12頭フルゲートでどの馬にもチャンスがありそうな建依別賞。
ここは、ダートグレードや他地区で一線級の馬に揉まれてきたケイエスゴーウェイが中心。高知転入後の初勝利が重賞制覇となった二十四万石賞のときも、ダートグレードで揉まれてきた経験が生きた。今回も状況はそのときと同じ。競走馬は強いメンバーと一緒にレースをしてこそ強くなるもの。ちょっと不安なのが赤岡修次騎手がビッグフリートのほうを選んだということだが、逆に兵庫から期間限定騎乗で来ている寺地誠一騎手にとっては大きなチャンス。
相手は、その赤岡騎手が今回選んだビッグフリート。もともとは中央のダート短距離路線のオープンを走っていた馬。高知移籍後も積極的に遠征し、一昨年は東京盃GIIやJBCマイルGI(川崎)などにも出走した。1年以上の休養があり、今年6月に戦線復帰。前走今回と同じ1400メートルのA級選抜戦を接戦で制しているだけに、今回も期待がかかる。
オオキナキタイは、重賞経験が3走前のトレノ賞2着のみだが、A級選抜で常に安定している成績を残しているだけに一角崩しの可能性も。
マリスブラッシュは早めの競馬で自分の展開に持ち込めばチャンスあり。
◎ケイエスゴーウェイ
○ビッグフリート
▲オオキナキタイ
△マリスブラッシュ
今年は他地区からの遠征がなく、地元岩手勢10頭によって争われるこのレース。
昨年上位の3頭、サイレントエクセル、ジュリア、クルセイズが出走してきた。しかし連覇を狙うサイレントエクセルには、昨年9月の青藍賞を制して以降勝ち星がなく、勢いがない。
勢いならば2連勝中のジュリアのほうが上。3走前の早池峰賞は9着に敗れたが、これは1200メートル戦ゆえに参考外。重賞経験の少なかった昨年より力をつけていると見て、この馬が中心。
サイレントエクセルは、前走フェアリーカップでクルセイズに差されて2着。ただ、直後にぴったりつけたクルセイズにマークされる展開で、ゴール前で差し切られたのは仕方ない。再度、サイレントエクセルの能力を上と見て対抗格。
重賞未経験で、まだB級の身だが3連勝と勢いのあるハウプトローレにも一発の可能性。菅原勲騎手なのも不気味なところ。
前走フェアリーカップ3着の3歳馬カネショウプルートは、そのときは先着されたクルセイズ、サイレントエクセルより斤量が3キロ軽かったものが、今回は2キロ差に縮まっているだけに厳しいか。
◎ジュリア
○サイレントエクセル
▲クルセイズ
△ハウプトローレ
△カネショウプルート
7頭立てとちょっと寂しくなった荒炎賞。荒尾所属馬6頭はすべて前走荒尾商工会議所杯を使ったメンバーの再戦で、ここに佐賀からフサイチクローバーが遠征してきた。
その荒尾商工会議所杯は、1番人気のシゲルクシエラが6着に沈み、5番人気のゴールデンキラリが勝って、馬単11万円、3連単86万円という波乱となった。地元荒尾勢が今ひとつ力関係がはっきりしないメンバーなら、佐賀のフサイチクローバーで勝負になりそうだ。フサイチサガントスと同じ世代の「フサイチ」の期待馬。デビューが12月と遅れ、連戦連勝とはいかなかったが、前々走で3歳1組特別を勝つまでになった。前走中央未勝利との交流ブレイズカップは、中央勢上位独占の一角を崩す3着と健闘。このメンバーなら重賞タイトルに手が届きそうだ。
相手にはシゲルクシエラ。荒尾商工会議所杯では人気にこたえられなかったものの、3走前に古馬C級1組を勝ち、前々走古馬B級で2着に入った実力は、荒尾勢ではメンバー最上位。勝つのはこの2頭のどちらかだろう。
荒尾商工会議所杯を勝ったゴールデンキラリ、同3着のテイエムテルスターが上位2頭のどちらかが崩れればチャンスが巡ってきそう。
◎フサイチクローバー
○シゲルクシエラ
△ゴールデンキラリ
△テイエムテルスター
