新春盃は、名古屋の1400メートルで行われるようになって今回で5年目。過去4年は明け4〜5歳の若い馬が勝っているが、今回は5歳馬が1頭いるのみであとは6歳以上。ベテラン勢の争いとなりそうだ。
中心は10月の笠松・スプリントを制したクィーンロマンス。前走12月20日のクリスマス特別では逃げてマイネフォクシーにクビだけ差されて2着。このメンバーでは能力上位。祖母はあのオグリキャップの半妹で笠松から中央入りして桜花賞を制したオグリローマン。ほんとうにこの血統からはコンスタントに活躍馬が出てくる。
相手には04年の笠松・スプリング争覇を制し、その後中央入り、今度は名古屋に移籍してきたスターエルドラード。前走はA2特別で3着だが、勝ったクィーンロマンスからクビ+1馬身半差。その2着はレジェンドハンターで、4着タワリングドリーム、5着オグリスキー、6着フジノテンビーと、A2特別にしてはレベルの高い一戦だった。
南関東から転厩緒戦のシャンハイチキータもこのメンバーなら即通用しても不思議はない。
あとは、南関東から笠松に移籍しこれが2戦目となるブルーロバリーに、メンバー中唯一の5歳馬ルンタ。
2年前の覇者で昨年2着だったオグリスキーだが、夏以降は一息の成績で、今回は馬券の対象としては厳しそう。
◎クィーンロマンス
○スターエルドラード
▲シャンハイチキータ
△ブルーロバリー
△ルンタ
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高知市長賞は、自身の持つ地方競馬最多勝記録をどこまで更新できるかというエスケープハッチに注目が集まる。近走は福山に遠征したタマツバキ記念を別とすれば、57kg以下では05年8月以来負けていない。この高知市長賞には3連覇もかかっている。
相手は、やはり前走で先着を許したムサシボウルビーとファルコンパンチ。斤量では今回エスケープハッチが1kg軽くなっているので再びの先着は難しいかもしれない。
◎エスケープハッチ
○ファルコンパンチ
△ムサシボウルビー
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荒尾の門松賞は、2年前までアラブ3歳の重賞として行われていたが、昨年は休止となり、今回サラブレッド3歳の重賞として復活した。
ここはフジヤマロマンの実績が断然。遠征した兵庫ジュニアグランプリGIIIは11着だったが、スタート後は勝ったトロピカルライトの2番手を追いかけるスピードを見せた。
相手には前走柊賞を勝ち、ここまで3戦3勝とまだ底を見せていないドリームインラブがフジヤマロマンを相手にどこまでのレースができるか。
あとは前走プリンセス賞を制したブルークマモトまで。馬券的には妙味の薄いレースかもしれない。
◎フジヤマロマン
○ドリームインラブ
△ブルークマモト
さて大晦日は、昨日も書いたがオッズパークの競馬場では重賞が5つある。
オッズパークのホームページで映像を見て、そして馬券を買うなら日本中どこでやっていようが関係ない。5つの重賞すべての馬券を買うというツワモノはどれくらいいらっしゃるのだろうか。場間場外の発売はそれほど行われてはいないと思うのだが、ちゃんと発走時刻をずらしてくれていてありがたい。ちなみに以下のとおり。
14:45 荒尾・肥後の国グランプリ
15:15 名古屋・尾張名古屋杯
15:25 水沢・桐花賞
15:50 笠松・東海ゴールドカップ
16:00 高知・高知県知事賞
それでは発走時刻順に予想を。
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肥後の国グランプリだが、ナムラハンニバルが佐賀に移籍し、テイエムデウスも不在のここは混戦。前走阿蘇杵島岳カップでそのテイエムデウスの2着だったフジエスミリオーネが、とちぎ大賞典以来の重賞タイトルのチャンスとなりそう。相手には同3着で、3走前には九州記念で差のない4着だったのダイキチムスメ。以下はシゲルスグレモノ、ツルギデンカあたりでどうだろう。
◎フジエスミリオーネ
○ダイキチムスメ
▲シゲルスグレモノ
△ツルギデンカ
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アラブの名古屋杯がなくなり、代わってサラブレッドの重賞として新設された尾張名古屋杯。
名古屋の有力勢はすでに20日の名古屋グランプリGIIに出走してしまい、ここは実質条件クラスの若い馬たちによる争い。
A3で2連勝中、重賞初出走でのタイトルを狙うニシノフィクサーから。
相手には川崎から移籍緒戦となるドリームデューク。前走南関東B2勝ちなら、ここでいきなり通用してもおかしくはない。
あとは、A2での勝ち鞍があるマイネルクラックスに、サンキンツヨシ、マウタンまで。
◎ニシノフィクサー
○ドリームデューク
▲マイネルクラックス
△サンキンツヨシ
△マウタン
