7月26日に行われた函館のラベンダー賞。道営勢にとっては、今年はなんとも残念な結果だった。直線、イグゼキュティヴが追い込むもハナ差の3着。地方馬にとって函館2歳ステークスJpnIIIへの出走権は2着までで、なんとも大きなハナ差だった。
そのイグゼキュティヴは牡馬だが、ホッカイドウ競馬からラベンダー賞に出走したそれ以外の馬はすべて牝馬。ラベンダー賞には当然のことながら今年2歳のトップクラスが出走したわけで、中10日で行われる2歳牝馬のこのリリーカップは「空家」状態になるかと思われた。が、ほぼ連闘で出走してきたのがアンペアだ。
ラベンダー賞でのアンペアは、スタートで煽ってやや出負け。すぐに前をふさがれてしまい、ほとんどレースにならなかった。それゆえレースでの消耗は少ないことから、ここに出てきたということらしい。栄冠賞では2着に負けたとはいえ、出遅れながらゴール前でネフェルメモリーを追い詰めたレースぶりは圧巻。出遅れグセは心配だが、ここでもスピードの違いを見せつけるだろう。
スピードならヒケをとらないのがメンバー中唯一の3勝馬、クラフィンライデン。前走旭川1000メートルのオープン戦を、良馬場で1分1秒5というタイムは優秀。アンペアが出負けするようなら、この馬が一気に押し切るかもしれない。
注目はイケノナイン。今年最初のJRA認定レースを好タイムで勝ち、今シーズンの開幕からいきなり2歳馬のレベルの高さを見せつけた馬。そのデビュー戦以来約3カ月ぶりの実戦となる。
オープン戦でクラフィンライデンに4馬身差2着のシルバーカテリーナは、勝ち負けまでは難しそうだが、どこまで差を詰められるか。
◎アンペア
○クラフィンライデン
▲イケノナイン
△シルバーカテリーナ
今年の東海地区の3歳世代は、なかなか抜け出してくる馬がいない。前半ではサチコゴージャスが5連勝(うち重賞4勝)で注目を集めたが、距離が伸びた駿蹄賞、東海ダービーではゴール前でばったり、いずれも4着に敗れ、巻き返しを図ったオッズパークファンセレクションin笠松でもケイゾクをとらえきれず2着に負けてしまった。
牝馬ながら駿蹄賞を制し、東海ダービーでもタイム差なし3着のクロスウォーターは、牝馬同士ならと思われたサラ・クイーンカップで断然人気に押されながらも見せ場なく6着と敗れてしまった。
さて、ここで注目されるのが名古屋のヒシウォーシイ。中央2戦未勝利で名古屋に移籍し、7戦6勝、2着1回で臨んだ東海ダービーを制覇。ジャパンダートダービーJpnIはさすがに相手が強く、レースをさせてもらえず勝ち馬から5秒7離された10着だった。実績ではナンバー1だが、前走大敗の反動は気になるところ。
ならば地の利があるノーブルシーズを中心にしてみたい。たしかに東海ダービーはヒシウォーシイに2秒1差をつけられる9着と完敗だったが、前走地元の古馬A2戦を制した実績を評価したい。3歳馬がこの時期に古馬のこのクラスに入って勝ち負けになるのは力をつけている証拠。その前走も今回と同じ1700メートルだが、8馬身差圧勝の北日本新聞杯も1700メートルだった。得意の舞台で地元の意地を見せたいところ。
相手はもちろんヒシウォーシイだが、地元ではミシカにも期待したい。5月以降3歳戦とはいえ6戦4勝、2着2回と、こちらも力をつけている。2歳時、川崎の全日本2歳優駿JpnIに出走(11着)してきたときは、その前走サラブレッドヤングチャンピオンで5着に負けているのに「なんで、ここに?」と思ったものだが、やはりそれだけ期待されていた馬だったのだろう。前々走3歳A1の1700メートル戦を5馬身差で圧勝しているのも強調材料。
重賞経験豊富なトミノジョーンズも連下なら。
中央未勝利から兵庫に転入して2戦2勝のダイワマーベリックにも未知の魅力。
◎ノーブルシーズ
○ヒシウォーシイ
▲ミシカ
△トミノジョーンズ
△ダイワマーベリック