このブログで張り切って復活させた「帰ってきた今月のヤキソバ」だが、この日とこの日にいずれも笠松のヤキソバを取り上げたきり後が続かない。
で、マーキュリーCで盛岡に行ったときに食べようと思っていたのだが、以前にも一度食べたことがあって、どうにもイマイチっぽいヤキソバしか見当たらなかったので断念してしまった。あんかけヤキソバみたいなのもあったような気がしたのだけど、競馬場のヤキソバといえば、やっぱソースヤキソバでしょ。というわけで盛岡のヤキソバは見送り。
というか、どこの競馬場でも売店などはだいぶ改装、縮小されているようで、最近ではヤキソバならどこに行ってもある、という状況にはなかなかならずにちょっと寂しかったり。
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さて、23日(日)は盛岡競馬場で3歳馬による芝の重賞「オパールカップ」が行われる。フルゲート14頭のうち、6頭が他地区からの遠征だ。
以前に書いたかもしれないが、岩手の重賞はほとんどが全国交流になっていて、こうして他地区から多数の遠征があり、レースとしてワクワクするし、予想のしがいもある。
とはいうものの、地元岩手で岩手競馬の馬券しか買わないという人にとってはどうなのだろうと、ふと思ったり。もしかして、「こんな見たこともない馬がたくさん出るレースの馬券なんか買えん」という意見があっても不思議ではない。
メンバー構成にもよるのだろうが、他地区の馬がたくさん出てくる重賞と、地元馬ばかりの重賞と、どっちが馬券が売れるのかちょっと調べてみたいような気もする。
そしてオパールカップだが、出走馬をざっと見渡すと、重賞勝ち馬は地元岩手のブラックショコラのみ。前々走、芝1600メートルのはまなす賞では、ジャパンダートダービーGIで3着と好走したオウシュウクラウンに半馬身差まで迫る2着。地元の利もあり鞍上が菅原勲騎手とくればこの馬が本命だろう。
対抗は笠松のシホウネリ。昨年10月のジュニアクラウン2着のあとは、7戦すべて中央の芝を使われ、3着が最高だが常に勝ち馬とそれほどないレースをしている。
さらに、芝は初出走となるが船橋のジェスターズコートにも期待したい。ダーレー・ジャパン所有のUAE産で、ここまで8戦して3着を一度も外していないという堅実さ。ここ2戦は大井で2連勝と調子を上げている。
以上3頭の争いだろう。あとは離れて地元のツルマルオーカンとグリーントマトまで。
◎ブラックショコラ
○シホウネリ
▲ジェスターズコート
△ツルマルオーカン
△グリーントマト
マーキュリーカップGIIIは、一応はスターキングマンが1番人気にはなったが、6番人気までが単勝10倍以下という混戦。しかし結局は中央勢が上位3着までを占め、6番人気のクーリンガーが勝った。昨年3月のマーチステークスGIII以来の勝利で、「休み明け3回叩かれて調子が上がっていた」という岩本調教師の言葉が勝因でもあるのだろう。
ただ今回は人気が割れていたように一長一短のメンバーで、たとえばクーリンガーがすんなり好位につけられたのに対し、今回も人気はなかったが前に行けないとレースができないスナークレイアースが内枠で包まれて行き場をなくし、まったくレースにならなかったように、展開や運に左右された面も大きい。もう一度同じメンバーでやればまったく違う結果になるような気がする。
まあ、負け惜しみだが……。
さて、19日(水)には兵庫の3歳三冠最終戦、菊水賞が行われる。
ここは兵庫ダービーで3着以下を引き離し一騎打ちを演じたチャンストウライとジョイーレのどちらが勝つかというレースでしかたないような気がする。
「両雄並び立たず」という格言があったり、競馬だから結果的に実力どおり決まらないこともあるかもしれないが、過去の成績や映像を元に予想するとなれば、やはり2強の一騎打ちという結論になる。
マーキュリーカップのときに盛岡競馬場で会った某カメラマンさんは、メイセイオペラ産駒ということでジョイーレの取材を続けているのだが「勝ったところを一度も見たことがない」と嘆いていた。そう、どんな相手とでも惜しいレースばかりで、不思議なことにジョイーレにはまだ重賞タイトルがない。
