武蔵のオープンを圧勝して以降、重賞では勝ち切れないとはいえ、常に惜しいレース。前走マイルグランプリでは、セイントメモリー、グランディオーソというダートグレードでも好勝負という2頭に続いての3着。課題は初の遠征と笠松の小回りコースか。母はアラブのイケノエメラルド。デビューは名古屋で、笠松コースでもアラブダービー、アラブギフ大賞典という重賞を制した。母仔による笠松での重賞制覇の期待がかかる。
ジョーメテオは、前々走のマイルグランプリは7着だったが、続く前走、韓国と交流のインタラクションカップで2着と好走。この馬も南関東の重賞でたびたび上位争いをしているだけに、ゴーディーとも実力差はない。
クリスタルボーイは、今年2月のオッズパークグランプリでレコード決着の3着。そのときの走破タイムが重馬場で1分25秒0。対してエスワンプリンスの昨年の勝ちタイムが良馬場で1分24秒5。その差を詰められるかどうか。
地元笠松勢では、夏のくろゆり賞を制しているタッチデュールが上位争いに加われるかどうか。
◎10エスワンプリンス
◯3ゴーディー
▲5ジョーメテオ
△6クリスタルボーイ
△4タッチデュール
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