30日に行われた3歳馬による岐阜金賞。前走の秋桜賞を大差で圧勝したことからサチコゴージャスが断然人気となったが、勝ったのは最後方から向正面で一気に進出したノゾミカイザーだった。サチコゴージャスが前走のように気持ちよく逃げられず2着に敗れたのは、ケイゾクの存在があったからではないだろうか。
スタート後にすんなりとケイゾクがハナに立つと、サチコゴージャスは2番手に控えた。枠順がケイゾクのほうが内だったからということもあるのだろうが、おそらくケイゾクに競りかけていっても簡単にはハナを譲ってくれないだろうからということで、サチコゴージャスは控えたのだろう。
4コーナーで後退したケイゾクは、そのまま馬群に沈むのかと思って見ていたのだが、意外にも粘って3着を確保。スローに落として脚を溜められた結果だろう。
さて、ジュニアクラウンだが、そのケイゾクと同じ父カルラネイチャー、厩舎も同じ井上孝彦厩舎のレトリーブから狙ってみたい。前々走の秋風ジュニアはハナを切ってゴール寸前粘り切れず3着だったが、前走のJRA認定競走は2番手追走から4コーナーで先頭に立つと、2着に5馬身差をつける圧勝となった。時計の出やすい重馬場とはいえ、笠松1400メートルの持ちタイムはこのとき記録した1分30秒0がメンバー中では最速。ここまでに2勝しているのも北海道から移籍してきたモエレグランプリとこの馬だけ。キャリアの浅い2歳馬ばかりの中にあって、その経験が生きるだろう。
相手筆頭はブルーベリー。デビュー2戦目のJRA認定戦を圧勝し、金沢に遠征した兼六園ジュニアカップで1番人気に推された(3着)素質にあらためて期待する。
キングゴールドオーはここまで4戦して未勝利だが、秋風ジュニアではレトリーブに先着の2着。中団〜後方から追い込む脚質だけに勝ち切れないが、展開次第ではここで初勝利という可能性も。
中央未勝利からの転入初戦を9馬身差で圧勝したクロミツジョウも一発を秘めている。
◎レトリーブ
○ブルーベリー
▲キングゴールドオー
△クロミツジョウ
ホッカイドウ競馬の2歳戦線もいよいよ大詰め。ここはワンダフルクエストがどんな勝ち方を見せてくれるか。デビューから6連勝はいずれも一方的なレースぶり。逃げたことは一度もなく、出遅れは心配だが、差して確実に勝ち続けているのは、常に安定して力を発揮できている証拠。ここも無事に通過して全日本2歳優駿JpnIに進んでほしいところ。
ワンダフルクエストとは未対戦のモエレエキスパートが相手筆頭。JRA芝のクローバー賞を勝ち、札幌2歳ステークス3着の力をダートで発揮できればワンダフルクエストを脅かす存在になる。
ウルトラシーは、サンライズカップでハナ差の2着。そこを勝ったチョットゴメンナが、その後船橋・平和賞を勝っていることを考えれば、ここで通用してもおかしくない。
ハートのマサノウイズキッドも争覇圏。
中央馬はいずれもダートで1勝。前走直線で後続を突き放したフリソに可能性がありそう。
トールポピーの半弟として注目のナサニエルは、前走サンライズカップでゴール前接戦の5着。脚部不安があるだけに、その前走もかなり大事に乗ったというレースぶり。今回も真っ向勝負には出られないだろう。
◎ワンダフルクエスト
○モエレエキスパート
▲ウルトラシー
△マサノウイズキッド
△フリソ
秋桜賞のサチコゴージャスには驚かされた。それまで1600メートル以上のレースではゴール前でバッタリという結果が続いていたのが、このときばかりはゴール前で止まるどころか、逆に後続を突き放して大差勝ちとなった。牝馬同士の争いだったが、古馬と同重量でそうしたレースができるのであれば、3歳馬同士なら抜けた存在。