ベテラン川原正一騎手だけに、兵庫ダービーと同じようなレースはしないだろうということで、ジョイーレを本命にする。もちろん相手はチャンストウライ。
3着候補としては、ここ2戦は大敗だがいずれも古馬とのレースで、兵庫に移籍後は3歳戦で1戦1勝のモエレヤマト。それから、兵庫ダービートライアルを勝って、本番では6着だったオリエンテーリングあたりでどうだろう。
◎ジョイーレ
○チャンストウライ
△モエレヤマト
△オリエンテーリング
岩手からはコンスタントにダートのチャンピオンホースが出ているが、不思議と地元のダートグレードでの勝ち鞍が少ない。
マーキュリーカップGIIIはメイセイオペラのみ。クラスターカップGIIIは岩手勢の勝ち馬がなく、地方勢では名古屋のゴールデンチェリーが勝っているのみ。中央との交流になって以降のダービーグランプリGIは中央馬が全勝。メイセイオペラとトーホウエンペラーが勝って唯一岩手勢2勝がGIの南部杯だというのも興味深い。
こうして並べてみて気づいたのだが、4つもダートグレードがありながら、地方他地区の勝利はなんとゴールデンチェリーただ1頭しかいない。
今年のマーキュリーカップGIIIもご多分にもれず中央勢が優勢だ。5頭いずれもがダートグレードの常連で、少なくともダートグレードで2勝を挙げている。スナークレイアースに至ってはダートグレードの常連どころかこのマーキュリーカップにはこれが5度目の出走となる。
今回は抜けた人気になりそうな馬はなく、どれも一長一短。
GI馬スターキングマンは59キロが微妙で、03年の東京大賞典GI以来勝ち星から遠ざかっている。
クーリンガーも昨年のマーチステークスGIIIを勝って以来1年以上勝ち星がない。そのうえ今年は3戦して掲示板にすら届いていない。
牝馬2頭は牡馬との混合では分が悪い。レマーズガールは昨年の名古屋大賞典GIIIでクーリンガーと半馬身差の2着があるのみ。グラッブユアハートは昨年の白山大賞典GIIIからダートグレード3連勝したときはかなり強くなった印象だったが、前走スパーキングレディーカップGIIIでまったく走る気を見せなかった。
昨年3着のスナークレイアースは11歳になった今年、2戦とも大敗している。
どれを中心にするか難しいところだが、過去4戦してすべて3着以内という適性を重視してスナークレイアースを本命にする。昨年3着、一昨年1着のときも、そこに至る過程では必ずしもいい成績は残していない。単勝や連単の頭ではなく、あくまでも連勝の軸ということで。
2番手にはグラッブユアハートを指名する。前走スパーキングレディーカップGIII・7着は、「馬場入りしたときから走る気がなくダメだと思った」と安藤勝己騎手が言っていたとおり、この結果は例外として目をつぶる。
地方他地区からも興味深いメンバーが挑戦してきた。金沢のビッグゴールド、ビッグドンは、いずれも中央から移籍後これが3戦目となる。天皇賞・春2着などがあるビッグゴールドのほうが注目度は高い感じだが、ダートでの実績に乏しい。むしろここでは移籍前のアンタレスステークスGIIIで5着したビッグドンのほうが勝負になりそうだ。みちのく大賞典を勝った大井のコアレスハンターにも可能性がある。
◎スナークレイアース
○グラッブユアハート
▲スターキングマン
△ビッグドン
△コアレスハンター
16日に佐賀競馬場で行われる吉野ヶ里記念(1400メートル)は、8月15日に同じ舞台で争われるサマーチャンピオンGIIIの地元九州地区の前哨戦となる。
そのサマーチャンピオンで3着までに入った九州地区の馬はこれまでのべ2頭。03年2着のカシノオウサマと、04年3着の同じくカシノオウサマだ。
そのカシノオウサマの吉野ヶ里記念での成績はというと、03年は優勝で04年は2着だった。前哨戦としての役割を果たしているともいえるが、地元九州勢にとっては、過去5年で3着までに入っているのがカシノオウサマの2回のみというのは寂しい気もする。
さて吉野ヶ里記念だが、2500メートルで行われていた時代も含め、04年の第6回までは単勝1倍台の圧倒的人気馬が勝っていたが、昨年はこの流れが変わり、4番人気(単勝17.8倍)のオーミヤボレロが勝った。
