いよいよ東海ダービーに向けた争いが本格化というスプリングカップ。
ゴールドブラザーは、重賞初挑戦ながらもゴールドジュニアの勝ち方が圧巻だった。2番手追走から、逃げたホウライジェントルを4コーナーでとらえると、直線では楽々と突き放して圧勝。デビューしたホッカイドウ競馬ではフレッシュチャレンジを勝ったのみで、笠松に移籍してからの2戦も3着、3着だったが、ここにきて素質開花といったところだろうか。タイムパラドックス産駒は、この世代の活躍がとくに目立つ。
ユーセイクインサーは、今年初戦となったJRAダートの500万下は惨敗だったが、名古屋・笠松では6戦オール連対。ライデンリーダー記念はピッチシフターに食い下がってクビ差の2着で、この馬もこの世代をトップを争う1頭になりそうだ。同じく父はタイムパラドックス。
ホウライジェントルも2歳時から重賞戦線で活躍し、ここまですべて4着以内という安定した成績。ゴールドジュニアではゴールドブラザーにちぎられての2着だったが、ここで巻き返しておきたいところ。
アイビスティは、新春ペガサスカップでホウライジェントル(4着)に先着の2着。ホウライジェントルが大外に入ったため、この馬が逃げることになりそうだが、好位に控えるゴールドブラザーの目標となってどこまで粘れるか。
金沢からフレアリングメテオが遠征。冬季休催中に滞在した福山ではカイロスに半馬身差と迫る2着があったが、前走ゴールドジュニアでは離されての3着。東海地区の上位クラスとはやや差がありそうだが、混戦になれば連下争いにはからんでくる。
エストレーモは、ホッカイドウ競馬では2歳の下級戦を1勝したのみで、名古屋に移籍してからは7戦してすべて3着以内。ただ重賞クラスとの対戦ではちょっと荷が重いかもしれない。
◎ゴールドブラザー
○ユーセイクインサー
▲ホウライジェントル
△アイビスティ
△フレアリングメテオ
△エストレーモ
このレース4勝目を狙うカネサブラックだが、トップハンデ840キロはいかにも厳しい。5歳牝馬のブラックパールとは80キロ差。牡馬のフジダイビクトリーとも60キロ差がある。この馬自体は840キロをこなせるが、800キロ前後の馬が何頭もいるメンバーではペース的に厳しくなりそう。
負担重量的に有利なキタノタイショウを狙う。今シーズンは重賞を7戦して北斗賞を制したものの、それ例外の6戦は、なんとすべて4着というめずらしい成績。好走しているわりには重賞で賞金を稼いでない。それゆえの810キロだ。ここまでの重賞戦線と比較すると、対カネサブラックで重量的にかなり有利になっているのは当然として、ばんえいグランプリ、北見記念をともに制したギンガリュウセイとも重量差は逆転している。カネサブラック、ナリタボブサップの今シーズン限りでの引退が発表され、これからのばんえいを背負っていく世代だけに、ここを勝って来シーズン以降につなげてほしいところ。
逆にここまで重賞2勝を挙げたため、重量がやや厳しくなっているのがギンガリュウセイ。とはいえ、700キロ台の5歳馬は別とすれば、それ以外の馬たちとは20キロ以内の差。高重量戦で力を発揮するタイプだけにこなせるかもしれない。
重量差を生かして若い世代が激走することもめずらしくない重賞だけに、重量に恵まれた5歳馬、フジダイビクトリー、ブラックパールらの好走も十分に期待できる。
カネサブラックは他馬より20~80キロも重い840キロでどうだろう。目標はばんえい記念にあるだけに、ここで無理してまで勝ちにはこないように思う。
800キロ以上の重量では馬券にからんだことのないホッカイヒカルだが、ここ3戦はオープンで連続連対と好調。一応3着争いには入れておく。
◎キタノタイショウ
◯ギンガリュウセイ
▲フジダイビクトリー
△カネサブラック
△ホッカイヒカル
△ブラックパール
福山プリンセスカップを勝った牝馬のメイライトが不在となるここは、再びカイロスとイワミノキズナの一騎打ち。
カイロスは、前走ですでに古馬A級とB1の混合戦を圧勝しているだけに、同世代同士なら能力は抜けている。短距離を中心に使われているものの、若駒賞では1600メートルでも逃げ切って圧倒的なスピードを見せた。
とはいえイワミノキズナにもチャンスは十分。若駒賞ではかなり差をつけられてしまったが、ヤングチャンピオンでは逃げたカイロスをアタマ差とらえ、3着には大差をつけた。先々、さらに距離が伸びての争いとなれば、イワミノキズナのほうが優位に立つ可能性は十分にある。
3番手以下はやや離れるが、福山プリンセスカップでメイライトに1馬身まで迫ったフレアリングレーヌがどこまで迫れるか。カイロスとは一度対戦して大敗しているが、この距離ならまた結果は違うかもしれない。