ノゾミカイザーは、3月のスプリングカップ以来勝ち星から遠ざかっているが、近走は大井・黒潮盃5着、盛岡・不来方賞3着と、遠征競馬で確実に力をつけている。
力をつけているといえばシンコーセヴン。東海ダービーは最下位も、7月以降3歳1組特別で2、2、1、1着の上がり馬。ここで一気に突き抜ける可能性もある。
オッズパークファンセレクションでサチコゴージャスを振り切ったケイゾクだが、その後は古馬との対戦で頭打ち。ただこの馬は走るときと走らないときの落差が大きいので、3歳馬同士ならOPファンセレクションの再現があってもおかしくない。
オキナワノドリームもしばらく勝ち星から遠ざかっているが、笠松・オータムカップで古馬相手に2着の実績を考えれば、十分に可能性はある。
印はまわらなかったが、前走古馬A2特別で3着のカキツバタフェローも力はある。
サチコゴージャス本命だが、これが崩れるようなら、カキツバタフェローまで含めて印をつけたどの馬が勝ってもおかしくない。
◎サチコゴージャス
○ノゾミカイザー
▲シンコーセヴン
△ケイゾク
△オキナワノドリーム
高知のオープンクラスは相変わらず中心馬不在で勝ち馬がレースごとに変わる状況。今年高知の古馬の重賞を勝った馬でここに出てきたのはトレノ賞のロマンタッチのみ。そのロマンタッチもトレノ賞以降は勝ち星がない。
いきなり話は変わる。二十四万石賞を勝ったケイエスゴーウェイは、07年6月の高知移籍後初出走以降、勝ち星はいまだにその1勝のみ。というのも南関東のダートグレードを中心に遠征を続けているからなのだが、それもスゴイことだと思う。
というわけで珊瑚冠賞だが、ここは普通に考えてスペシャリスト。笠松のオグリキャップ記念、福山の西日本グランプリと連勝し、その後地元のA級特別は3着。佐賀・サマーチャンピオンJpnIII(9着)以来2カ月ちょっとぶりの実戦となるが、1900メートルの距離なら落とせないはず。
オープンクラスに安定勢力不在なら、前走B4戦を2着に2秒3の大差で圧勝してきたフラワーギフトが相手でどうだろう。
古馬になってからの重賞で結果が出ていないオリジナルステップだが、ここ3戦連続連対と好調キープ。オグリキャップ記念3着のサンエムウルフは、期間限定騎乗の郷間勇太騎手(川崎)がどんなレースを見せてくれるか。
ただ、どの馬にもチャンスがありそうなレースではある。
◎スペシャリスト
○フラワーギフト
▲オリジナルステップ
△サンエムウルフ
ボスアミーゴが負けられない一戦。前々走OROカップではクルセイズにハナ差届かずまさかの2着に敗れたが、2400メートルのここでは恥ずかしいレースはしないだろう。今シーズン盛岡の芝では6戦して、負けたのはそのOROカップだけ。盛岡芝王者の貫禄をあらためて示したいところ。
相手には笠松のオグリオトメ。OROカップは4着もそれほど差はなかった。前走秋桜賞は差のある6着だったが、ゆるい流れからサチコゴージャスが直線突き放したというレースで、後方追走となったこの馬にとっては参考外。盛岡の芝で新たな能力を見せたいところ。
OROカップでボスアミーゴに土をつけたクルセイズ、前走パンジー賞では逃げてボスアミーゴの1馬身半差2着に粘ったカネショウエリートらが、今回もボスアミーゴにどこまで迫れるか。
3歳馬ではピンクゴールド。不来方賞から急激に力をつけたようで、OROカップでもボスアミーゴから1馬身半差の3着だった。前走芝のサファイア賞を制したコンバットキックだが、相手関係的にここでは厳しいレースとなりそう。
◎ボスアミーゴ
○オグリオトメ
▲クルセイズ
△カネショウエリート
△ピンクゴールド