今年は大井の帝王賞GIに遠征した(9着)ヤマノブリザードが人気になりそうだが、6月11日の国見岳特別(2000メートル)ではタイキシリウスにハナ差で敗れているだけに断然人気とはならないだろう。しかもそのタイキシリウスは、6月25日の黒髪山特別(1400メートル)でイカルガに半馬身及ばず2着に敗れている。
1400メートルの距離適性を考えると、タイキシリウスよりもむしろイカルガのほうに分がありそうだ。
ヤマノブリザードもデビュー地のホッカイドウ競馬に所属した2歳時を除けば、中央時代は一貫して芝を使われ、1400メートル戦への出走は1度あるのみでマイル以上を中心に使われてきた。
イカルガとヤマノブリザードの直接対決はまだないが、昨年のサマーチャンピオンで地元最先着の4着と健闘したイカルガを本命にしたい。ただしヤマノブリザードも佐賀に移籍してからのレースぶりを見れば圧勝があっても不思議はなく、印は対抗だが馬券的にはこの2頭が中心となる。そして3番手には当然タイキシリウス。
荒尾からは5連勝で九州王冠を制したテイエムデウスが挑戦してくるが、3月のはがくれ大賞典(佐賀)で6着に敗れていることや、荒尾での相手関係を見ると勝ち負けまでは厳しそうだ。
昨年の覇者オーミヤボレロは、それ以来1年間勝ち星から見放され、成績が冴えない。
連下で可能性がありそうなのは、5月の祖母山特別(2000メートル)でヤマノブリザードに1馬身差まで迫ったザオリンポスマンと、ランノホシまでだろう。
◎イカルガ
○ヤマノブリザード
▲タイキシリウス
△ザオリンポスマン
△ランノホシ
7月8,9日にばんえい岩見沢開催に行ってきた。9日の日曜日は特に天気がよかったこともあり、家族連れなどが多く競馬場は賑わいを見せていた。
今、ばんえい競馬を現地で観戦して楽しいことのひとつに、野外でジンギスカンが堪能できるということがある(ただし日曜日か祝日に限られる)。これはファンサービスの一環として調騎会の仕切りで行われているもの。1人前600円はかなりお得だ。
さて、この7月からオッズパークでもばんえい競馬の馬券が買えるようになった。
ばんえい競馬は、馬体重1トン前後の馬たちによるバトル(?)を実際に間近で見たほうがより楽しめることは間違いない。しかし、ネット上での観戦&馬券でもかなり楽しめることも間違いない。
地方競馬は少頭数になると固い決着になることが多く、馬券的に面白みに欠けると思われがちだ。ところがばんえい競馬の場合、フルゲートが10頭にもかかわらず、そんなことはないと断言できる。
たとえばぼくが岩見沢に行った8日は、全12レース中馬連複が3桁配当だったのは3レースしかない。だからといって大荒れになるわけでもなく、20〜60倍程度の賭け甲斐のあるレースが多かった。
というのは、ばんえい競馬の場合はたとえ同じようなメンバー同士のレースであってもさまざまな要因によってまったく違う結果になることも珍しくないからだ。
ひとつは馬場の水分量によるもの。平地の競馬が馬場状態を良・稍重・重・不良で表すのに対し、ばんえい競馬では水分量がパーセントで細かく表示される。それだけレースに与える影響が大きいためだ。
平地の場合も馬場状態による巧拙はあっても、実力とかけ離れた結果になることはそれほど多くない。ところがばんえい競馬では展開がまったく違うものになってしまうのだ。
もうひとつはソリの重量によるもの。平地でも別定戦やハンデ戦はあるが、500キロ弱から1トンのソリの重量によって争われるばんえい競馬は、10キロ程度の増減でもレースがまったく違うものになってしまう。近走と比較して10キロの増減をどう読むかが予想の最重要ファクターであるといってもいい。
それから第2障害でどういうタイミングで仕掛け、越えられるかということも結果を大きく左右する。普段は楽に障害をクリアしているような大本命馬が、なんらかの理由によって障害で手間どったりすることもある。
そのため、たとえば単勝1.1倍、馬連複でも2倍を切るようなガチガチのレースでも簡単にひっくり返ってしまうようなこともよくあるのだ。
大きいくくりとしては同じ「競馬」だが、平地の競馬とばんえい競馬は、まったく別物と考えるほうがいい。
予想の視点がかなり違うので最初は戸惑うかもしれないが、コツがわかればこんなに楽しいものはない。
ばんえい競馬未体験の方は、ぜひともオッズパークでばんえい競馬にトライしてみてはいかがだろうか。