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桐花賞は3歳勢に期待したい。岩手では、メイセイオペラ、トーホウエンペラーと、わりと近い時期に2頭のスターが活躍したが、それ以降は全国区での活躍馬が久しく出ていない。今年、2歳のエーデルワイス賞GIIIをパラダイスフラワーが制したが、今年の3歳勢のレベルも高く、ぜひともダートグレード戦線で活躍してほしいところ。
というわけで狙いは3歳の3頭。サイレントエクセルかオウシュウクラウンかどちらを中心にしようかと迷ったが、ここはダービーグランプリGIで3着、クイーン賞GIIIは10着だったが中央勢に揉まれた経験からサイレントエクセルのほうにしておく。
相手は当然オウシュウクラウン。前走はニッショウウララに逃げ切りを許したが、展開のアヤで力負けではない。
阿久利黒賞でオウシュウクラウンと差のないレースをしたテンショウボスも古馬勢と比較しても見劣りはないだろう。
◎サイレントエクセル
○オウシュウクラウン
▲テンショウボス
△ゲイリーエクシード
△ニッショウウララ
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東海ゴールドカップは、ちょっと残念なくらい手薄なメンバー。ここは岩手に遠征して重賞を制したオグリホットを中心に、タイガーロータリー、ニッシングリンなどオープン馬による争いでしかたない感じ。
◎オグリホット
○タイガーロータリー
▲ニッシングリン
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16時発走でこの日最後の重賞となる高知県知事賞。シルキーゲイルがいないここは、珊瑚冠賞でそのシルキーゲイルを振り切って勝ったマイネルリチャードから。福山に遠征した交流戦では2着に敗れたが、前をとらえればというレース展開でうしろから来たチェリーキングに差されたのは誤算で、これは参考外。
本線は珊瑚冠賞3着のニッタレビューで、以下は2連勝で復活のきざしの見えたストロングボス、中央から移籍後勝ち星はないが堅実に入着を続けているマルタカシャインまで。
◎マイネルリチャード
○ニッタレヴュー
▲ストロングボス
△マルタカシャイン
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予想をしていて思ったのだが、こういうふうに立て続けに各地で行われる重賞は、馬券を売るのは無理としても全5レースの勝ち馬を当てるコンテストのようなものをやったら盛り上がると思うのだが、いかがでしょう。オッズパークさん。
いよいよ今年もあと3日となった。オッズパークの競馬場では大晦日イヴ(とは言わんか)には2つ、大晦日にはなんと5つも重賞が行われる。
年末はただでさえ飲む機会が多く、それだけで財布の中身がどんどんと軽くなっていくのに、さらに馬券で負けると大変なことになる。
いや、兵庫ゴールドトロフィーは断然人気のメイショウバトラーが思わぬ凡走ですでに財布は軽くなってきているのだ。
決して大儲けまでは望まないので、せめて馬券で飲み代の補填ができる程度には当たってほしいもの。
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というわけでまずは笠松のライデンリーダー記念なのだが、これは難しい。移籍緒戦の馬が2頭いて、初顔合わせとなる対戦が多いからだ。
笠松の既成勢力では、ジュニアクラウンで2、3着だったトミノダンディ、オーナーズクリークに、デビューから2連勝のマルヨフェニックス。
転厩組は、旭川・フローラルカップ2着で北海道から移籍してきたビヨンザシーに、水沢・白菊賞を制して岩手から移籍してきたオーナーズスキャン。
馬券になるのはここらあたりの馬だろう。で、ここはジュニアクラウン2着のあと、JRAで揉まれてきたトミノダンディから狙ってみたい。
相手には水沢で2連勝の勢いでここに臨むオーナーズスキャン。以下、ビヨンザシー、オーナーズクリークで、マルヨフェニックスは持ちタイムが見劣りするが、2連勝はいずれも楽勝だけに一発の可能性も捨てきれない。
◎トミノダンディ
○オーナーズスキャン
▲ビヨンザシー
△オーナーズクリーク
△マルヨフェニックス
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そして園田ジュニアカップ。
ここは兵庫ジュニアグランプリGIIIで地元の期待を背負い3番人気に押されながらも5着に敗れたタッカーテンビーが断然。勝ったトロピカルライトには差をつけられたが、それ以外とはそれほど差のない競馬だった。
相手も同じく兵庫ジュニアグランプリGIIIに出走(10着)したゴールデンウィークでいいだろう。ここに出てきた何頭かとはすでに対戦しているが、タッカーテンビー以外には決定的な差をつけて勝っている。