南関東の3冠路線で期待されたグッドストーンが、名古屋移籍後2戦目で勝利を上げた。2歳時はデビューから平和賞まで5連勝。3歳になっても京浜盃、羽田盃でともに2着と好走したが、その後は善戦こそあるものの勝ち星が挙げられず、結局は平和賞が南関東での最後の勝ち星となっていた。
久々の勝利となった前走のペリドットオープンは、気合を入れてハナを奪うと後続を引き付けての逃げで、最後はレオマジックをアタマ差でしりぞけた。
グッドストーンの復活にも期待したいが、ここはトミノダンディの勢いに賭けてみたい。まだ条件クラスで重賞勝ちこそないものの、経験は豊富。昨年3歳時は兵庫チャンピオンシップJpnIIで4着、マルヨフェニックスが勝った大井の黒潮盃でも5着と、全国区の一線級相手にそこそこのレースをしている。今年もマーチカップ、スプリング争覇、ともに勝ったウイニングウインドからそれほど差のない3、2着と東海地区のトップクラスを相手に互角のレースをしている。遠征経験も豊富なだけに、ここで重賞初制覇といきたいところ。
グッドストーンにももちろん勝機はあり、3番手には前走読売レディス杯3着だったテーマミュージック。2005年のこのレースを制しているだけに、再びの期待もかかる。
地元勢では、昨年、百万石賞2着、白山大賞典2着、北國王冠を勝ち、中日杯3着と、金沢の重賞戦線で常に安定した成績を残したマヤノオスカーが最上位だが、東海勢を相手にどこまで。
前走MRO金賞を4馬身差で逃げ切ったノーブルシーズは、その前走で古馬A2特別を勝っているものの、さすがにこのメンバーに入ると厳しいだろう。今回は見送る。
◎トミノダンディ
○グッドストーン
▲テーマミュージック
△マヤノオスカー
昨年はメイショウバトラーとアグネスジェダイの実力が抜けていて、結果もそのとおり、馬連複130円、馬連短160円という固い決着。さすがにこのオッズでは馬券を買おうという気にはなかなかならない。
去年とはうってかわって、今年は中央勢4頭どの馬にもチャンスがありそうで、しかも地方勢にも一角崩しが期待される馬が何頭か。予想は難解だが、馬券的にはおもしろそうなメンバー構成になった。
7月20日のJRA函館・マリーンステークスは、トーセンブライトが直線で先頭に立ち、直後につけた1番人気のフェラーリピサがアタマ差届かずというレースだった。そのとき58キロだったトーセンブライトが今回は57キロ、逆にフェラーリピサは57キロから今回は58キロ。単純に斤量では今回トーセンブライトが有利になりそうだが、近走の勢いからフェラーリピサを中心にしたい。3走前、東京ダート1400メートルの欅ステークスはレコード勝ち。前々走の大沼ステークスはトップハンデ57.5キロでの勝利。500キロを超える馬格で58キロも克服可能と見る。
相手はもちろんトーセンブライト。ダート1400メートルでも実績は十分。
タイセイアトムは前々走の北海道スプリントカップJpnIIIは5着だったが、1400メートルの根岸ステークスGIIIではトーセンブライト(4着)に先着の2着という実績があり、逆転の期待も十分。
連覇を狙うメイショウバトラーだが、今シーズン船橋のマリーンカップJpnIIIを勝ったとはいえ、昨年ほどの勢いがない。さすがに8歳で衰えは否定できない。
北海道スプリントカップJpnIIIで2着のダイワメンフィスは、当時より充実した中央勢を相手にどこまで。
船橋から実績馬3頭が遠征してきたが、近走の成績からダートグレードで馬券にからめるかは微妙なところ。絶好調の戸崎圭太騎手でディープサマーが食い込めるかどうか。
地元の期待は昨年3着のテンショウボスだが、3着とはいえ勝ったメイショウバトラーから1秒9も離されていたことを考えると、このメンバーに入ると厳しい。
◎フェラーリピサ
○トーセンブライト
▲タイセイアトム
△メイショウバトラー
△ダイワメンフィス
△ディープサマー