スイングリーダーは、前々走のオッズパーク杯如月賞ではフレアリングレーヌに2馬身差をつけて逃げ切った。ただ前走の福山プリンセスカップでは3馬身差をつけられての3着。この2頭は、ともにカイロスの好位につける展開でどんなレースぶりを見せるか。無理に勝負に行くより、着狙いのほうが好結果につながるかもしれない。
エーシンショーフクは、福山転入後11戦して3着を外さない堅実な成績。2強の力が抜けているだけに、手堅く3着を確保するのはこういうタイプかもしれない。
◎カイロス
◯イワミノキズナ
▲フレアリングレーヌ
△スイングリーダー
△エーシンショーフク
1着賞金1000万円だけあって、南関東から2頭のほか、金沢、兵庫、佐賀から5頭の遠征があり、楽しみな一戦となった。
ラブミーチャンは、当初は武豊騎手に騎乗を打診していたが、武騎手は同日、ドバイに遠征しているファリダットに騎乗することになって実現に至らず、条件交流に騎乗する福永祐一騎手が乗ることになった。ラブミーチャンは昨年の笠松グランプリでは直線でエーシンクールディに交わされ1馬身差をつけられての2着。NARグランプリ年度代表馬に選出されて、あらためての地元出走となるだけに、負けられない一戦だ。
佐賀からエスワンプリンスが遠征してきた。昨年3歳時は九州ダービー栄城賞を制し、予定していたジャパンダートダービーJpnIには間に合わなかったものの、同じ大井の黒潮盃に遠征してまことに惜しい3着と好走した。距離は1400~1600くらいがいいとのことで、秋は笠松グランプリを目指していたものの、脚部不安が癒えずに断念。地元のオープンクラスには短距離の番組が少ないので、満を持しての遠征となる。
ナイキマドリードが元気だ。年末の浦和・ゴールドカップから年明けの船橋記念を連勝。前走報知グランプリカップは久々の1800m戦ながら、それほど差のない3着と好走した。気になるのが重賞勝ちが浦和と船橋に集中していること。たとえば大井では、出走のほとんどがダートグレードということもあるが、連対したのは重賞初挑戦だった10年のアフター5スター賞のみ。右回りはあまりよくない可能性があり、3番手評価。
勝負になるのは以上3頭で、いずれかが崩れたときの3着候補が以下。
半年の休み明けとなるファイナルスコアーは、昨年、川崎マイラーズ2着に、武蔵野オープン勝利という実績。
トウショウクエストは、中央準オープンから金沢に移籍し、2戦してともに2着だったが、笠松の白銀争覇で強い勝ち方を見せた。
メモリージルバは中央未勝利だが、前走東海クラウンまで7連勝中と底を見せていない。
◎ラブミーチャン
◯エスワンプリンス
▲ナイキマドリード
△ファイナルスコアー
△トウショウクエスト
△メモリージルバ
フルゲート10頭に、金沢、笠松、名古屋、兵庫から計6頭の遠征馬。いずれも重賞勝ちがあり、このままグランダム・ジャパン古馬シーズンの一戦といってもいいようなメンバーが揃った。
昨年のグランダム・ジャパン古馬シーズンでは、もうちょっとのところで女王の座を逃したロッソトウショウがここでも中心。昨年は、初重賞の読売レディス杯こそ3着だったが、その後は遠征競馬で重賞を3勝。地方同士のレースでは負けていない。長距離輸送によるイレ込みの心配もあったが、最近ではだいぶ慣れてきてもいるようだ。今回は2カ月半ぶりの実戦でどこまで仕上がっているかがカギとなりそうだ。
エーシンアガペーは、兵庫サマークイーン賞ではロッソトウショウに2馬身差をつけられての2着だったが、レース内容的には接戦だった。その後にそのだ金曜ナイター初日の摂津盃で重賞初勝利。しかし兵庫クイーンカップでは5着に負けているように、常に持てる力を発揮するタイプではない。それでも1カ月前にマイル争覇を制したと同じ舞台だけに、再びの好走も期待できる。
マンボビーンは、2011年のグランダム・ジャパン3歳シーズン女王。昨年の兵庫クイーンカップでロッソトウショウに3/4馬身差2着など重賞でも常に善戦するものの、重賞勝利は3歳時以降遠ざかっている。今回も突き抜けるまではどうか。
地元の期待はフレアリングマリー。前々走クイーンカップを圧勝して、前走マイル争覇では5番人気ながらエーシンアガペーに1馬身差2着と好走した。今回は牝馬同士だが、相手関係的にはそのマイル争覇よりも厳しそう。
アルドラは昨年の金沢2冠馬で、ダービーグランプリでも差のない3着。TCK女王盃JpnIIIはさすがに相手が強かったが、そうしたところで揉まれて力をつけている可能性はある。
◎ロッソトウショウ
◯エーシンアガペー
▲マンボビーン
△フレアリングマリー
△アルドラ