兵庫ゴールドトロフィーではメイショウバトラーがらしくないレースで人気2頭の一角が崩れたが、ここはこの曾和厩舎の2頭でしかたないように思う。
3着争いは勝ったり負けたりのメンバーで甲乙付けがたいが、セイザンブルーム、パディフィールド、スピーディバロンあたりだろうか。
ただこの3着争いグループは、上位2頭に真っ向勝負にいけば惨敗もあるだろうし、逆に着を狙いにいけばそれなりの好走もできるだろうし、そのあたりの取捨が難しい。
◎タッカーテンビー
○ゴールデンウィーク
△セイザンブルーム
△パディフィールド
△スピーディバロン
ブルーコンコルドが南部杯GIを勝ったときに服部利之調教師は「JBCも使うけど、年末の園田(兵庫ゴールドトロフィー)が目標」と言っていたのがなんとも印象的だった。
さて、その真意はどこにあったのだろう。1400メートルなら確実に勝てるという自信だったのだろうか。それとも園田に行きたい何かがあったのだろうか。
とはいうものの、いざフタを開けてみるとここには出てこずに翌日の東京大賞典GIのほうを狙ってきた。強敵になりそうなのはアジュディミツオーとシーキングザダイヤくらいだし、JBCマイルでの直線での伸びを見れば2000メートルまでこなせると思っても不思議はないかもしれない。ジャパンカップダートも9着だったとはいえそれほど大きく負けているわけではない。
ちなみにぼくは、東京大賞典GIのほうは休み明けのアジュディミツオーより、そのブルーコンコルドを本命にするつもりだ。
さて、28日に行われる兵庫ゴールドトロフィーGIIIだが、ブルーコンコルドのいないここは、JBCマイルで直線一旦は先頭に立ち見せ場をつくったメイショウバトラーに勢いがありそうだ。
相手には東京盃GII勝ちのリミットレスビッド。58キロがどうかだが、このレースはここ4年、59キロを背負った実績馬が連対している。岩田康誠騎手が鞍上なのもプラス材料。
おそらく人気の組み合わせだろうからあまり手は広げられないが、押さえには昨年の覇者ニホンピロサート。そして地方勢で可能性があるるとすれば、船橋のコアレスデジタル。クラスターカップGIII(盛岡)で、勝ったアグネスジェダイから0秒6差の4着だけに、3連単の3着なら十分にありそうだ。
地元の期待はジョイーレ、ベストタイザンあたりだが、どちらもメイショウバトラーと競り合って勝負になるイメージはなく、ここは見送る。
◎メイショウバトラー
○リミットレスビッド
▲ニホンピロサート
△コアレスデジタル
ばんえい競馬は昨年から通年開催となったことで、ばんえいダービーがこの時期にずれた。そのため3歳三冠の最終戦となり、今年はクリスマスのダービーとなる。
ばんえいの3歳戦戦はここのところ牝馬が圧倒している。ばんえいダービーはここ4年連続で牝馬が優勝。今シーズンの三冠もここまでは、一冠目のばんえい大賞典がニシキユウ、二冠目のばんえい菊花賞がエメラルドと、いずれも牝馬が制している。
そして今回のばんえいダービーに出走してきた牝馬はその2頭だが、格を考えると、ここはやはり牡馬から狙ってみたい。
中心は、ばんえい菊花賞3着も、その後帯広に来て2連勝のニシキセンプー。相手には、菊花賞で1番人気に支持されながら7着に敗れたホクショウダイヤ。どちらも帯広コースで良績を残しているだけに、ここで雪辱したいことろ。
連下には、菊花賞馬エメラルドに、同2着のナカゼンスピード、それにばんえい大賞典2着、菊花賞4着のカネサテンリュウまで。
◎ニシキセンプー
○ホクショウダイヤ
▲エメラルド
△ナカゼンスピード
△カネサテンリュウ
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佐賀版の有馬記念といわれる中島記念(12月24日、佐賀2000メートル)。
人気どおりの決着となった11月12日の九州大賞典から、今回は1着のヤマノブリザードと2着のレイテストモデルが抜けた。したがって、そこで3、4着だったタイキシリウス、コウエイベストと、別路線からの馬たちとの比較となる。
その別路線組では、まずギオンスピード。今年は2月から9連勝でA級まで出世。前走は3着に敗れたものの、安定感は抜群だ。さらには荒尾から移籍してきたナムラハンニバル。転厩後は4、2着だったが、その後は2連勝で本来の走りを取り戻した感じだ。
で、やはり中心はタイキシリウス。常に重賞で上位を賑わしていて、いまだに重賞タイトルがないというのが不思議なくらい。ここは初重賞制覇のチャンスだろう。
◎タイキシリウス
○ギオンスピード
▲ナムラハンニバル
△ザオリンポスマン
△コウエイベスト
それで気づいたのだが、中島記念というグランプリレースにもかかわらず、今回は佐賀の重賞を勝ったことのある馬が1頭もいない。プリンシパルリバーの2〜3歳時の重賞勝ちを別とすれば、ナムラハンニバルの大阿蘇大賞典、コウエイベストの九州記念(06年)、インターレジェンダの九州記念(05年)と、いずれも荒尾でのタイトル。波乱の目もありそうだ。