レイズミーアップの勢いが止まらない。夏場に移籍した門別では結果を残せなかったが、佐賀に再転入してから6戦5勝、2着1回。その勝利の中にはエスワンプリンスをクビ差でしりぞけた中島記念も含まれ、3着のデュナメスには大差をつけた。
その復帰後のレイズミーアップに唯一土をつけたのがデュナメスだった。一昨年から昨年にかけてのデュナメスは、実力を認められながらも重賞はもう少しのところで勝てず、ようやくタイトル奪取となったが、昨年11月の九州大賞典。レイズミーアップを負かした雷山特別は逃げの手に出て、並びかけられても最後まで抜かせなかった。再び負かすには、そうした展開的な助けが必要かもしれない。
唐津湾賞、嘉瀬川賞と連勝してきたアティロンが、いよいよオープンのこのメンバーに入って勝ち負けまであるかどうか。
昨年7月以来勝ち星がないメイホウホップだが、それでも掲示板は確保する堅実な成績で、しかしレイズミーアップやデュナメスとの対戦では分が悪い。
中央準オープンから転入して3、2着のキャプテンマジンは上積みがあれば一角崩しも。
前々走、A1の1400メートル戦を内田利雄騎手で勝ったネガイヲコメテは、この距離ではちょっと厳しいか。
◎レイズミーアップ
◯デュナメス
▲アティロン
△メイホウホップ
△キャプテンマジン
△ネガイヲコメテ
古馬B2級の重賞で、ともに佐賀転入後3着を外していないエーシンヴンダバーかコパノモーニングかという争い。
エーシンヴンダバーは、佐賀転入後4連勝。前走初めてのB2級1組特別は1番人気に支持されながら3着だったが、向正面から追ってもやや反応が鈍く、らしくないレースぶりだった。中央および兵庫時代の成績から、この距離が長いということは考えられず、それまでのレースぶりから近いうちにこのクラスは卒業するだろう。
コパノモーニングも前々走がB2級1組初挑戦で3着。ただこれはジョッキー交流レースで、鞍上が主戦の山口勲騎手ではなかった。前走B2級2組の1400メートル戦では、中団追走から向正面で追い出されると、あっという間に先頭に立った。同じくこのクラスにとどまる器ではない。
ガイヤクインは、昨年11~12月にB2級2組で連勝。ただその後、B2級1組特別では勝ちきれず、ここにやや壁がある感じ。上記2頭との直接対戦でも分が悪いように、今回も連下まで。
ガイヤクインは、C1級は順調に卒業したが、前走B2級1組特別でエーシンヴンダバー、ガイヤクインに続く5着。後方から直線勝負という脚質だけに、展開に恵まれれば一発はあるかもしれない。
カシノアベベは、昨年夏にこのクラスの特別で2勝を挙げているが、秋にはやや苦戦して、今回が5カ月ぶりの実戦。この休養で立て直しているかどうか。
◎エーシンヴンダバー
◯コパノモーニング
▲ガイヤクイン
△タニノユニヴァース
△カシノアベベ
今年の2歳戦線は大混戦。牝馬のコウシュハクィーンを除けば、他の9頭は5~8勝と勝ち星も割れている。
十勝産駒特別の上位4頭、ソウクンボーイ、ダイコクパワー、コウシュハクィーン、コウシュハウンカイらが人気にになりそうだが、ここはナナカマド賞を繰り上がりで勝ったショウチシマシタの2冠制覇に期待したい。ヤングチャンピオンシップはトップハンデながら勝ったソウクンボーイから3秒2差とわずかの差で5着。続く3歳A-1戦もやはりトップハンデで、その後に黒ユリ賞を制すナナノチカラを僅差でしりぞけた。前走では4着に敗れたが、そこでもほとんど差がなかった。メンバー中4頭いる前走馬体重1トン超の1頭で、実戦では初めて曳くことになる670キロもこなせるのではないか。
実績で見れば、十勝産駒特別とヤングチャンピオンシップを制しているソウクンボーイが筆頭だろうか。前走もトップハンデ585キロで完勝という内容だが、順調に来た馬が定量なら有利と思われながら凡走するのがイレネー記念の恐いところ。
コウシュハウンカイは昨年9月の青雲賞以降、すべて4着以内と安定した成績を残している。前走もトップハンデでの勝利で、今回も当然勝負になる。
ダイコクパワー、コウシュハクィーンらも、上記有力馬らと勝ったり負けたり。特にダイコクパワーにとっては、ナナカマド賞で降着になって以降、しばらく勝ち星がないだけに巻き返したいところ。
重賞ではいまひとつのセイコークインだが、再びA-1に上がり、前走ではハンデに恵まれたとはいえ、上記有力馬と差のない競馬をしていただけに、展開次第ではチャンスがあるかもしれない。
◎ショウチシマシタ
○ソウクンボーイ
▲コウシュハウンカイ
△ダイコクパワー
△コウシュハクィーン
△セイコークイン
高知から遠征の2頭が強そうだ。マチカネニホンバレは、09年にエルムステークスGIIIを制し、その後もダートオープンで常に上位争いの活躍。1年以上のブランクがあって南関東で復帰し、2戦目の報知オールスターカップは4コーナーで先頭に立ちかけて見せ場をつくった。高知に移籍して、A-2戦ではさすがに力が違い、3コーナーから後続を離しにかかると、直線はほとんど追われずに7馬身差圧勝。1800メートルという距離も経験豊富で得意とするところ。
グランシュヴァリエもおなじみの全国区。最後までしっかり追われた高知県知事賞は大差の圧勝。さすがにダートグレードで中央の一線級に揉まれているだけのことはある。今年の福山リーディングでは、ここまでのところ佐原騎手の2位に甘んじている三村騎手だが、この馬をどう乗りこなすかも楽しみなところ。
迎え撃つ地元勢では、前々走マイル争覇でエーシンアガペーに1馬身差2着と食い下がったフレアリングマリーが筆頭。前走福山牝馬特別は、エーシンアガペーの7着と惨敗だったが、マイル争覇よりレベルが高いメンバーで厳しいレースになった。今回は高知の2頭にどこまで食い下がれるか。
ビーボタンダッシュは福山大賞典から3戦連続2着と、好走はするものの、なかなか勝ちきれない。サマースピードは、2走前にそのビーボタンダッシュを負かしているが、前走は半馬身差で競り負けた。この2頭は展開次第では上位争いも。
◎マチカネニホンバレ
◯グランシュヴァリエ
▲フレアリングマリー
△ビーボタンダッシュ
△サマースピード
このメンバーならゴールドペンダントにチャンスが巡ってきたといえそうだ。この世代の佐賀の一線級が争った飛燕賞で3着。直線2番手で粘るところ、ビックナゲットに交わされての3着は残念だったが、前々走の日峯特選でちぎられていたダイリングローバル(4着)に先着したのは価値がある。2010年にデビューした石川慎将騎手にとっても重賞初制はのチャンスだ。
ハクユウマイスターは、日峯特選4着に、飛燕賞5着。ともにゴールドペンダントに遅れをとってのゴールだが、2歳時からこの世代の上位クラスの馬たちと対戦してきて、馬券圏内か掲示板かという争い。強力な逃げ馬はいなさそうで、ハナを奪ってマイペースに持ち込み、どこまで粘れるか。
中央未勝利から転入して5戦オール連対なのがクラウンアリオン。前走初めての中距離戦で、初めての特選挑戦となった青の洞門特選では、勝ったセンヒメに4馬身離されての2着。力をつけてきてはいるものの、一線級相手ではまだ荷が重そうで、ここでも連下争いまで。
前走3歳-2組戦を勝ったリトルチェリー、前走青の洞門特選3着のミヤノダイアナあたりに上積みがあれば、上位に割って入れるかもしれない。
◎ゴールドペンダント
◯ハクユウマイスター
▲クラウンアリオン
△リトルチェリー
△ミヤノダイアナ